俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

小説中毒が厳選した最高に面白い小説(101~107冊目)

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どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

日々読書に明け暮れ、面白い本を探すことに人生を注ぎ続けている私。そんな生粋の読書中毒である私が「これは最高だろ」と言える作品を集めた記事の第2弾である。

小説というのは、読んでみなければ面白いかどうか分からない。そして、読み終えるのには大体3時間ぐらいは取られてしまう。かなり効率が悪い。それだけの時間をかけて読んでみて「なんじゃこの糞小説は?!」となったら、目も当てられない。

 

皆様が少しでも効率よく、面白い小説にアクセスできるようお手伝いできれば幸いである。

 

では行ってみよう。

 

※第1弾はこちら

 

 

101 いつか、虹の向こうに 著:伊岡瞬

 

尾木遼平、46歳、元刑事。ある事件がきっかけで職も妻も失ってしまった彼は、売りに出している家で、3人の居候と奇妙な同居生活を送っている。そんな彼のところに、家出中の少女が新たな居候として転がり込んできた。彼女は、皆を和ます陽気さと厄介ごとを併せて持ち込んでくれたのだった…。優しくも悲しき負け犬たちが起こす、ひとつの奇蹟。第25回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞、W受賞作。 

 

抜群の筆力とリーダビリティで、ぐいぐい読ませる優秀ミステリー。デビュー作でこれって…伊岡瞬は優秀すぎる。みんなもっと伊岡瞬を絶賛しろ。

プロットは強固だし、会話は小気味よいし、ハラハラ・ドキドキは盛り込んであるしで、これさえあればいいっていうのが揃ってる。小説界のイオンみたいな作品。

けっこうキツイ描写で重い所もあるけれど、全体的にどこかオフビートで、思わずふっと吹き出してしまう瞬間がある。

 

 

102  そして、バトンは渡された 著:瀬尾まいこ

 

森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」 身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作

 

かなりトリッキーな設定の珍しい作品。地味な装丁も相まって、期待半分ぐらいで読んでみたのだが、これがまあ素晴らしい。不覚にも泣いちゃったよ。

描写や会話のいちいちに暖かさが満ちていて、読んだ人を幸せにしてくれる作品である。

青春を描いているので、読んでいて苦しくなる部分もあるが、それもまた作品の味わい深さである。存分に楽しんでもらいたい。

 

日々を忘れて心を軽やかにしてくれる、素晴らしい一冊。本屋大賞をかっさらったのも納得です。

 

 

103 竜が最後に帰る場所 著:恒川光太郎

 

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。降りしきる雪の中、その集団に加わったぼくは、過去と現在を取り換えることになった―(「夜行の冬」)。古く湿った漁村から大都市の片隅、古代の南の島へと予想外の展開を繰り広げながら飛翔する五つの物語。日常と幻想の境界を往還し続ける鬼才による最重要短編集。 

 

この面白さは未体験。書評ブロガーとしての役割を放棄するような発言になるけど、マジで面白さを表現する語彙がない。っていうか、この世界にまだ存在してないんじゃないだろうか。無理に表現するとするならば、「世にも奇妙な物語っぽい」かな…?

なので、この面白さを味わいたかったら読むしかない。恒川光太郎の作り出す、少し奇妙で、独特な浮遊感をもたらす読書体験は、他の作家では無理だ。

ありきたりなドラマとか、プロットで楽しませるタイプの作品ではないので、面白さが永遠に風化しないと思う。隠れた名作としてずっと愛されることだろう。

 

 

104 幕が上がる 著:平田オリザ

 

ある地方の高校演劇部を指導することになった女性教師が部員らに全国大会の出場を意識させる。高い目標を得た部員たちは恋や勉強よりも演劇ひとすじの日々に。演劇強豪校からの転入生に戸惑い、切磋琢磨して一つの台詞に葛藤する役者と演出家。彼女たちが到達した最終幕はどんな色模様になるのか。爽快感を呼ぶ青春小説の決定版! 

 

どストレートに良い小説。気持ちよく読める青春モノ。でも他では見られない裏切りが用意してあるのがニクい。どんな裏切りかは読んでのお楽しみ。

ももクロ主演で映画化もされている。ちょっと観てみたけど、本作の魅力は毛ほども伝えていなかった。完全に別作品。ありゃダメだ。

青春ものの良さが全部入っているんだけど、ありきたりな展開は一切排除されているのが凄い。作者の性格の悪さが出てますな。うん、好きだよ。

 

 

105 モンスター 著:百田尚樹

 

田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた 未帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だった——。

 

稀代のストーリーテラー百田尚樹による、整形をテーマにしたドロドロ小説。

見た目問題をエンタメとして昇華するために、かなり過剰な演出が盛り込まれているけれど、面白ければなんでもいいの好例。

というか、細けえことは置いていて、面白さでぶん殴れる百田尚樹はやっぱり凄い。どれだけ嫌われて叩かれようが、作家は面白いものを書ければ正義である。

 

実写映画化されてるらしいけれど、整形前のメイクは相当お寒い感じになってるんでしょうなぁ…。

“画”の強さを好き放題に描けるのは、やっぱり文章メディアの強み。

 

 

106 私の頭が正常であったなら 著:山白朝子

 

突然幽霊が見えるようになり日常を失った夫婦、首を失いながらも生き続ける奇妙な鶏、記憶を失くすことで未来予知をするカップル、書きたいものを失くしてしまった小説家、娘に対する愛情を失った母親、家族との思い出を失うことを恐れる男、元夫によって目の前で愛娘を亡くした女、そして事故で自らの命を失ってしまった少女。暗闇のなかにそっと灯りがともるような、おそろしくもうつくしい八つの“喪失”の物語。 

 

絶妙な怖さと切なさを持った、味わい深いホラー短編集。

ホラーとは言うものの、怖がらせることを全面に出しているわけではなくて、物語のエッセンスにほんの数滴垂らされてる程度。

軽い文章なのに、どこから胸をぎゅっと締め付けてくるような切なさがある。奇妙な話なんだけど、ほんのりと救われるような温かさがある。

私は小説をオススメするかどうかを決めるときに、「その作品でしか味わえないものがあるか?」を条件としているのだが、この作品はまさに、である。

心に染み込むような、怖くも優しく温かい物語。ゆっくりと味わってほしい。

 

個人的に、2018年に読んだ本ベスト1位の作品である。

→ 読書中毒ブロガーが2018年に読んだ年間ベスト10冊を発表する

 

 

107 海賊島事件 著:上遠野浩平

 


海賊。―それは常に奪う側に立ち、奪われる側には決して立たぬ者。魔法が文明を支配する世界の中で、海賊ムガンドゥ一族に略奪される危機が訪れる。全面戦争も辞さぬ強大な魔導艦隊が彼らに要求するもの、それは完全密室の中で起きた殺人事件の容疑者だった―全世界が緊張する中で海賊は一人の女を呼ぶ。その名はレーゼ・リスカッセ。そして彼女には、仮面を付けたとても奇妙な友人がいて―この世で最も美しい死体と、三代に亘る一族の歴史をめぐる因果の先に待つものは、勝利か敗北か、それとも―。


これは入れようかどうか迷ったんだよなぁ。

いや、面白いのは間違いない。保証しよう。ただ、前作を読んでおかないと、面白さが半減してしまうので、それが不安だったのだ。ただそれだけ。

 

きめ細かい設定と、繰り広げられる話の展開にめちゃくちゃ興奮したし、ニヤケが止まんなかったよね、実際。傍から見たら完全にイッちゃってる人だったと思う。誰にも見られてなくて本当に良かった。

 

特にクライマックスのシーンは垂涎モノ。オマージュに溢れたラスト一行も大好き。必読。(注:私は上遠野浩平の熱狂的なファンである)



こちらが前作。超好き。装丁も愛してる。

 

以上。新たな作品を見つけ次第、随時更新させていただく。