俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

【随時更新】小説中毒が厳選した最高に面白い小説1~100冊目
これまでの人生で買って良かったものまとめ
読書中毒者が選ぶ最高に面白いノンフィクション&エッセイ
Twitterの叡智集合。#名刺代わりの小説10選を1300人分まとめてみた

SF小説好き1480名に聞いた「絶対に読んどけ」っていうSF小説ランキング

 

 

どうも、読書中毒ブロガーの ひろたつです。一生寝てたいタイプです。

 

今回は界隈が大盛りあがりだった企画。

 

 

 

 

いらん前置き

 

私がバカの一つ覚え的に、Twitterのタグ集計記事を書き出して早三年。

マジでひとつ覚えすぎて感動すら覚えるが、苦労の割に報われた覚えはなく、都合のいい尻軽情報提供ブロガーとして覚えられている。くそっ、覚えとけよ。

「覚える」をどんだけ連発できるか試してみただけなので意味はない。だから、いらん前置きって書いてあったでしょ?

 

ここ最近の私はブロガーとしての本分を全うしようと、皆さんが欲しがるであろう情報を提供することに努めてきた。

しかし数年前の記事を読み返してみると「君たちはいつまでフランスパンの横暴を許すのか?」みたいなのを書いてて、本来の私は皆さんの貴重な人生の時間を無駄遣いさせることが本分だったはずだと思い出した。

そういえば台湾の超天才オードリー・タンだって「意義あることとは、食欲が満たされること、十分な水が摂れること、そしてぐっすり眠れること」と語っていたぐらいだし、それ以外のことはすべて人生における無駄なのである。

だから記事に価値もクソもないのだ。ということで、私は心置きなく駄文をたれ流せるわけだ。はっはっは。

 

 

まだ続くいらん前置き

 

集計記事を読もうとわざわざ記事を開いてくれた方の大半がブラウザバックをしたであろうから、そろそろ本題に入ろう。ようこそ残りのどうしようもない方々。

 

冒頭から勢いに任せて書きなぐっているが、とにかく集計記事である。

 

これまででは、ずっと私のアイデアだけで集計企画案を出してきたが、そろそろ限界が来てるっぽかった。マンネリである。

ということで、都合のいい尻軽情報提供ブロガーらしく、皆様の要望をお伺いすることにした。良いように使われてこそ私の存在意義が生まれる現状なのだから仕方ないだろう。

 

 

で、皆様から極熱な要望をもらったのが、こちら!!

 

 

 

 

SF

 

 

 

 

どシンプル。

シンプルに“ど”もなにもないだろうが、このたったふたつのアルファベットに多くの愛や興奮が詰まっているというのは、なかなか興味深い。なんならすでに条件反射的に興奮しちゃってる方もいるんじゃないだろうか。大丈夫か。ヨダレを拭きたまえ。

 

 

SFが生み出す“熱”

 

ということで、Twitterの協力を仰ぐため #絶対に読んどけっていうSF小説 のタグを作成し、皆さんに好き放題つぶやいていただいた。

 

…つもりだったのだが、つぶやきの熱量を超えて叫んでるようなツイートが散見された。

SFという燃料を投下した途端に、息を吹き返した変態が多くいらっしゃったようである。

 

これまでも色んな読書関係のタグを作ってきたけど、SFに関する熱量は群を抜いていた

みんないつもなら作品名を並べるだけで終わりなのに、各作品についてつらつらと溢れる想い綴ってみたり、雄叫びを添えてみたり、「これ以外ないだろっ!」とネットパワハラ的発言を披露される方もいた。

 

私がSFにあまり明るくないのでピンと来ていなかっただけで、このジャンルには人を熱狂させるなにかがあるようだ。

そりゃ集計企画に対して要望も殺到するわ。

 

 

集計の概要

 

私の集計記事を見慣れていない方もいるかもしれないので、集計ルールについて説明しておく

 

①作品名が出たら1票としてカウント

②同じ人の同じツイートは不可。リツイートも同様。

③ひとつのツイートの中で複数回言及されていても1票としてカウント。

④シリーズものに関しては、みんなのツイートを見た雰囲気で

 (※ただし、ひろたつが「これはシリーズもの」と独断で決めつけている場合もあります)

⑤すべてのツイートを集計し、票数が多い順にランキング付け

 

このルールで、#絶対に読んどけっていうSF小説 のタグが付いたツイートをすべて手作業で集計したのが今回の記事である。

実に参加人数1480名、全部で1876ツイート。膨大すぎる。SF人気すげー。作業量やべー

 

 

さあいい加減、おびただしい量のいらん前置きにウンザリした空気が充満してきた。

さすがのどうしようもない方々も限界を迎えているだろう。私も上質な無駄を提供できて満足&にっこりしているので、そろそろランキングに入ろう。

 

いつもならあまりにも情報量が膨大になってしまうので、上位20位ぐらいから発表している。

だが「SF小説好きは情報が多いのが好き」という確固たる偏見を私が持っているので、40位からの全204作品を紹介する。

 

 

それではTwitterが選ぶ、SF小説の頂上決戦である。

 

お楽しみあれ。

 

 

※集計作業時間の都合上、4票以上からのランキング発表となります

 

 

40位    4票    

 

まずは4票を獲得した40位の発表。

全部で57作品がランクイン。

 

 

~~~~

 

『11人いる!』

『Ank:a mirroring ape』      

『アイザック・アシモフの作品全般』      

『あたしの中の…』      

『あなたのための物語』      

『いずれすべては海の中に』      

『イリーガル・エイリアン』      

『ウィザーズ・ブレイン』      

『ウルフガイ』      

『オイレンシュピーゲル』      

『カエアンの聖衣』      

『ガニメデの優しい巨人』      

『キャプテン・フューチャー』      

『クリス・クロス』      

『ゲイルズバーグの春を愛す』      

『ゲームウォーズ』      

『ジョナサンと宇宙クジラ』      

『スカーレット・ウィザード』      

『ストーカー』      

『たんぽぽ娘』      

『ディアスポラ』      

『デッド・ゾーン』      

『ノーストリリア』      

『バーサーカー』      

『ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?』      

『ロシュワールド』      

『わたしたちが光の速さで進めないなら』      

『宇宙の孤児』      

『宇宙船ビーグル号の冒険』      

『家畜人ヤプー』      

『海を見る人』      

『皆勤の徒』      

『機龍警察』      

『光の塔』      

『降伏の儀式』      

『魂の駆動体』      

『最後にして最初のアイドル』      

『司政官シリーズ』      

『失われた過去と未来の犯罪』      

『失われた世界』      

『所有せざる人々』      

『消滅の光輪』      

『神は沈黙せず』      

『図書館戦争』      

『石の血脈』      

『折りたたみ北京』      

『知性化戦争』      

『地球人のお荷物』      

『帝王の殻』      

『農協月に行く』      

『発狂した宇宙』      

『密やかな結晶』      

『夢幻会社』      

『霧笛』      

『零號琴』      

『老人と宇宙』

 

 

39位    5票    

 

5票を獲得した39位は24作品がランクイン。

 

 

~~~~

 

 

『アンドロメダ病原体』

『キャッチワールド』      

『クラインの壺』      

『さよならジュピター』      

『しあわせの理由』      

『スノウ・クラッシュ』      

『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』      

『ナイトウォッチシリーズ』      

『フェッセンデンの宇宙』      

『マーダーボット・ダイアリー』      

『愛はさだめ、さだめは死』      

『宇宙戦争』      

『五分後の世界』      

『光の王』      

『屍者の帝国』      

『紫色のクオリア』      

『侍女の物語』      

『時砂の王』      

『接続された女』      

『地球移動作戦』      

『地底旅行』      

『猫のゆりかご』      

『輪廻の蛇』      

『老ヴォールの惑星』

 

 

 

38位    6票    

 

6票を獲得した38位は18作品。

順調に選抜されていっております。

 

 

~~~~

 

 

『…絶句』

『All You Need is Kill』      

『おもいでエマノン』      

『クラッシャージョウ』      

『ゲームの王国』      

『スラン』      

『ダーティペア・シリーズ』      

『タイタン』      

『ヒト夜の永い夢』      

『ユービック』      

『ようこそ地球さん』      

『リプレイ』      

『レンズマン』      

『楽園の泉』      

『造物主の掟』      

『博物館惑星』      

『妖星伝』      

『妖精作戦』

 

~~~~

 

『レンズマン』に関しては、シリーズでツイートされている方もいらっしゃったが、すべて統合させていただいた。

 

あと気づいた方もいるかもしれないが、短編集の作品名と、収録されている短編だけでツイートされている方がいた。

その場合は、それぞれ別の作品として集計している

私の説明が下手くそなので意味が伝わらないかも知れないが、別にそれでもあなたの人生にはまったく影響ないので気にしないでもらってOKだ。本当にすいません。

 

 

37位    7票    

 

7票を獲得した37位は11作品。

 

 

~~~~

 

 

『ウは宇宙船のウ』

『宇宙のランデヴー』      

『航空宇宙軍史シリーズ』      

『重力が衰えるとき』      

『声の網』      

『第四間氷期』      

『猫の地球儀』      

『膚の下』      

『流れよわが涙、と警官は言った』      

『旅のラゴス』      

『涼宮ハルヒシリーズ』

 

 

36位    8票    

 

8票を獲得した36位は、15作品。

 

~~~~

 

『Self-Reference ENGINE』      

『アド・バード』      

『あなたの魂に安らぎあれ』      

『クローム襲撃』      

『ジェノサイド』      

『スローターハウス5』      

『虚航船団』      

『銀色の恋人』      

『時をかける少女』      

『人類補完機構』      

『星虫』      

『地球の長い午後』      

『地球はプレイン・ヨーグルト』      

『都市と星』      

『竜の卵』

 

 

~~~~

 

いつも集計記事を作っていて不思議に思うことがある。

 

最初の1票とか2票だと作品数が倍ぐらい違うのに、この辺りの順位になるとランクインする作品数がほとんど同じになる。

どんなジャンルで集計しても、この傾向は変わらない。統計学的なもので説明できるのだろうか。よく分からんけどベルカーブとか。

サイエンスが好きでバカにも説明できる自信のある方、教えて!!

 

 

35位    9票    

 

9票を獲得した35位は、たったの7作品。

 

 

~~~~

 

 

『スワロウテイル』    

 

『リングワールド』      

 

『ロボット(R.U.R)』

 

『華竜の宮』      

 

『午後の恐竜』    

 

『高い城の男』      

 

『第六大陸』

 

 

 

34位    10票    

 

10票を獲得した34位は10作品。

 

~~~~

 

『know』   

 

『アイの物語』    

 

『タイタンの幼女』   

 

『デューン砂の惑星』    

 

『パプリカ』     

 

『ブラッド・ミュージック』  

 

『フランケンシュタイン』    

 

『ボッコちゃん』  

 

『わたしを離さないで』      

 

『百年法』

 

~~~~

 

集計作業で毎度手こずるのが、英語表記とカタカナ表記である。

今までも散々苦しんできたがSF小説は特にその傾向が強い。ここに入っている『デューン』とかそうだし、37位の『All You Need is Kill』もそうだ。

こうやって、英語表記とカタカナ表記あった場合に、どちらか一方で統一せずに、皆さんの大方の意向を汲んで作品名の表記を変えてる。ちゃんと集計にも加えてるし。

どうだ、私がどれだけ聖人君子なのか分かるだろう。※偉そうに語ってますが、間違って別々に集計している可能性もあるので教えてくれると助かります。

 

 

33位    11票    

 

11票を獲得した33位は7作品のみ。

 

~~~~

 

『BEATLESS』      

 

『ヴァーチャル・ガール』      

 

『ひとめあなたに』      

 

『渚にて』      

 

『酔歩する男』      

 

『星へ行く船』      

 

『息吹』

 

 

 

32位    12票    

 

12票を獲得した32位は、5作品のみ。

ここらに来ると、さすがに絞られてきます。

 

 

~~~~

 

『タイム・マシン』      

 

『海底二万里』      

 

『星界シリーズ』      

 

『敵は海賊シリーズ』      

 

『夜来たる』

 

 

~~~~

 

愚痴ばっかで申し訳ないのだが、これはやっぱり言わずにはいられないので吐き出させてほしい。

 

『海底二万里』のタイトル適当すぎ。

 

私が見かけてだけでこれだけのパターンがあった。

 

『海底二万里

『海底2万マイル

『海底二万海里

 

 

単位の意味とは一体…?

こんなに単位が軽んじられるのなんて、デシリットル以来だ。いい加減にしたまえ。

 

もしかしたら界隈では周知の事実なのかもしれんが、SFに明るくなく、さらにこうやって集計作業を余儀なくされている私にとっては最悪過ぎた。

 

蛇足だろうが、それぞれのタイトルをキロメートル換算するとこうなる。

 

『海底8万km』

『海底3.2万km』

『海底3.7万km』

 

以上。愚痴終わり。ランキングの続きをお楽しみください。

 

 

31位  13票    

 

31位は4作品のみ! 少なっ!

 

~~~~

 

『グリーン・レクイエム』      

 

『マイナス・ゼロ』      

 

『虎よ、虎よ』    

 

『紙の動物園』

 

 

 

30位    14票    

 

30位は2作品。

 

~~~~

 

『タイム・リープ』    

 

『七瀬シリーズ』

 

~~~~

 

七瀬シリーズも各作品名でツイートがあったが、私の独断でシリーズとして統合させていただいた。

未読の作品なので見当違いなことをしている可能性は大だが、私のような人間の場合、見当正しいなことの方が珍しいので、他人に期待するクセを見直すいい練習になったと思って我慢してほしい。

 

それはそうと『タイム・リープ』はコンパクトにまとまった時間旅行ものとして屈指の名作なので個人的に激推しである。快感がやべえから。

 

 

29位    15票    

 

29位は5作品がランクイン。

 

~~~~

 

『グラン・ヴァカンス』     

 

『すばらしい新世界』    

 

『ハイペリオン』    

 

『ファウンデーション』    

 

『天冥の標』

 

~~~~

 

最初にも書いたけど、皆さんのツイートがけっこう熱量高めだったんだけど、『天冥の標』は特に熱量の高さが目に入った気がする。全10巻もあるからこそなんだろうけど、のめり込んで血肉となった感じが伝わってます。

「タグを見てるだけで満たされます」という声ももらったけど、よく分かる。

 

 

28位    16票    

 

28位は1作品のみ!!

 

~~~~

 

『エンダーのゲーム』

 

 

~~~~

 

「少年エンダーの成長がRPGみたいでずっと面白い」という評を見てからというもの、読みたくて仕方なくなってる。

普段SFものを通ってこなかったゆえに、このランキングを作りながら脳内積読がとんでもなく増えてってる気がする。どうしよう。映画の方も高評価だし、そっちで我慢しとくべきか…。

 

 

27位    17票    

 

27位は4作品がランクイン。

 

~~~~

 

『なめらかな世界と、その敵』   

 

『闇の左手』   

 

『復活の日』   

 

『冷たい方程式』

 

 

~~~~

 

 

 

あっさり紹介するのは、ここまで。

 

 

さて、26位からの紹介をしていくが、一応データを紹介しておこう。

 

 

今回Twitterで募集して、皆さんからいただいたSF小説が全部で大体950作品ある。

このあとの1~26位で出てくる作品が全部で34作品。つまり上位3%ほどの傑作たちなのである。

26位と聞くと、しょぼい順位に感じるかもしれないが、相当数の作品の上に存在していることを理解してほしい。

 

 


では続きを行ってみよう。

どんなラインナップになるか一緒に予想して楽しんでくれ。

 

 

 

26位    18票    

 

 

『日本沈没』

 

 

 

「日本が(物理的に)沈む」という大胆すぎる設定で、発売された年のたった一年間で385万部も発行されたバケモノ作品である。

未曾有の大災害を迎える中での人間心理だったり、国際情勢、政治的駆け引きなど、生臭いレベルまで落とし込んでいる手腕は圧巻。思わず色んな出来事と重ね合わせて考えてしまう。

ちなみに筒井康隆の『日本以外全部沈没』は1票の42位でした。

 

 

 

25位    19票    

 

 

『マルドゥック・スクランブル』

 

 

 

『天地明察』で本屋大賞を受賞した冲方丁が放つ、スピード感と熱量に満ちたサイバーパンクSF。

 

殺されかけた少女が謎の科学者に助けられて自分を殺そうとした男を追う物語。

入り組んだ設定に、大量の登場人物、小洒落た言い回しに、少女の成長物語と、情報量がてんこ盛りだけど、さすがの筆力で読者に軽やかに読ませてしまう。手が止まらんとはこのこと。

後半はカジノの攻略方法ばかりの話になるんだけど、それもまた熱量と興奮に満ちていて最高なので存分に楽しんでほしい。

 

 

24位    20票    

 

 

『果しなき流れの果に』

 

 

 

またしても小松左京!!

 

“永遠に砂の落ち続ける砂時計”が発見されたことをきっかけに、10億年に及ぶ時空を超えた戦いの存在が明らかになる、スケールでかすぎな名作。

 

SFの肝といえばやはり作者のぶっ飛びつつも地に足の付いた想像力だと思う。その点で小松左京の『果しなき流れの果に』はお手本のような作品だろう。

当時の知識を総動員して書かれているので、今からすれば齟齬が発生している部分はあるだろうが、それでも作品としてのスケール感や、「寄り」で描かれるドラマには普遍の面白さがあるだろう。

 

小松左京の怪物っぷりを存分に味わえる作品である。…っていうか、これを雑誌連載で書いてたのか。マジでバケモンじゃねーか。

 

 

23位    21票    

 

21票を獲得した23位は4作品がランクイン。

 

 

~~~~

 

 

『2001年宇宙の旅』    

 

 

 

天才キューブリックによって映画化された名作中の名作。

なにやら「映画原作」と言うと怒られるらしいが、あまり詳しくないのでこのような紹介をさせていただく。いろいろ難しいぜ!

 

私は映画も小説も見ていないのだが、折に触れて色んな作家さんからこの作品について語られるのを見たり聞いたりしているし、オマージュ作品が大量に生まれていることも知っている。きっと読めば、「あー、これが元ネタだったのか」と思わされることがたくさんあるのだろう。

めちゃくちゃ具体的な宇宙活動の様子が描かれているんだけど、書かれたのはアポロが月面着陸に成功させるよりも前だったというのだから驚き。

 

 

~~~~

 

 

『宇宙の戦士』    

 

 

ミリタリーSFとして名高い、巨匠ハインラインのヒューゴー賞受賞作。

パワードスーツに身を包み、地球連邦軍における宇宙最強部隊と、異星人との戦いを描いた、どストレートにカッコ良く、骨太に楽しめる作品。

著者自身が第2次世界大戦の経験者なので、戦いの描写だったりがリアルなのはさすが。

よく言われているそうだけど、ガンダムを始めとするパワードスーツもののルーツがこの作品でもある。「ガンダムってロボットじゃないの?」と思われた方。黙っておくのが賢明である。

 

 

~~~~

 

 

『歌う船』    

 

 

乙女の心とチタニウムの身体を持つ宇宙船の活躍を描く、傑作オムニバス長編。

 

優秀な頭脳を持ちながら、機械の助けがなければ命を維持できない少女。その生命に宇宙船という体が与えられる。宇宙船の形をしていても、喜び、悲しみ、歌う姿はやはり少女だった。

…という信じられない設定なのだが、読んでるうちに宇宙船が完全に女の子に見えてくるのだから不思議である。かわいい。

SFっぽい硬さが少ないので、SF慣れしていない方にもオススメである。

 

 

~~~~

 

 

『月は無慈悲な夜の女王』

 

 

22位のラストはこちら。またしてもハインライン。人気すぎ。

 

2076年、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言する。

1隻の船も1発のミサイルも持たない月世界人がどうやって、強大な力を持つ地球勢力に戦いを挑むのか?

戦いの先頭に立つのは、体を持たないロボット“マイク”。これこそまさに現代のAIの発想であり、情報戦によって未来を切り開いていく。

AIの利点と問題をこの時代の時点で見抜いてたの、凄すぎる。ハインラインの天才っぷりに慄くわ。

 

それにしてもタイトルが美しすぎる。ずっと見てられる美女みたい。いや、美女王か。

 

 

22位    22票    

 

22位は2作品がランクイン。

 

~~~~

 

 

『チグリスとユーフラテス』     

 

 

 

少子化が進んだ世界で、最後に産まれてしまった子供をめぐる物語。

滅びゆく惑星にひとり取り残されたルナが、コールド・スリープについていた人々を順に起こしていき、目覚めたものたちによって語られる惑星の“逆さ年代記”という構成が面白い。

 

生命を生み出すこと、その意味を考えさせ、感動さえ超える感情にさせてくれる、日本SF大賞受賞作である。

 

 

~~~~

 

 

『火星の人』

 

 

 

あえて安っぽい称賛をさせてほしい。

 

アンディ・ウィアーは天才。

 

科学とか物理の知識がぽんぽん出てくる、けっこうガッチリとしたSFなんだけど、私のような学のない人間でも心の底からめちゃくちゃ楽しめるから問題なしだ。

元はネットで無料で発表されていたテキストだったらしいのだが、人気が出すぎて、出版、映画化まで駆け抜けたってんだから、ずば抜けた面白さが伺えるでしょ?

 

ちなみにだけど、作者のアンディ・ウィアーは若干15歳にして国立研究所でプログラマーとして働いてたという本物の天才です。

 

 

21位    24票    

 

 

『ニューロマンサー』

 

 

 

サイバーパンクの起源とされる名作。

「絶対に読んどけっていう」というタグで募集したからだろうから、こういうブレイクスルー的な作品が多く票を集めているのも、今回のランキングの特徴である。

とは書きつつも、私が本当にSFに詳しくないので具体的な歴史とか関係性に言及できないのが申し訳ないのだが。

散文的で独特な表現には、SF小説としてだけでなく、文学としても評価が高い。

 

個人的に最高だった評はこれ。

 

ただでさえ読みづらいと評判の、黒丸節がくねくね冴え渡る傑作翻訳。

 

 

20位    25票    

 

20位は3作品がランクイン。

 

 

~~~~

 

 

『われはロボット』
   

 

 

アシモフ御大はそりゃ入るわな。王様でしょ。

 

第一原則「ロボットは人間に危害を加えてはならない」

第二原則「第一原則に反しない限り、人間の命令に従わなくてはならない」

第三原則「第一、第二原則に反しない限り、自身を守らなければならない」

 

あまりにも有名なロボット三原則が登場する作品である。

この三原則を軸に構成された連作短編集であり、名作ミステリーとしても名高い。私はミステリー好きなのでそっちの方向からアシモフの名はよく知っていた。

ロボットについて書きながら、人間の本質に迫っていく構成は見事。

 

ニワカなのでキダ・タロー然としたアシモフの顔しか知らなかったけど、若い頃があんなにイケメンだったとは。

 

 

~~~~

 

 

『銀河ヒッチハイク・ガイド』
   

 

 

SF小説には賢いイメージが付きまとう。そりゃそうだSはサイエンスである。サイエンスがバカであってたまるか。

しかしこちらの『銀河ヒッチハイク・ガイドシリーズ』はバカ丸出しである。バカSFの巨星である。希望の星である。

 

銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと“ガイド”―。シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作。

 

性悪なブリティッシュジョークとウィットに富んでるので、合わない人にとっては最悪かもしれない。そのぶんハマる人には最高の作品になるようだ。

BBCの超人気ラジオドラマを小説化したもので、全世界で1600万部以上売れている。性格の悪い人がそれだけいたということでもある。

 

 

~~~~

 

 

『星新一どれでも』

 

 

異色のランクイン。どれでもって…。

果たして今回のランキングにとって意味があるのか無いのか。しかし星新一がどれだけ偉大な作家だったかよく分かる結果である。

 

1480人中24人が「星新一全部」と答えているのだから、恐るべき割合である。日本人には星新一が染み付いている。

 

 

19位    26票    

 

19位は2作品がランクイン。

 

~~~~

 

 

『鋼鉄都市』
      

 

 

アシモフ御大がまたしても登場。

 

こちらもロボット三原則をルールに据え、人間の刑事と人間にしか見えないヒューマノイドが組んで事件の解決を目指す。

さきほどの『われはロボット』でもミステリー的と書いたけど、こちらの『鋼鉄都市』はよりミステリーしている。ハラハラ・ドキドキもたっぷりと盛り込まれており、止めどころが分からなくなるレベルで、読めてしまう。

 

 

~~~~

 

 

『百億の昼と千億の夜』

 

 

西方の辺境の村にて「アトランティス王国滅亡の原因はこの世の外にある」と知らされた哲学者プラトンは、いまだ一度も感じたことのなかった不思議な緊張と不安を覚えた……プラトン、悉達多、ナザレのイエス、そして阿修羅王は、世界が創世から滅亡へと向かう、万物の流転と悠久の時の流れの中でいかなる役割を果たしたのか?——壮大な時空間を舞台に、この宇宙を統べる「神」を追い求めた日本SFの金字塔。

 

さっぱり分からん…。

 

未読の作品だったので、参考にしようとアマゾンの紹介文を読んだのだが、一体どう切り取ればいいのか分からず、まったく太刀打ちできなかったので、そのまま引用させていただいた。どういう話なのでしょうか?

 

でも最初に「すげー風呂敷広げたタイトルだな」と思っていたけど、それに相応しいレベルの壮大な物語であることは分かった。想像力の限りを尽くして、読者をとんでもない世界観へと連れて行く感じがする。

 

皆さんの感想を抜粋すると、その雰囲気がよく分かるだろう。

 

「魂の奥まで届きます」

「抱いた感想はまさに無限の空間と永遠の沈黙が語る荒漠たる寂寥感のリアルな重みでした」

「私の人生の柱となった」

「何度も引っ越したが、この本はいつも一緒に移動している」

 

 

18位 29票

 

 

『ソラリス』

 

 

 

意志を持った海によって覆われた謎の惑星“ソラリス”。

解明に乗り出した心理学者ケルヴィンは、調査を続けるうちに次第にソラリスの海に囚われていく。

 

冒険やスリラーといった要素で読者を引っ張りながら、「人間とはなにか」という哲学的な問いかけを提供し、人を超えた生物への想像を味わえる。

濃密で、まさしく他では味わえないハードなSFを楽しめる傑作である。

 

 

17位    31票    

 

 

『たったひとつの冴えたやりかた』

 

 

16才の誕生日プレゼントとして両親からスペースクーペをもらった少女コーティーは、念願だった星空へと旅立った。だが冷凍睡眠から目覚めると、コーティーの頭にはイーアというエイリアンが住み着いていた。意気投合したふたりは、宇宙探検へと繰り出すが、実はイーアには恐るべき秘密があった…。

 

緩やかに繋がった3編が収められた短編集。そしてSF最高タイトル四天王のひとつ。(ひろたつ調べ)

 

軽めのタッチで描かれたSFだけど、物語の核心にあるテーマは非常に重く、爽やかさや感動とともに深い思索も生み出してくれる。

1話目が出色の出来なので残りの2話の印象が薄くなりがち、という感想が散見されるが、どんだけインパクトが強いのか未読の私は気になって仕方がない。「冴えたやり方」が何だったのか知りたい!!

 

 

16位    34票    

 

 

『火星年代記』

 

 

出ました、ブラッドベリ。

こちらもSFに明るくない私でもよく聞く名前である。未読なのは相変わらずだけど。

ほんとさっきから知らない作品ばかりで申し訳ない。詳しくないやつが語るやな、と思われるだろうけど、ランキングを作ってるという一点だけを評価してほしいし、褒めちぎってほしいし、なんなら胴上げでもOKだ。高所恐怖症だけど。

 

火星を舞台にオムニバス短篇で抒情豊かに謳いあげたSF史上に燦然と輝く永遠の記念碑。

Amazonの商品ページに書いてある、褒めちぎりが凄まじい紹介文である。小説かと思ってたけど記念碑だったのか…。

 

それは冗談として。

20年間にわたる地球人による火星侵略を描いた物語で、オムニバス形式になっているので、非常に読みやすいだろう。

ちなみにみんな大好き星新一がこの作品に影響を受けている、と書けば『火星年代記』がどんな面白さを有した作品かよく分かるはずだ。星新一の名がこんな印籠的な効果を発揮する機会があるとは知らなんだ。

 

 

15位    35票    

 

 

『あなたの人生の物語』

 

 

こちらも天才の呼び声高い、テッド・チャンである。

『あなたの人生の物語』はSFに詳しくない方にとって一番分かりやすい紹介は、映画『メッセージ』の原作であることだろう。『巨大ばかうけ』の原作でも伝わるかもしれない。

著者の卓越した想像力と洞察力が全開に発揮された作品で、絶賛の声を見かける一方で、「頭を使いすぎる!!」とぷりぷりになっている方も見かけた。

 

「人間が自らの知性や肉体の限界を超えたとき、何が起こるか?何を理解して何を理解できないか」を見せてくれる稀有な作品集である。

見たことのない世界まで、想像力の羽を広げたい人はぜひ。

 

 

14位    39票    

 

 

『華氏451度』

 

 

華氏451度――それは紙が自然に燃える温度。

 

本の所持や読書が禁じられた、架空の社会における人間模様を描いた作品ってんだから、本好きがこの設定に燃えない…じゃなくて萌えないわけがないでしょ。いや、やっぱり燃えるかも。

それにしても、恐ろしくセンスのいいタイトル。ブラッドベリ、思いついたとき絶対にニヤけてたでしょ。

ブラッドベリいわく、これは情報を制限する検閲に対する物語ではなく、安易な情報ばかりのテレビによる文化の破壊を描いた作品とのこと。

 

周囲を見渡せば、誰もがスマホ片手に手軽なSNSやYouTubeばかりを眺めていて、文化の破壊は目前という気がしてくる。

以前お話した編集者の方も、本当に本が売れないと嘆いておられた。厳しい時代である。

 

 

13位    42票    

 

 

『戦闘妖精・雪風』

 

 

南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。反撃を開始した人類は、「通路」の彼方に存在する惑星フェアリイに実戦組織FAFを派遣した。戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、孤独な戦いを続ける特殊戦の深井零。その任務は、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情かつ冷徹なものだった―。

 

うわっ、やばっ!!

めちゃくちゃ面白そうだし、完全に私のツボにハマる匂いがする…。

さすがに書かれたのが1984年ということもあり、ガジェットの古さは否めないものの、芯となる物語は抜群に面白く、再読に耐えうる名作と評判である。

アップルが初代マッキントッシュを発売した年も1984年だというから、当時にこんな作品と出会っていたら、信じられないほど興奮しただろう。やっぱりSFはその時代によって最高にクリティカルな瞬間があると思う。

 

以前から読書仲間のツイートでこちらの作品名をよく見かけてはいたんだけど、まさかこんな面白そうな話だったとは。

どうする私。積ん読山を高くする覚悟があるのか?

 

 

12位    49票    

 

 

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

 

 

 

はい、至高。以上。

 

 

(こんなに面白い小説、10年に一冊とかそんなレベルでした。読んでる間、意識が宇宙になりすぎてて、読了後に外に出たら凄い変な感覚になって、すべての風景が愛おしかったです。こんな傑作を生み出してくれた作者と、いるんだとしたら小説の神に大感謝)

 

 

11位 51票

 

 

『1984年』

 

 

 

これはベスト10に入ると予想してた人が多いんじゃないだろうか。

SF小説として括りのレベルを超えて愛される、文学界に燦然と輝く名作である。

 

思想や発言だけに限らず、うわ言や寝言までが反逆罪の対象となる世界を描いた、究極のディストピア小説。

何が凄いってこの作品は、常に「その時代の真実」を描いていることだ。発売された当時もそうだったし、この記事を書いている現代でも「今を描いている」と評されている。

つまり、ジョージ・オーウェルという稀有な作家は、人間の本質を真摯に突き詰めたからこそこんな物語を生み出せるのだ。

かなりエグい描写もあり精神的にキツい物語だが、その痛みが伴うからこそこの作品が伝えたいことが伝わるのではなかろうか。

 

 

~~~~

 

そろそろランキングも大詰めになってきた。

慣れていないランキング記事になってしまったので、その筋の方々が楽しめているのかどうか不安で仕方ない。

しかし私の実力はこんなもんなので、どうか「期待せずにゴミ箱を眺めていたら、たまたま探しものが見つかった」ぐらいの感覚で読んでもらえると助かる。今更書くことじゃないだろうし、例えとしても全然ピンと来ないことを書いてしまった。誠に申し訳ございません。

 

では、SF小説好き1480名が選んだ955作品の頂点に立つ、ベスト10の発表である。

 

 

行ってみよう。

 

 

10位

 

では第10位!!

 

 

52票!!

 

 

 

フィリップ・K・ディック…

 

 

 

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

 

 

 

 

「最高タイトル」の代名詞こと、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』である。

一度目にしたら永遠に忘れない美タイトル。数年前にタイトルだけに限定したランキングを作ったことがあったけど、あのときはぶっちぎりの1位でした。分かる。

 

タイトルばかりに話題に上って意外と内容を知らない方がいるかもしれないで、あらすじを貼っておこう。

 

第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しか飼えないリックは、かくて火星から逃亡した〈奴隷〉アンドロイド八人の首にかかった賞金を狙って、決死の狩りを始めた!

 

映画『ブレードランナー』の原作としても有名で、人間とアンドロイドの違いを描きながら、「人間とはいったい何なのか」「本物であることの意味」という現代でも議論される哲学的問いかけを物語に落とし込んでいる。

 

SF小説を普段読まない人だけじゃなく、読書の習慣がない人でさえ虜になる名作である。

 

 

9位

 

さあどんどん行こう。第9位!!

 

 

60票獲得!!    

 

 

 

田中芳樹…

 

 

 

 

『銀河英雄伝説』

 

 

 

 

!!!!

 

 

 

冒頭で「SFを勧める人は独特の熱量がある」って書いたけど、たしかに私もそうなるわ。でも『銀英伝』を読んで興奮しない人間なんていないでしょ。いたとしてもドライアイスの剣ぐらいでしょ。

 

あと『銀英伝』がSFかどうかという括りに関する話には興味ありません。

とりあえず最高。それだけで十分。田中芳樹愛してる。謀殺してほしい~。

 

 

8位

 

続いては~第8位!!

 

 

61票獲得!!   

 

 

 

ダニエル・キイス…

 

 

『アルジャーノンに花束を』

 

 

 

これは意外かも!!

 

もちろん世界的名作だし、皆さんが大好きなのも理解している。私も中学のときに出会って「こんなおもしれー仕掛けが施された本があるのか?!」と度肝を抜かれて、それ以来、度肝なしで生活を送っている。返せ、度肝。

それよりも「絶対に読んどけっていうSF小説」の括りでこれが出てくるとは思わなんだ…。ちなみに以前作った「鬱小説」のランキングでもかなりの上位に食い込んでいたので、読み方次第で色んな味わいがある作品なのだろう。

 

だいぶ有名なので概要は説明の必要がないだろうが、一応。

 

大人なのに幼児なみの知能しかないチャーリイが、手術によって次第に知能を上げていくという物語。

面白いのが、全編を通してチャーリイの手記、という体裁をとっていること。

つまり、チャーリイの知能に合わせて、文章も次第に巧みになっていく仕掛けが施されているのである。

あらゆる国で翻訳されているが、日本語の場合だと「ひらがな」「カタカナ」「漢字」と色んな種類の文字があるので、チャーリイの変化がより視覚的に伝わるようになっている。

これは度肝抜かれて当然でしょ。ところで度肝って何?

 

 

7位

 

次っ!! 第7位!!

 

 

63票獲得!!

 

 

 

伊藤計劃…

   

 

 

 

『虐殺器官』

 

 

 

 

出ました。伊藤計劃。

書店で初めて『虐殺器官』の表紙を見たとき、すげえタイトルに加えてまったく読めない著者名が黒字に白でデカデカと書いてあって、「君は一体…?」となったのをよく覚えている。

 

タイムマシンも、宇宙空間も、アンドロイドも出てこないけれど、かなりハードなSFである。

なんてったって「虐殺」からの「器官」だからね。「虐殺機関」ならまだストーリーも想像の範疇だけど、「虐殺器官」となったら訳分からんでしょ。でもそれが肝なんすよ、先輩。度肝まだあります?

強烈なので具体的な内容に触れたいところだけど、ネタバレをすると著しく面白さを損ねてしまうので、この順位が面白さの証左だと理解していただきたい。

 

ちなみに鬱小説ランキングでは堂々の14位でした。

 

 

6位

 

あっという間にベスト10もこれで折り返し。

 

 

第6位!!

 

 

 

68票獲得!!    

 

 

 

貴志祐介…

 

 

 

 

『新世界より』

 

 

 

 

世界一面白い小説。

 

読む前に脳汁補充しとけ。足りなくなるから。

 

 

5位

 

残りわずか!!

 

 

第5位!!

 

 

69票獲得!!

 

 

 

アーサー・C・クラーク…

 

 

 

 

 

『幼年期の終り』!!

 

 

 

 

いやー、さっきから凄いメンツばかりで、どうやって紹介すればいいのか分からんくなってきたよ。みんなの感想を見ても、どの作品に対しても「傑作!!」って言葉が踊ってて、SFオンチの私でも今回のランキングが相当に贅沢なヤベーもんになってる気がしている。

 

で、『幼年期の終わり』だ。

名前を見かけてはいたけど、どんな話かさっぱり知らなかった。知らなかったので調べたら、なんという美味そうな設定…

しかも大風呂敷を広げた、設定で勝負しているだけの作品ではなく、最高のプロットが冴えわたってるらしいじゃないか。めちゃくちゃ気になる。

 

異星人の宇宙船が地球の主要都市上空に停滞してから五十年。その間、異星人は人類にその姿を見せることなく、見事に地球管理を行なった。だが、多くの謎があった。宇宙人の真の目的は? 人類の未来は?――巨匠が異星人とのファースト・コンタクトによって新たな道を歩みはじめる人類の姿を描きあげた傑作!

 

地球を「幼年期」だと想像しちゃうなんて、マジでクラークの頭脳どうなってんの?

かなり昔、アガサ・クリスティの作品を読むたびに「この人、全部やっちゃってるじゃん。こんなの卑怯だろ」って思ったことがあるんだけど、それと似た感覚をクラークにも感じる。創作の分野において、黎明期に天才が現れるとあらゆる発想の芽を刈り取ってしまうのだ。

 

たくさんの感想を読んだけど、その中でも一番好きな感想がこちら。

 

達観の到達点。

 

 

 

4位

 

惜しくもベスト3を逃した、第4位!!

 

 

71票獲得!!

 

 

 

 

劉慈欣…

 

 

 

 

『三体』!!!!

 

 

 

 

圧倒的な人気を誇る中国が生んだ最強SF作品が見事ランクイン。

全世界でシリーズ2900万部超えという快挙を達成しており、ここ数年のSFシーンを引っ張る主人公的存在である。

 

これだけ過去の名作、傑作がぞろぞろしてるランキングなのに、発表されて数年しか経ってないのに4位に食い込んでいる。『三体』がどんだけ衝撃的な作品なのかを如実に表しているだろう。

 

先ほども書いたけど、SF作品には面白さをクリティカルに味わえる時期があると思う。そういう意味で『三体』はまさに今だろう。

Netflixで映像化するとのことだが、正直なところ、この壮大で人間の想像力の限界に挑戦したような作品は、映像化作品を見る前に自らの脳内で映像化して楽しむべきだと思う。

その楽しみ方は、映像作品から影響されていない無垢な頭脳しかできないから。

 

SFの満漢全席。ご堪能あれ。

 

 

3位

 

名作しか出てこない、カロリーの高すぎるこのランキングも残すところあと3つ

泣いても笑っても名作しか出てこないから、きっとみんなも全く異論はない顔ぶれになったと思う。

それでもあと3つである。大好きな作品に入っていてほしいと願うのが、ファンの自然な心理だと思う。それでは、あなたの推し作品が入っているか確認しようか。

 

 

では、堂々の第3位!!!!

 

 

 

得票数は一気に増えて…85票獲得!!

 

 

 

 

またしても伊藤計劃…!!

 

   

 

 

『ハーモニー』!!!!

 

 

 

 

伊藤計劃はまさかのベスト10に2作品がランクインである。これは快挙でしょ!!

 

こちらの『ハーモニー』は7位に入った『虐殺器官』での騒乱を乗り越えた人類の話である。

その時代は、ほとんどの病気や怪我が克服され、誰もが優しく、白くて清潔に満ちた倫理観に満たされた“ユートピア”になっていた。

 

このユートピア具合がクセモノで、幸福を追求したのに真綿で首を絞められるような息苦しさを感じてしまう。そしてそれが堪らなく…堪らんのだ!!

 

よくこんな世界を生み出せたもんだと思うし、このクライマックスを用意した伊藤計劃は、日本が誇って良い才能である。ベスト10に2作入るのも納得である。

 

こんな素晴らしい作家だが、惜しくも34才という若さで亡くなっている。本当に惜しい才能を無くしたものだ。このランキング結果が少しでも餞になるといいのだが…というのは、さすがにおこがましすぎるか。

 

 

2位

 

どうだろうか。もうランキングの予想はついてしまっているだろうか。

それともさっきから傑作&名作を浴びてるせいで、訳が分からなくなってしまってるだろうか。それはそれで楽しんでいただけると幸いである。

ちなみに私は慣れない作品群に触れすぎたせいで、普段使ってない脳みその部分がひどく疲弊しているのが分かる。仕事でもこんなに疲れないよ…。

 

とまあ、この最強なランキングの準グランプリを発表しようとしているというのに、ネガティブな話をしだして申し訳ない。元気出していこう。おー。うん、ツラい。

 

では数々の名作たちの上に君臨する、堂々の準グランプリを紹介しよう。

 

 

 

 

第2位!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

得票数は、3位とけっこうニアピン

 

90票獲得!!!!!

 

 

 

 

ロバート・A・ハインライン…

 

 

 

 

 

 

…と来れば…?

 

 

 

 

 

 

せ~っの!!!

 

 

 

 

 

 

『夏への扉』!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

真っ当~。

 

名作なのは言うまでもないけど、何よりも作品としての弱点が少ないからこそ、ここまで多くの人に支持されているのだと思う。

 

恋人と友人に裏切られ、愛と財産をも失った発明家の主人公。彼は愛猫ピートともに冷凍睡眠で30年後の未来にゆく。失ったものは取り戻せるのかー?

 

SF設定を活かしているだけで堅苦しさがないから、どんな人にも勧められる作品である。

特に中盤から加速度的に物語が盛り上がっていき、エンディングに向かって駆け抜けていくようなストーリーは爽快感抜群。いざ読み始めれば、ページをめくる手が止められなくなること請け合いである。「今まで読んできた小説の中で一番面白かった」というシンプルだけど強力な感想が寄せられるのもよく分かる。

 

人物描写も素晴らしいし、展開は最強だし、なによりも猫が可愛い

 

面白すぎて一生忘れられない。

そんな作品である。

 

 

 

1位

 

さあ遂にこの長すぎるランキングもようやくフィニッシュである。

さっさとランキングを発表してしまえば簡単に終わるのに、こうやって余計なことをいちいち書いているから終わらないのである。自分が愚かすぎて泣ける。

 

とはいえ、全然売れていないがこれでも私はブロガーである。

私ができる限りのことで皆さんが少しでも楽しめるように努力するのが本分というものだろう。出せるものは出し尽くすべきだ。ほんと死にたい。

 

さあさあ、膨大すぎる作業のせいでいい加減メンタルが崩れてきたので、完全に廃人になる前にランキングを終わらせてしまおう。

 

 

では発表しよう!!

 

 

 

絶対に読んどけっていうSF小説ランキング!!

 

 

参加者総数、1480名。

 

総ツイート数、1876ツイート。

 

総作品数、955作品。

 

 

その頂点に立つ、栄えある第1位!!!!

 

 

 

得票数…

 

 

 

 

ぶっちぎり。

 

 

 

 

122票。

 

 

 

 

もう言わなくても分かるな?!

 

 

 

 

行くぞっ!!

 

 

 

 

 

J・P・ホーガン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

『星を継ぐもの』!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解です。

 

 

 

そう、皆さんのご想像通りの結果でした。

 

これだけの傑作を前にすると、どんな褒め言葉も安っぽくなる気がする。というか、すでに褒め言葉のディスカウントセールみたいな記事を書いているので、今更感はあるが。

 

この作品を知らない方、そして魅力を分かりやすく知りたい方、ぜひとも以下のあらすじを読んでほしい。

 

 

月面で宇宙服をまとった死体が発見された。地球の研究室で調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。その死体は、5万年以上も前に死んでいたのだ

 

 

ヤバない…?

 

こんな魅力的な謎、たぶん一生お目にかかれないでしょ。魅力がすぎる。いっそ犯罪的なぐらい。つまりホーガンは犯罪者。

 

で、何が凄いって、これにちゃんと凄まじい解答が用意されているということ。偉すぎる。よくぞこんなこと思いついたって、ホーガンの頭を撫でてあげたい気分だ。いつか会ったらしてあげよう。大丈夫かな、SPとかに撃たれたりしないかな。まあでも銃弾1発ぐらいなら許しちゃうかも。それに匹敵するぐらいの衝撃と快感を貰ってるから。

 

ちなみに私は生粋のミステリー好きなんだけど、実はそっちの方面で評判を聞いて手に取った作品である。

なのでSFが苦手だとしても、ミステリーが好きな方であれば、めちゃくちゃに興奮できるから安心して読んでほしいと思う。

というか、考えてみればSFとしてもミステリーとしても、頂点級の人気を誇ってるって、とんでもねーな。改めて。

 

 

はい、ということで「絶対に読んどけっていうSF小説ランキング」はこれにておしまい。王者の座に輝いたのは『星を継ぐもの』でした。おめでとうございます。パチパチパチパチ…。

 

 

以上。合計2万文字超の大作記事でした。頑張った私にも拍手~。

 

 

※ランキングを発表するときしか必要とされない健気なブロガー、ひろたつを慰めてあげたい方はこちら。

 

note.com

 

 

健気なブロガーを言葉で慰めてあげたい方はこちら。皆様のコメントのおかげでなんとか明日を生きようと決めています。

 

 

 

 

それでは月面で会いましょう。