俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

真実って大体は残酷なもんでしょ。橘玲『言ってはいけない』

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言っちゃいけないことが一番売れた2016年

 

ベストセラーに乗っかろう 

 

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

 

めちゃくちゃ売れた本なので、今更私のようなゴミクズブロガーが紹介するまでもないのだが、便乗して少しでもPVを稼ぐためにレビューを書くとしよう。そうしよう。 

 

タイトルはずばり『言ってはいけない』

凄いタイトルだ。分かる、分かるぞ。完全にこれ、タイトルだけで売るタイプの本だ。書店で平積みしておいて、通りかかった人に「お?」と思わせて釣り上げるタイプの本だ。完全に人間を魚扱いじゃないか。なんて失礼な。←無事釣られた人

 

 

まずは内容紹介

 

なかなか強烈なタイトルの本書。まずは内容の紹介をしよう。

 

 

この社会にはきれいごとがあふれている。人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではない―だが、それらは絵空事だ。進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。読者諸氏、口に出せない、この不愉快な現実を直視せよ。

 

「言ってはいけない」はさすがに言い過ぎだし、帯に書いてある「気安く口外しないでください」もちょっと煽りすぎである。売るために必死になりすぎ。ここまで来ると、ヤラセレベル。

 

しかしながら、やりすぎ感は否めないが面白いのは確か

バカ売れしたのは煽り方が上手かったのと、「言ってはいけないことが書いてあるのか」という背徳感の需要とマッチしたからだろう。超残酷なことを期待していた人は肩透かしだっただろうが、私は存分に楽しませてもらった。

 

基本的に本書の内容は、海外の論文などで、珍しいもの、または差別につながりやすいもの、モラルに反する(と受け取られるもの)を簡潔にまとめて紹介しているだけである。

確かに人によっては不快になりそうな内容もある。なのでどう受け取るかは、読者次第だろう。

 

タイトル負けしてるかと思いきや…

 

読み終わった印象としては、本書の内容の5割ぐらいは「でしょうね」というものである。

例えば「美人とブスで生涯の経済格差は3000万以上」とか。具体的な数字までは把握していなくても、みんながなんとなく分かっていることだと思う。

他にも「男と女は生まれながらにして、脳の作りが違っている」とか、「経済格差は知能格差」とか。「でしょうね」を連発してしまう。

 

しかしながら、中には私の知識や見解を大きく上回る事実(研究結果)が出てくることもあるので、面白く読んでしまったのは正直なところ。

さすがベストセラー作家。読者が欲しがるものの勘所を押さえているわけだ。

 

 

めっちゃ人に話したくなる

 

中には「不謹慎」と言われそうなことも書いてある。レイプとか子殺しの辺りは、なかなか強烈である。

ただ、書いてることはあくまでも研究結果から導き出された真実であって、感情的になるようなことではない。

 

そういえば私も職場でたまに、観察した結果をそのままどストレートに部下に伝えると「もうちょっと柔らかく伝えられませんか?」みたいなことを言われたりする。

これは、私の言い方がよっぽど高圧的なのか、それとも基本的に真実とは残酷に感じられるもの、のどちらかなのだろう。

 

それにしても、本当に知的好奇心が刺激される本である。

単純にいけないことが書いてあるから、ついつつ読み進めたくなっちゃうし、すぐにひとに話したくなる。っていうか速攻で話した。次の日に会社で部下たちに話した。しかも連日。

 

この感じは、去年私が読んだ本の中でも屈指の面白さを誇っていた『「学力」の経済学』と似ている。価値観がアップデートされる快感に満ちている。

 

 

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ちょっと抜粋

 

凄い凄いと連発しても何も伝わらないと思うので、ちょっとだけ本文を抜粋しよう。長文のところは、知能指数7ぐらいの私が要約してやろう。ありがたく思え。ありがた迷惑だったらごめんなさい。

 

 

実の両親の前科が多ければ多いほど、子供が犯罪を犯す確率も高くなる

これ、家庭環境の影響かと思いきや、養子に出されてまったく関係ない家庭で育てられた場合の調査結果なのだ。遺伝的に犯罪を犯す素質があるということ。

 

 

人種間で知能に差がある。(環境などを除外しても)

これはなかなか衝撃。例に挙げられていたのは黒人だったのだが、白人に比べて年収などが低いことが判明している。この調査結果は黒人差別に対して非常に敏感なアメリカで、相当に激しく批判されたそうだ。

ちなみに、アメリカでは差別を抑制するために、ある条件下では黒人を優遇するような措置が取られている。例えば「大学の新入生の何%かは確実に黒人を入れること」というようなもの。

 

 

女性に比べて男性の方が暴力的で攻撃的。

具体的な数字を挙げると…

男性の殺人は女性の3倍、強盗は15倍、傷害が12.5倍、暴行が10.5倍。すべて日本の数字である。

 

なぜかと言うと… ↓ 

 

男が暴力的なのは進化上必要なことだった。なぜなら、女性の卵子は作り出すのに時間がかかるため、必然的に数が限られる。その一方で男は精子を作るコストが小さい。すると、男間での戦いが生まれるようになる。

これは言ってはいけない、という感じでもなく、普通になるほどと思える。

つまり、ヤンキーとかヤクザみたいな連中は、進化論的には優秀ってことでしょうか。

 

 

生まれた赤ん坊が生まれたその日に殺される確率は、他の日に比べて100倍高い

 

この理由がこちら ↓

 

進化が”子供を育成するコスト”を考慮していると考えると、生まれたてのまだ育てていない(コストをかけていない)赤ん坊を殺そうとするのは、経済的に合理的。

確かに生まれてすぐはそこまで愛着も育っていない。逆に言ったら、脳がコストを計算して、それが愛着として認識しているのかも…? あー、やだやだ。 

 

 

あくまでも状況証拠

 

強烈な事実が並べてある本書だが、ちょっと冷静になってもらいたい。

法廷で述べられるような状況証拠ならいざしらず、この本に載っているような調査の場合は、そこまで直接的な証拠のレベルではない。相関関係がありそうだ、ぐらいのレベル。

調査結果があるとすぐに「エビデンスがある」とか言っちゃうけど、エビデンスがあるからって、絶対ではないのである。たまたま事象が重なっただけだったり、別の要因が隠れていたりするかもしれないのだ。

 

こういう本は確かに読んでて楽しい。話題としてもちょっとタブーっぽいから余計に背徳感のブーストがかかって面白く感じるかもしれない。

ただ、やはり信じ込んで楽しみながらも、反論を考える冷静さがほしいかな、と思う。面白いから正しいわけでもないし、調査結果だからといって絶対ではないし。単なる可能性のひとつ。つまり仮説です。嗜む程度にしておきましょう。

 

その一方で、自分に都合の悪い情報を目にした瞬間に拒否反応を示すのもどうかと思う。真実と感情はまったく無関係である。残酷だろうが、慈愛だろうが、真実は真実である。素直に受け止めましょう。

 

 以上。

 

 

売れた本のお決まりパターン。続刊も発売中。橘センセはとっても商売上手。