俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

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「声に出して笑っちゃった本」を集めたランキングでございます

 

 

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。この世で一番嫌いなものはカスみたいなサランラップです。切ろうとするとぐいーんって伸びて抵抗してくるやつ。なにあれ。敵なの?

 

 

不愉快な冒頭からこんにちわ。

生きるとは苦であると語ったのは誰だったか。近所のジジイだっけか。

今回はそんな“苦”を吹き飛ばすような、とってもハッピーな企画をご用意した。薬物じゃないから安心してほしい。

 

 

題して、

 

声に出して笑っちゃった本ランキング!!!!

 

 

である。

 

平和でよろしい。

 

⇒さっさとランキングだけサクッと知りたい方はこちらの記事へ

声に出して笑ってしまった本ランキング|note

 

 

文字で笑わせる、という偉業

 

この世には驚異的な能力を持った人間たちがいる。作家という。

彼らは文字情報だけで読者の感情を好きなだけ振り回す。ときにそれは身体的にも影響を及ぼし、「笑う」「涙を流す」「快哉を叫ぶ」「突っ伏す」「テンションが上って外に飛び出す」「壁本(つまらなさすぎて本を投げつける行為)」などの奇行を誘発する。

これは冷静に考えてみると、非常に恐ろしい能力だ。

作家の能力をもってすれば一切手を触れずに他人を操れてしまうのだから。悪い方向に力を発揮すれば、振り込み詐欺も余裕でできてしまうはずだ。もちろん、読者がちょろすぎるだけの可能性もある。ちなみに私は絶対にちょろい。優しくしてくれよな!

 

 

人は不幸が大好き

 

人間に限らず、現存する生き物たちというのは進化の過程で臆病になるようにできている。(臆病じゃなかった個体は危険に対して鈍感だからすぐに死ぬ)

臆病がゆえに私たちはネガティブな情報が大好きだ。いや、好むと好まざるとにかかわらずネガティブな情報に目を向けずにはいられなくなってしまう。

それに拍車をかけるのがこの情報社会である。洪水に例えられることも多いが、私たちの脳には常に何かしらの情報が浴びせられ続けている。常にあらゆる悲劇や悲惨な未来予想が飛び込んでくる。

そんな生活を続けていれば、そりゃ疲弊もするし精神的にどっかがおかしくなっても仕方ないだろう。

 

 

大いに笑おう

 

だからこそ「笑い」はかけがえのない要素である。

人はすぐに不幸になりたがるから、ここは積極的に笑いを摂取&接種していこう。新型コロナにはワクチン。人生には笑いだ。不幸への予防薬である。

 

ということで、いつも通りいらん口上を並べ立ててしまった。

「記事に余計な文章が多すぎる」という手厳しい意見をいつも言われているのだが、私自身が全然余計と思っていないのと、手厳し意見だとも思っていないせいで、こうやって同じ過ちを繰り返している。そして過ちとも思っていない。ハッピー。こんな愚かな私を笑ってやってほしい。

 

 

ランキング概要

 

さすがに本題に移ろう。

 

今回のランキングはTwitterでタグを使って募集した、いつものやつである。

私は笑える本が大好きなのだが、ただ単に笑えるだけじゃ物足りなかったので「声に出して笑った作品」に限定させてもらった。

ただ、若干ハードルが高すぎたのか今回はあまり皆さんからのツイートが振るわず、ランキング全体で89作品12位までとなっている。膨大な情報が大好きな皆様には申し訳ないが、小ぶりなランキングになっている。

 

あと、ランキングを見れば分かってもらえるが、笑いのポイントは人による部分が多いので、明らかに作者が笑わそうとしていないのに「私は笑ってしまった」と理由で挙げられている作品も見受けられる。面白いのでそのままにした。許してほしい。

 

 

それでは、作家たちの業の粋を集めたランキングである。ご賞味あれ。

 

※集計作業の関係上、2票以上得票したものだけのランキングになります。

 

 

12位

 

それではまずは、2票を獲得した第12位の発表である。

45作品がランクイン。

 

 

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『◯◯◯◯◯◯◯◯殺人事件』


『インドなんて二度と行くか!ボケ!!』


『ゲームの王国』


『コメンテーター』


『そういうふうにできている』


『ドミノ』


『なんらかの事情』


『ねにもつタイプ』


『ハードボイルド・エッグ』


『バーナード嬢曰く。』


『美女と竹林』

 

『フラッガーの方程式』


『プリズンホテル』


『ワセダ三畳青春記』


『ワニの町へ来たスパイ』


『われ笑う、ゆえにわれあり』


『学園キノ』


『丸の内魔法少女ミラクリーナ』


『気になる部分』


『吉里吉里人(きりきりじん)』


『牛への道』


『教養悪口本堀元見』


『銀河帝国の弘法も筆の誤り』


『言語学バーリ・トゥード』


『工学部・水柿助教授の日常』


『溝鼠』


『黒笑小説』


『今昔奈良物語集あをにまる』


『最後の喫煙者』


『紗央里ちゃんの家』


『笑うな』


『図書館戦争』


『世にも奇妙なマラソン大会』


『清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた』


『超老伝  カポエラをする人』


『道具づくし』


『南極。』

 

『板谷バカ三代』


『秘湯中の秘湯』


『穂村弘のエッセイ』


『本と鍵の季節』


『娘と私の時間シリーズ』


『勇気凛々ルリの色』


『有頂天家族』


『陽気なギャングが地球を回す』

 

 

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SF小説のまとめを書いたときも星新一で起こっていたが、愛ゆえに「全部」と答えてらっしゃる方がいた。特にエッセイ系を綴られている方にこの傾向が多い。

創作で面白いのも凄いのだけど、エッセイような日常を描くだけでずっと面白く要られるというのは、本当にイカれた方々なんだろうなと思ったりする。

ちなみに漫画作品も入ってたりするのだが、細けえことは気にしない性格なので、気にしませんでした。(たまに「なんで小説ランキングって書いてあんのに漫画が入ってんだよ!」みたいなお怒りコメントを寄せてくる方がいるけど、寄って来んな)

 

あとこれも毎度の傾向なんだけど、安定して高クオリティの作品を書いてる方の場合、作品それぞれにファンが付いてしてしまって票がバラけてしまう現象が起こる。

私の大好きな高野秀行氏がまさにそれで、そもそもジャンルで括れないし、毎度趣向がまったく違う作品ばかり書いてるし(だってアヘン栽培~腰痛治療って、範囲広すぎでしょ)。せっかく推したいのにキワモノの極みみたいな作品しか書いてないから、刺さり方が局部すぎてなかなかランキングの上に食い込んで来ないのが悲しい。いや、ごめん嘘。大衆ウケしてない状態が最高に好きです。

 

 

 

11位

 

続いては3票を獲得した第11位。

20作品がランクイン。

 

 

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『VOW』

面白画像集の元祖的存在。

私と同世代の方であれば、ネットがない時代の「笑える本」といえば真っ先に『VOW』が出てくるのではないだろうか。あとは『空想科学読本』かな。

 

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『どくとるマンボウ航海記』

精神科医である北杜夫氏がシップドクターとして勤務した経験をエッセイにまとめたもの。旅行記にユーモアを絡めた最初の作品とも言われている。

海外旅行自体が珍しかった時代の、瑞々しい感性とたっぷりのユーモアで綴られた、何度でも読みたくなる名作。

 

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『にょっ記』

気鋭の歌人が放つ、全力で脱力できる癒やしとニヤニヤに満ちた日記である。

独特の視点と発想はやはり才能ある歌人ならでは。

 

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『バカとテストと召喚獣』

テストの点数が戦力値に影響を与える、しかし主人公は致命的なバカ、という画期的な設定のライトノベル。数多あるライトノベル作品の中でもぶっちぎりで笑えると評判である。

 

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『ビロウな話で恐縮です日記』

ベストセラー作家三浦しをんが2007~2008年にネットに公開していた日記をまとめたもの。山積みの仕事を尻目に、膨大な趣味の数々に奔走する著者の炸裂っぷりが清々しい。

 

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『宇宙衞生博覽會』

出ました。御大の爆発的想像力が生み出す、難病、奇病、珍現象の数々。収められている8編すべてが濃厚で、強烈な体験をしたかったらこれ。

 

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『乙女なげやり』

またしても三浦しをん。小説だけに限らず、エッセイも多数執筆(放出?)している著者なので、やはり票がバラけた感は否めない。彼女の溢れんばかりのオタクっぷりを見ると、こちらまで元気になってしまうから不思議だ。

 

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『関節話法』

偏執的な人気を誇る『関節話法』である。もちろん『間接』ではない。関節を使って会話をする異星人の世界に行くことになった地球人の話である。これだけ十分面白いから困る。

こちらはさきほどの『宇宙衞生博覽會』に収録されているのだが、『関節話法』だけをぐいっと強く推されていたので別作品として集計した。

 

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『蕎麦ときしめん』

蕎麦=東京、きしめん=名古屋。東京と名古屋の極端な比較論で突き進む怪作。

メタに次ぐメタで作者の頭の中を疑ってしまうかも。これを読めばあなたも異界“名古屋”を理解できるはず。

 

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『空中ブランコ』

大人気シリーズで一番売れている直木賞受賞作。奥田英朗の面白くて、永遠に読み続けちゃう感じを一番分かりやすく摂取できるシリーズだろう。

 

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『国語入試問題必勝法』

再び清水義範。著者の代表作とも名高く、パロディやパスティーシュがバリバリ決まっていて、多読家の方だと腹を抱えて笑ってしまうほど。『蕎麦ときしめん』と双璧を成す作品である。

 

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『三浦しをんのエッセイ』

出ました。「著者のやつ全部シリーズ」である。

どの作品も面白く甲乙つけがたい、または過剰なる著者への愛による投票である。

星新一のときは全集があったのでそれを紹介したが、三浦しをんは今現在そういった作品が存在しないので、なんとなく『しをんのしおり』を載せておく。

 

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『四畳半タイムマシンブルース』

我らがモリミーである。その時点で笑いの品質は保証されたようなものだが、こちらは、『四畳半神話大系』のキャラたちと、あの名作映画(ほんとは名作舞台)『サマータイムマシン・ブルース』をフューチャーした作品なのである。こんなに間違いない本もそうそうないだろう。

 

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『四畳半神話大系』

…と言っている間に『四畳半神話大系』も続いて登場である。

アニメ化もされ、私の大好きな最悪生物“小津”が全国的に認知されたことを嬉しく思う。高邁な文章で綴られる、下品な物語を堪能していただきたい。

 

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『小生物語』

短編の天才こと乙一の唯一のエッセイ。手抜きであることを強く主張して書かれているにも関わらず、才能ゆえなのかサービス精神なのか、妙味に溢れた作品となっている。“ゆるい文体”というものがこの作品辺りから広がっていたように思う。

 

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『町長選挙』

シリーズ3作目。私は個人的にそこまで好きではないのだけど、こうやって人気っぷりを数字で示されると、改めて好みってのは千差万別だなと。異才伊良部が選挙に絡むとどうなるか。楽しみにしてほしい。

 

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『百器徒然袋 雨』

超人気百鬼夜行シリーズにて主役の京極堂を食う勢いで人気のある、名探偵榎木津礼二郎を主役に据えたスピンオフ。特殊能力のせいで推理を必要としない破格の名探偵が繰り広げるカオスをご堪能あれ。これを読めば絶対に榎木津の虜になります。

 

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『本にだって雄と雌があります』

Twitter文学賞を受賞した、強烈なタイトルのファンタジー作品。

「蔵書はどうして増えるのか?」

「それは本がつがうから」

これだけで十分この作品の面白さが伝わると思う。本好きなら余計にたまらないはず。

 

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『名探偵の掟』

東野圭吾が無敵だったとき、ミステリーの残された可能性を東野圭吾が全部開拓し尽くしてしまう勢いだった。そんな中で生み出された「ミステリーのお約束を極限まで裏切ったらどうなるか?」を突き詰めた作品である。

 

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『夜は短し歩けよ乙女』

またしてもモリミー。幅広くそして長く愛されていて何よりである。惨めな作品が多く、愛されでもしなければ救われないので、いちファンとしても安心しているところだ。

全然関係ないのだが、この作品を「現実感がない」と批判していた方がいたけど、物語を楽しむセンスが無さすぎて笑ってしまった。

 

 

10位

さてあっという間に第10位である。4票を獲得。

こちらもまだまだたくさんの作品が同時ランクインしていて、9作品もある。

では行ってみよう。

 

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『100万回死んだねこ』

読書界隈に限らず、Twitterを大いに賑わせた福井県立図書館の「笑える問い合わせ」をまとめた書籍である。最初は「なんのこと…?」となるのだが、分かった瞬間の快感ったらない。思わず吹き出してしまう。そしてなによりも司書さんたちが優秀すぎる。ご苦労さまです。

 

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『さるのこしかけ』

 


『たいのおかしら』

さくらももこのエッセイが同時にランクイン。

エッセイの面白さを日本国民全体に知らしめたとも言える存在である。エッセイとしては処女作になる『もものかんづめ』は250万部を記録しているというのだから規格外だ。彼女の文章を読むと、作品の面白さというのは結局は「視点」なのだな、とよく分かる。

 

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『鴨川ホルモー』

ホルモーーーーーーーー!!

 

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『原田宗典のエッセイ』

またしても出ました。全部シリーズ。人気ですなぁ。

原田宗典といえば、読書界隈の方であれば「原田マハの実兄」と紹介するのが一番分かりやすいだろう。名前は存じていたがこれは私も知らなかった。

面白いエッセイを多数書いている原田宗典だが、こちらの『メメント・モリ』によるとかなり壮絶な経験をしているようである。(小説の体を取っているが、おそらく自伝。しかし自伝と呼ぶにはあまりにも曖昧な内容)

 

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『罪と罰を読まない。』

おお~、お噂はかねがね。知らざれる名作とは聞いてたけど、けっこう人気があったようで。

超名作『罪と罰』を読んだことがないと公言する、作家・翻訳家・装丁家たちが未読の状態で見聞きした「罪と罰の断片」から話の中身を推理する、という座談会の内容をまとめたもの。

『罪と罰』を読んだことがなく負い目のある方も、すでに読んでいる方も楽しめる作品である。

 

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『新釈 走れメロス』

「しんしゃく」と読む。新たに解釈したもの、という意味なのだがモリミーが名作をダシに好き放題書いてて面白い。文学に造詣が深いモリミーらしく、笑いや下品だけに終わらせない所も非常に好感が持てる。

個人的には『山月記』が一番好きで、他人を見下した結果、虎ではなく天狗になってしまう。めちゃくちゃ好き。

 

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『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』

タイトルの時点ですでに面白いという反則な作品である。

もちろん中身は鳥の研究についてである。だがこれがめちゃくちゃ面白い。危険極まりないフィールドワークの様子や、文章の端々にまでユーモアと笑いの精神が散りばめられていて、学んでいるのにひたすら笑えるという、素晴らしい体験ができる。

しかもちゃんと深刻な環境保全についての話なども盛り込んであって、学者として大事なことを敷衍しようとする意識が感じられて素晴らしい。

 

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『店長がバカすぎて』

2020年本屋大賞にノミネートした、イライラしたり、共感したり、でもついつい笑っちゃうし、ついでに感動まで味わえてしまう作品。本を愛して止まない薄給の契約社員である主人公の、ポンコツ店長への小気味よい罵詈雑言が最高である。

さあ、あなたもバカすぎる店長に怒り、罵り、そして思う存分に笑おう。

 

 

9位

 

続いては、5票を獲得した第9位である。こちらは一気に減って3作品のみである。

行ってみよう。

 

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『永遠のジャック&ベティ』

清水義範が三度登場。あれだね。特定の年代にモロにどハマリしている印象。

こちらの『永遠のジャック&ベティ』は短編集。表題作は、英語の教科書に出てくるジャックとベティ(例文のわざとらしい会話をするキャラ)が50歳のときに再会したら…という設定の話である。もうこれだけで十分にふざけっぷりが伝わると思う。

懸念としては、使っているネタ自体が時代がかってしまっているので、ストレートに面白さが伝わるかという点である。ただみんなの感想を読む限り「死ぬほど笑える」とか「笑いの衝撃に殴られる」と、かなり凄いの高評価であることが分かる。

 

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『全裸刑事 チャーリー』

「は?」

このタイトルを見て素直に状況が想像できる人がどれだけいるだろうか。まずは「は?」だろう。私も思った。作者、あたま沸いてんのかって。

もうね、みんなの感想を読んでるだけでも笑けてくるくらいの衝撃っぷりで、バカさ加減が抜きん出ている。めちゃめちゃバカな小説を書いて、読者をバカ笑いさせて、お金を貰えるなんて、とっても素敵なお仕事ですね。

神永学をして「こんなに笑ったのはいつ以来だろう。著者の新たな代表作である」と言わしめている実力はダテではない。

 

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『猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました』

Twitterでバズを連発しているやーこ氏の最高な体験談をまとめた作品。

語り口というか、言葉選びというか、とにかくセンスが抜群で笑わずに読むのは不可能かと思われる。収録されている33篇すべてがずっと面白くて、同じ物書きの端くれとして嫉妬してしまう。

新たな時代のマスターピースが生まれてしまったかも。

 

 

8位

 

6票を獲得した第8位はたったの2作品のみ!

 

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『キケン』

バカな男子学生の成分を摂取したかったら、一番におすすめできる作品だろう。次点がモリミーだろうか。

勢いと情熱っぷりに笑いつつも、素敵な学生生活すぎてなんとも羨ましい気持ちになってしまう。青春小説としてもかなり高い評価を受けているのも大納得の名作である。

 

 

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『どすこい。』

「地響きがする-と思っていただきたい。」

この訳の分からない一文からすべての話が始まる短編集。

覚悟してもらいたいのだが、私たちの知っている京極夏彦はここにいない。「出版社がよく許したな」という感想がひたすら頭の中をぐるぐると駆け巡るだろう。

名作を脂肪の塊でコーティングした、異色のパロディ作品集。

 

 

7位

 

続いては、7票を獲得した第7位!!

こちらは3作品がランクイン。

 

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『バッタを倒しにアフリカへ』

学者の書いた本で笑えると言えば、これ。

「バッタに食べられたい」

そんな衝撃的な欲求を抱いた少年時代。彼はその思いを一切途切れさせることなく、バッタの研究者と成長を遂げることになる。まったくもって意味がわからない。

 

アフリカはモーリタニアにて、現地で“神の罰”と呼ばれる蝗害(バッタの大群)との戦いを描いているのだが、随所に光る文才とダメっぷりに笑ってしまう。

バッタの大群と戦うといっても、簡単な話ではない。なんせ相手は全長500km(メートルではなく、キロメートルである。やば。)にも及ぶ大群なのである。現地での滞在費や調査費用、人件費、さらには内戦の影響による地雷地帯など、学者の悩みは尽きない。

唯一無二、スケール爆弾級のバッタ撲滅ノンフィクションである。

 

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『言いまつがい』

ほぼ日刊イトイ新聞にて連載されている大人気企画、“言いまつがい”をまとめた本である。

「まことしなやかに」「ざっくらばん」など、妙に分かってしまう愛らしい言い間違いが大量に紹介されている。

非常にシンプルな内容で、なんも考えずにひたすら「あはは」と笑えてよろしい。

 

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『超・殺人事件 推理作家の苦悩』

東野圭吾が推理小説界の裏側を描いた、小賢しさが最高の短編集。

マイナーなミステリー界隈の話が多いので、小賢しいミステリー好きであれば絶対に食らうだろう。私も東野圭吾作品の中でトップクラスに好きである。小賢しいので。

東野圭吾はシリアスな作品が多いけど根は関西人なんだとよく分かります。

 

 

 

6位

 

お次は8票を獲得した第6位である。

こちらは2作品がランクイン。

 

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『太陽の塔』

我らがモリミーのデビュー作が見事ランクイン。大好きです。

モリミーといえば、ひねて腐敗臭の漂ってる大学生だと思うのだが、こちらの『太陽の塔』は腐敗具合でいえば彼の作品の中でもトップクラスである。存分に愚かさを堪能できる。

モリミーが作家になる前の悶々としたエネルギーやらなんやらが、きっとこのデビュー作品濃密に注がれているのだろうと想像する。

 

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『恋文の技術』

モリミー、もういっちょお待ち!!

大人気ですねー。もうしつこいかもしれないけど、私も大好きです。言わずにはおれん。

森見登美彦という作家を私はデビュー当時からずっと見てきたけれど、とある分野に関しての弱さみたいなものを感じていて、むしろそれが彼の良さを生み出していると思っていた。

それが“恋愛”である。

なんてったって腐敗した大学生が主戦場のモリミーである。色恋沙汰なんて遠くにあるからこそ輝くのである。身近にあったら焼け死んでしまうだろう。実際暴発してる描写が『太陽の塔』にはある。観覧車のエピソード好きすぎる。

で、そんな“恋愛”とモリミーなりに真っ向からぶつかったのが本作だ。

そしてその結果、とんでもなく最高な恋愛モノが出来上がってしまったのである。

とはいえ結局は笑える作品に仕上がっているので、安心してモリミークオリティを期待してもらいたい。

 

 

5位

 

遂に来ました。ベスト5。

いやー、こうやってランキングを作ってみて改めて気づいたけど、同ジャンルでまとめた作品を紹介しようとすると、どうしても同じような紹介文ばかりになってしまう。

特に今回のような「笑える」に特化させると、紹介する内容は「笑えます」になってしまう。だがそんなのは皆さん百も承知なので、もっと別のことを書かなければならない。でも語彙が足らん!!

 

なので、けっこう小ぶりなランキングの割には執筆にめちゃくちゃ時間がかかってしまい、紹介文もかなり悪戦苦闘しているのだが、それが皆さんに伝わってないといいなぁ。(いつもの紹介文よりもつまんない…と思われていた方、その通りです!!)

 

 

どうでもいい愚痴はこの辺にしておいて、残りのランキングに移ろう。

では獲得票数が一気に増えて12票の、第5位である。

 

 

こちら!!

 

 

さくらももこ!!

 

 

 

『もものかんづめ』

 

 

 

さすが。面白エッセイという分野を大きく切り開いた名作が堂々のランクイン。

さっきも書いたけど、この作品だけで250万部も売れてるからね。個人的には『ちびまる子ちゃん』の面白さを濃縮した感じだと思っている。漫画よりもさくらももこエッセンスが強い。

冷静に見ると笑えない事態なんだけど、それを笑いに変えてしまうのはやはり視点の持って行き方の上手さというか、性格というか、人生観というか。とにかくこのシニカルさがあったらからこそ、ただのネガティブにならずに多くの人に愛される作品を生み出し続けれられたのだと思う。

 

改めてご冥福をお祈りします。

 

 

4位

 

ではでは、14票を獲得した第4位!!

 

 

奥田英朗!!

 

 

 

『イン・ザ・プール』

 

 

 

これはちょっと意外かも。

直木賞を取った『空中ブランコ』の方が知名度があるし売れてるのに、ちゃんと1作目である『イン・ザ・プール』の方が上に来るとは。

私としてはもちろんどっちも甲乙つけがたいレベルで面白いから、どっちが上でも全然構わない。でもやっぱり1作目が評価される方が嬉しいかな。「ここから始まったのか」って感慨があるし。

 

めちゃくちゃ売れまくってるし、映像化も多数されてるし(舞台化までされてる)、知らない人はほとんどいないと思うけど、逆に売れすぎて読む気がない人はこれを機会にぜひ読んでほしい。

エッセイでも体験談でも視点でもなく、純粋に物語とキャラの面白さだけでこんなに笑わせてくれる作品って、ほんとにないから。

クソ精神科医の伊良部だけど、なぜか読んでるうちに妙な奥深さみたいなのが垣間見える辺りも小憎らしくて好き。たぶん気のせいだろうけど。

 

 

ベスト3

 

さて、ここから笑える本たちの頂点であるベスト3の紹介に入るのだが、とある事情により、一気に発表したいと思う。瞠目せよ。

 

 

では、まずは第3位!!!

 

16票獲得!!

 

『そして誰もゆとらなくなった』

 

 

 

次!! 

第2位はこれ!!

 

22票獲得!!

 

『風と共にゆとりぬ』

 

 

 

ラスト!!

 

1位!!!!

 

27票獲得!!!!

 

 

 

『時をかけるゆとり』~~~!!

 

 

 

おめでとうございますっ!!

 

なんと朝井リョウの(下品)エッセイ三部作がベスト3を独占である。凄すぎ。

人気だとは知ってたけど、まさかここまで圧倒的な結果を残すとは…。ゆとり恐るべし。もっと空気読もうよ。諸先輩方が引いてるよ…?

 

とはいえ私も大ファンのシリーズである。ハードカバーで惜しみなく買えるエッセイなんてそうそうない。

最新刊である『そして誰もゆとらなくなった』はイオンで買って、そのままの流れでフードコートですぐに読み始めたんだけど、あまりにも笑いを堪えるのが辛くて仕方なく読むのを断念した思い出がある。なんならページを捲って数秒で笑っちゃってたからね。

 

朝井リョウ本人曰く、さくらももこのエッセイに多大なる影響を受けているそうで、たしかにこの語り口というか、物事(ダメ&最低エピソード)の昇華しっぷりは彼女の著作に通ずるところがあるだろう。それにしても酷い話が多い。めちゃくちゃ笑っちゃったけど。

 

ここまでランキングとして色んな作品を紹介してきたが、あくまでも集計結果なので作品の優劣ではないとはいえ、これだけぶっちぎりな結果を見せつけられると他の作品の印象が薄れるというか…。

 

とはいえ笑える作品をお求めであれば、(下品なのが苦手でなければ)朝井リョウのエッセイは必読である。そして読み終えたあとの「もうこれ以上はねぇな」という感覚を存分に味わってほしい。ほんと反則級に面白いから。

 

ちなみにネタが枯渇しているのか、彼のエッセイはこれにて一旦終了だそうだ。

本当に悲しい限りなので、いるのであればぜひとも神様には朝井リョウにもっとたくさんの不幸を降り注いでいただいて、エッセイのネタにでも昇華しないとやってられなくなるように仕向けてください。「朝井リョウに不幸になってほしい」これは彼のいちファンである私からの真摯な願いです。

 

ということで、真剣に他人の不幸を願ったところで今回の記事を終わりにしよう。

 

ではでは。最後までお付き合いいただき感謝。

 

 

※今回も頑張ってランキングを作った私を褒めてあげたい方は、感想をポストしてくださるとめちゃくちゃ励みになります。というか、それくらいしか報酬がありません。

 

 

 

最近Audibleの充実っぷりが凄いのでオススメ。2ヶ月無料で最近の本屋大賞ノミネート作品が大量に聴ける。3位に入ってる『そして誰もゆとらなくなった』も無料で聴けます。

読書と違って目が疲れないのと、きっつい内容でも容赦なしに流れ込んでくるのが最高です。

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いつもの応援ボックスはこちら。

たまに投げ銭してくださる方々、死に急ぐ私を引き止めていただき感謝です。

 

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