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みんなの『2022年の本ベスト約10冊』をランキングにしてみた!!

 

 

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

 

今回の記事は…

 

 

みんなの『#2022年の本ベスト約10冊』をランキングにしてみた!!

 

 

である。

 

 

#2022年の本ベスト約10冊とは…

 

動画全盛のこの時代に、わざわざ「文字情報を好んで摂取する」という奇特な人種であるツイッターの読書アカ。

そんな皆さんが1年間を総決算して、その年に読んだ大量の本たちの中から魂を削るようにして“約”10冊を選出するという風習。奇祭。

 

これを集計して、ランキングにまとめたのが今回の記事である。

つまるところこれは、ツイッター読書アカが選ぶ

 

“いま一番面白い本たちのバトルロイヤル”

 

である。

 

 

で、自分でランキングを作っておいてなんだが、このランキング…

 

 

危険すぎる。

 

 

だってさ、次々から面白い本が出版されていて、書店では魅力的な煽り文句が躍ってて、こりゃいかん目の毒だとスマホに目を向けたら言葉遣い巧みな読書アカが魅力的な紹介ツイートを日々こちらに投げつけてくる。

 

毎秒積ん読が捗る。それが我々読書アカの日常なのだ。

 

そんな状況だってのに、このランキングの魅惑っぷりったら。積ん読ビルをさらに高層化させるだろ。そろそろ森ビルが介入してくんじゃねーか。再開発しないで。もうやめて!我が家の本棚(および床)は限界よ!

 

 

~集計のルール~

①作品名が出たら1票としてカウント

②同じ人の同じツイートは不可。リツイートも同様。

③ひとつのツイートの中で複数回言及されていても1票としてカウント。

④すべてのツイートを集計し、票数が多い順にランキング付け

 

 

以上がカウントの基本ルールである。

 

一応断っておきたいのが、シリーズもののカウント方法

1巻と書いてる人もいれば、2巻と書いてる人もいれば、〇〇シリーズとも書かれているときがある。

未読の作品だとどう対応したらいいのかさっぱり分からない。

なので本当に申し訳ないのだが、私の独断と偏見と皆さんの表記傾向を見て分類させていただいた。

 

例えば、〇〇シリーズと書いてる人が多数の場合は、1巻や2巻と書いてる人も含めて合計し、ひとつの作品としてカウントしている。

1巻や2巻の表記を分けている人が多数のときは、別の作品としてカウントさせてもらった。例えば道尾秀介の『いけない』とか。

また、これこそ完全に独断と偏見なのだが、〇〇シリーズとか1巻2巻といった表記がされていたとしても、私が既読で「これは続き物の作品だから、巻数は重要じゃない」と感じたものに関しては、どんな表記をされようがまとめてカウントした。集計した人間の特権だと許してほしい。

 

 

このあとランキングを発表するが、今回は2146人分の約2.1万冊という凄まじい量を集計している。

なので今回はベスト20のみを紹介する。

 

 

※御託はいいから、集計したやつさっさと全部教えやがれ!という酔狂な方はこちら。

【完全版】『2022年の本ベスト約10冊』をランキング!!【1~44位】

 

 

それではランキングに入ろう。絶品すぎるから覚悟しやがれ。

 

行ってみよう。

 

 

20位

 

30票

 

 

『自由研究には向かない殺人』

 

 

主人公のひたむきさと愛嬌で魅了させつつ、先を読ませないで尻上がりに盛り上がる展開が好評の海外ミステリーが20位にランクイン。

高校生の主人公が、自由研究として殺人犯の無罪をしようとする、かなり変わったテーマのミステリー。

アンソニー・ホロヴィッツといい、イギリス発のミステリーが復権してる感じがしてとてもよろしい。

ちなみに続編の『優等生は探偵に向かない』にさらっとネタバレされてるから、良い子は必ず『自由研究~』から読むんだよ!

 

 


『ライオンのおやつ』

 

 

 

2020年本屋大賞第2位を獲得した名作が返り咲き。

2021年にNHKでドラマ化され、お茶の間の涙腺を崩壊させまくった影響が2022年に反映されたものと思われる。

 

瀬戸内の島にあるホスピス『ライオンの家』には、毎週日曜、入居者がリクエストできるおやつの時間が存在した。

食べることを通して、人の生と死を見つめる、どんな涙腺も決壊させる名作である。

SNSで日常的に罵詈雑言を目にする現代人たちは、この美しく、尊さに満ちた物語を読んで、心を洗ってほしい。

 

 

19位

 

 

31票

 

 

『ミシンと金魚』 

 

 

世の本好きの大いなる味方といえば、雑誌ダ・ヴィンチである。

この万物の天才の名を冠した雑誌で、絶対にはずさない!!と激推している“プラチナ本 OF THE YEAR”を獲得したのがこちらの『ミシンと金魚』である。

そこら中で称賛の声を目にするので、それだけで十分に作品の価値は伝わるとは思う。

だが私としては、すばる文学賞を受賞したときの永井みみ氏の言葉を読むのが一番だと思う。

背筋がぞっとするほど、真に迫った言葉の力を感じられるはずだ。

 

⇒永井みみ氏の受賞の言葉

 

 

 

『君のクイズ』

 

 

クイズ番組“Q-1グランプリ”決勝で、本庄絆は問題文を一文字も聞かずにボタンを押して正解し、優勝を果たす。これはヤラセなのか、魔法なのか。決勝の対戦相手であった三島はその真相を追求する――。

魅力的すぎるあらすじと、一気読み必至と話題の快作がランクイン。

クイズプレイヤーの思考に迫るとか、読書好きなら絶対に食いつくでしょ。

 

『地図と拳』で直木賞も掻っ攫ったし、2023年は小川哲が猛威を振るいそう。

 

 

18位

 

32票

 

 

『俺ではない炎上』

 

 

突如、女子大生殺人犯として仕立てられてしまった主人公。炎上に次ぐ炎上。現代の冤罪を描く、興奮しっぱなしで楽しめる作品が登場。

 

衝撃作『六人の嘘つきな大学生』で世に名を知らしめた浅倉秋成が次に仕掛けるのは、SNSと炎上。

加速すると止まるところを知らない“叩き”が行き着く先は? 読者を待ち受ける結末はいかに?

“いま一番読者を手玉に取る作家”が放つ、超上級エンターテイメント。

 



『香君』

 

 

日本のJ・K・ローリングこと、上橋菜穂子の待望の新刊が登場。

綿密に組み上げられた異世界観と、卓越した文化人類的知識によって描かれる物語は、読めばすぐさまその世界へと飛び込ませてくれる。

この方の作品全般に言えることだけど、素晴らしい着想もそうだし、それを手触りを感じられるほどに現実に落とし込む力、そして血肉の通ったドラマが本当に圧巻である。

日本ファンタジーといえば上橋菜穂子。この座は奪われるものではないだろう。

 

 

17位

 

34票

 

 

『medium霊媒探偵城塚翡翠』

 

 

ドラマ化でヤバさが世間に完全にバレてしまった『medium』である。

作者とドラマ制作陣でごちゃごちゃあったみたいだけど、それはこの作品の衝撃度合いには何の影響もないだろう。

ツイッターで作者のナマの声が聞けるのは良いんだけど、あんまりドロドロしたところが目に入ってくるのも考えものだな。

正直なところ私は全然ハマらんかったクチなのだが、うちの子供がドラマを観てて衝撃のあまりあんぐりしてたのが面白かった。

 

もちろんこれで食らっちまう方がいるのは、いちミステリー好きとしてよく分かる。ネタバレになるから詳しくは語れんけど。

つくづくミステリーの衝撃とはタイミングが大事などだと思わされる。私も気持ちよく食らいたかったなぁ…。

 

 


『異常【アノマリー】』

 

 

フランス文学最高峰のゴンクール賞受賞作にして、アメリカのミステリ界で年間ベスト…? そんな異常なことってある…?と思ったらタイトルも『異常』ってどういうこと?

 

他の方の感想を見ても、

 

「いいから読んでみて!」

「これこそ小説でしかできない」

「スジを知らずに読むのが一番」

「とにかくページをめくる手が止まらない!!」

 

みたいな要領を得ないものばかりで、その“異常”さが際立つだけだ。

果たしてその実力やいかに。

とはいえ、この順位がまさしく面白さを保証しているだろう。

 

 

16位

 

35票

 

 

『地図と拳』

 

 

またしても小川哲…!これは入るよね。堂々の直木賞受賞作品。

“弁当箱”とも称される分厚さで、読者を圧倒しつつ、中身ではもっと圧倒してくる超大作。

 

満州というあらゆる利権と歴史が絡み合った土地の歴史を、壮大にして極上に味付けしている。

巻末の参考文献だけで8ページも費やしているという渉猟ぶりで、それだけの情報量を咀嚼できてしまう小川哲氏の頭脳の優秀さと、偏執っぷりが垣間見えるだろう。

 

長大な作品だが、読み終えるのが勿体ないと感じられるほど熱量と興奮に満ちた作品だ。

 

 

15位

 

39票

 

 

『三体』

 

 

中国が放つ、現代SFの最高峰が15位にランクイン。

三部作が完結しても興奮が冷めやらず、スピンオフの『三体0』が発表されたり、『三体』の熱狂的ファンが妄想を駆使してネットに発表していたアナザーストーリーが著者公認で発売されたり、Netflixで実写化と、話題が尽きない。

その一方で難解さに振り落とされてしまう人も多発しており、軽い気持ちで手を出すと火傷の可能性ありだ。

しかしながら、人間の想像力の限界に挑んだような世界観は、食らいつけば他の作品では決して味わえない面白さを提供してくれること請け合いである。

 

 


『invert城塚翡翠倒叙集』

 

 

城塚翡翠シリーズがまたしてもランクイン。

衝撃の第一作よりも続編が人気というのは、なかなか珍しいパターン。相沢沙呼の飛び抜けたキャラクター造形力のなせる業であろう。それかドラマの影響。それか『invert Ⅱ』も一緒に集計した影響。

世界観を大事にする意味で当たり前だとは思うんだけど、ドラマで主演の子がちゃんと指先絡ませる“城塚ポーズ”やってて、なんか笑ってしまった。

 

 

14位

 

41票

 

 

『宙ごはん』

 

 

『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を見事受賞してから、なんと3年連続で本屋大賞にノミネートしている町田そのこである。完全に本好きが読みたがる勘所をつかんだね。

 

育ての“ママ”と生みの“母”を持つ主人公、宙(そら)の幼少期から学生時代までの物語。

人の心情を丁寧に描くからこそ、ときに厳しい現実を見せる町田そのこ作品だが、人の心の温かさを信じているのが感じられる。

だからこそ、読む人の心を温め、癒やし、前を向かせる力を秘めているのだと思う。

 

ちゃんと泣かされるので、読む場所には注意で。

 

 

 


『くるまの娘』

 

 

宇佐見りんの凄さは、芥川賞を獲ったことはもちろんそうだが、こうして読書家の間に宇佐見りんの作品が根付いたところにあると思う。話題性だったり、一過性の熱狂で売れたのではなく、確かな実力と人気に裏打ちされている。

今作では家族を「外から動きは見えるが中身は見えない」という比喩で“くるま”を使い描いている。

身近なものに新たな視点を与えたり、掘り下げることで、作品の面白さを生み出している。言われすぎててあんまり言いたかないけれど、やっぱり21才でこの手練具合は凄まじいと思う。

現在大学で忙しい日々を送っているそうだけど、「小説を書けないとストレスが溜まる」と語るほどの執筆中毒者である。彼女の活躍はまだまだ続きそうだ。

 

 

13位

 

43票    

 

 

 

『おいしいごはんが食べられますように』

 

 

ここ最近で一番新鮮なざわつきを提供してくれる第167回芥川賞受賞。

ほんわかしたタイトルと、温かみのある装丁に騙されることなかれ。なんてったって、芥川。読む者みな傷つけてこその芥川賞である。

食への価値観を通して、ままならない人間関係を描いているのだけど、これがまあとっても不愉快。でもこんなにも不愉快なのは、そこにどうしても自分自身の醜さを見てしまうから。

 

それにしても、皆さんの感想を見てみると、可愛らしい装丁に騙されてダメージを食らってる人もいれば、不穏だと聞いて期待しすぎたのか「グロじゃなかった…」と落ち込んでる変態も吸い寄せられてたし、万人を均等に不幸せにしてくれる、とっても罪づくりな作品である。

 

不穏なのに目が離せないという貴重な体験をしたい方、ぜひ。

2022年を通して13位というのは伊達ではない。

 

 

12位

 

 

45票   

 

 

『黒牢城』

 

 

去年の8位から若干順位を落とした『黒牢城』が12位にランクイン。

城内で起こる事件を、幽閉された黒田官兵衛を安楽椅子探偵として配置して解決する歴史物ミステリ連作短編集。

この設定を活かしてわざわざミステリーに仕上げちゃうあたりが、めちゃくちゃ推理小説作家の業って感じがするけれど、穂信たんが調理してるんだから、そりゃ極上だわな。

晴れて直木賞も取ったし、売上も実力も人気も揃った最強作家です。

ちなみに2021年のミステリーランキングで4冠というバケモノ作品。

 

 

~~~~

 

さてさて、このランキングもそろそろ佳境である。

皆さん楽しんでいただけているだろうか。

私は膨大すぎる集計作業と、作品の面白さを損なわないように言葉を選び続ける時間の連続で、確実に寿命を削っている実感がある。どうだい、命の味がするランキングは?

 


…ってこんなこと書いてるから、永遠に終わんねーんだよ。次いこ、次!!

 


ということで、続いては惜しくもベスト10を逃した11位である。

 

 

11位

 

46票    

 

 

『傲慢と善良』

 

 

みんな大好き辻村深月が満を持して登場である。

文庫化の影響もあり、書店で強力プッシュをされているのを見かけた人も多いだろう。

帯に「人生で一番刺さった小説」と謳われているのだが、これが誇張ではなく、実際に絶賛というか絶叫というか悲鳴というか…の嵐なのである。

婚活をテーマにした作品なんだけど、これがもうね「辻村深月、私のこと書いてる?」と思ってしまうぐらい、こちらに指を突きつけてくる内容なのだ。

心の底を洗いざらい言語化されたい人はぜひとも食らってほしい。

きっと読後に穴を掘って埋まりたくなるから。

 

 

~~~~

 

 

ここから遂にベスト10の発表である。

 

毎度のことだが、同時ランクインの作品があるので、ベスト10は言いつつも12作品がランクインしている。

厳密なことをいえば不正確なランキングなのだろうが、私としてはひとつでも多くの作品が皆さんの目に触れてほしいので、この形を取っている。

 

 

それでは行ってみようか。

 

2022年に読書家たちから、もっとも多くの興奮と称賛をかき集め、悶絶に次ぐ悶絶を生み出してきた傑作たちである。

 

ぜひとも一緒にランキングを予想してみてほしい。

 

 

10位

 

47票を獲得した、10位はこちら!!!    

 

 

 

浅倉秋成!!

 

 

 

 

『六人の嘘つきな大学生』!!

 

 

 

 

2022年で一番、名を馳せた嘘つきたちである。

 

こうしたランキングを作っているとよく分かるのだが、上位に入る作品というのは、完成度や面白さといった要素とは別に「感染力」が極めて高い。

私たちが次に読む本を探すときは、誰かの感想がキッカケになることが非常に多い。それはツイッターも然りだし、Amazonなどのレビューもそうだ。

そうした場で語られる感想や、言葉の種類、感情が「読もう」という感染を生み出す。結果、多くの人の目に触れ、票数を獲得するという流れである。

 

そういう意味でこの作品は、抜群の感染力を発揮したと思う。思わず読みたくなってしまうような興奮に満ちた感想がそこら中に溢れている。

 

さあ、最高の“嘘つきたち”の中へ飛び込もうじゃないか。

 

 

 

9位

 

さあどんどん行こう!

 

続いては52票を獲得した、第9位!!

 

 

 

世界最強の遅咲き作家の登場だ!!

 

 

 

ディーリア・オーエンズ!!

 

 

 

『ザリガニの鳴くところ』!!

 

 

 

 

2021年本屋大賞の翻訳小説部門で、堂々の第1位。

全世界1000万部突破。

2019年、2020年と2年連続アメリカで一番売れた本。

そして著者は69才にして小説家デビューって、かっこよすぎるだろ。

 

湿地帯で発見された青年の変死体。容疑者はそこで暮らしていた少女。

これは法廷ミステリーなのか、アメリカの暗部を描いた社会小説か、それとも?

 

バカ売れしているのには理由あり。

凄すぎて、読んだらしばらくこっちの世界に戻ってこれなくなる面白さ。湿地でしばらく暮らすがよろしい。

 

ご堪能あれ。

 

 

 

8位

 

お次は、全世界1000万部を抑えた第8位である。

 

 

 

59票獲得…

 

 

 

 

またしても辻村深月…!! 

 

 

 

 

…ということは…

 

 

 

 

 

『かがみの孤城』!!!
 

 

 

 

 

辻村深月…なんて恐ろしい子…!!

 

日常に疲れた大人の心を癒やす、薬用小説が見事アメリカのベストセラーを抑えてランクイン。

こういう作品で読者をメロメロにしておいて、ちゃんと『傲慢と善良』で取り返すかのようにみんなを滅多刺しにしてくるんだから、そりゃ月影先生も恐れおののくわな。

 

もう売れまくってるし、知名度も抜群なので詳しい説明は必要ないでしょう。

泣けて、感動できて、万人の心を癒やす、新たな名作の誕生である。めちゃくちゃオッサンだけど、私もお城に連れてってほしい。切実に。

 

 

 

さあ、8位はもう1作がランクイン。

 

 

 

 

凪良ゆう…!!

 

 

 

 

 

『流浪の月』!!!!

 

 

 

 

 

去年の12位から一気に巻き返してのランクイン。

2022年は文庫化に映画化と、爆裂する要素だらけだったので妥当の結果である。

 

このブログでは再三書いているが、『流浪の月』の凄さは、作品の良さを上手に伝える言葉が存在しないことだと思う。

読むと心の中が、得体のしれない“なにか”で満たされる。間違いなく充足感なのだが、それを表す言葉が存在しない。作品に対して分かりやすいキャッチフレーズを与えることができない。

 

みんなに良さを伝えたいと思っても、上手く言葉を選べないのである。

だから『流浪の月』について語ろうとすると、こうやってポエムみたいな言葉を並べることになる。「なに言ってんだこいつ?」という感想が散見されるのも仕方ないことなのである。あんなの読まされたら、そりゃ頭パーにもなるよ。

 

 

 

めちゃくちゃ蛇足だけど、私のあっついあっついレビューはこちら。

誰も手の届かないところで月は。凪良ゆう『流浪の月』 

 

 

 

7位

 

 

続いては64票を獲得した、第7位!!

 

 

 

青山美智子!!!

 

 

 

 

 

『赤と青とエスキース』!!!

 

 

 

 

 

ひとつの下絵“エスキース”を軸にして起こる様々な人間模様を描いた、いま一番最高に心地よく楽しめる小説。

 

売れてる小説って、どうしても読者へのフックを作るために、刺激的な要素が入りがちなのだが、『赤と青とエスキース』に関しては完全に心をノーガードにして楽しめるし、前向きに心地よくさせてくれるので万人にオススメできる。

 

あまり多くは語れないけれど、構成が本当に巧みで美しく、読み終えたあとの余韻が凄い。もう一回最初からじっくり楽しみたくなってしまうはずだ。

ラストを迎えたときにあなたに生まれた感情。それこそが小説の醍醐味である。

こんな素晴らしい作品を生み出した青山美智子を讃えよう。

 

 

 

6位

 

このランキングも本当に残すところあとわずか。皆さんの推し作品は出てきただろうか。それともまだ出てきていないのであれば、1位であることを疑ってないだろうか。

ちなみに私はこのランキングを作る前に、色々と予想を立てていたのだけど、1位は完全に予想通りでした…と書くとネタバレになるか…?

 

 

 

さてさてお次は、67票を獲得した第6位の発表だ。

 

 

 

朝井リョウ!!  

 

 

 

 

 

『正欲』!!!

 

 

 

 

 

 

前回の3位から若干順位を落としたものの、まだまだ圧倒的な人気を誇る怪作がランクイン。

 

私はこの作品を読むまで、朝井リョウはただのオモシロエッセイストだと認定していたのだが、完全に意識を改めさせられた。

これまで数千冊の小説を読んできたけど、『正欲』で喰らったダメージはちょっと比較できるものがほぼないレベルだ。そしてそれは私だけに限らず、“性欲”を持つ者ならば誰しもに等しく『正欲』は襲いかかってくる。

 

この現代、多様性の大切さや寛大さをきっと多くの方が理解していると思うし、理解しなければならないと思っていることだろう。私もそうだった。

しかしこの作品を読んだあとの私は、そんな簡単に多様性を理解しているなんて言えない。いままでの私はなにも見ていなかったと思う。

 

読後、価値観を打ちのめされて崩れ落ちるだろうけど、ちゃんとフィジカル的に立ってられないぐらい衝撃を受けるはず。床に突っ伏しながら朝井リョウに参りましたと言おう。

 

 

 

6位の2つ目は、こちら。

 

 

 

2022年最大の危険物…

 

 

呉勝浩…!!

 

 

 

 

 

『爆弾』じゃい!!!

 

 

 

 

 

陳腐すぎる例えだから言いたくないけど、でもやっぱり言おう。

爆弾級に面白かった

 

微罪でしょっぴかれた謎の男“スズキタゴサク”。

しょぼくれた、ただの酔っ払いにしか見えないが、取り調べの最中に突然「10時に秋葉原で爆発が起こる」と“予言”を披露する。そして実際に爆発が。

この男、一体何者…?

 

魅力的な設定と謎だけでもすでに美味しいのに、さらには警察の熱い攻防、極上のプロットと、全方位に無敵すぎるエンタメ作品である。

 

私は旅行先のお供としてホテルで寝る前に読んでいたんだけど、あまりの面白さに、翌日予定がパンパンに入ってる(子供と海水浴)というのに、明け方近くまでかけて一気読みしてしまった。これは完全に爆発物ですわ。

 

2022年を代表する徹夜小説でしょう。

 

 

 

5位

 

残すところあと5作品!!

じゃんじゃん行こう!!

 

 

票数は、6位の67票から一気に増えて84票。    

 

 

2022年に読まれた小説の中で、5番目に輝きを放っていた作品は…

 

 

これだっ!!!

 

 

 

グロの錬金術師!!!!

 

 

 

白井智之!!!

 

 

 

 

『名探偵のいけにえ』!!!!

 

 

 

 

 

探偵事務所で雇っている女子大生が失踪。行き先は「病気も怪我も存在しない奇跡の楽園」。奇跡を信じるカルト集団に、現実のロジックは太刀打ちできるのだろうか-?

 

実際に起きた米カルト教団の集団自殺を下敷きにした、最初っから最後までイカれっぱなしの超ミステリーが堂々の第5位にランクイン。

 

イカれた建築家が知識と飛び抜けた情熱を注ぎまくって作り上げた、異常建築物といった感じ。これは圧倒されるよ。だって解決編だけで150ページだからね。

白井智之といえば、血しぶきと内臓まみれにしないと文章を綴れないことで、有名なグロ作家だけど、今作は非常にマイルド。グロ耐性が低い人でも楽しめるので安心してほしい。まあちょっとは覚悟してほしいけど。

 

怒涛の解決と圧巻の回収劇に、思う存分クラクラしてくれ。2022年で一番変態だった作品です。

 

 

 

4位

 

 

ラスト4!!

 

 

またさらに票数が一気に増えて、92票!!  

 

 

 

 

いま世界で一番面白い物語を生み出す男…

 

 

 

それは…

 

 

 

 

アンディ・ウィアー!!!

 

 

 

 

 

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』!!!

 

 

 

 

 

 

おらあぁっ!!!!

 

 

 

至高!!

 

 

 

以上!!!!

 

 

 

 

(個人的2022年のぶっちぎりベストです。こんなに面白い小説、10年に一冊とかそんなレベルでした。読んでる間、意識が宇宙になりすぎてて、読了後に外に出たら凄い変な感覚になって、すべての風景が愛おしかったです。こんな傑作を生み出してくれた作者と、いるんだとしたら小説の神に大感謝)

 

 

~~~~

 

 

…ふう。

 

怒涛のランキングをここまで紹介してきたが、遂に残すところあと3冊。ベスト3である。

皆さんが果たしてどんなテンションでこのランキングを見てくれているのか分からないが、一緒に楽しんでくれているものと想像する。

だってこんなに読書好きの性感帯を刺激しちゃうランキング、そうそうないでしょ。私自身が自分で書いてて、最高に愉しんでるから。作業量が膨大過ぎるのはキツイけれど。

 

ということで、ツイッター読書アカウントの読書愛と私の苦労の結晶がフィナーレを迎えている。泣いても笑ってもあと3つ。どんな顔ぶれでも文句は言いっこなしである。

ぜひともこの3つの覇者たちを歓迎してあげてほしい。

 

 

それでは覚悟はいいだろうか。

 

2022年の頂点に輝く、ベスト3の発表である。

 

 

 

3位

 

それでは…

 

 

第3位!!

 

 

遂に3桁の大台!!

 

 

101票獲得!!!

 

 

 

 

もう、ランキング独占しすぎ!!

 

 

 

 

凪良ゆう!!!!   

 

 

 

 

『汝、星のごとく』!!!!

 

 

 

 

これだけの名作がひしめく中、ベスト10に複数ランクインしたのは凪良ゆうのみ。こんな覇王が現れちゃったら、ラオウもその座を譲るよ。我が生涯に一片の悔い無しって。

 

でもね、書店に行く人は分かったと思うけど、『汝、星のごとく』が平積みされてたときの存在感は完全に別格だったよね。

装丁の美しさといい、作品から湧き出る魅力で目の惹き具合が、申し訳ないけど他の作品に比べて段違いだった。ちゃんと調べてないけど、同時期に発売した他の作品、売れ行き悪くなったんじゃないかな。

さっきも書いたけど、2022年は『流浪の月』が実写化されて、しかも主演が広瀬すずと松坂桃李っていう話題性が保証されたような状況で、凪良ゆうに注目が集まりはするものの、やっぱり『流浪の月』に意識が向きがちだったと思う。『汝、星のごとく』は、もしかしたら「流浪の月の人が書いた本」ぐらいで終わっていたかもしれない。

 

それなのに、これだけ圧倒的な結果を残しているのである。まさしく作品の力である。

 

余計な話が多くなりすぎたが、実際の中身はというと…

 

 

凄まじい。

 

 

これである。

 

流麗な文章でとても読みやすいのだけれど、登場人物たちが色んな不自由を押し付けられる様がとんでもなくリアルで、ダメージがでかい。完全にノックアウトされる。

なんだろう。超絶な美人にゆっくり刺殺されるような快楽がある、とでも表現すればいいだろうか。

とにかく内容が濃くて、人生を一回経験し終えたような満足感がある。

 

凪良ゆう作品は評価を言葉にしにくいからこそ、せっせと言葉を紡ぎたくなってしまう特徴がある。ぜひ読後は色んな人と感想を語りあってほしい。もっと作品を愛せるようになるはずだ。

 

 

2位

 

さあ、ここまで来たらある程度の読書好きであれば、二択になっていることだろう。さてどっちだろうね~。

 

 

では発表しよう。

 

 

第2位、2022年に最も評価された本の準グランプリである。

 

 

 

 

獲得票数は…118票

 

 

 

 

逢坂冬馬!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

『同志少女よ、敵を撃て』!!!!

 

 

 

 

 

 

 

2022年本屋大賞受賞作の登場である。

これは文句なしでしょう。2021年の年末に突如として現れ、瞬く間に本好きたちの興奮を掻っ攫っていった。その勢いをリアルタイムで目にしていた私は「2022年は完全に『同志少女』だな」と思っていた。

 

…なのだが。

 

この作品に大きな影を落とす出来事が勃発する。

 

 

ロシアによるウクライナ侵攻である。

 

 

『同志少女』は第二次大戦下のソ連を舞台にした物語。

物語に罪はないとしても、どうしても読んでいる最中に現実のニュースが頭をよぎる。没頭するには雑音が多すぎた。現実が悲惨すぎた。

 

私にとって大好きな作品だったからこの状況は辛かった。そして著者自身も苦しんでいる様子を見せていて、余計に悲しかった。このまま『同志少女』は埋もれてしまうのかと覚悟していた。

 

しかしながら、無事に本屋大賞受賞し、書店でもしっかりと陳列していただいた。

そしてこうやって、多くの人に評価してもらうことができた。

 

素晴らしい創作の力が、クソな現実をねじ伏せて、見事に勝利を収めたのだ。

 

現実に起こっていることが間違っているだけで、この作品が持っている力は本物である。とてもデビュー作とは思えない力量で一気に物語世界に引き込んでくれる。

 

 

読書を愛する私はつくづく思う。

物語は救いだ。力だ。そして、物語は可能性だ。

 

 

私たちの暮らす世界は、どうしようもなく愚かで、平気で悲劇を生み出してきやがる。

物語に現実を変える力はないかもしれない。

 

しかし、物語が現実に勝った、という現実はたしかに存在したのである。

その事実に私はとても可能性を感じるのである。

 

 

物語よ、永遠なれ。そしてウクライナに幸多からんことを。

 

 

 

1位

 

話題が話題なので、ちょっと湿っぽくなってしまった。ごめんごめん!!

まあでも色んな味がある方が物語だって面白いでしょ?そういうことで許してくれ。

 

 

それでは、遂にこの長過ぎる記事もラストである。

 

2022年に最も読書好きに衝撃を与え、心を奪ってきた作品である。

 

 

 

覚悟はよろしいか。

 

 

 

獲得票数…

 

 

 

2位を大きく離して…

 

 

 

なんと204票

 

 

ぶっちぎりである。今回集計対象とした方の、ほぼ10人に1人が入れている計算だ。

 

そんな圧倒的な結果を残したバケモノは…

 

 

 

こいつだっ!!!

 

 

 

 

 

夕木春央!!!!!

 

 

 

 

 

 

『方舟』!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチパチパチパチ…

 

 

おめでとうございます。

ギリギリで2位にダブルスコアは付けられなかったものの、それでも圧倒的

 

 

発売されるやいなや、読書アカウントたちのTLで頻出しだした『方舟』というワード。

明らかに好評なのにその具体的な物語や全貌はまったく見えてこない。

読んだ人間が絶賛している興奮は伝わってくるのに、ネタバレは一切しない。

 

何が起こっているんだ…?

 

あの時期にツイッターにいた読書アカの多くが思ったことである。

 

そして確かめた者からまた、沈黙の世界へと旅立つことになる。

『方舟』読了の輪が広がれば広がるほど、誰も語らなくなるという怪奇現象が起こっていた。

『六人の嘘つきな大学生』のところで書いたけど、作品の感染力がぶち抜けてたね

 

その結果がこの圧倒的1位である。

水面下で2022年は『方舟』の年になっていたわけだ。

 

 

 

さて。

 

とはいえまだ未読の方もいることだろう。

どんな物語なのか、あらすじだけでも知りたいと気になっていることだろう。

 

 

あえて言う。

 

 

 

いいから読め。

 

※帯も読むな

 

 

それ以上の言葉はこの作品にとって蛇足にしかならない。

そしてあなたも一緒に私たちと“共犯者”になろう

 

『方舟』に次の獲物がかかる様子を黙って見守るのは、最高に愉しいぞ。

 

 

 

ということで、#2022年の本ベスト約10ランキングの第1位は夕木春央氏の『方舟』でした。

改めておめでとうございます。

 

 

 

以上、長い記事に最後までお付き合いいただき感謝。

そして毎度のことながら、膨大な集計&執筆作業を頑張った私、とっても偉い。誰か褒めてくれ。

 

 

おわりに

 

ぜひTwitterでコメントとか、記事を拡散していただけると、生きる気力が湧いてくるので、人道活動の一環だと思ってよろしくお願いしたい。

 

 

 

あなたが思ってるのの100倍ぐらい、コメントとか引用リツイートは書き手を喜ばせております。

 

 

頑張ったオッサンに小銭をくれてやってもいいよ、という方はこちら。

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以上。疲労困憊です。しばらく読書に耽ります。