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ZORNとかいう日本一言葉が強いラッパーを褒め殺したい

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私は音楽が好きだが、メロディーよりも言葉に惹かれるタチがある。普段から本を読み漁るような生粋の活字中毒なので、当然といえば当然。

で、学生時代の頃からあらゆるアーティストの歌詞を貪り食っていた。味わい尽くしていた。いい歌詞と出会ったら、ノートに書き写しちゃうぐらい味わってた。就職してからは業務中に上司の目を盗んでパソコンに打ち込んでた。それくらい言葉が好き。上質な言葉に触れると感化されずにはいられない人間。それが私。

しかしながら、やはりオッサンになったせいなのか、それともある程度のパターンと出会い尽くしてしまったせいなのか、最近はあまり「すげえ!」みたいな歌詞に出会う機会がめっきり減ってしまった。

これは持論なんだけど、言葉に対するセンスというのは若い内がMAXで、あとは枯れ果てる一方だと思ってる。センスは枯れてしまうから、あとはテクニックとか、知識でカバーしていく方向に、どんなアーティストも進むように観察されている。もちろんリスナー側もそれは同じ。感性じゃなくて、知識とか経験に照らし合わせて評価するようになる。

 

だが、最近出会ったアーティスがヤバかった。

それが今回の記事の主役“ZORN”である。

 

 

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このびっくりするぐらい白黒でセンター分けの男がZORNである。決して蛇の方ではない。一応。

 

最近出会ったと書いたが、思い出してみたら数年前に彼の楽曲をYouTubeで見かけたことがあった。

そのときも確かに「すげえ歌詞を書くな…」と認識したのだが、サビがあまりにもダサくて興味を持ち続けることができなかった。

 

それが数年のときを経て、ZORNの最近の楽曲を聴いてみたら、これがもう…っ!

とにかくすげえ。というか感動。

たぶん、私の人生で初めての経験なのだが、音楽を聴いて泣いた。歌詞で感動して泣かされた。

 

もう完全に歌詞に対する感性が死んでると思ってたし、心に残り続けるような歌詞とはもう出会えないと諦めていた私。

そんな私の心を鮮やかに捉えたのがこの稀代のラッパー、ZORNなのである。

 

ちなみに私はHIPHOP好きだが、完全にパーフェクトで文句なしに純然たる“にわか”なので、ZORNの専門的な凄さは一切分からない。

今回の記事は、生粋の言葉フェチから見た感想、ぐらいに思ってもらえると助かる。

 

 

コピーライターかな?

 

ということで、今回の記事ではZORNの歌詞にスポット当てたい。それ以外の要素は正直分からん。

でも歌詞だけで十分ZORNのヤバさ、異端さ、尖り具合、圧倒的センスは伝わると思う。っていうか、それだけでもう私は十分満足してます。最高です。抱け、ZORN。私のことを。センター分けにして待ってる。

 

で、ZORNの歌詞なのだが、何が凄いって、そのコピーライティング力だ。一見したときのインパクトが凄まじい。しかもその量がまた凄ま自慰、って誤字が飛び出しちゃうぐらい凄まじい。

 

世の中に出回ってる楽曲で、1曲の中で出てくるキラーフレーズって、ちゃんと数えたことはないのだが、たぶん多くても2、3回ってところじゃないだろうか。

でもZORNの場合、1曲あったら10箇所ぐらいは「このフレーズは凄いっ」というのが出てくる。

これだけ頻繁にキラーフレーズを繰り出されると、こちらも慣れてきてしまうのだが、そしたらまた今度は「こんなパターンもあんのかよ」という感じで、別角度からもぶん殴ってくる。いつまでも刺激を与えてくれる。それがZORN。パンチラインとはよく言ったもんだ。そういえば全然関係ないけど、パンチ佐藤の月額10万円の会員サロンって、今どうなってんだ?

 

ZORNのこの類まれなる能力は、ラッパーというよりも、完全にコピーライターだ。

見た人の心に確実にインパクトを与える。しかも乱射。

 

それがZORN最大の魅力なのである。

 

 

御託はいいから、曲を聴こう

 

とまあすぐにいらん御託を並べてしまうのが私の悪いクセである。そもそもブロガーなんてネットの大海に独り言を永遠に垂れ流し続けるような人種である。はっきり言って異常者だ。いらんことをしか書けないのかもしれない。

という御託を並べてしまうので、いい加減楽曲に移ろう。百聞は一見にしかず。百語りは一聴に勝てず、だ。

 

 

まず紹介したい楽曲はこちら。私がZORNとのファーストコンタクトを果たした楽曲だ。

さっき「サビがくそほどダサい」みたいなことを書きくさった曲だ。ほんとごめん。なんか最近はめっちゃ好き。サビは相変わらず全然好きじゃないけど。

 

 

きっと全然興味がなくて、楽曲なんか1秒も聴きたくないとか、歌詞を吟味する時間さえ惜しい人もいるだろうから、私がめっちゃツボにハマった歌詞を羅列しておこう。ビバ著作権。

 

 

いつまで経っても今も俺は目を開けたまま夢見がちだが

 

ど頭からいきなりヤラれたよね。男ってのは基本的にバカで夢見がちなもんだ。

ZORNは本当にこういう逆説的な言葉の使い方が上手く、自分を客観的に表現したり、皮肉に満ちた物言いにとても合っている。

 

 

 

働くのが生きるためなら生きるのは何のため?

 

この楽曲を書いたとき、ZORNは20そこらのガキである。しかも少年院上がりの。

過激な人生を歩んできたからこそ、こんなにも本質を突くような言葉が出てくるのだろうか。本当に、生きるのは何のためだろう?

 

 

 

夜空が暗いからこそ星は見える。街灯が光っていても昼間なら気付かない。

 

星は彼にとっての希望のメタファーだろうか。

幸せな人であれば、希望なんて周りの光に紛れて見えなくなっているはずだ。

 

 

 

俺が夢を捨てなければ夢は俺を捨てない。

 

熱いっすなぁ。

「諦めなければ終わらない」という使い古されたフレーズをZORNならではの言い回しに昇華している。

「捨てる」というキツめのワードをチョイスできちゃう辺りが、センスです。

 

 

 

成功が努力よりも先なのは辞書だけだ、保証もないものに一生を賭けな。

 

これは有名ヘアデザイナー、ヴィダル・サスーンの名言を引用したもの。その引用をさらに引用しているのがこちらのブログになります。何番煎じでしょう。

 

 

 

賭けるものがないんです、人生でいいですか?  

 

そしてこれですよ。言葉が強い。最強すぎる。

壁にぶつかって、成功を願って止まない若者の心の葛藤。そして挑戦することへの覚悟を表現するのに、これ以上の言葉は存在しないじゃないだろうか。

発想が凄い。

 

 

味のする部分が多すぎ

 

このように、たった一曲紹介するだけでこの量である。楽曲の中で味のする部分が多すぎるのだ。美味しいところがありすぎるから、抜粋しまくりたくなる。

で、それはどうやら私だけじゃないみたいで、『奮エテ眠レ』のコメント欄を見ると、みんな食らった歌詞をひたすら羅列しまくっている。

感想を書くよりも、ZORNの歌詞を転載するだけの方が、遥かにインパクトのあるコメントになるから、そうせざるを得ないのだろう。自分の感性を超えたものに出会うと人は、語彙力を簡単に失うから。

 

 

ドラマが凄い。これは泣く

 

次に紹介するのはこちらの楽曲。

さきほど紹介した『奮エテ眠レ』では、まだ孤独で、なんの成功もせず、地べたを這いずり回るように藻掻いていた20そこそこの青年。

 

それから6年。孤独に震えていた青年に家族ができた。

 

奥さん、そして2人の連れ子。なりたての家族。

ぎこちないながらも溢れる愛情を、唯一無二の言葉で歌い上げている。

 

楽曲の名は『Letter』。

 

 

 

 もうね…これは泣くよ。そりゃ泣くでしょ。

 

あれだけ苦しみのどん底で叫び声を上げるようなラップをしていた若者が、こんな愛に溢れたラップをしてるんだから。幸せが楽曲からダダ漏れ。超感化。おっさん感涙。俺もセンター分けにしたい。

 

さっきの『奮エテ眠レ』みたいに気に入った部分を引用しまくりたいのだが、『Letter』に関しては、全部好きなのでムリ。分解したくない。まるごと愛してほしい。みんなにも強要したい。センター分けも強要したい。

 

ということで、歌詞をじっくり楽しみたい方は、YouTubeのコメント欄を確認してくれ。

 

 

以上。ただただ褒め倒すだけの記事でした。