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【月イチまとめ】2019年2月に見つけた面白い本

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どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

月イチ恒例企画である。ご覧遊ばせ。

 

2月は我らが本屋大賞のノミネート作品が発表される月である。嬉しい。

近年は読書ブロガーの端くれとして、ノミネート作品にはすべて目を通すようにしているのだが、なかなか当たりハズレが多かったりして、私の中で本屋大賞の信用が着実に失われている。

ノミネート作品を全部読むのはそろそろ止めようかと思っているのだが、私の拙いレビューを楽しみにしている物好きな人が少ないながらもいるので、止めるに止められない状況に陥っている。

ノミネート作品が全部面白ければ、こんな苦しみを味あわずに済むのに…!『熱帯』みたいなの入れんなよ!

 

ということで、本屋大賞のノミネート作品は順次消化している最中なのだが、早速大当たりと大ハズレに出くわしたので、それも合わせて紹介しておきたい。

 

では行ってみよう。

 

 

死体は語る

 

 

「死体がこわいとか、気持ち悪いという感覚は、医学を志したときからすでに持ち合わせていなかったような気がする」

 

職業に貴賎なしとは言うし、そうであるべきだとは思うが、それでもやはり自分には到底出来ない仕事をされている方には、尊敬の念を抱かずにはいられない。

30年間に渡って監察医を務めた著者による、類を見ない死体エッセイ。死を常に見続けてきたからこそ、その言葉には生が宿り、独特な美しさを湛えている。この読み味は、あの名作『特殊清掃 死体と向き合った男の20年の記録』と通ずるものがある。静謐で美しい文章だ。

 

これは間違いなく名作である。

 

 

おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 

 

 

お金に関する本はけっこう読んできたけど、これは分かりやすくてよろしい。

 

経済記者として20年以上のキャリアがある作者なだけあって、お金や経済の核心をシンプルに教えてくれる。

もともと自分の娘に読ませるために書かれたもので、だからなのか愛に溢れた温かい印象を受ける。ストーリー仕立てになっているのも◎。

 

本書で最初にして、最後に語られる問題がある。

 

お金を手に入れる方法は6つある。

 

「かせぐ」「ぬすむ」「もらう」「かりる」「ふやす」

この他にもうひとつあるのだが、あなたには分かるだろうか?

 

 

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竜が最後に帰る場所 

 

 

恒川光太郎の面白さを伝える語彙は、まだ世界に存在しない。

「読者をここではないどこかへ連れて行く鬼才」という触れ込みの恒川光太郎。そんな彼の短編集もまた、不思議な快感をもたらす異空間に満ちた作品だった。

5つ収録されている短編のどれもがなんとも言えない魅力で引き込まれてしまい、気が付けば(気が付かないうちに)作品世界へと没入していってしまう。

 

この独特な読書体験はもう“恒川光太郎ワールド”としか表現できません。なんか脳みその裏側に入り込むような感じ…。なんていう表現で伝わるわけもなく…。

 

そして、バトンは渡された

 

 

作者の瀬尾まいこは信用しているつもりだが、「血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった少女」というちょっとトリッキーな設定には「大丈夫か?」という心配があった。装丁もあれだし。

だが、私のそんな先入観を軽々と吹き飛ばしてくれる、超ステキな作品でした。おっさん、感動したよ。こんなん泣くわ。

こんなトリッキーな設定で感動を鮮やかに作り出してしまう瀬尾まいこ。超偉い。

 

まだ2019年始まったばかりだけど、今年のベストになる予感がしてならない

 

今月のハズレ本

 

もうすでに記事の冒頭で書いてしまったが、今月のハズレ本はこちら。

 

 

いやー、久々だね。こんなにつまらない本読んだの。つまらなさすぎて、いっそ痛快、爽快、愉快。いや間違いなく不快だ。ナメんな、読者。

森見登美彦ファンなので、彼の著作はほぼ読破していて、彼の悪癖(サービス精神よりも、自分の趣味全開で作品を書いちゃう)は理解しているつもりだったし、寛容なつもりだったが、これはさすがにムリ。

過去の作品たちを見ると、同様の傾向があったのが『宵山万華鏡』『きつねのはなし』あたりだったけど、それでもまだ面白かった。というかけっこう好きだった。「こんなモリミーもありだよね」ぐらいに思ってた。もしかしたら短編集だったからまだ読めたのかもしれないけど…。

 

何がこんなにダメなのかはまた別の機会を使って、徹底的にボロクソに書こうと思うので今回は控えるけど、とにかく全然ダメ。まったく面白くない。

2週間ぐらいかけて読んで損したよ。設定は悪くないのになぁ…。

 

 

以上。酸いも甘いも噛み分けるのが読書である。これからも苦楽を読書で存分に味わっていきたい。

 

 

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