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【月イチまとめ】2023年6月に見つけた面白い本

 

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。ダイソンの吸引力が落ちてます。

 

毎月恒例の月イチまとめ記事である。

 

 

これにて2023年の前半がおしまいである。

毎度この半年でのベスト10冊を報告するのが、Twitter読書アカの恒例行事となっている。

私はといえば、いつも下半期に仕事の繁忙期を迎えるので読書量がブラックマンデーぐらい落ちる。この例えが不適切だとするなら、ブラックフライデーの凋落っぷりぐらい、といえば伝わるだろうか。ブラックを経験していない他の曜日が震えているかもしれない。

 

上半期の私のベスト10冊はかなり重要になる。

この半年で読む本の量もそうだし、なによりも忙殺されていないので、言葉に対しての感度が度量が十分なのである。作品の素晴らしさを相撲部屋の女将ぐらいがっぷり受け止められるのである。ちなみに下半期の私はヤフコメを書いている人ぐらい包容力と想像力が無くなっている。

ということで、一応毎月上げているベスト本たちの中から、年間ベストも決まってくるわけだが、集計してみればほとんど上半期の本ばかりになってしまうわけだ。

つくづく読書とは心の余裕が生み出す娯楽だと思い知らされる。(大体にして、余裕がないときの読書は、趣味のレベルを超えて命綱みたいな救命道具の意味合いが強くなってくる。我ながら読書に責任を負わせ過ぎである。バイトだったら逃げ出してるぞ)

 

ということで、まるで上半期のベスト10冊を発表しだしそうな書き出しとなったが、普通に2023年6月に見つけた面白い本たちを紹介していく。

 

 

行ってみよう。

 

 

キュレーターの殺人

 

クレイヴン偉すぎ!!

 

さすがにシリーズ3作目だから勢いが落ちてるだろー、でも大好きなシリーズだから読まずにはいられんよ、と思って読んだんだけど、もうね…

 

 

 

 

偉いっ!!

 

 

 

ああ、ごめんごめん。いきなり大声出してしまい申し訳ない。

よくぞここまでハイレベルの面白さとスピード感を維持し続けれるもんだ。おじさん、感心しちゃうよ。しちゃうっていうか、もうすでにしてるよ?

面白いとかを飛び越えて「偉い」。これがワシントン・ポーシリーズの評価です。

 

早く4作目をどうかどうか…

 

 

 

ラストナイト

 

そう来たか…!!

 

少年犯罪者を書かせたら右に出る者はいないことでお馴染み、薬丸岳である。

今回は顔まで入れ墨を施し、犯罪を繰り返す男の話なのだが、これがまたさすがの面白さ

読者に痛みを感じさせるのがめちゃくちゃ上手い薬丸岳だけど、今作でもしっかりと読者の焦燥感やフラストレーションを見事に操っている

だがその先に待っている結末には、確実に腹落ちするはず。いやー、デビュー当時から上手い作家だとは思ってたけど、本当にどんなテーマで書かせても見事だわ。まあ『神の子』だけはタイトル負けにもほどがあったけど。

(なんであんな面白そうなタイトルであんな尻すぼみなんだよ…途中まで最高だったのに…)

 

 

ガール

 

すんげぇ嫌。

 

というのは私の奥様の談。

『ガール』で描かれる女性心理の泥臭さがあまりにも生々しかったので、奥様に「これ分かる?」と聞いたところ返ってきたのが、上のコメントである。好き。

 

奥田作品を読むたびに思うのだが、彼の中に息づいているキャラクターというのは、どうやって生まれているのだろうか。具体的なモデルがいるのか。それとも他の媒体で目にしたものを膨らませたり、置き換えたりしているのだろうか。

もし完全にいちから想像で生み出して構築しているのだとしたら、この生々しさは異常だ。多重人格もどきだと思う。

 

短編集なのに、一つ一つで語られる問題が、非常に切実だったりするので、満足感たっぷりで読めてしまった。それでいて爽やかに折り畳んでくれるんだから、本当に助かります。

 

 

ファイナル・ツイスト

 

お、終わった…。

 

まさかちゃんと終わるとは。びっくり。人気作家の人気シリーズなんて、終わらないのが常套なのに…。それもまさか伏線?と疑ってしまうほど用意周到なのがディヴァーである。いやさすがにそれはないか。

 

海外の面白いドラマを見ているようなスピード感とユーモア性。そしてジジイが生み出しているとは思えないほど切れ味鋭いプロット。マジでディーヴァーは異常者。

個人的に本当にいちばんどうしようもないと思うポイントはタイトルね。『ツイスト』というのは「どんでん返し」の意だ。それをタイトルに冠しちゃうし、しかも「ファイナル」でしょ。どんだけ読者の期待を煽るのよ。それともアメリカの風土か?

なんにしろ、大風呂敷を広げても絶対に回収しきるのがディーヴァー。その手腕をご覧あれ。

 

 

サッカー店長の戦術入門

 

サッカー、奥深すぎる!!!

そして面白すぎる!!!!

 

元々この方のブログの大ファンで、同じ記事を何度も読んじゃうほどだったんだけど、遂に書籍が出たということで購入。

知る人ぞ知るって感じだったけど、今じゃプロのサッカーチームの戦術コーチとかやってるし、メディアにも頻繁に出てるしで、すっかり遠い御方になってしまった。

 

自らを“変態”と強く自称するだけあって、他の追随を許さないレベルでの、分かりやすくも奥深い戦術解説っぷり。これはお金を払う価値がありますわ。というか、今までブログでタダで読めてのが申し訳なかったからね。ちょうど良かった。

 

 

以上。来月もお楽しみに。