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【月イチまとめ】2019年5月に見つけた面白い本

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どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

 

私はいつも本を選ぶときに、他人のオススメを除外するようにしている。そのときどきで、自分が一番「これだ!」と思える本を読むようにしている。なので「後で読もう」と積ん読をしたが最後、途端に読みたくなくなる。そしてまた新たな積ん読の山を積み上げてしまうわけだ。これはもう本読みの業である。徳を積むのは来世に任せておこう。

 

ということで、毎月恒例の面白本まとめ記事である。 

そのときどきで選んだせいか、今月はかなり「芸術」に偏った内容になっている。

ただ、こうやって偏って入り込んだほうが、より新たな世界との出会いがあるので、個人的にはオススメである。

表面をさらさら撫でるだけの出会いでは、自分の奥深くまで届くようなものは見つけられないだろう。

 

では行ってみよう。

 

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空が青いから白を選んだのです

 

 

受刑者たちが、そっと心の奥にしまっていた葛藤、悔恨、優しさ…。童話作家に導かれ、彼らの閉ざされた思いが「言葉」となって溢れ出た時、奇跡のような詩が生まれた。美しい煉瓦建築の奈良少年刑務所の中で、受刑者が魔法にかかったように変わって行く。彼らは、一度も耕されたことのない荒地だった―「刑務所の教室」で受刑者に寄り添い続ける作家が選んだ、感動の57編。

 

鳥肌が立ちっぱなしでした。

奈良少年刑務所の受刑者たちが綴る、規格外の詩集である。この本は若くして犯罪を犯してしまった受刑者たちを更生するプログラムの一環として行なわれた、詩を作る授業で紡がれた珠玉の作品を編纂したものである。

まともな家庭を持たず、まともな教育を受けることもできなかった彼らから放たれる言葉は、読者の想像を軽々と超え、未体験の感動を与える。

こんな素晴らしい言葉を持っていた彼らが、なぜ犯罪に手を染めてしまったのか。深く考えさせられる作品である。

 

まほろ駅前多田便利軒

 

 

まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に。多田・行天の魅力全開の第135回直木賞受賞作。

 

おぉ…直木賞受賞作は面白くないと決まっているはずなのに…。

 

作家自身に贈られる賞として有名な直木賞において、面白い作品は存在しないと思っていた。だがこのたび無事、生き残りを発見することができた。さすがは三浦しをん。安定力がすごい。

一見するとコミカルな雰囲気が漂っているのだが、一人ひとりのキャラクターを知っていくと、誰しもが胸の奥に深い物語を抱えていて、なかなか読み応えのある作品である。

重くなりがちなテーマを、短編の手軽さで補うことで読みやすくしているあたりも、上手い。

 

 

論理的思考力を鍛える33の思考実験

 

 

いちばん簡単な思考実験の入門書。考えるって面白い!「トロッコ問題」、「テセウスの船」、「アキレスと亀」、「ギャンブラーの葛藤」、「モンティ・ホール問題」、「エレベーターの男女」、「マリーの部屋」、「ありえない計算式」…有名どころからオリジナルまで、33の思考実験を掲載。 

 

サンデル教授によって爆発的に有名になった「トロッコ問題」を始め、めくるめく思考実験の世界へと誘ってくれる。こういうのめっちゃ好き。

厳選された思考実験の数々によって、自分の価値観を疑ったり、私たちの脳みそがどれだけ適当の仕事をしているか思い知ることだろう。超刺激的。

論理的思考力が鍛えられるかどうかは分からないけれど、面白いのは間違いない。

ひとつ読んでしまったら「早く次の問題が読みたい!」となるはず。

 

 

最後の秘境東京藝大 天才たちのカオスな日常

 

 

やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約3倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。楽器のせいで体が歪んで一人前という器楽科のある音楽学部、四十時間ぶっ続けで絵を描いて幸せという日本画科のある美術学部。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か?天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記。

 

藝大に通う彼らが天才かどうか、凡人の私には到底わかりえない。

しかしながら彼らがどうしようもないほどに面白いことはよく分かった。そして愛すべき存在であることも。

藝大に通うぐらいなのだから、芸術を愛しているのかと思ったら、意外と本人たちはそうでもなくて、「離れられない」とか「他にできることがない」なんていうネガティブな言葉が出てきた。

偏っていて、不器用で、歪で。でも一生懸命になれる。一生懸命になれるものがある。だからこそ摩訶不思議な魅力を放つ彼ら。

 

こんなに理解できない青春。藝大にしかない。

 

 

池田学 the Pen

 

 

1ミリ以下のペン先が1日に生み出す10センチ四方―その20年の軌跡。

著者厳選の100点をはじめ震災への想いを込めた過去最大の最新作“誕生”(3×4メートル)の制作ドキュメントも収録した待望の決定版。

 

東京藝大に感化された私が選んだ、芸術素人にも分かりやすい凄さを持った作品。

1日でたったの10cm四方しか描けないと言われる、超緻密画集。それのなにが凄いって、ひとつの作品を3年とか描き続けてるんだから、クレイジーもクレイジー。

本書ではその緻密な作品を、「全体」「パーツ」と分けて掲載。池田学作品をじっくり細部まで楽しめる構成となっている。池田学本人による作品解説も面白い。

これを見たら、絶対に本物に会いに行きたくなるのは間違いなし。

 

 

今月のハズレ本

 

面白くない本をわざわざ紹介しても誰が幸せになるんだ、という話なのだが、ハズレ本を引いてしまった私の気が済むだけである。つまりこれは八つ当たりである。

ということで、今月出会ってしまったハズレ本はこちら。

 

 

『壁を破る言葉』

 

 

岡本太郎の超名作『自分の中に毒を持て』が最高すぎたので、もう一度彼の言葉でぶん殴ってほしくなってしまった。そしたらまさに適役な作品があるじゃない。『壁を破る言葉』って。暴力感がすごい。

ということで読んでみたのだが…

 

なにこれ…白湯じゃん。 

 

薄すぎて、なんのエネルギーも貰えない。カロリーゼロでしょ、こんなん。伊達ちゃんを呼ぶ必要もないわ。

Amazonで結構高評価だったから信用したんだけど、こりゃダメだ。あまりにも文章が簡素化されすぎてて、私にはまったく響かない。

確かに岡本太郎の言葉はときに強烈で、単品で扱いたくなる気持ちは分かるんだけど(芸術は爆発だ、とか)、実は彼の言葉の魅力って、実は文章の方にあったりする。実際『自分の中に毒を持て』と読み比べてみたら分かる。全然カロリーが違うから。めっちゃ燃えてくるから。

せっかく岡本太郎が綴ってくれた文脈の中で語られた言葉たちなのに、こんな抜粋のされ方をしてしまったら、威力半減。っていうかものによっては完全に殺されてるように感じる。

 

ちょっともったいなかったなぁ…。

 

 

以上。参考にされたし。