だから育成は難しい。
陥りがちな罠
どうも、中間管理職ブロガーのひろたつです。いつでも迷走中です。
今回は部下育成に関するお話である。
私は職場で100人を超える部下を抱えていて、もちろんその全員すべてを私が相手しているわけではなく、それをまたいくつかのグループに分け、それぞれにリーダーを配置し管理を行なっている。
そのリーダーたちというのは20代の若い社員である。経験は浅く、まだまだ未熟な彼らは絶賛成長中である。
で、そんな若きリーダーたちを見ていると、人によって本当に能力の差があることを痛感させられる。ここで言う能力とは職務の遂行能力のことであり、チームを動かす力である。
一番の大きな違いは、チームメンバーにやり方を教えているか、考え方を教えているか、だ。
これは若きリーダーが陥りやすい罠のひとつである。
スポンサーリンク
問題の形を見極める、ということ
やり方を教える。それだけはそこまで罪な行為ではないのだが、それが積み重なると大きな差ができる。やり方しかしらないチームと、考え方を叩き込まれたチームでは、職務の遂行能力に著しい差が出るのだ。
例えば、
Aという問題が起きる。それに対しては①という対応を取る。
Bという問題が起きる。それに対しては②という対応を取る。
というやり方が決まっていれば、メンバーにそのように教えることができる。
だが本当に重要なのは、今、目の前で起きている問題がAなのかBなのか判断することなのだ。これがなかなかできない。
一見するとAのようにも見えるが、実はAとBという問題が組み合わさっている、なんてこともある。もしかしたらCというまったく新しい問題かもしれない。
どのみち「これは一体どういう問題なのか?」という考えが一番大事なのだ。ここを間違うと、それこそ道を間違えるようなもので、永遠に目的地には辿り着けない。
道筋を見つけられるようにする
「自分で道筋を見つけられるようにすること」
それが部下育成の本質である。
そのためにはまず問題の形を把握する力、そして未知なる問題に対して立ち向かう姿勢が必要になる。
やり方を教えることは、非常に実際的で、すぐに事態を収拾できるので安易にやりがちである。しかし、やり方しか知らない人間は、知らない問題や、一見すると分からない事態に陥ると、すぐに考えることを放棄し、その負担はリーダーへとのしかかる。
そんな状態ではチームとして大きな成果は望めない。それに、そういうチームは得てして不和になりがちだ。なぜなら、リーダーは一向に自分で考えようとしないメンバーに対して不満を持ち、メンバーは自分たちを不可解な状況に陥らせるリーダーへと不満を募らせる。
だからリーダーは徹底してメンバーに考え方を植え付けなくてはならない。
色んな考え方があると思うが、私は以下の3つを特に重要視している。
「どんな問題なのか正確に把握しなさい」
「分からないことにも立ち向かわなくてはならない」
「絶対はない」
この3つの考え方さえ植え付けておけば、その部下は自分なりに道筋を見つけられるようになるだろう。
部下育成の本当の意味とは
人はめんどくさがりで、難しいことはやりたがらない。カロリーを消費することが大嫌いだ。頭も使いたがらない。
でもだからこそ、部下にはそこを逃げないような人材になってもらわなければならない。上司と同じぐらい優秀に、いや、上司よりも優秀な人材に育てなければならないのだ。
さきほど、部下育成の本質とは「自分で道筋を見つけられるようにすること」と書いた。
仕事という色んな困難が待受けるジャングルの中で、解決への道筋を見つけること。未開の地を切り開くということ。そして自らを疑い続けるということ。
そうやって困難に立ち向かえることを人は“自立”と呼ぶ。
これが部下育成の本当の意味である。自立させることが最大の目的なのだ。
以上。