どうも、中間管理職ブロガーのひろたつです。
今回は上司と部下の話である。ぜひ役立ててほしい。
部下を理解しろと言う上司
よく職場で上司から言われることがある。
「職場の長として、部下のことをちゃんと理解しなさい」
このセリフを聞くたびに私は「アホだなぁ」と何だか白けるような気分になる。そもそも私もアホなのだから、そんな私の管理している上司がアホでもなんらおかしくないのだが、それにしても中身のない発言である。
いちいち意味を問うようなことはしたことはないが、きっと「部下の人間性や考え方を理解し、管理しなさい」という意味で発言しているのだろう。
確かにそれができれば理想である。認めよう。
だがな、人間なんて理解しようと思うことがそもそも思い上がりなのだ。
これでも私は中間管理職を10年以上やっている。100人を超える部下を抱えて毎日を過ごしている。自分を優秀だなんて思ったことはないが、それなりの経験値はあると自負している。
そんな経験の中で私は散々思い知っている。人を完全に理解することなどできない。理解しようとするためには、あまりにも労力がかかりすぎる、ということを。
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メルヘンかな?
大体にして自分自身のことだって正確には分からない。自分の気持ちが分からなくなるときなんてしょちゅうだ。別に自分探しをしている中学生みたいなことを言いたいわけではない。中二病ならとっくに完治している。私が言いたいのは、人はそれくらい多面的で単純に理解することができない、ということだ。
「お互いに理解しあおう」
そんな言葉は耳障りがよくて、世界平和的な匂いがぷんぷんする。だから私の上司もこの言葉を簡単に使ってしまうのだろう。こんなに空虚なのに。
仕事というのは「理解しあう」なんていうメルヘンというかロマンチックな妄想ではできない。
仕事は複雑であり、スピード感があり、結果を求められる。
そんな厳しい環境の中でいちいち「理解しあっている」時間はない。
そこでお互いに必要なのは、シンプルな「相手ならばどう行動するか?」というパターンでしかないのだ。
人を理解することは至難の業だったとしても、パターンを把握することはできる。傾向とも言えるだろう。
仕事に必要なのは圧倒的な具体性
私は数多くの部下を見てきたが、みんなそれぞれにパターンが存在する。「こうやって指示を出したら、こういう反応を示すだろう」とか「この問題に対して彼はこういう態度で臨むだろう」とかである。
※参考記事
こうやって自分のチームのメンバーの反応パターンを把握することで、スピード感を持って仕事を進めることができる。適材適所の対応ができるようになるのだ。
「理解する」なんていうぼんやりとした言葉で誤魔化してはいけない。仕事で必要なのは具体的な方法だけだ。
部下を活用するのが上司の役目である。そのために必要なのは理解ではなく活用術なのだ。仕事の上で「部下を理解する」ということは「パターンを把握する」と同義である。
理解しあえばいい
もちろん理解しあうのも構わない。部下のことをもっともっと理解してもらって構わない。飲みにも好きなだけ行ったらいい。個人的な話も好きなだけしたらいいじゃないか。LINEで繋がってくれ。
だけど、その時間でもっとできることがあるんじゃないのか、と私は思う。
仲良くなると仕事が上手くいくようになるのだろうか。だったとしたら、仲良くないと仕事ができない、というその幼稚性を問題にした方が効率的では?
私には本質から目をそらしているように感じられてならない。
以上。