どうも、ひろたつです。
さあさあ来ましたよ~。私のイチオシバンドWANIMAの1stフル・アルバムのレビューです。もうね、書くこといっぱいありすぎてヒジョ~に濃いレビューになりそうです。ああ…本当にこのバンドを好きになって良かった…!
1.ここから
はじまる ここから 旅立ちにいらない 不安なら
まだまだ これから 笑い飛ばせない日が来たら
ダサいのは今だけだから
健太の高らかな歌声と光真のジャラジャラとしたギター、そしてシンプルなスタートでまさに”ここから”を感じさせるこの楽曲。
曲展開は非常にスピーディーで、メロディーの移り変わりに余計な間を作らない贅沢な仕様になっています。もう、この展開がWANIMAらしくていいですね。ムダな時間は取らせないってね。
WANIMAのこれまでの3作品全てに言えることなのですが、作品への入り口になる最初の楽曲の「ワクワク感」が素晴らしいんですよね。一気に期待感が上がってきちゃうんですよ。
アルバムもライブもテンションを上げたもん勝ちな所があるので、ツカミが上手いWANIMAはここから盛り上がっていくこと間違いなし。みんな取り込まれちゃいます。
歌詞はストレートな応援歌になっていますが、きっとこれは健太の素直な気持ちを綴っただけなように感じます。そして、だからこそこんなにもストレートに胸に響くんだと思います。
ほら 振り向かず気になる方へ
過去 未来 いらない この瞬間
ほら悩み苦しみの向こうへ
いざ 行こう 歌でも歌って
ダサいのは今だけだから
今を楽しもうとする姿勢はガンガン伝わってきてますよ。俺も恥さらしながら頑張るぞ!
2.夏の面影
夏の面影 辛い思いだけ
打ち上げて 花火のように
泳ぎ疲れ 登った防波堤から見える
星の数 祈りを…
『いいから』の勢いを殺さずにガシャガシャとした前奏から始まるこの楽曲。アップテンポな16ビートで鳴らされるドラムは非常にパンクを感じさせます。
しかしながら歌詞は非常に情感漂う静的な内容になっています。
学生時代の思い出を歌ったものか、はたまたただの振られた彼女の歌なのか。真相は健太にしか分かりませんが、私は勝手に後者だと決めつけています。
スピード感がいいです。
3.いつもの流れ
路地裏の喧嘩 怒鳴るバビロン 茶化すホームレス 呑み屋街のガイド
かまってちゃ駄目 タフでラフでいなくちゃ 不平不満でデカくなる不安
攻撃的なサウンドが特徴の3曲目。歌詞は非常に凝っていて、この曲を聞いて健太は韻踏みが好きなことを確信しました。ラップ好きな私は韻踏みに目がありません。
遊び心に溢れた内容になっていて、なんというか掴みどころのない楽曲です。試みとしてただただ”面白い作品”です。
Dissより愛を…KILL KILL KILL YOU♡ ママに泣きつくボンボンが 今は安心安心 未来は不安に
怒ると恐いぞ…君 君 君に言う♡ いつもの流れ ボンボンクラ 常に半信半疑 普段着でボクシング
まあふざけただけでしょうね。
4.Japanese Pride
スカスカのフロア 残したいつかの憂いは…? あどけないあの頃がフラッシュバック
今は立派な君のパパも 1度は聴いてたんだ Hi-STANDARD Reggae Punk に Hip-Hop
R&B 演歌に Rock も含めて 時代を越え俺たちのルーツ 次第に口遊む また必ず
始まり方が一番好きな楽曲です。
上の歌詞が歌い出しなのですが、完全にラップです。そして差し込んでくるハイスタの名前。この並びだとハイスタはジャンルの一部になってしまっていますが、それもまたご愛嬌。
曲の内容としては日本や日本人の美徳を歌ったものですが、健太の人柄というか見方というか、ストレートで素直な目線を感じさせます。
ちなみにこの記事のタイトルに入れた「吐くまで」というのはこの曲から拝借しました。まさにWANIMAを象徴する言葉です。
5.SLOW
派手に焼けた肌についた砂のような思い出が
忘れかけていた
大事な記憶を呼び起こした
ここまでの4曲で私達を散々走らせた後、ここで一旦休憩になります。
スローな軽く弾くようなギターに乗せてボーカルがレゲエ調に入ります。サビの盛り上げ方は上手いですね。売れ線のバンドだったらすぐにオーケストラとかストリングスで盛り上げてしまいたくなるようなメロディーですが、ここまでじっと我慢していたドラムが組み合わさることで盛り上がりを生み出しています。
こういうバンドの幅を見せるやり方、大好き。
オーケストラとかストリングスがダメとは言いませんが、正直ちょっと「ああ…それに逃げたのね」という気持ちは拭いきれません。なんだろう、鉄板ネタに逃げているというか、冒険心が足りないというか…旅行先でマックに入るような…。まあそんな感じでガッカリするんですよ。
あとは健太がこの声色を出すときはシリアスな曲なんですよね。そして「WANIMAのシリアスな曲にハズレなし」です。
曲の最後にサビを持ってこないで、ラップ調に思いを吐露するかのような歌い方もかなりツボです。というかこの曲展開にハマらないやつなんているのか…?
諦めきれずに悩んで
明日の保証もないまま怯えて
ありふれた時代の中で
打ち上げた花火 まだ鮮やかだ
どんなに無駄と言われたって
あふれ出てくる想いに勝てなくて
ギリギリ踏ん張り笑って
またあの海で逢おう
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6.TRACE
先日発売したEPからの楽曲。
PVはこちら。
このPVの撮影、クソほどキツかったってインタビューで書いてありましたね。確かにCGかと思うほど現実感がない映像ですから。いや~、本当にご苦労様でした。
あなたがいれば(それだけで)
いつだって思い出す声
何度振り返って見ても…
呼び続ける声が(届いたら)
泣かないで涙拭き笑みで
また逢えたらあの頃のまま…
PVがあるので曲は聴いてもらうとして、歌詞を見るとアップテンポな曲調に紛れてしまいますが、苦しさを表現したものが多く散見されます。チャラそうに見えるけど色々と苦しんだ末の今なんだなぁ、と勝手に想像しています。売れて良かったね。私も嬉しいです。
そして私もWANIMAに負けじとこのブログを頑張る所存でございます。
7.1CHANCE
気になるあの子欲張りなBitchで目が離せん All Day All Night
残高0になるまで 気にせん No Music No Life
出ました。お得意の「ワンチャン」です。一体どういう意味で使っているのかさっぱり分かりませんが、IKKOの「どんだけ~」と同じようなものだと考えれば、考えるだけ無駄だと気付けます。きっとちゃんとした意味は無いのでしょう。
エロを力強く堂々と歌い上げた力作になっております。
最後の「Bitch」の大合唱&和音展開はなんなんでしょう。ふざけた歌詞なのに和音が綺麗に収束していくので笑っちゃいましたよ。ここだけでも聴く価値があるアホ楽曲です。これもWANIMAの味か…。
8.リベンジ
生まれ 育ち良いわけなくて 涙なしじゃ語れぬ Bad day
だからこそ諦めたくなくて 吠える wow 火を灯せ
この曲は演奏する方は疲れるでしょうねー。曲展開が早いこと早いこと。切り替えやテンポに付いていくのがかなり難しいでしょうね。ライブでやったら、グチャグチャになるんじゃないでしょうか?
しかし難しい楽曲であるほど聴く者の耳を楽しませます。これだけ多彩に色々と詰め込まれたら、観客は逃げ出すヒマがありません。サビん所とか私が演奏したらボロボロになるでしょう。
7曲目もそうですが健太は滑舌がいいですね。これだけハイテンポな楽曲にあれだけの歌詞を挟み込めるのは驚きです。
9.いいから
いいから気持ちよくするから 誰にも言わない内緒にするから
その体つきはアジアの奇跡 行き先底なし沼の入り口
こちらもEPからの楽曲になります。そして向かう所敵なしのエロ中のエロな楽曲です。
これだけストレートにエロで押してくると、むしろ清々しいです。これだけ清々しいと逆にエロくないですね。真面目です。とても真面目な楽曲です。ということは受験勉強なんかのお供には最適でしょう。真面目と勉強の相性が悪いはずがありません。間違いありません。
受験生諸君、エロを求めてネットの中の「底なし沼」なんかに手を出さずに、この曲を聴いてマジメに勉学に励みなさい。私も陰ながら応援しているぞ。
10.Hey yo…
Hey yo…この声さえ この声さえ届かないけど
Hey yo…この想いも もう この想いももう届かないけど
『いいから』からの高低差に耳がキーンなるわ、と言わずにいられないほどにしんみりとした楽曲。
悲しげなギターの音色が哀愁を誘う始まりから、健太の切なげな歌声が重なります。ホント色んな表情を見せられるもんだわ。感心しますよ。
曲の内容としては田舎の家族とか地元の友達、亡くなったおじいさんへのメッセージのように取れる歌詞になっています。
聴いていると懐かしい情景が浮かんでくるのを止められないはず。それはまさしくWANIMAの手の平で踊らされている証拠です。いいじゃないですか、それが楽しむってことですよ。
空は青く 流れる雲さえも
顔色変えずに過ぎ去って行く日々
描き続けて願いが届くまで
祈り続けて想いが逝く日まで
音を鳴らせば…今すぐでも逢いたい気持ちは紛れて
軽くしたい 背負うその荷物を
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11.エル
涙見せず何も言わず
君は笑うから
隠した寂しさにも気付かずに
その気になってた
理屈ばかり何も信じず
いつも疑っては
別れと引き換えに
残る優しさ
「エル」という何とも意味深なタイトル。
歌詞の内容を見るに”孤独”のLonelinessとか”笑み”のLaughのLのような気がします。エールともかけていたりとか…?
健太は意外としっかりと考えぬいた言葉を紡いでくる傾向があるので、これも何かしら深い意味がありそうです。
歌詞をしっかり見ないで、勢いだけを楽しんでいてはWANIMAの楽曲の良さが半減します。本当によく見て欲しい所です。感性だけに任せてサラサラと書いているような歌詞ではないので。
曲調はギターとベースをギャンギャン鳴らして、ドラムも打ち鳴らしまくって喧しいものに仕上げてます。
この曲のドラムがアルバムの中で一番いい味を出しているように感じます。それにしてもこれだけ激しいドラムをやっているのに、なんであんなに藤原は太ってるんだ。でもドラムがカッコいいから許す。
明日は晴れるかな
晴れたらいいのにな
晴れた空の下
会えたらいいのにな
明日は晴れるかな
晴れたらいいのにな
晴れた空の下
笑えたらいいのにな
生きる意味は…?
解ることなく過去引き摺って
息をするのさえやっとの思いで
凝り固まる頭で
「もっと正直に 無駄に賢くなるな 冷めてスカすな」
心の奥底にしまう またいつか…
この曲でもみんなの合唱が入るのですが、裏声を使っているんですよね。これのお陰でエンディング感が強くなっているんですよ。そしてみんなで歌っているのが真上の歌詞。
なんかこう、ぐっと来ませんか?
12.THANX
こちらもPVがありますんで貼っておきます。
全て大文字の「THANX」にしたのはわざとでしょうね。健太らしい心遣いです。歌詞には『1106』で登場したおじいさんもちゃっかり登場します。
ありがとうを込めて歌った この気持ちに嘘は無いと
さよならが教えてくれた 離れるのは距離だけと
ヒップホップアーティストは感謝しすぎなんて揶揄されますが、バカにされるのはそれだけ聴いている人が”薄っぺら”だと見透かしているからでしょう。魂からの言葉はちゃんと人に感染するようにできているんです。健太の歌詞は人の心を打つように書き記されています。世の薄っぺらアーティスト達は見習いなさい。
この曲の中にも苦しさの表現が盛り込まれています。
久石譲の本の中に書いてあったのですが、インスピレーションというのは本人の体験や学んだことが95%を占めていると。それをどれだけ咀嚼できたかが重要なんだそうです。
健太は売れない時期などの”辛い時間”をこうやって昇華しているように感じます。影があってこその光のように、苦労したからこそ今の感謝に繋がるということなのでしょう。
天国のあいつもWANIMAの快進撃を喜んでいることでしょうね。
13.また逢える日まで
全然うまくいかない とんだ世の中
時代にのまれて 痛みにも慣れて
何も捨てまた失えば…?
生きる価値を…
LaLaLaLaLa…
忘れず待っているから
願う何度も
君に幸を
振り向かず前へ
夢で逢えたら手を繋いで
諦めないでどうか耐えて
また逢える日まで
さあ最後の楽曲となりました。長々と書いてきたレビューもこれでオシマイになります。すでにこの記事を書き始めてから3時間が経とうとしているところ。
WANIMAはライブで叩き上げられたバンドなので、始まりや終わりを意識して楽曲を制作することが多く、それが私達を惹きつける大きな要因になっています。
こちらの曲もタイトルから分かる通り、アルバムを終わらせる為の楽曲です。当然、WANIMAらしく湿っぽい終わらせ方はしません。
曲展開が早いのはWANIMAに限らずパンクをやるバンドの特徴ですが、この曲では別れを惜しむように間奏を長めにとっています。だけど曲終わりはスパっと締めてしまいます。この切れ味の良さもWANIMAの魅力なんです。あのキャラクターなのに芸が細かいというか、細部へのこだわりが端々に感じられてファンとしては非常に満足度が高いです。勢いだけで作ったのとは訳が違うといった感じでしょうか。
まとめ
蛇足かもしれませんがアルバム全体を通しての感想を。
曲数がこれだけ多く並んでいるとWANIMAというバンドの色が、かなり分かりやすくパッケージングされているように感じます。ずっと追いかけてこなかった人でも、このアルバムを聴けばWANIMAの味がちゃんと分かるようになっています。これなら新規のファンを獲得するのは簡単でしょう。更に広く認知されるのを楽しみにしています。
きっと私と同じような感想を持った人も多いことでしょう。それくらいパワーを持った作品に仕上がってます。いい作品は人に感染します。誰かに伝えずにはいられないのです。こうやって何時間も掛けてレビュー記事を仕上げている私のように。
そんな人達がライブに足を運んだり、誰かに感動や興奮を伝えたりして、この輪がもっと広がっていったら私は嬉しいです。
あとは、これだけ楽しそうに演奏されると生で観たくなるのが辛いですね。
ライブはしょっちゅうやっているようなので「行けばいいがな」という話なんでしょうが、我が家には子ザルみたいなのが二匹もいるので、連れてライブには行けませんからね~。預けるのも可哀想だし。なのでWANIMAのライブはしばらくお預けの私です。残念。
このブログを開設したとき、最初の記事がWANIMAで。あの時は新進気鋭の若手を取り上げたつもりで、売れるとしても当分先だと思っていたもんです。それがこの火のつきようですからね。本物だったということでしょう。
個人的な思い入れもあるバンドです。これからも応援し続けるので、また最高な作品をよろしくお願いします!
では!