この声はクセになりますね~。クセはハマるとアーティストにとってはいい武器になりますからね。
天才バンドと名乗り、勝手にハードルを上げる
情けない歌声で高らかに歌い上げているVo.は奇妙礼太郎というソロで活動している方です。有名ですか?私も名前は知っていたのですが、名前のインパクトだけで満足してしまい楽曲まで聴く気になりませんでした。
そして今回も”天才バンド”と自分で名乗って勝手にハードルを上げています。恐ろしい男です。何か名付けには特別なこだわりでもあるのでしょうか?だってアホでしょ。自分で天才と名乗るなんて。
しかし、天才とまではいかないかもしれませんがなかなか良曲を仕上げてくるではありませんか。
記事を書くにあたって調べようと思ったら、天才バンドも奇妙礼太郎もwikiが無いんですよ。これじゃあ拡散できないじゃないですか。これも何かこだわりがあるのか…?
女々しいは男のための言葉
では本人たちの正体はひとまず置いておくとして作品を吟味していきましょう。
まず歌詞。
タイトルからして、女々しい男の心理を上手く表現しています。なんすか「なりくさっても」って。腐るの?そう、腐るんですよ。男からしたら、昔の彼女が他人の女になるってのは。はっはっは。
歌詞の内容もひたすら女々しさ全開の未練タラタラです。なんの昇華もありません。ただただ別れた彼女が好きという嘆きにも近い言葉の羅列。これは…なんて男らしいんだ!
男性目線の歌詞だとしても、この内容って女性にはウケるものなんでしょうか?これが「分かる~」という女性ってかなり男性的な恋愛観ですよね。あの一青窈の名言があるじゃないですか。「女の恋は上書き保存、男の恋はフォルダ保存」ってやつ。
この女々しさ全開の歌詞はまさに男らしさの象徴なのです。
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怨念を中和する爽やかサウンド
変態的でいて、ともすると怨念さえも感じさせる歌詞を見事に中和してくれるのがギター、ピアノ、ドラムというシンプルなバンド編成から生み出されるサウンドです。この中和作業があってこその楽曲です。
これをベースをガンガン鳴らして重低音全開で曲展開して御覧なさい。見事な変態楽曲の完成ですよ。ええ。それはそれで聴きたいですけどね。
この女々しさと爽やかさが重なることで私達の感情を揺さぶってくるのです。これは良曲ですよー。こういったバランス感覚って意外と難しいんですよね。どちらかに偏ったりしてしまいがちですから。
こちらの楽曲はこのアルバムに収録されています。
トレーラーはこちら。