どうも。
プロインタビュアーの魅力を堪能できる本を紹介する。
思いっきり二番煎じ
聞き出す力 | ||||
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「週刊漫画ゴラク」で絶賛連載中の人気コラムがついに単行本化!
日本随一のプロインタビュアーによる、相手からいかに面白い話を引き出すテクニックや、
これまで接したアイドルから政治家まで、各界の著名人との痛快エピソード満載!!巻末には『聞く力』著者の阿川佐和子さんとの特別対談・人間関係がうまくゆく魔法の潤滑剤
"「聞く力」をいまこそ養おう" を収録!
まず皆さんに知ってもらいたいのは、この本は阿川佐和子の超ベストセラー『聞く力 』に便乗したものだということ。そして『聞く力』の本書の二年前に発行されており、まったく二番煎じにもなっていないという体たらくっぷりである。
そして何よりも、本家同様、指南書としての体をなしていないことである。まさかここまで模倣するとは逆に素晴らしい!
そんなとっても“ダメ”な愛すべき『聞き出す力』を紹介していこう。
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エピソードがやばい
『聞き出す力』という思わせぶりなタイトルはまったく意味がなくて、実際はただの吉田豪のエピソード集&コラムである。ここまで内容に則していないのであれば、それこそ「キリンのケツ」とかでも構わないぐらいだ。ちなみに適当に考えたものなので、別にキリンのケツの話は出てこないのでご注意を。
とにかくこのエピソードがやばい。
私が知らなかっただけなのか、それとも吉田豪がそれだけネタにまみれた生活を送っているだけなのか、いちいち規格外の話が出てくる。
例えば、浜崎あゆみが使ったであろう風呂に浮いていたナプキンの話とか、小倉さんのカツラの話とか、三國連太郎の包茎の話とか。
これはほんの一部分でしかない。まだまだいくらでもある。
これだけでも本書を読む価値があるだろう。というかこれだけで十分じゃないだろうか。本を読みながら声を出して笑ったのは久々である。
吉田豪がやばい
有名所の強烈エピソードも十分すぎるぐらいにやばいのだが、それよりも私が注目したのは、いや注目せざるをえなかったのはインタビュアーの吉田豪自身である。
私は彼のことを全然知らなかった。
かなり前にブラマヨの深夜番組に出演しているのを見たことはあったが、まったく興味を持てなかった。「変わった人がいるもんだ」ぐらいにしか思っていなかった。
だがどうだろうか。
彼自身の著作、彼自身の文章から溢れる魅力は半端ではない。
どこか飄々としていて、熱を感じない。存在感が希薄。だけど、面白いものを察知すると途端に肉食に豹変する。とんでもない攻撃力を発揮する。
そんな二面性が彼の魅力を余計に惹き立てている。
そこまで達者な文章かどうか私には分からなかったが、松尾スズキが吉田豪のことを「言葉の風俗嬢」と呼ぶのもなんだか頷けてしまったのだった。
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興味の広がり方がやばい
さすがに数々の大物から誰も知らないような人までインタビューしてきた吉田豪。興味の幅が広く、当然私がまったく知らない世界の話が出てくる。
だがやはりそこでも吉田豪の「面白いものをすくいとる」力が発揮されていて、興味がない分野のはずなのに、「ちょっと調べてみようかな」「本を読んでみようかな」と思わされてしまう。ヤクザとか全然手を出す気がなかったたけど、今の私は安藤昇 が気になって仕方がない。
このように読んだ人の世界観を変えてしまうような力を持った作品なのだ。
というのは完全に言いすぎである。単純に面白いものがたくさん詰まっているので、そこから興味の幅が広がってしまうというだけである。
良くも悪くも、「面白い」エンタメ本である。そしてそんな「面白い」に人生を費やしているのが吉田豪なのだ。
吉田豪を攻めてみよう
『聞き出す力』で十分に吉田豪の魅力を見せつけられた後はやることはひとつである。
彼の本領発揮の場、インタビューを見てみたいと思う。
本書を読んでいるのは元々吉田豪のインタビュー力に魅せられた人たちばかりで、もしかしたら私のようなパターンの方が少数派なのだろうか?私の場合、「これって『聞く力』のパクリじゃん。まあ読んでみっか」という阿川佐和子からの流れなので。そういう意味では二番煎じのかいもあったということだろう。読者が流れてきているんだから。
ということで、しばらく吉田豪の魅力を堪能してみたいと思う。
品川庄司の品川が「吉田さんの前にいると余計な話を喋らされる」とまで語る彼のインタビューとはどんなものだろうか。
楽しみである。
以上。
聞き出す力 | ||||
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ちなみにインタビュー本はこちら。
新・人間コク宝 | ||||
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