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小説中毒ブロガーが厳選 「これは読め」っていう推理小説97選

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どうも。

いきなりだが私は小説中毒である。さらに言うと推理小説が特に好みである。

極度の推理小説好きになると、ある閾値を超えたところで「もういいかな」となってしまう。一周回ったような感じである。私は今現在、その状態に陥ってしまい推理小説はほとんど読んでいない。

推理小説というものはかなりマニアックな娯楽で、文字だけで行なわれるマジックのようなものである。なのでさんざん読んでくるとある程度傾向というか肝の部分が分かってしまうようになる。

それではせっかくの読書がつまらない時間になってしまうため、しばらく距離を置いて騙されやすい脳みそに仕上げている所である。

で、そんな推理小説を一度味わい尽くしてしまった私だが、せっかくなのでこれまで読んできた作品の中から「読む価値がある」と思うものをまとめてみたいと思う。

この記事を開いたということは、きっとあなたは今、推理小説の甘美な世界に魅入られている真っ最中かもしれない。それともこれから新たな世界に足を踏み入れようとしている所かもしれない。

そんなあなたにこの記事はきっと役立つことだろう。

 

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注意点

この記事を読むに当たって理解してもらいたいことがある。

まず私は推理小説を愛するがゆえに、ネタバレに関することは絶対にしない。作品の味を失うからだ。

なので作品を紹介することはしても内容にはほとんど触れない。かすめる程度である。

中身が分からないと面白いかどうか分からない、とあなたは思うかもしれない。しかしそれこそが読書の醍醐味であって、推理小説はそれが一番美味しい読み方なのだ。

ぜひこの記事を信頼して読んでもらいたい。

またこの記事で紹介する作品たちは別に『傑作選』ではない。あくまでも「読む価値がある」というものである。

ここでいう「読む価値」というのは、

①魅力的な謎がある

②構成が練られている

③発想が豊か

④推理小説の限界に挑戦している

⑤純粋に推理小説として優れている

どれかに引っかかっているものである。

少しでも推理小説として優秀な点が感じられたもの、私の「推理小説欲」を少しでも満たしてくれたものを選出している。

あまりハードルを上げないことも推理小説を楽しむ上で大事なことである。

ではこの二点を頭に叩き込んで貰ったところで、早速紹介に移ろう。

ちなみにあらすじはあえて載せていない。勘の良い人はそれだけでネタが分かってしまう可能性があるからだ。あらすじを知りたい場合は、そのリスクを覚悟した上で商品のリンク先に飛んで確認してもらいたい。

 

脳を痺れさせるような作品と出会えることを願う。

 

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1.屍人荘の殺人

これだけネット環境が揃った現代で、「いかにクローズドサークルを生み出すか?」という問いに衝撃の設定を生み出した奇作。鮎川哲也賞受賞。 

 

2.さらわれたい女


 歌野晶午の溢れる野心が形になりだした頃の作品。 

 

3.インシテミル

この設定だけで価値がある。

 

4.月の扉

キャラクターの説得力という意味で抜きん出た作品。

   

5.麦酒の家の冒険


私はビールが飲めないがそれでも美味そうに思えるぐらいだった。 アームチェア・ディテクティブ(安楽椅子探偵)の亜種である。面白い試みである。

 

6.動機


 横山秀夫の凄さは人物を描く力だと思う。それゆえに説得力が桁違いである。

 

7.消失!

 

隠れた名作である。作者の中西智明はこれのみしか発表していない。だがこの一発はあまりにも強烈である。なんてったって、本人まで消えちまったんだから。

 

8.悪意


東野圭吾が神がかっていた頃の作品。ホワイダニットがテーマになっている。

 

9.テロリストのパラソル


 江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞した稀有な作品。そこまで強烈な推理小説ではないが、一読の価値ありである。 

 

10.そして二人だけになった


 森博嗣はこういう作品を書けばいいのに。 

 

11.少年たちの四季


 我孫子武丸は寡作だが、作品の質はなかなかである。どれもちゃんと味がある。

 

12.ゴールデンスランバー

伊坂は素晴らしい。脳みそに快感を与える術を知っている。 

 

13.99%の誘拐


 岡嶋二人の最高傑作である。タイトルがダサくて悲しい。

 

14.ZOO


 乙一のこの才能はもう失われてしまったのだろう。 

 

15.斜め屋敷の犯罪


 ここまで綺麗な推理小説も珍しい。私の中ではベスト3に入る作品。

 

16.花の下にて春死なむ


 今は亡き北森鴻の作品である。連作短編ってのは胸が踊る。

 

17.DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

 

西尾維新もやるときはやる。ちゃんとぶん投げてくれる。

 

18.慟哭


貫井徳郎の読みやすさはデビュー作から健在である。推理小説好きなら通るべき作品。

 

19.レイクサイド


 東野圭吾は全部やらないと気がすまないのだろうか?

 

20.首無の如き祟るもの


 ホラーとミステリーの融合と言われる作品。とにかく謎が多い。ゆえに解決の快感もまた、である。

 

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21.百舌の叫ぶ夜


 ドラマ化された意味が分からない。この作品を殺しているだけだろう。

 

22.そして扉が閉ざされた


 岡嶋二人の最高傑作は個人的にはこれである。タイトルもダサくない。

 

23.密室殺人ゲーム王手飛車取り

歌野晶午は偉い。常に攻めている。

こちらはシリーズ全てちゃんと面白い。歌野の頭脳にヤラれていただきたい。

 

 

24.僕を殺した女


北川歩実は変態である。私が知っている推理小説の中でも一番魅力的な謎を提示してくれた作品。

 

25.不夜城


謎があるかというと疑問だが、読む価値はあるだろう。広義のミステリーには分類されるかと。入れようかどうか迷ったが作品の力を加味し入れることとした。

 

26.暗色コメディ

 

推理小説界の悪魔的頭脳、連城三紀彦である。

この作品で提示される謎はあまりにも強烈で目眩がするほどである。好きなだけ迷いこむがいい。

 

27.ハサミ男

殊能将之はこの作品を生み出すために生まれてきた。役目を果たしたので亡くなってしまった。

 

28.どんどん橋、落ちた


 稀代のトリックメイカーが推理小説の限界に挑戦した野心作。こうやって開拓者がいるからこそ新しい時代が生まれるのである。

 

29.誘拐


 気持ちのいい犯罪小説というのもなかなか珍しい。素直に夢中になれる作品である。 

 

30.死体を買う男


 若き歌野晶午の挑戦である。まさか江戸川乱歩を作中作に使うとは…。

 

31.扉は閉ざされたまま


 石持浅海の名を日本に知らしめた作品である。こういう設定の作品を楽しめない推理小説好きはいないだろう。鉄板である。

 

32.殺戮に至る病


 我孫子武丸の看板商品である。質は保証するものの如何せんグロい。難点はそれだけだ。

 

33.七回死んだ男


さあパズルを組み立てよう。謎を生み出すためならパラレルワールドだって使うのが推理小説家である。

 

34.邪馬台国はどこですか?


 こういうピリッとした作品が好きである。推理小説の醍醐味はこういった「想像外」から来る刺激だと思う。

 

35.陽気なギャングが地球を回す


 伊坂作品の中でも特に秀逸な構成。会話シーンの「永遠に読んでいられる感」は数ある小説の中でも屈指である。 

 

36.黒い仏


 野心的作品。読み終わったあとに投げつけないように。

 

37.症候群シリーズ

 

症候群シリーズはどれも甲乙つけがたい出来である。貫井徳郎は夢中にさせるのが上手い作家だ。こんなに凄惨な内容なのに…。

 


 ちなみに私は『殺人症候群』が一番の出来だと思っている。

 

38.白夜行


 こちらも広義のミステリーという感じである。推理小説的な衝撃は少ないものの名作なのは間違いないだろう。

 

39.煙か土か食い物


 舞城の味はいちおう知っておいた方がいいと思ったので。

 

40.顔(FACE)


 横山秀夫には珍しい女性主人公。切れ味抜群である。 

 

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41.戻り川心中


推理小説でありながら、美しさも兼ね備えている。悪魔的頭脳を持つ連城三紀彦の最高傑作と呼び声高い作品。

 

42.クラインの壺

この作品が書かれた時代を考えると余計に価値を感じることだろう。

岡嶋二人というよりは井上夢人の作品である。

 

43.たけまる文庫 謎の巻


 切れ味のいい短編集が大好きである。

 

44.塔の断章


 面白いかどうかは抜きにして、推理小説の新しい道を見つけた点を評価したい。

 

45.ハッピーエンドにさよならを


 性格の悪い作品である。なのにニヤリとした笑みが浮かんでしまう。さすがの歌野である。 

 

46.きみとぼくの壊れた世界


私としては西尾維新がこんなにまともな推理小説を書けるのかと驚いたぐらいだ。西尾維新が嫌いな方でもこの作品は一読の価値があると思う。

 

47.黄金の祈り


 鬱小説として名高い作品。凄惨なシーンがあるわけでもないのに、やたらと心にダメージを与えてくる不思議な作品である。

 

48.葉桜の季節に君を想うということ


 もうすでに有名すぎて私が語るまでもないだろう。この作品は100年後も読まれているだろう。

 

49.噂


これはなかなか見ものである。 笑わせて泣かせる小説ばかりを書いている荻原浩が推理小説にまで手を出した。

 

50.失はれる物語


 切ないミステリーを書かせたら右に出るものはいないだろう。装丁も込みで価値の高い作品。

 

51.聖女の救済


 東野圭吾は偉大である。この歳になってもまだ新しいトリックを生み出せるのか。

 

52.臨場


横山作品の中でもキャラ萌えの要素が特に強い作品。横山秀夫の短編はどれも確実である。

 

53.儚い羊たちの祝宴


最後の一文でひっくり返すと謳っている非常に挑戦的な作品集。宣言することでどれだけハードルが上がってしまうか分かるだろうか?

 

54.人形シリーズ


 埋もれた名作。このシリーズはどれも面白いのでオススメである。 

 

55.金田一少年の事件簿 電脳山荘殺人事件


 漫画で有名な金田一少年の事件簿であるが、小説も素晴らしい。特にこの作品は読む価値がある。

 

56.ROMMY 越境者の夢


 歌野晶午が推理小説作家として進化し始めた頃の作品である。面白くないはずがないだろう。 

 

57.占星術殺人事件


 日本推理小説界に燦然と輝く大傑作である。 

 

58.鴉


 麻耶雄嵩は推理小説の枠を壊し続けている。ゆえにコアなファンが絶えないのだろう。

 

59.ジョーカー・ゲーム


 柳広司の名を世に知らしめた名作。最高にスタイリッシュである。 

 

60.夜よ鼠たちのために


同業者からも恐れられるその悪魔的頭脳を堪能していただきたい。連城三紀彦の短編は推理小説好きなのであれば避けては通れない道である。

 

 

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61.十角館の殺人


 こちらも語るまでもない名作である。ミステリーの神様が綾辻に微笑んだ。

 

62.今はもうない


オススメだが、シリーズ物なのでできれば、『すべてがFになる』か『笑わない数学者』辺りを先に読んでもらいたい。色々と文句を言われることの多い森博嗣であるが、この作品は良作だと思う。切なさもあって読後感も良い。

 

63.8の殺人 シリーズ全部


我孫子武丸のデビュー作である『8の殺人』である。面白い試み。シリーズの他の作品もピリッと効いているのオススメである。

 


64.イニシエーション・ラブ 

 

乾くるみの大仕事である。日本推理小説界の歴史にこの作品で名を刻んだことだろう。

 

65.正月十一日、鏡殺し


 歌野の短編集は後味が悪いものが多い。だが面白い。そして、それだけでいい。

 

66.看守眼


  特に『秘書室の男』が秀逸である。

 

67.彼女が死んだ夜

キャラクターたちを好きになれればさらに楽しめる作品である。

 

68.ある閉ざされた雪の山荘で


 この設定で読者を欺いてこそ。 

 

69.そして名探偵は生まれた


 あまり有名でないが歌野晶午の隠れた良作。読後にニヤリとしてしまうことだろう。 

 

70.GOTH


 黒乙一の最高傑作である。ミステリー初心者が読んだら、快感のあまり死ぬんじゃないだろうか。

 

71.アヒルと鴨のコインロッカー


 映画化もされた作品。小物の使い方がいちいち素晴らしい。

 

72.奪取


偽札作りを信じられないレベルでリアルに描き切った超名作。スピード感がヤバい。タイトルの『奪取』は「DASH」とも掛けてるだろ。

 

73.星降山荘の殺人


読むタイミングさえあえば人生最高の作品になることだろう。「このシーンは意味がありません」というような注意書きがそこかしこに書かれていて、読者にいちいち挑戦的な作品である。

 

74.陰の季節


 警察小説の中でも特に「萌え」要素の強い作品。おっさんたちに魅了されること間違いなしである。 

 

75.秘密


 秘密である。傑作である。 

 

76.むかし僕が死んだ家


 この頃の東野圭吾は神がかっていた。才能とはこのことであろう。

 

77.螢


 誰も到達していないところでひとり戦っている麻耶雄嵩にあなたは付いていけるだろうか?

 

78.仮面山荘殺人事件


 東野圭吾の最高傑作はこれだろう。

 

79.ミステリーズ


遊び心を持って読んでもらいたい。見たことのない作品であることは間違いない。いつの時代も推理小説の限界に挑戦したくなる変態がひとりはいるものである。

 

80.第三の時効


 これ以上に興奮できる短編集を私は知らない。

 

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81.神のロジック 人間のマジック


 タイトル負けしている感は否めないが、読んで損はないだろう。

 

82.64(ロクヨン)


 長い長い休息期間を経て上梓された傑作である。待った甲斐があった。

 

83.その女アレックス


読んでいる最中の「?」はちゃんと最後に解消してくれるので安心してもらいたい。評価されすぎた感は否めないが、面白い試みの作品ではある。

 

84.『アリス・ミラー城』殺人事件


 こちらも面白い発想を楽しめる作品である。アホみたいに探偵がたくさん出てくる。

 

85.ロートレック荘事件


 筒井康隆のお遊びである。巨匠が推理小説を書くとこうなる。

 

86.クリスマスのフロスト


 個人的にお気に入りの作品。仕事中毒のフロスト警部のあまりにも忙しすぎる様子が、たまらなく心地よい。ぐっちゃぐちゃになるミステリーを読みたい人にオススメである。

 

87.ブラウン神父の童心


トリックを考案する天才というのは後にも先にもこの人しかいないだろう。 私はあまり海外の推理小説も古典も読まない(得意でない)のだが、この作品に関しては「素晴らしい」と思っている。

 

88.しあわせの書


他に類を見ないトリックに仰天してほしい。一流の手品師としても名を馳せた変態作家泡坂妻夫が生み出した最高の奇書。

 

89.下り“はつかり”


 基本的に推理小説作家なんてのは変態揃いだが、元祖変態といえば鮎川哲也、この人だろう。「執筆がアイデアに追いつかない」とまで語っていた稀代のトリックメイカーである。

 

90. クリスマス・プレゼント


さすがの切れ味である。 原題は『ツイスト』。読者を欺く“ひねり”とはこういうことだと、同じく作家である妹に向けて書いたそうな。

 

91. 弁護側の証人


 隠れた名作とはこれのこと。ガツンとやられたい人はどうぞ。タイトルをしっかりと読みましょう。 

 

92. 密室キングダム 


 物理的密室、心理的密室などあらゆる密室を組み合わせたこの謎は、壮大な建築物を思わせる。変態のための作品。 

 

93. 教場


 この作者は話題になった前作の『傍聞き』もそうだったが、極度の伏線フェチである。 

 

94. 衣装戸棚の女

 

こういう作品を読むたびに、「推理小説作家ってのは本当にどうしようもねえなぁ」と思ってしまう。可能性を切り開かないと気が済まない人種なのだ。

 

 

95. リバース

推理小説作家は基本的にどうしようもない輩ばかりなのだが、湊かなえのどうしようもなさは他の作家の斜め上を行っていて困る。この作品の紹介の仕方も分からなくて、困っている。 

 

96.お前の罪を自白しろ

圧倒的なスピードと臨場感。まるで本当の事件を見ているかのようで、めちゃくちゃ面白い。事件が面白いって、不謹慎もいいところだけれど、推理小説って元々不謹慎の塊みたいなもんだから、まあいいでしょ。 

 

97.カラスの親指

詐欺を題材にした作品にハズレなし。 

 

 

 

 

 

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騙されることを求める皆様へ 

以上が私の「読む価値がある」と考える推理小説である。

賛否ある作品も中にはあるが、それも含めての選出だ。

本来であれば傑作だけを紹介するべきなのだろうが、それをしてしまうと推理小説で気持よく騙されたいあなたの欲求をあまりにも簡単に満たしてしまうため、あえてこういった紹介をさせていただいた。

冒頭に書いたように推理小説というものは、過度に接しすぎると魅力を失ってしまいがちである。それはあまりにも勿体無い。できるだけ長く付き合いたいものだ。

それなりな作品やハズレに出会うからこそ名作に触れたときの醍醐味が感じられるわけで、都合のいいものばかりに接するのはドーピングのようなものなのであまりオススメできない。

またどんな名作も似たような作品を直近に読んでしまえば途端にその色を失う。タイミングが大事なのである。

綺麗に騙された快感が忘れられなくて他の作品にがっついてしまう気持ちはよく分かる。だからこそ私は思うのだ。距離を上手くとって自分の中の推理小説に対するハードルを下げてから、読み始めるべきなのだ。

 

傑作も駄作も、もちろん推理小説以外の作品も等しく愛してもらいたいものである。

 

以上。参考になれば幸いだ。