私の部下に異常に仕事が遅い子がいる。
女の子なのだが、かなり神経質で、丁寧な仕事をさせたらピカイチなのだが、いかんせん仕事がとにかく遅い。
本人にそれを正すと、
「いや、でもまだこの準備が終わっていなくて」
「ここがもうちょっとやらないと」
というような返事が。
「うん、でもそんなもんでも大丈夫だよ」
と私が言っても、
「でも前にこれが理由で失敗したことがあったので…」
となかなか受け入れてくれない。たしかに言い分は間違っていないし、仕事を一生懸命やろうとするのはいいのだが…。
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残念な完全主義5つの特徴
「どうしたもんかなー」と色々と考えていたら、読んでいた本の中に「残念な完全主義5つの特徴」というものが載っていたのを発見。これはまさにあの子と同じだと膝を打ってしまった。
今の働き方が「しんどい」と思ったときの がんばらない技術 | ||||
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紹介してみよう。
1.先延ばし
「ここまでやったら」「資料が揃ったら」と思い、なかなか次の仕事に手を付けることができない。
2.失敗への恐怖
「失敗したらどうしよう」と恐れるあまり、なかなか動き出せない。
3.All or Nothing思考
すべてを白か黒か、勝ちか負けかで判断してしまい、グレーの部分を受け入れられない。
4.不反省で麻痺した完全主義
目標雨がいつの間にか「完全にすること」にすり替わってしまい、その目標にがんじがらめになってしまう。
5.仕事依存
仕事をしていないと不安になり、そのうち、周囲にも仕事依存を押し付けるようになる
完全主義度チェック
またこの本には、自分が「残念な完全主義」人間かどうかを判断するチェックがある。
載せておくので、不安な人は確認してみてはいかがだろうか。
1.もっともっとやらなくちゃと思う
2.他人から完全主義だと言われる
3.重箱の隅をつつきがちだ
4.他人がいい加減なことをするとイライラする
5.日常のあるところでは、とてもきちんとしている
6.何かミスをするとテンパってしまう
7.「やらなければならないこと」でたいてい頭の中はいっぱいである
8.自分がよくやっているとは思わない
9.長所よりも失敗に目が先に行ってしまう
10.うまくできそうもないことに手をつけるのはムダだと思う
11.他人からの批判に弱い
12決断が遅いと言われる
結果は以下の通り
0~3点 まったく問題なし
4~7点 残念な完全主義の資質あり
8~12点 残念な完全主義
ちなみに私は2点だった。ただ5の文章の意味がよく分からなかったのが、気にはなったがどのみちキチンとなんてしていないので、問題なかろう。
バランス感覚が大事
実はこういった、「残念な完全主義」な人というのは定期的に現れる。
性格や仕事での失敗など色々な原因があるのだろうけど、一番は「失敗したくない」というプレッシャーが勝ちすぎていることだと思う。
持論だが、仕事も人生もバランス感覚が一番大事だと考えている。
そのバランスを崩すと、仕事の成果を著しく下げてしまったり、周囲とのいらぬ軋轢が生まれたりしてしまう。
それに、完璧にやろうとする姿勢は大事だと思うが、全力を傾けるというのは、長く続くものではない。仕事(家事もそうだが)は人生を占める割合が多く、時間にしても非常に長い。その長い時間のすべてを100%の力でやろうとするのはムリがあるし、いつか身体を壊してしまうかもしれない。
みんなが大好きなイチローもこんな言葉を残している。
「でもコレ(10割)では長い期間やることはできない。改めて精神的に7割、8割でいることは、大事なことだなと感じました」
高いパフォーマンスを出し続けたければ、やはり7、8割がちょうどいいのだろう。
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プロほど失敗している
結果を出し続けているプロほど、失敗に対する免疫力である「楽観主義」を持っている。別にあえて失敗する必要はないが、失敗を重ねた人こそが成長していくのは間違いない。
だからこそ成功しているプロは、「これも勉強になるだろう」と失敗への抵抗感が少ないのだろう。
確かに失敗することは怖いし、人から責められるのは嫌なことだ。
だがそこから抜け出さない限りは、いつまでも「失敗を恐れる仕事が遅い人」から脱皮できない。
どうやって変わるか?
ただ、恐怖感というのは人の感情の中でも特に強力なものである。それを変えようとするのは難しいことだと想像できる。
そんな強力な感情に打ち勝つのはやはり論理だと思う。
その仕事で求められるのは、「質」なのか「期限」なのか「量」なのか、そういった要素を見極め、明確にすることで次第に「これくらいでいいだろう」という見当がつくようになる。
まあ要するに経験を積め、というあまりにも身も蓋もない話になってしまう。
しかしそうやって、仕事の本質や目的を常に意識するのは非常に大事なことだ。
人は簡単に目的を見失うので、ゴールを常に意識できるクセをつけるようにするべきである。
そして、意識しなければいつまで経っても変われないのだから。
以上。