俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

【月イチまとめ】2019年12月に見つけた面白い本

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どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

 

毎月恒例のおもしろ本まとめ記事である。

 

例年のことなのだが、私の本業の職場は冬に最繁忙期を迎える。正直、死人が出ないのが不思議なくらいに忙しいのだが、各々が隙きを突いて上手にサボっているせいか、今のところ死人は出ていない。死人のひとりぐらい出てくれれば、この忙しさも少しは緩和されるだろうに。←冗談です。半分ぐらい。

そんな繁忙期の貴重な休みに何をするかといえば、私は相も変わらず面白い本を探すだけである。こんなにやることが変わらないのは、不幸なのか幸福なのか。どちらでも結局は変わらないかもしれない。人から見る角度の差でしかないだろう。

ということで、私の貴重な休日を費やして見つけ出した面白本たちである。存分に愛でて貰えると、お互いに有意義な時間となることだろう。

 

では行ってみよう。 

 

『カブール・ノート 戦争しか知らない子どもたち』

 

 

戦争の本当の悲惨さを、なぜ日本のメディアは伝えないのか!

米国のエゴ、テロリスト掃討の犠牲になる市民、捕虜への虐待、一方的で横暴な捜査…。現在イラクで日々発生している悲劇は、アフガニスタンですでに起きていた―。国連難民高等弁務官として戦地・カブールで悲しみの現実に触れ続けた著者だからこそ描けた“悲しみの真実”とは。 

 

この本と出会えたことを感謝している。私が何も知らなかったことを教えてくれたからだ。

はっきり言って、気持ちのいい内容ではない。だが絶対に知っておくべきことが書かれている。私は大きく価値観を揺さぶられてしまった。一体今まで何を見てきたのかと思った。

 

私たちが目にしているメディアはどうしても、アメリカ側からに偏りがちだ。『カブール・ノート』で書かれているのは、アメリカと敵対していたアフガニスタン側からの視点である。

9.11のテロを支持するつもりは一切ないが、それでもそれぞれに正義があったことがよく分かった。つくづく世界は、複雑で、簡単には割り切れないことを思い知った。

 

ちなみに書籍は廃版になっているので、note版を強くオススメする。しかも増補されてるし。

note.com

 

ノースライト

 

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。施主の一家も、新しい自宅を前に、あんなに喜んでいたのに…。Y邸は無人だった。そこに越してきたはずの家族の姿はなく、電話機以外に家具もない。ただ一つ、浅間山を望むように置かれた「タウトの椅子」を除けば…。このY邸でいったい何が起きたのか?  

 

超傑作『64』から6年ぶりの新作。遂に読み終えてしまった。

 

相変わらず横山秀夫は期待を裏切らない作家だった。

濃度の高い文章に巧みな心理描写。更には入り組みまくったミステリー。人間ドラマと謎を両立させたら、現役作家ではピカイチじゃないだろうか。

得意の警察ものでも記者ものでもないから、緊迫感はやや低めだけれど、面白さはさすがの一言。こんなマイナーなテーマで、読ませること読ませること。

最後に用意された“あれ”については…まあ、読んでからのお楽しみということで。

 

 

自分の運命に楯を突け

 

己れをつらぬけ、平気で闘え、自分のスジをまもれ、マイナスに賭けろ…。

太郎は文章を通じて「どう生きるか」を公言し続けた。先が見えない現代だからこそ、その閉塞感をスパッと切り裂いてくれる太郎の言葉〈メッセージ〉は、時代を超えて私たちの魂を射ぬく。 

 

岡本太郎の言葉は、理知的で理論だっている。読めば読むほど納得してしまう。彼の奇抜な作品からはとても想像できない。だが、芯に感じる熱量は間違いなく岡本太郎。熱く熱くたぎるような魂が込められている。

これだけの高エネルギー体に触れちまったらもう、そりゃあ燃えまっせ。さすが日本が世界に誇る芸術家、岡本太郎。

名著『自分の中に毒を持て』と合わせて、人生を生き抜くための勇気をくれる一冊。

パワーが欲しい人にオススメしたい、栄養ドリンクみたいな本である。 

 

 

デブを捨てに

 

 

「“うで”と“デブ”どっちがいい?」

借金で、首の回らなくなった「俺」の究極の選択とは?

予測不能の展開の表題作をはじめ、“泥沼”で咲きみだれる美しい“花”や、極限状況に置かれた底辺の人間の悲哀と希望の光を、リズミカルな文体と、ぶっとんだユーモアでお届けする“イエロートラッシュ”シリーズ全四編。 

 

「日本最低タイトル小説大賞」を受賞した本作(そんな賞は存在しない)。タイトルが最低なら、中身はもっと最低。どこを切り取っても最低して出てこないという、逆ディズニーランドみたいな作品である。うん、最高。

短編集なんだけど、収録されている4編すべてがキッタナイ黄土色をした作品に仕上がっていて、「どんなつもりでこんな作品書いたんだよ?」と平山夢明の人間性に思いを馳せること間違いなし。唯一無二の読後感を与えてくれる、どうしようもない短編集である。

ちなみに、私は会社でこの作品を読んでいたのだが、10人くらいから「なにその本?」と声をかけられた。ぜひ皆さんも表紙を見せびらかせて、人格を疑われてほしい。

 

 

『脳には妙なクセがある』

 

 

コミュニケーション最強の武器となる笑顔は、“楽しい”を表すのではなく、笑顔を作ると楽しくなるという逆因果。脳は身体行動に感情を後づけしているのだ。姿勢を正せば自信が持てるのもその一例。背筋を伸ばして書いた内容のほうが、背中を丸めて書いたものよりも確信度が高いという─。

とても人間的な脳の本性の「クセ」を理解し、快適に生きるため、気鋭の脳研究者が解説する最新知見! 

 

 

最新研究を専門家が読みやすい形でまとめる。そんなコンテンツが昨今流行っているが、そのハシリが池谷裕二だろう。

脳の興味深い研究結果を、我々一般人にも分かりやすく、また興味を持ちやすいトピックを厳選してお届けてくれる。英語も読めない、論文に目を通すような気概もないクセに、面白い研究の話だけは聞きたい私にとって、こんなにありがたいことはない。

読んだら絶対に誰かに話したくなる。そんな類の本である。知識欲がビリビリと刺激されるのを存分に味わってほしい。っていうか、このシリーズ永遠に出版してほしい。

 

 

以上。来月もお楽しみに。