いっそ嫌われよう。
嫌われる勇気
どうも、中間管理職ブロガーのひろたつです。
先日この本を読んだ。
非常に刺激的なタイトルである。売れに売れたので、皆さんも一度は目にしたことがあるのではないのだろうか。
嫌われる勇気とはよく言ったもので、嫌われることを恐れる人は多い。嫌われることを恐れるがゆえに自らを押さえつけ、本当にやりたいことを我慢したり、気持ちを表に出さずに生きる。
これはあまりにも悲しい。他人のために生きる人生もそれはそれで素晴らしいかもしれないが、それによって自分の人生を犠牲にするのはどうかと思ってしまう。一体誰のための人生なのか。
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部下に好かれようとしていた私
さて、私はこの本を読んで思った。
「そういえば、自分は部下に好かれることばかり考えていたな」と。
このブログでは飽きるほど書いてきたが、私は職場で100人を超える部下を抱えており、文句なしの中間管理職だ。つまり上司である。
それだけの人数をコントロールするのは並大抵のことではなく、私のあまりにも低いポテンシャルではまったく操縦不可能。日常的に暴走させている次第だ。
まあそれはどうでもいいのだが、とにかくそれだけの人数を抱えていると人間関係のトラブルが絶えないので、上司は自然と「トラブル処理係」となってしまう。人はかくも争うことが好きである。
で、そんなトラブルだらけの職場で過ごしていると、せめて自分だけはみんなから嫌われないようにしようと考えるクセが付いてしまう。その方がラクだからだ。
できることから始めよう!
しかしながら、『嫌われる勇気』を読む限りそれは間違いだったのかもしれない。
人から嫌われてもいいから、もっと自分の気持ちを出し、したいことをすべきなのだ。
とは言いつつも、そんなにすぐに人は簡単に変われはしない。まずは一歩一歩だ。
ということで、職場で上司をしている私は始めの一歩として「嫌われる上司」になろうと思う。嫌われる上司に昇格したあかつきには、次のステップとして「自分に正直な上司」になろうと思う。
そこで今回の記事では、私が嫌われる上司になるために押さえるべきいくつかのポイントをまとめておいた。どれもこれも部下から嫌われるために非常に有効なことばかりである。
私と同じように「部下から好かれること」に取り憑かれた中間管理職は、ぜひこの記事を役立ててもらいたい。
では行ってみよう。
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第1の習慣「聞かない」
これが一番最強かもしれない。とにかく人の話を聞かない。自分の話ばかりする。1言われたら9返すイメージで行こう。
言いたいことは言うくせに部下の話は聞かない。聞いたとしても、完全に左から右へと素通り。「へえ」とか「ふーん」というまったく興味を感じさせない返事に終始しよう。
部下に限らず人は「話を聞いてもらいたい」「理解されたい」という欲求を抱えている。その欲求を思う存分、不満に変えてあげよう。
そうすれば瞬く間に「あの人、全然話を聞いてくれないから無駄だよ」という空気が職場に蔓延することだろう。
第2の習慣「決断しない」
仕事には答えがないことが多い。そのためにみんなで最善と思われるルールやマニュアルといったものを作るようになる。
でもそんなルールやマニュアル通りに行くことは少ない。むしろ例外に対して、いかに対処できるかが仕事の本質と言える。
そんな混沌とした仕事の中で、部下たちは藻掻く。どうしたらいいのかと悩む。問題を分析し、対策を練る。考えに考えた結果、ふたつの案まで絞りこむことができたとしよう。しかしどちらもメリットとデメリットがあり、部下の権限では決めかねる。
そうなったら部下は上司に相談するしかない。彼らはことの経緯を説明し、いかに対策をどちらに絞るかが難しいかを訴えるだろう。つまり部下からのSOSである。
だからこそそこで言い放ってやろう。
「それは自分たちで考えてよ」
あえて放置。難しいことは決めない。部下に押し付ける。
さすれば直に部下たちは上司を見限って、自分たちで勝手に仕事を進めるようになることだろう。上司の存在は空気同然になる。
第3の習慣「任せない」
部下に難しいことをやらせようと思うと、色々と説明しなければならなかったり、上手く思い通りに進まなかったりと、上司としては負担になることが多い。
なので、ここはいっそ全て自分でやってしまおう。どうせ部下に任せてもほとんどできないのだ。であれば、できる自分がやってしまった方がお手軽である。余計な気苦労も発生しない。仕事はどんどん抱え込んでいこうじゃないか。
これを続ける内に部下はどんどん「これだけが自分の仕事」という枠を設けるようになり、成長することを止めるだろう。成長しない人間は動物とほとんど同じである。
任されることを知らない部下は自然と無責任体質になっていく。無責任な人間はすぐに仕事上の問題を上司のせいにする。環境のせいにする。
これによって、あっという間にクソみたいな職場環境のできあがりである。
第4の習慣「文句を言う」
部下の仕事にはどんどん文句を言おう。指摘箇所があれば余さず伝えよう。もしまともにできている所があっても、それはできて当然なので無視だ。褒めたりなんて間違ってもしてはいけない。部下がやる気になってしまう。
ただでさえ慣れてない仕事をしてストレス負荷が高くなっている部下は、上司のネチネチとした指摘によってさらに負荷を高めることになる。
人はストレスに晒されると攻撃的になる。感情を爆発させることで自らの心に逃げ道を作り出すのだ。
当然部下の感情の矛先は上司である。部下が胸に抱いた黒い感情が殺意に変わるのもそう遠くはないだろう。
第5の習慣「感情的になる」
仕事に情熱は必要だ。しかし進める上で一番必要なのは論理であり理性だ。感情は動物的なものであり、対人間相手の仕事ではほとんど必要ないものだ。
なのでこれを存分に活用しよう。
なにか上手くいかないこと(例えば部下のミスとか)があったら、あからさまに不機嫌になろう。話しかけるなオーラを充満させよう。
逆のパターンもありである。何か良いことがあったら、思いっきりはっちゃけて部下と絡もう。部下が真剣に仕事をしているときにやると非常に効果的である。
人は皮膚感覚だけなく、感情でも極端な温度差を感じると不快になるようにできている。
部下が仕事に集中し心の温度が低くなっている所へ、やたらとハイテンションな上司がやってきて無駄話をしてくる。
これは最高に不快である。
感情的な上司は次第に無視されるようになるだろうし、避けられるようになるだろう。誰でも感情的な人とは関わり合いたくないものだ。
第6の習慣「独り占めする」
仕事はチームで進めることが多い。チームで行なうからこと大きな仕事を推進できる。
みんなで協力して成果を挙げたときの達成感というのは、何物にも代えがたい喜びである。
ということで、部下のみんなにはその達成感だけで満足してもらうこととして、上司はさらに上の上司に報告するときに「すべて自分が指揮した結果です」と伝えよう。手柄はすべて独り占めするのだ。そのときに「どれだけ部下が役に立たなかったか」を伝えるとさらに効果的である。
仕事はあくまでも対価を得るためにやるものだ。やりがいで腹は膨れないし、達成感で預金残高が増えることはない。
上司に成果を横取りされていることを知った部下がどんなことを感じるかは容易に想像ができるだろう。上司の元を去る日はもう目の前だ。
ちなみにこれをやると、上司自身の上司からも嫌われることができるので、非常に効果的である。
第7の習慣「話が長い」
最後はこれである。
人生は有限だ。どんなことをしていても、誰の身も等しく時間を消費していく。
そんな限られた貴重な人生をできる限り効率的に消費するのが「上司の長話」である。
上司と部下というのは自然と力関係が発生しており、部下は嫌でも仕方なく上司に付き合ってあげることがある。これを利用しない手はない。
「これやっといて」という一言で済んでしまうような仕事も、懇切丁寧に説明して、それによってどんな効果が期待できるかとか、過去の事例とか、それにまつわる思い出話とか、最近あった面白い話(つまらない)を永遠としよう。
これによって部下は無駄な時間を消費したことを嘆き、話の長い上司へ憎しみを向けることだろう。
ただこれにはデメリットもあって、部下と一緒に自分自身も時間を消費してしまうのだ。なので言い換えるならばこれは緩慢な心中である。
用法用量にはぜひとも気をつけていただきたい。
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習慣にしてこそ
以上が「嫌われる上司になるために7つの習慣」である。
習慣というのは続けるからこそ意味があり、ここで一回読んだだけで満足してしまうようでは、嫌われる上司へに道は遠い。千里の道も一歩から。その一歩を積み上げなければ千里へは辿り着かないのだ。
さて、では最後のこの格言を引用し、この記事を終わりにするとしよう。
心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
以上。