どうも、ひろたつです。
だいぶ世の中に浸透したHIPHOP。軽やかにリズムに乗ることもあれば、時に威圧的な言葉を繰り出し聴く人の感情を揺さぶってきます。
HIPHOPってのは音の数が少ないので、それだけに分かりやすくて、人々の耳に馴染んだのでしょう。
そんな売れ線で活躍するHIPHOPですが、本来はもっとドロドロとした演者の感情やコンプレックスを表現するものです。綺麗な言葉で飾られた流行歌にはない、生身の言葉。それがHIPHOP本来の魅力だと私は考えます。
そしてその源流はラップバトルに流れています。
エミネムが映画でやってたあれです。その場で音楽が提示されて、即興で相手とラップで罵り合うもの。
この映画のラップバトルはちょっと出来過ぎ感がありますが、フリースタイルラップの魅力を伝える役割を果たしてくれましたね。
で、このようなラップバトルが日本でも行なわれているのですが、10年ぐらい前のものから比べるとトンデモなく進化をしていて驚きます。
◯黎明期
2000年代に入ってから邦楽にHIPHOPが受け入れられるようになるのですが、その頃ラップバトルで一世風靡していたのがこの男。
KREVAです。この男、ただのヒップホップアーティストかと思いきや、ラップバトルで3年連続優勝を誇る実力者なのです。
その動画がこちら。
やはり作り物ではない緊張感がありますね。挑戦者のMotoyに言葉が出なくなってしまうシーンがありますが、これぞって感じですね。事前に台本を用意していない(言うことを決めていない)からこそ発生するアクシデントで、そこに気概を感じます。
KREVAもKREVAで、相手がミスったところにグサグサ言葉を刺し込んできます。ラップバトルの褒め言葉である「嫌なやつ」ってのが大ハマリしますね。
これが2000年の動画。
スポンサーリンク
◯出始める新たな才能
KREVA達が作った時代。それを見て育った世代が繰り広げるラップバトルは、とんでもない成長を遂げました。
やっぱり礎ができると進化が早いもんですね。
中でも特に注目されているのはこの男。
R-指定です。
この男は変態ですよ~。最近、テレビにもよく出ていて認知度も急上昇中です。
実力のほどは動画を見れば一目瞭然でございます。
次々と言葉が出てくるのも凄いんですけど、さらに韻は踏むわ、ちゃんと内容はひねってあるわで、凄すぎて逆に「この人、バカなんじゃないか?」と思っちゃいます。
このR-指定ですがラップバトルではKREVAと同様に大会3連覇を果たしています。超実力者ですね。
で、R-指定はバトルだけではなくて、ちゃんと音源も発表しています。これがまた彼のフリースタイルと同じように超攻撃的。
こんなのも。
フリースタイルで名を挙げて、音楽シーンに飛び出していくってのは理想的な流れですね。まさに8mileです。
◯DOTAMA、ACE
他にも凄いのはいっぱいいるんですけど、私が特に好きなのはDOTAMA、ACEの2人です。
まずDOTAMA。
彼も新時代を象徴するラップスタイルです。
う~ん、嫌なやつだな~。(褒め言葉)
聴いての通り、言葉の弾数が半端じゃないです。見た目は全然普通の兄ちゃんなんですが、出てくる言葉の内容は常に暴力的。語り口は丁寧風なんですけど、相手の揚げ足取りが大好き。ラップバトルでの強さが際立ってます。
今の流れとしては、言葉のチョイスにプラスして速さがないと観客が認めてくれない印象があります。
ちなみに彼も音源を発表しています。
うん、全然いい声じゃないですね。だがそれも良し。
次はACE。ブラジル生まれの外見からしてヤバそうな雰囲気を出しています。
彼の武器は暴力的な外見と相まった声、そして速さに特化したラップですね。それでいてトラックから外れないリズム感の良さがあります。
輪入道との名勝負です。これが即興ですからね~。どういう頭の中身してるんですかね。
喋ると普通の兄ちゃんですね。
◯これからどうなるか
KREVAの時代は、単語をできるだけ繋げて韻を踏んで、とそれだけで精一杯だった印象ですが、ここ最近の連中は軽々とラップを繰り出せるようになっています。その中でもトップの人たちは、韻も踏めるし、速さもあるし、内容も強烈だし、と完全無欠人間が揃っています。
まだまだ進化するところを見たい気持ちはありますが、正直この辺が頭打ちなような気がします。
速いラップは確かに凄いのですが、聴いている人の理解がそのスピードに及ばないことが多いんですよね。だからもし、これからさらに速さに磨きがかかってくると歌ってる本人がだけが分かるようなそれこそ「お経」になってしまいそうです。
なので個人的にはこれはからは、速さではなく言葉の重みとか聴く人の心に直接訴えかけるようなものが来るような気がします。現に今の観客たちは、「何となく韻踏んでるからOK」ぐらいだと思うんですよね。それだとラップの本質は伝わっていないことになりますから。どれだけ演者が必死で言葉を紡いでも、ただの曲芸に成り下がります。
今までは「吐き出す」ことに特化していたラップが、次は「伝える」方向に進むことでしょう。
ではでは。
記事内で紹介したR-指定のアルバムがこちら。ビレヴァンでも取り扱われるようになったので、これから来るかもしれませんね。