どうも、ひろたつです。
最近、日本代表の試合が無くて中毒症状が出そうです。
◯日本代表に一番大切なこと
早速ですがサポーターの皆さんに質問です。
「我らがサッカー日本代表、サムライブルーにとって一番大切なことは何でしょうか?」
この質問はこういう風に言い換えることもできます。
「あなたはサムライブルーに何を求めていますか?」
これが今回の記事の肝になります。ぜひ考えてみてください。
◯ファンが求めること
史上最強と謳われたザックジャパンはブラジルW杯で1勝もすることができませんでした。それはそれは悲しい経験で、私もしばらくは仕事に行く気が起きませんでした。今もやる気はないけど。
そしてアギーレ体制で臨んだアジアカップではベスト8と、なんともしょっぱい結果。しかも負けた相手がUAEという、さして強くもない相手。海外組を揃えベストメンバーで戦っても、アジアですら勝てなくなってしまったのかと絶望したもんです。W杯で惨敗した憂さ晴らしを期待していただけに、多くのサッカーファンが気落ちしたことでしょう。
その後も日本代表を包む霧は晴れず、超格下であるシンガポール相手に超ホームの埼スタで無得点のドローに終わりました。
一応、ここら辺で低迷期は脱したようで、アジア予選では目下連勝中。アジアの小国を相手に勝利を収めて、沸き立つファン。そして、それらを牽制するネットの玄人たち。
ニワカを自称する私も、ここ最近は代表が勝ってくれているのでご機嫌でしたし、「勝てばいいのかよ?」と冷水をぶっかけてくる玄人たちに辟易していたもんです。
さて、上の質問に私が答えましょう。これは多くのサッカーファンと同じ答えだと確信しています。
「日本代表には勝利を求めています」
なので、
「日本代表に一番大切なことは、勝利することです」
◯さて、考える時間です
ではここでちょっと考えてみましょう。
勝利するためにはどうしたらいいでしょうか?当然、勝って欲しいんだからそれぐらい分かりますよね?
ところが、そうではないんです。私もそうですが、多くのサッカーファンが「どうすれば日本代表が勝てるようになるのか?」を知りません。分からない、という方が正確かもしれませんね。
もうひとつ。
勝つことが大事なのであれば、日本代表はもっとランキングの低い相手と毎回試合をすればいいのではないでしょうか?皆さんが求めている勝利は意外と簡単に手に入れられます。
ですが、それでは皆さんは満足しませんよね?
これはなぜなんでしょうか。矛盾を感じませんか?
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◯日本代表には強くなってほしい
実はみんなの心の中にあるものは「日本代表には強くなってほしい」という気持ちなのです。それを具現化すると「勝利」になるのです。だから、弱い相手に勝ったところで面白くはないし、強い相手と戦って勝ってほしいんです。
強くなる、ということは成長するということです。最初から強いチームなんてありませんから。
そしてこれは、私たちは日本代表の成長した姿が見たい、とも言い換えられます。
これは非常に重要なことです。冷静なファンの方にはぜひとも理解していただきたい。
強くなってほしいのであれば、私たちファンはチームが強くなるところ=成長する姿を見守らなければなりません。そして、ここにある難解さがファンたちの目を安易に「勝利」へと向けさせてしまうのです。
◯サッカーは超難しい
私がおすすめしているサッカーブログを読めば分かりますが、サッカーってのはめちゃくちゃ奥が深く、ボールの動きを追っているだけでは分からない部分が大半を占めます。そこが魅力でもあり、素人を寄せ付けない部分でもあるのですが…。
上でも書いたように、サッカーで勝利を手にすることは簡単です。格下と戦えばいいだけですから。
しかしそれではチームにもたらすものがない。成長の糧になるものがない。
そう考えると、私たちが一喜一憂している「勝敗」というのは、成長とは関係ないことが分かります。
日本代表の抱えている問題は何なのか?
ストロングポイントは出せたのか?どうやったら出せるようになるのか?
得点力不足なのであれば、どういう方法を使えば得点を取れるようになるのか?
日本人の強みは何なのか?それを活かしたサッカーはどれほど成熟しているのか?
こういった疑問に対して 「対策を実施する」⇒「結果を得る」⇒「さらに対策を練る」⇒「さらに実施する」 という地道な積み重ねの先に「成長した姿」があるのです。簡単に手に入るものではないのです。ニワカファンの私たちにとっては非常に残念な事実ですが…。
◯私たちが見るべきものは”課題”である
まだまだサッカー発展途上国である日本のファンになってしまった以上、私たちが代表の試合で見るべきものは「日本代表の課題」であるべきです。私たちがそこを重要視することで、サッカー協会も選手たちも「勝利至上主義」から脱することができるようになるのです。顧客である私たちが求めるものを、企業は提供しようとするわけですから。
課題をクリアーしているかどうか、これに私たちサッカーファンが一喜一憂できるようになれれば、日本代表はもっと強くなることでしょう。
ちなみに私がこの事実に気付いたのはこの本がキッカケです。
勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書) | ||||
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この本の中にこんな一節があります。
成長してより高いレベルで勝負できるようになっても、対戦相手の実力もより強くなっているから、必ずしも単純に白星が増えるわけではない。実力はついているのに、単に白星黒星の並びだけを見れば、むしろ変わらないこともある。一般の人は星の色しか見ないから、なかなか「あの人は勝ち続けている」とは直感的に理解してもらえない。
梅原氏の場合は格闘ゲームですが、どの世界でも共通の現象が起きているようです。
つまり「一般人は試合の内容ではなく、結果を見ている」
しかし本来、成長を目的としているので、結果に左右されてはいけないのです。
目の前の勝ちを貪欲に拾って成長できるなら勝てばいいし、勝つようにすればいい。
しかし、勝っても成長に結びつかない局面は確実に存在する。もちろん、負けても成長できるケースもある。
さらに勝負に関して梅原氏はこんなことを書いています。
僕が戦っている格闘ゲームにおいて、例えば最高レベルの、大きなタイトルがかかったようなゲームであれば、はっきりいって勝つか負けるかはかなり運の要素が強いといっていい。1回勝負なら、いっそう強くなる。
なぜなら、そんな場面で対戦する相手と争っているのは、知識や技術において、垂直の壁をどちらが数センチ、数ミリ高く登っているかだからだ。そのレベルでは、ある一時点で勝負をしても、結局勝敗を分ける決め手になるのはまぐれや運、不運、あるいは当日の体調、集中力の状態、座った位置などである。
(中略)
世の中は思い通りにならない。むしろ運に左右されないほどの圧倒的な実力差があるような状況のほうが特殊なのだ。
私のような凡人には到底理解できない世界の話なのですが、それでも意味は分かるような気がします。
トップレベルのアスリートたちは当然のように努力を重ねているでしょうし、圧倒的な才能も持っていることでしょう。それでも”運”というバケモノには勝てないということです。
そのことを私たちファンは肝に銘じておくべきなのでしょう。そうすれば、勝ち負けという単純な結果ではなく、もっと奥深いレベルでの楽しみ方ができるようになることでしょう。
そんなことを思った次第でした。
以上!