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彫師が相次いで摘発されているだと…?刺青は憎悪の対象ですか?

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知らなかった…。

タトゥー摘発に賛否 ミュージシャン横山健「アンフェアな規制」

記事のタイトルにもあるように”賛否”なので何か正解を示す内容ではありませんが、横山健の言葉の中に大事なことは全て含まれているように感じます。以下、記事より抜粋。

ただボクのような愛好家の立場から申し上げますと、日本ほど刺青に対してヒステリックな感情を持つ国は他になく、とても息苦しく感じます。それは日本がとても凡庸を好み、奇異な個性を排除し、タブーに対してとても敏感で閉鎖的な社会を持っている証ともいえます。締め出す事は歴史を担保にしているに過ぎず、現状と向き合っていないとも感じます。

 かと思えば外国人の刺青に対しては特別違和感を表に出さない…刺青を多く施した世界的に有名なサッカー選手がCMに出演していたりするのが好例です。「たかが刺青で」と思うのは簡単ですが、日本社会の弱さ、か細さがこういったところひとつ取っても感じられてしまうのです。これでは文化面で突出した才能など日本から出てくるわけはないと感じます。



◯感情論はもう勘弁してくれ…


タトゥーが医療行為かどうかはよく分かりません。が、世界的に見たら当たり前に行われている行為なので、それを医療行為と言われても違和感がありますね。そして規制されるのも不快です。

ですが、ここで不快だからといって私は何かに当たることはしませんし、不快に感じてしまう人が存在することも、不快に感じてしまうことも否定しません。それは自由ですから。だからこんな理不尽なことをしてくるやつらも許しちゃる。参ったか。

ということで、許してあげるんで感情論を振りかざすのだけは止めてもらえませんかね?

◯文化は否定しやすい


歴史に浅い深いに関わらず、文化ってのは否定しやすいものです。よく言うと、ツッコミどころがあるんですね。
刺青・タトゥーは入れている人達にロクなのがいないのがそれを助長していて、まさに悪の象徴とでも思われているフシがあります。

刺青に限らず、アニメ、ゲーム、音楽、祭り、宗教などなど。否定する要素はいくらでもありますよね。

いつだかバトルロワイヤルが一世を風靡したときに、女子中学生が影響を受けたという事件がありましたよね。過激な表現は悪影響を及ぼす的な。

これに対して全てを否定することはできません。確かに影響を受けるバカはいるでしょうし、基本的にバカはどこにでもいますから、何かしらの文化に影響を受けたバカが人様に迷惑をかけるのは当然の現象です。ビバ、バカ。

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◯本人の崇高な意志も無視ですか?

その文化に対して感情的になってしまう人はまさに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」状態になってしまいます。
「あの人は刺青を入れている。普段はいい人だけど、一皮向いたら暴力的な存在なんだ」

これは本人の意志にはまったく関係ありません。
例えば私が日頃から自分の身よりも世界の平和を願っている人間だとしましょう。少しでもお金が入ってきたら寄付。少しでも時間が生まれたら慈善活動に励んでいたとしましょう。
そんな活動を続ける内に私の中である思いが生まれます。

「全然、世界が平和にならねえ…」

しかしだからといって、今まで続けてきた活動を止めるわけにはいきません。ですが自分ひとりの力が小さいことも事実。世界のあまりの巨大さに虚しく感じた気持ちは消すことができません。

そこで自分への誓いの証として私は身体に『LOVE&PEACE』と刻みこむことにしました。全てのもの愛を。平和を。それを忘れるなという戒めを込めて。

そしてそんな私に後ろ指をさす人達がいます。

「あの人、いい年こいて『LOVE&PEACE』とか身体に書いてあるよ。ロクな人間じゃないんだろうね」

この例え、あまりハマってない気がしますが、まあこういうことです。

◯いや、違う


タトゥーを否定する人達がいかに間違っているかを書き連ねた記事にしようかと考えていたのですが、私は大事なことを忘れていました。私の言いたかったのは誰かを否定する言葉ではないのです。

そう、私は刺青、タトゥーが大好きなのです

私自身は入れていません。アレルギーの問題なんかがあって踏ん切りが付かないのです。
しかしそんなのは関係なしに、刺青を見るのが好きなんです。美しいと思ってしまうんです。これは誰に否定されようが仕方のないことです。リンゴを見て「赤いな」と思うように、刺青を見て「かっこいい…!」と感じるんですから。

私は大好きな刺青という文化がなくなってほしくないのです。純粋にそれだけです。

彫師の方々は厳しい仕事だと理解してやっているプロフェッショナルばかりです。むしろこのご時世よほどプロ意識が高くなければ彫師としては生きていけません。器具の滅菌(殺菌ではありませんよ)を徹底しているのは当たり前です。

そんな崇高な仕事をしている彼らの志をくじいてほしくないんです。ただの不快感だけで大事なものを奪わないでください。

そんなことを思った記事でした。