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どこを切っても汚い。平山夢明『デブを捨てに』

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どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

日本でも有数の最低な小説に出会えて最高だったので、レビューを書きたい。

 

内容紹介

 

“うで”と“デブ”どっちがいい?借金で、首の回らなくなった「俺」の究極の選択とは?予測不能の展開の表題作をはじめ、“泥沼”で咲きみだれる美しい“花”や、極限状況に置かれた底辺の人間の悲哀と希望の光を、リズミカルな文体と、ぶっとんだユーモアでお届けする“イエロートラッシュ”シリーズ全四編。

 

こんなに清々しいくらい最低なタイトルの作品、そうそうめったにお目にかかれない。明らかに読者を選ぶタイプの作品だけど、こんなの看板に「うんこ」って書いてある料理屋みたいなもんなので、このタイトルを見て「読んでみっか」と思った時点で、そいつは間違いなく『デブを捨てに』を楽しめるタイプだから安心してほしい。

ちなみに私は完全にタイトル買いである。あらすじさえも目を通していない。正解だった。

 

そこは最低に溢れた夢の国

「日本最低タイトル小説大賞」を受賞した本作(そんな賞は存在しない)。タイトルが最低なら、中身はもっと最低。どこを切り取っても最低して出てこないという、逆ディズニーランドみたいな作品である。読者を待っているのは汚物に塗れたミッキーである。挨拶はゲップ。そんな感じだ。覚悟しておけ。

 

あまりの汚さに読み始めは「うわっ」とか思うんだけど、これだけ最低の連発だと、読み進めるうちに完全に感覚がイカれちまって、むしろキッタナイ描写じゃないと落ち着かなくなってくるから不思議だ。というか、もっと酷いのを求めるようになる。

そう、読者の精神も汚物まみれにしてしまうのがこの作品の恐ろしさなのである

 

作者の人間性を疑う…までもない

短編集なんだけど、収録されている4編すべてがキッタナイ黄土色をした作品に仕上がっていて、「どんなつもりでこんな作品書いたんだよ?」と平山夢明の人間性に思いを馳せること間違いなし…と書きたいところだが、明らかに作者の下劣さがページからにじみ出ているので、疑うまでもなく確信している。平山夢明は間違いなくどうしようもない作家である。

そんなどうしようもない輩が書いたどうしようもない短編集、それが『デブを捨てに』である。こんな作品に期待なんてもってのほか。ゴミを眺めに行くような気持ちで読んでほしい。まあ、私はゴミを眺めに行ったことなんてないので、どんな気持ちなのか知らんが。

そういえば、この作品は“イエロートラッシュシリーズ”という一連の作品群に位置づけられているそうだ。直訳すれば“黄色いゴミ箱”。うん、世界一どうしようもないシリーズである。

 

取り扱い注意

ちなみに、私は会社でこの作品を読んでいたのだが、10人くらいから「なにその本?」と声をかけられた。

周囲に私が読書家なのは知れ渡っていることなので、いちいち読んでいる本について言及されることなんぞ、とんとない。それでもこれだけ声を掛けられるということは、やはりタイトルの強烈さなのか、私が相当なデブか、それとも捨てたいと思われているぐらい嫌われているのか。そのどれかしか考えられないだろう。ちなみにこういうのは、「考える」とは言わずに「妄想」と呼ぶ。

 

ぜひ皆さんも表紙を周囲に見せびらかせて、人格を疑われてほしい。貴重な体験になるはずだ。

もちろんだが、貴重だからといって価値があるかどうかはまた別の話である。

 

以上。