俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

本屋大賞の中で「これは読んどけ」っていう20冊、とオマケ

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みんなの味方、本屋大賞

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

 

本屋の生命線になりつつある“本屋大賞”。アメトーークの読書芸人などでご存知の方も多いことだろう。普段から小説と接している人間はもちろんのこと、小説をあまり読まない方にも手引として利用できる素晴らしい賞レースである。

そんな“本屋大賞”も2018年で15回目。選ばれた本の総数は142冊。この中から選ぶとなると結構大変だろうし、順位が決まっているとはいえ、なぜか全然面白くない大賞作もあったりする。

 

そこで日夜、読書中毒ブロガーとして活躍している私が、142冊の中から特に「これは間違いない」っていう20冊を選抜してみた。

普段小説を読まない方にも、自信を持ってオススメできる最強作品たちである。

 

ちなみに、選考のポイントとしては…

 

読みやすさ

エンタメ性

感情を動かされるか(感情の種類は問わない)

 

この3つを特に重視している。素直に楽しめる作品を選んでみた。

なので、実のことを言うと私個人の好みとしては、もっと紹介したい作品はあるのだが、あえて自我を抑えて紹介している部分がある。そう、それがプロの仕事ってもんだ、と言ってしまう辺りが素人である。ごめんあそばせ。

 

では行ってみよう。

 

※ちなみに紹介している順番はランキングではありませんので、あしからず。

 

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1冊目『ジョーカー・ゲーム』柳広司

 

鮮やかすぎるスパイミステリーの傑作。これよりもスタイリッシュな作品はそうそうないですな。

だって、天才すぎるスパイたちの活躍劇は痛快そのもの。短編小説なのでサクサク読めてしまうし、作者の仕掛けてくるトリックがバッチバチはまってるから、読むのが心地よくて仕方ない。

 

そして、なによりも最大の魅力は天才スパイたちを束ね、“魔王”の異名を持つ結城中佐。

この傑物を生み出しただけで作者の柳広司を褒めてやりたい。頬ずりしてあげたい。あの髭面を撫でてあげたい。髭面かどうか知らんけど。 

 

 

 

2冊目『海賊とよばれた男』百田尚樹

 

百田尚樹という小説家は生粋のペテン師だ。そして読者を翻弄する天才だと思う。

やはりこの辺りの腕前は放送作家として活躍した経験がものを言ってるのだろうか。とにかく物語の運びが上手い。コンスタントに読者の感情を揺さぶってくる。実にペテン師である。

色々と言われる彼の作品だが、余計なことは気にせずに踊らされればそれはもう最高の読書体験になる 。特に“泣かせる”ことに関していえば、こんなに上手な作家はそうそういないと思う。

上下巻と非常に分量の多い作品だが、一気に読み終えてしまうことを保証する。

 

 

3冊目 『みかづき』森絵都

 

ぐぬぬ…なぜこれが大賞を獲らなんだ。私が森絵都好きなのを差し引いても、傑作なのは間違いないはずなのに。

塾経営を続ける親子三代の奮闘を描いているのだが、もうね、この躍動感?爽快感?共感?快感?…とにかく色んな“感”が読んでいる最中に押し寄せてくる。

それを可能にするのは、森絵都の達者すぎる筆。この御方の文章は上手すぎる。

児童文学を中心に活動している森絵都だが、人の内面を的確に表現させたら日本一。「分かるわー」みたいな文章がザックザック出て来る。超好き。

そして何よりもタイトルね。森絵都のタイトルはいつも「そういう意味かー」と唸らされることばかりなのだが、今回もバチコーンと決まってましたね。やられてくださいっ。

 

 

4冊目『新世界より』貴志祐介

 

熱中できる本を書かせたら、日本でも有数の筆力を持つ作家貴志祐介の最高傑作。

脳汁をダラダラ垂らしながら楽しんでほしい。私なんか翌日仕事だったのだが、そんなこと忘れて(実際は忘れてなんかおらず、「そんなことよりも読まずにいられるか!」という感じ)睡眠時間を削って堪能してしまった。

そういえば、随分前にこの『新世界より』のサイドストーリーとして『旧世界より』を書いているという話を耳にしたのだが、単なる噂だったのだろうか。めちゃくちゃ楽しみにしているのだが…。

 

 

5冊目『明日の記憶』荻原浩

 

笑いと泣きの名手にして直木賞受賞作家 荻原浩の名作『明日の記憶』である。

若年性アルツハイマー病をテーマにした重い作品である一方、人間の美しさや切なさを存分に描いていて、一生忘れられないであろう感動をもたらしてくれた。

病に冒されることの残酷さ、滑稽さ、運命。悲しい描写が多いかもしれないが、この作品の根底にあるのは、深い深い人間賛歌である。ほんと超オススメ。

もし「この世から小説を一冊だけ残すなら?」という質問をされたら、きっとこれを選ぶと思う。それくらい好きな作品。

 

 

 

6冊目『くちびるに歌を』中田永一

 

個人的に天才の称号を与えてもいいと思っている作家“乙一”。そんな彼の別名義“中田永一”による作品『くちびるに歌を』である。

コンクールを目指す合唱部の活動を中心に、揺れ動く中学生たちの心情を乙一らしい淡い筆致で描いた名作。こちらも映画化済み。美人教師役は我らが新垣結衣である。ズルい。

彼らの大会の課題曲である『手紙~拝啓 十五の君へ~』にちなみ、「未来の自分への手紙」を織り交ぜながら語られる物語は、とにかく“切ない!”の一言。上手すぎだよ、乙一。

青春ものとしても素晴らしいけど、その評価にプラスして、乙一らしい“あれ”も見逃せない良作である。

泣きました。

 

 

 

7冊目『有頂天家族』森見登美彦

 

森見登美彦の最高傑作は『夜は短し歩けよ乙女』でもなく『太陽の塔』でもなく『四畳半神話大系』でもない。この『有頂天家族』である。断言する。

主人公は狸だ。でも喋る。人間に化ける。権力争いだってする。天狗には頭が上がらない。人間に食べられちゃうことも。

主人公の狸たちが愛らしくて仕方ない。健気だけど能天気で、妙にグッとくる。ふざけた物語なのだが、ちょっと泣かされる。あんな毛深い連中に泣かされるとは…!

狸が主人公、というだけで敬遠されがちだけれども、超面白いのでぜひ手にとってもらいたい。

 

 

8冊目『ジェノサイド』高野和明

 

人間の邪悪さをこれでもかと詰め込んだ衝撃作。発表当時から書店で騒がれまくっていたけれど、その破壊力は過去の本屋大賞ランクイン作品の中でも屈指

描かれる人間の汚さが半端ではない(でも実話を元にしている)ので、メンタル的に弱い人が読むとトラウマになるかも。私もオススメしている一方で、今でも若干引きずっているところがある。子供兵のあのシーンは…もう…。

とっても毒でもあり、なのにとってもエンタメ的で面白かったりと、とってもはた迷惑な作品である。存分に振り回されてほしい。

読み終わったときの疲労感も本屋大賞ノミネート作品の中で屈指かも。 

 

 

9冊目『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎

 

伊坂幸太郎の最高傑作と私が一押ししているのがこちらの『アヒルと鴨のコインロッカー』である。

正直、面白い本が読みたいんだったら「伊坂読め」で済んでしまう。それくらい信頼できる作家。

全く内容が読み取れないタイトルで敬遠されがちだが、冒頭からグイグイっと引き込まれるので、そのまま身を任せてほしい。華麗なる伊坂マジックで、とんでもない景色を見せてくれるから。 

色々オススメしたいけど、全部ネタバレになってしまうので自粛!

 

 

 

 

10冊目『64(ロクヨン)』横山秀夫

 

警察小説と言えばこの人、横山秀夫である。

作品数はそこまで多くないのだが、とにかく粒より。この記事では紹介しないが、短編集なんかは絶品中の絶品である。

そんな横山秀夫だが体調を崩してしばらく作品を発表していなかった。あまりにもその期間が長すぎて「このまま死ぬんじゃないか」と諦めかけていた所への『64(ロクヨン)』である。

感想を簡潔に言うと「待った甲斐があった」である。間違いなく横山秀夫の最高傑作。 

それにしても、時効が迫った事件を刑事とかじゃなくて、広報官からの視点で描くとは…。他の作家ではちょっと想像できない。

上手すぎです。

 

 

11冊目『永遠の出口』森絵都

 

森絵都作品をもういっちょ。

「“かつて子供だった大人”の胸をえぐる」作品である。

彼女の筆によって描かれる、思春期特有の愚かさや儚さ、青さは、身につまされるものがありすぎて、読みながら悶えること必至。いらん黒歴史とかを思い出してしまうことだろう。

思春期を描かせたら東西一であることを、こちらの『永遠の出口』で思い知ってほしい。森絵都の恐ろしさを体感してほしい。

 

 

12冊目『犯人に告ぐ』雫井脩介

 

日本ミステリー界屈指のストーリーテラー雫井脩介最大のヒット作である。豊川悦司主演で映画化もされたのでご存じの方も多いことだろう。

この作品最大の魅力は、主人公が物語の佳境で披露する“決めゼリフ”。もうね、これ以上のものは無いんじゃないかってくらいにカッコイイ。読んだ瞬間「おおっ!!」ってなったもん。

小説であんなに猛り立つのは、なかなか経験できるもんじゃない。

『64(ロクヨン)』も警察小説としては傑作だけど、こちらはもっと真正面から事件との戦いを描いていて、甲乙付けがたい面白さ。

  

 

13冊目『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎

 

できるだけ同じ作家は出ないように努めているのだが、それでも伊坂は…外せない…。

ありとあらゆる手を使って読者を楽しませてくれる伊坂だが、実は意外と融通が利かない所があって、どの作品も似たような仕上がりになってしまう。それはそれで作家としてある程度の質を担保してくれるのだから、ファンとしては安心できる要素である。

しかしながら、それでも作家として新たな地平を切り拓きたい気持ちがあるのか、たまに野心作みたいなのを発表することがある。

こちらの『アイネクライネナハトムジーク』は、伊坂小説としては初めての“恋愛小説”である。

だが、ただの恋愛小説と侮ることなかれ。伊坂の魔法はやっぱりここでも発揮されえいる。じっくりと酔いしれるがいい。 

  

 

14冊目『舟を編む』三浦しをん

 

これは着眼点が良い!辞書の編纂部を描くなんて、本読みたちが興味を持たないワケがない。本屋大賞を受賞したのはきっとこの辺りに理由があるはず。

さてこちらも安定の映画化をされているのだが、内容は映画映えするようなものかと言うと、ちょっと疑問かな…?私は原作を読んだ映画を基本的に観ないので、映画の方の評価は分かりませぬ。でも主演が宮崎あおいだから、きっと間違いない。本屋大賞との相性良すぎ。

物語はどちらかと言うと、淡々と進んでいく感じなのだが、出て来る登場人物みんなが良いやつらばっかりで、読んでいて本当に清々しい!普段腐ったような人間(きっと私も含む)ばかりに囲まれているから、心が洗われるような感覚を貰った。

少女漫画的展開は、人によってどうやら評価が分かれるらしいが、私は存分に心を乙女にして楽しんでしまった。こういうのはハマったもん勝ちである。 

 

 

15冊目『サウスバウンド』奥田英朗

 

奥田英朗最大の魅力は、血の通った登場人物にある。本人の創作術として「人物さえしっかりと作り込んでおけば、物語は勝手に面白くなる」だそう。

で、この『サウスバウンド』もまさしくそんな作品で、生き生きとしたキャラクターたちが動くだけで、無類の面白さを発揮している。メチャクチャな父親に振り回される思春期の少年には同情してしまうが、それでも面白いから困る。これぞエンタメ。

ちょっとファンタジーなラストも込みで大好きな作品。というか、奥田英朗作品は本当にどれもこれも面白い。ここまでハズレが少ない作家って、ほとんどいないんじゃないだろうか?

 

そういえばこれも豊川悦司主演だったような…。別に豊悦ファンという訳じゃないです。 

 

 

 

 

16冊目『告白』湊かなえ

 

作品には作者の人間性がどうやったって反映されるだろう。そしてもしそれが事実なのであれば、湊かなえは本当にどうしようもない女である。でもだからこそ私は彼女の作品が大好きである。

この作品は2009年の本屋大賞を受賞している。

一体みんなどうしてしまったのだろうか。正直、イカれているとしか思えない。なんでこんな邪悪な作品を1位に推してしまったのか。全国の書店員が揃いも揃って、こんなに後味の悪い作品を勧めてしまうなんて、世も末である。

しかし、実は私にはその気持ちが分かる。こんなに邪悪なのに、後味が悪いのに、なぜか読み終えた私は、“笑顔”だったのだから…。 

  

 

 

17冊目『悪の教典』貴志祐介

 

サイコパスの教師が教え子を皆殺しにする話。

なんとこれ以上でもこれ以下でもない。何か深い教訓があるわけでも、 ひねりの利いたストーリー展開があるわけでもない。

なのに面白い。超面白い。背徳感MAXで楽しめる。やはり背徳感は人を没入させる最高のスパイスである。

 

それにして、前途有望な高校生が殺される様子が面白いなんて、一番サイコパスなのは読者じゃないのか。

それに、こんな作品を思いつき、作品として完成させてしまう貴志祐介も十分サイコパスである。 

 

 

 

18冊目『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

 

森見登美彦の最大のヒット作『夜は短し歩けよ乙女』である。黒髪の乙女に酔いしれてしまうのは、いつの時代も男のどうしようない性である。みんなも好きでしょ、黒髪?

京都舞台に繰り広げられる摩訶不思議で何でもあり、荒唐無稽な物語は、森見登美彦ならではの独特な味わい。それゆえに中毒者続出。私自身も初めて書店で彼の作品を試し読みしてからこのかた、ずっとファンである。モリミー最高。 

ちなみにこの美しすぎるタイトルは、大正時代に発表された『ゴンドラの唄』という楽曲の冒頭をもじったもの。黒澤明の名作『生きる』で主人公が夜の公園のシーンで歌っていたことでも有名である。

 

19冊目『とっぴんぱらりの風太郎』万城目学

 

森見登美彦を紹介したら万城目学も紹介せずにはいられないだろう。京都を代表する小説家といえばこの2人。

万城目学は森見登美彦よりもバトル寄り。より大衆受けしやすい作家だと思う。

デビュー作からずっとヒットを飛ばしていた彼だが、こちらの『とっぴんぱらりの風太郎』は屈指の面白さ。ニート忍者という設定からしてもうすでに面白い。ちなみに“風太郎”は“ぷうたろう”と読ませる。ええ、あの言葉をもじったんですね。でも、もう死語かな。

歴史物を読んだことがない人であれば、入門編として最適だろう。疾走感に溢れた展開は、一気に読ませること請け合い。これは素晴らしい。 

 

 

20冊目『死神の精度』伊坂幸太郎

 

え?伊坂幸太郎ばかり勧めすぎじゃないかって?仕方ないだろう、面白いんだから。

伊坂幸太郎作品の魅力のひとつである会話劇の面白さが特に秀でているのが、こちらの『死神の精度』。本物の死神が主人公という、ちょっとファンタジーな設定で、死神っぽい会話が次々と繰り出される。これが妙な脱力感を演出してくれる。死神っぽい会話って、どんなだよと言われると「読んで下さい」としか言いようがない。伊坂は本当に優秀だわ。

 

軽妙な文章にちょっと吹き出しながら、でも死神という不吉な存在と、彼と出会ったら1週間後に確実に死が訪れるという非常な設定が、なんとも微妙なバランスで我々を翻弄する。

短編集なのでサクサク行けてしまうのも魅力のひとつ。そして連作短編の仕掛けを利用したあれ…。

まあ、読んでくださいな。

 

 

 

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オマケ

ここまで熱く紹介してきて、最後まで読んでくれた方々のために、オマケとして「個人的に最高だったけど、初心者にはキツいかも?」な作品たちを紹介しておきたい。

ひとクセあるけど、愛すべき作品たちである。

 

『サラバ!』西加奈子

おかしな家族をひたすら描くだけで、あの分量。やばし。一気読みしたなぁ。

 

 

『光圀伝』冲方丁

本屋大賞を受賞した『天地明察』のスピンオフ作品なのだが、正直こちらの方が面白いという皮肉。

 

 

『クライマーズハイ』横山秀夫

上質なミステリーを書きすぎた横山秀夫が、あえてミステリーを捨てた作品。日航機墜落事故を、元記者が描く、しかもあの横山秀夫。面白くならないわけがない。

 

 

『教団X』中村文則

Amazonで笑ってしまうほど低評価の作品。作品どうこうもあるけど、アメトーークであんな紹介のされ方をしたのが最大の原因だと思う。私はボリボリ読んだ。

 

 

 

本当はまだまだあるけど、全部紹介しているとキリがないので、この辺で!

では!

 

以上。