口臭の原因となる舌苔。
主にタンパク質からなるこの物質は、ひどくなると舌の感覚を悪くして、食事の味を分かりにくくしたりする。
舌苔を歯ブラシで取るのは厳禁!
食事のあとに付着することが多く、人によってはその手軽さから食後の歯磨きのついでに舌まで歯ブラシでこすって除去したりする。私もそのひとりだった。口臭の原因はさっさと無くしたかったからだ。
しかしこの「歯ブラシで舌苔を除去する」というのは、歯科衛生士からすると「絶対に避けるべき」だそうだ。
こちらの本で勉強させてもらったので紹介したいと思う。
歯は磨かないでください 歯周病を治すと、全身が健康になる (廣済堂健康人新書) | ||||
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内容を引用させてもらう。
歯ブラシで舌をこするのは絶対に避けるべきです。舌を数回こするだけで、目に見えない傷が舌に生じてしまいます。小さな傷とはいえ、舌の表面に毎日傷がつくと、その刺激で将来、細胞がガン化する恐れもあります。
何だ…と…?
私はかれこれ数年ぐらい舌苔を歯ブラシで除去してきた。しかしそれは舌ガンになるリスクがある行為だったというのだ。マジか。
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舌ガンの治療方法
ちなみに舌ガンになるとどんな治療が行われるのか調べてみた。
こちらの記事を参考にさせてもらった。
舌がんの基本治療は、切除手術となります。これは、切除される大きさで、深さが小さく欠損部の再建が必要ない程度である場合に限られます。技術向上により、切除範囲をかなり小さくして、舌の機能を温存できるような処置が取られます。
舌がんの治療は、主に手術療法と放射線治療に分かれます。放射線治療には、「外照射」と呼ばれるの外から放射線を当てる治療と、「組織内照射」と呼ばれる全身麻酔下に舌に細いチューブを刺して留置し、そこから放射線を当てる治療などがあります。
放射線治療の副作用として挙げられるのが、口腔粘膜炎・味覚の障害です。これは、抗がん剤治療と同じような副作用の症状となります。
治療方法はあるがロクなことにはならないということだろう。舌を切除とか怖すぎるぞ。マジか。
じゃあどうすりゃいいの?
そうなると次は正しい除去方法になるのだが、これもまたちょっと微妙な解答である。
基本的には舌ブラシが推奨されている。
しかしそれでも中には舌ブラシは使わない方がいい、という医師もいるそうだ。舌ブラシといえども傷つける可能性がないわけではないと。
また内科では舌苔の色を見ることで内蔵の異常が分かるため、舌苔=悪いものというわけでもないそうなのだ。
非常に悩ましい限りである。
そんな賛否がある舌ブラシだが、中でも安全と言われている製品がある。それが
こちらの2つだそうだ。
ただし、その柔らかさゆえにちゃんと舌苔が落ち切らない可能性がある。まあそれは使ってみないと分からないだろう。
あとはネット療法ではあるが、蜂蜜を舐めるというのも効果的らしい。
蜂蜜にはタンパク質を分解する性質があるそうで、蜂蜜を舌の上で転がすことで舌苔が分解されるそうだ。蜂蜜が苦手でなければ有用だろう。
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最後に
口腔ケアは健康を維持する上で必須のものだと言われている。“口は第二の心臓”という言葉もあるぐらいだ。
日本ではこの口腔ケアの意識が欧米に比べると極端に低く、それは歯の治療費にかけられたお金にも表れている。
アメリカでは歯のケアに1年間で約3万6千円。それに比べ日本は約6千円と約6倍もの差がある。それだけ日本人は口の中の健康を重要視していないということである。
日本では基本的に「虫歯になったら歯医者に行く」というのが常識になっているが、本来は「虫歯にならないために歯医者に行く」が正解なのだそうだ。
欧州の国では、予防歯科を受けなければ健康保険が降りない、という国もあるそうだ。日本にもその制度が導入されたらなぁ、と羨ましく思った次第である。
以上。
歯は磨かないでください 歯周病を治すと、全身が健康になる (廣済堂健康人新書) | ||||
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