どうも。
面白かった本の紹介になります。
異色対談
元々私は堀江貴文氏が大好きなので、この本を手に取ったのは彼に興味があったから。彼の言葉であれば全て目を通しておきたいという欲求は、堀江氏のファンであれば誰もが感じるところだと思う。
そしてそこに絡んでくるのが、日本を代表する破戒僧の瀬戸内寂聴。彼女の面白さも世の知る所である。
堀江貴文×瀬戸内寂聴。これが面白くならないはずがないだろう、という私の読みは完全に当たった。
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タイトルは嘘
『死ぬってどういうことですか?』というタイトルから私は堀江氏が、僧侶である瀬戸内寂聴さんに「死」について質問していくような内容を想像していたが、これがもう全然違う。
死について話しているのは冒頭の5分の1ぐらいだろうか?あまりその話題は長続きしなかった。それでも2人の死に対する考え方を知れるので、面白いことは間違いない。
瀬戸内寂聴「死ぬのはまったく怖くない」
堀江貴文「死が怖くて仕方ないから、常に何かに熱中するようにしている。その間は死を忘れることができる」
死についてだけでなく、生や女性、裁判、戦争、原発などその対談の内容は多岐にわたる。時には歯周病なんてのも出てきた。
答えが明確なふたり
本書を読んでいる間、ずっと痛快だった。
私たちはいつも悩んだり悩んだフリをしたり、縛られたり縛られた気になったりして、上手く人生を歩むことができない。
だがこのふたりは違う。快刀乱麻というかふたりの「全ての物事に自分のスタンスを決めている」感じが、私のような凡人からすると気持ち良いのだった。
常にさまざまなことに対して「私はこう思う。それを信じる」という明確な答えを持っているのだ。これがたまらなく心地よかったりする。
堀江氏は相変わらず
本書の中での堀江氏は相変わらずの弁舌で、彼のことが好きな方であれば問題ないクオリティを発揮している。
対談本なので、時にはふたりでおなじ価値観を共有したり、時には反発し合って討論みたいになるときもある。いくら寂聴さんが未だ現役バリバリといえどもこの対談のときは御年92歳である。それで堀江氏とやり合うとは…。
私の脳内イメージだと、堀江氏がおばあちゃん相手に捲し立てている姿が見えてしまって、途中ちょっと寂聴さんが可哀想に思えてしまうような場面もあった。まあまたそれも一興である。
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寂聴さんの柔軟さ
今更かもしれないが、この本を読んでみて改めて思った。
「これで90越えてんのか…バケモンだな」
瀬戸内寂聴さんがあの堀江氏を相手に堂々と話し合いをしていることがそもそも驚きだし、時には堀江氏を圧倒するところもあるぐらいだったりする。この人、ホントに妖怪だわ。
特に驚いたというか感心したのが、彼女の柔軟さである。自分の年齢の半分も満たない人、しかも時代の最先端にいるような人の話を「なるほどねえ」と素直に受け入れ、付いて行けるその感覚は素晴らしいと思う。当然、破戒僧とはいえ彼女も僧侶なので他人を受け入れないなんてことはないのだろうけど、それでもやはり驚きを禁じ得ないのだった。
また、老人特有の話が遠回りな所はあるものの笑いのセンスは素晴らしかった。なかなか老人の話で笑うことなんてないので、それも新鮮な感覚である。
特に「新作小説を出すたびに編集者に『生涯最後の作品』って帯に書いていいですか?って聞かれるのよ」という話は最高だった。
こういうふうに歳を取りたいものである。
こぼれ話が一番面白かった
Amazonのレビューには書いていなかったのだが、私としては対談の中身よりも途中に挟んであった閑話休題的な話の方が面白かった。
話の内容は「歯周病の怖さ」についてなのだが、これは堀江氏がいきつけの歯医者に叩きこまれた内容らしく、それはもう「歯周病怖い教」の信者と言えるぐらいに歯周病について語っている。あまりの情報量とその話の面白さに「これで一冊書けるんじゃねーか?」と思ってしまったぐらいだ。正直、その歯周病のネタを拝借してブログの記事をひとつ書こうか迷ったぐらいだった。
全体的な感想
面白いふたりが「死」と「生」について対談する。ときには価値観をぶつけ合う。
まあこれで面白くならないはずがない。
私は極度の堀江貴文ファンだが問題なく楽しめた。寂聴さんの書籍はまだ読んだことがないのでこの対談のクオリティが彼女のいつもの書籍と同じレベルなのかは分からないのだが、このバケモノじみた女に興味が湧いたのは事実だ。ファンになりそうである。
また寂聴さんのファンの方が手に取れば、世代的に堀江氏を苦手としている人が多そうなので、彼の悪いイメージを払拭するいい機会になるのではないだろうか?寂聴さんと意気投合している様子はかなり好感度が上がると思う。
以上。
死ぬってどういうことですか? 今を生きるための9の対論 (角川フォレスタ) | ||||
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