これはまだ生娘だった頃の彼女である。
どうも。かれこれ15年近くお菓子のプロを腐りながらやっているひろたつです。作ってるお菓子は新鮮です。
今回の主役
さて、今回の記事の主役はこいつである。
どーん。
「ホイップクリームブールパン」である。
普段私はコンビニを利用しないのだが(商売相手としてクソすぎるので利益に貢献したくない)、セブンイレブンの「ミルク風味鈴カステラ」が大好きなので、そのためだけにセブンイレブンにはたまに足を運ぶ。
※参考記事
はっきり言って、お菓子のプロから見るとセブンで売っているお菓子というのは、ほとんどクソである。
別にそこまで品質が悪いわけではないのだが、とにかく高い。大したものでもないのに、名前と包装だけで高そうな空気感を出している。そのやり口も汚くて嫌いである。
でも「ミルク風味の鈴カステラ」に関しては別物。やはり大手だけあって、優秀な人間が関与しているのだろう。紛うことなき傑作だった。詳しくは前述した記事を読んでもらいたい。
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セブンイレブンのセンス炸裂!
で、今回紹介する「ホイップクリームブールパン」である。
一目見ただけで、「ミルク風味の鈴カステラ」と同じセンスを感じてしまった。つまり、「消費者が欲してるものを理解するセンス」である。
「ホイップクリームブールパン」は、あの有名なパン、スイートブールの中にホイップクリームを詰め込んだものになる。
私はスイートブールが大好きである。だがこのスイートブール、少々難点がある。
甘い部分が少なすぎるのだ。
スイートブールといえば周りのカステラ生地が最高で、中身はカスである。子供の頃はよく周りだけ剥いで食べて、中身のパンは飼い犬にあげていた。それくらい中身は物足りない。
そんなスイートブールの中にホイップクリームである。
セブンイレブンは完全に分かっている。スイートブールの欠点を。そして何をするべきかを。
「スイートブールの中にホイップクリームって、絶対に正解じゃねえか…!」
私がセブンイレブンの店内で絶叫したのは言うまでもないだろう。もちろん絶叫なんぞしていない。こちとら30過ぎの立派な大人である。黙々と購入させていただいた。
お味のほどは…?
私の胸は「ミルク風味の鈴カステラ」のときの感動を求めて張り裂けんばかりであった。
購入後、速攻で食してみた。
…。
…。
なんだこれ…。
全っ然、うまくねぇ。
っていうか、まずい。そしてクサい。なんだこれ、生焼けなのか?イースト臭くて不快だ。
おいおい、まじかよ。これだけ素晴らしいアイデアを持ちながらこんな駄作ができるなんて、想像だにしてなかったよ。
…。
いや、ごめん。それは嘘だ。
これでも私は腐っているとはいえ、長年お菓子作りに身を置いている人間である。
食べる前に「ホイップクリームブールパン」を見たときから、なんか悪い予感はしてたよ。「こいつはまともな奴じゃねえ」って。そして一口食べて分かったよ。「こいつはとんだビッチだ」って。
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見た目
大体にしてこの見た目からして、もうすでにビッチ臭がしている。
分かるか?
これ、貫通済みだぜ。
別に貫通していてもいいよ。「生娘じゃなきゃ認められない!」なんて童貞クサいことは言わないよ。
ただ、それをまったく隠そうともしない。恥じらう気持ちなんてどこにもない。それが悲しいんだよ。こんなに大っぴらにしなくてもいいじゃねえか。少しぐらいは夢を持たせてくれよ。
これをビッチと呼ばずになんて呼べばいいんだよ。
中身
それに中身も問題ありだ。
ホイップクリームを入れようと思いついたのは素晴らしい。正解だよ。
でもなんだあの適当な植物性油脂感満載のクソまずいクリームは?入れときゃいいってもんじゃねえだろ。スマホいじりながら援交する女子高生かよ。
あまりにもやる気が無さすぎるだろ。
きっと100円っていう値段を達成するためには仕方なかったんだろう。同業者の私には分かるよ。でも消費者としてはまったく評価できない。全然ダメだ。
見た目がビッチでも中身が良かったら、軽薄そうな見た目も逆に作用するってものなのに…。惜しいことをしたもんだよ…。
匂い
この生焼けじみたイースト臭い生地も問題だ。
たぶんだが、これも低価格を達成するためにある工程を省いた結果だろう。
ちょっと専門的な話になるが、元々スイートブールというのは中身のパン部分と、周りのカステラ生地部分で構成されている。
で、完成した時点では一緒になってるこのふたつだけど、作るときは別々。まったく別物の生地になる。
一般に砂糖が多く入っているものの方が、焦げやすいという特徴がある。
つまり、発酵したあとのパン生地の上にそのままカステラ生地を乗せて焼くと、カステラ生地は焦げてしまうし、パン生地は生焼けという、最悪の状態になる。
私はスイートブールを作っているところを見たことはないが、あの焼き具合と食感からすると、一度パン生地だけで焼いて、その上にカステラ生地をかけて焼いているはずだ。つまり二度焼きを行なっている。
これは製造会社からすれば手間だ。無駄な人件費が発生する。
だけど、美味いものを作りたいからこそその手間をかけていた。
だがどうだ。「ホイップクリームブールパン」を見ろよ。そんな最初の頃の新鮮な気持ちなんてはるか彼方。完全にすれちまってる。少女だった頃の面影なんかどこにもない。
二度焼きする手間を省いた結果、あんなにもイースト臭い生焼けじみたパンに成り下がったというわけだ。
可愛かった頃を知っているだけに、残念でならない。娘が援助交際をしていることを知った父親のような気持ちだよ。あの頃はあんなに可愛かったのに…。
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整形だってしてる
スイートブールにおいて一番美味しいところを知っているだろうか。もちろんカステラ生地だ。でもその中でも至高の部分がある。
ここだ。通称“黄金リング”だ。勝手にそう呼んでいる。
甘くて、火がしっかり通っていてまるでクッキーのような口当たり。鼻の奥まで香ばしさでいっぱいになる。そんな部分。言うならばこの“黄金リング”はスイートブールの大トロだ。
では「ホイップクリームブールパン」の“黄金リング”を見てみよう。
…?
なんか違和感が…?
やけに黄金リングが主張しすぎているような…?
本来ならば、上からかけたカステラ生地が、焼きの過程で徐々に垂れてくることで、あの大トロ部分である黄金のリングができる。
でも「ホイップクリームブールパン」を見ると、不自然なまでにリングが出来上がっている。
…。
…やりやがったな。
整形しやがったな。
スイートブール最大の魅力である黄金リングを後づけしてやがる。
いや、たぶん正確にはカステラ生地をリング状に下に敷いておいて、その上にパン生地を置いて焼いてるんだろう。この不自然さはそうとしか考えられない。
おいおい…。ぱっと見をよくしたいがために整形にまで手を出しちまったのかよ、こいつは。売れるために顔をいじったり豊胸したりするAV女優と同じじゃねえか。
もう終わりだよ。俺が知ってるスイートブールの姿はもうどこにもない。完全なる他人だ。
総評
ということで、私の初恋の人はいつの間にかセブンイレブンとかいうヤリチンに出会ったことで、あの頃の面影なんてどこにもないビッチに成り下がってしまったことをここに報告したい。
興味の湧いた方はぜひともこのビッチを食していただきたい。きっと私と同じように、純情だった頃の彼女の姿を思い出し、悲しみに暮れるはずだ。
以上。