どうも。こいつはやべえ…。
あらすじとか
タイム・リープ―あしたはきのう (上) (電撃文庫 (0146)) | ||||
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鹿島翔香。高校2年生の平凡な少女。ある日、彼女は昨日の記憶を喪失している事に気づく。そして、彼女の日記には、自分の筆跡で書かれた見覚えの無い文章があった。“あなたは今、混乱している。若松くんに相談なさい…”若松和彦。校内でもトップクラスの秀才。半信半疑ながらも、彼は翔香の記憶を分析する。そして、彼が導き出したのは、謎めいた時間移動現象であった。“タイム・リープ―今の君は、意識と体が一致した時間の流れの中にいない…”第1回電撃ゲーム小説大賞で「金賞」を受賞した高畑京一郎が組み上げる時間パズル。
こんな古い作品を紹介した所で、私の懐に入るお金など雀の涙にも届かない。だがいち小説マニアとして、せっかくの名作を埋もれさせたくないので、こうして筆を取った次第である。みんな度肝抜かれろ。そして高畑京一郎作品にハマるがいい。さらに高畑京一郎の遅筆さに怒り狂え。
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この作品の凄さ
この作品の凄さ。
それはもう、とにかく良く出来ている、という言葉に尽きる。
上のあらすじにも書いてあるようにこの作品は、時間パズルと言っていいほどにカチッとハマる快感が随所にある。それはもう美しさを感じるほどである。
あまりにも良く出来ている(練られている)ので、内容を紹介すればするほどネタバレになってしまうのが辛い所である。つまみ食い出来る所がほとんどないのだ。
なのでこの「紹介できない」ということがある意味この作品の凄さなのかもしれない。
伏線とか
他の作品を貶すことで自分の推したい作品を持ち上げようとする行為が私は好きではない。よくマイナーなアーティストのYOUTUBE動画にそんな感じのコメントをよく見かける。「AKBなんかよりもずっといいのに」的なやつだ。うるせえと言いたい。
だが、そんな私でも『タイム・リープ』を推すために他の作品を貶めずにはいられない。
巷には「伏線がスゲー!」と騒がれる作品が数多くある。有名どころだと『進撃の巨人』とか。
確かに伏線が素晴らしい作品は数多くある。みんながその伏線に興奮する気持ちもよく分かる。あの感動はなかなか言葉では簡単に言い表せるものでない。
そんな伏線系の作品でこの『タイム・リープ』を超えるものを私は知らない。ここまで色んなものが張り巡らされた作品はないだろう。伏線スゲーとか言うんだったら、まずは『タイム・リープ』を読んでから言ってもらいたいものだ。
伏線を作品の筋肉とするならば、『タイム・リープ』は鍛えぬかれ、美しく磨き上げた肉体である。作品の中に贅肉が存在しないのだ。それゆえに紹介が難しい…。
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頭がヘンになる
私が『タイム・リープ』に出会ったのは高校生の時だった。主人公たちも高校生なので、読んだ時期も良かったのかもしれない。とにかくドハマリした。読書でこんな感動を味わえるのかと、その事実自体にさらに感動してしまい、変な宗教にハマった人間のように友達に勧めまくっていた。作品の力に動かされたと言ってもいいだろう。
印象的だった出来事ことがある。
いつもクラスでダルそうにしている友人が、暇だからと修学旅行中、ホテルの部屋の中で私が持っていた『タイム・リープ』を読んでいた。彼は普段マンガしか読まない男なのだが、ホテルの部屋の中にマンガなぞなかったので、仕方なしに読んでいたのかもしれない。とにかく私はその様子を見て、「珍しいことがあるもんだ」ぐらいにしか思っていなかった。
ホテルのロビーで他の友人たちとトランプをしていると、さっきまで『タイム・リープ』を読んでいた彼が興奮気味に、「お前、これスゲーよ!」と駆け寄ってきた。彼はその興奮を収め方を知らなかったので、その辺にいた女子にそのままの勢いで勧めまくっていた。私はその様子を見て、「あぁ…その気持ち分かるよ。でもそのテンションで行くと相手は引くだけだから…」と母親のような気持ちになったのであった。
一介の男子高校生に母性を目覚めさせてしまう、そんな力がある作品なのだ。凄い。
快感がすごい
小説を読んで得られる快感には、色んな種類がある。それは感情が動かされることが大半である。悲しみや怒り、感動や喜び、興奮などだ。
だが『タイム・リープ』を読み終わったあと、正確には終盤辺りからの快感はちょっと言葉にすることができない。
あえて言うならば、「脳汁が出る」だろうか?頭の中がウッハー状態になるのだ。あじゃぱー状態とも言える。
そんな未知の快感を知りたい方には自信を持ってオススメできる作品である。あまりハードルを上げると良くないのは知っているのだが、言わずにはいられないのだ。勘弁してほしい。まあ私の紹介なんぞ、話半分で聞いてもらえると助かる。 というかほとんど嘘だ。なので頭の中を空っぽにして素直に読んでもらいたい。
さてさて、中身をほとんど紹介できないのでこんな感じの記事になってしまったが、あなたの読書欲を煽れれば幸いである。ぜひとも楽しんでいただきたい。そして話題になって誰か『タイム・リープ』を映像化してくれ。
って、もうされてるだと…?
一体なんなのだ…このチープさは…。
以上。
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