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読書好き176人が選ぶ「これぞ最恐っていう本」をランキングにしてみた

 

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。エアコンの適切温度が永遠に見つけられません。

 

 

今回は昨今流行りのホラーに特化した企画である。

 

題して、

 

 

読書好き176人が選ぶ

「これぞ最恐っていう本」ランキング!!

 

 

である。

 

 

 

文章だけで怖がらせる

小説作品には感情を揺さぶるものが多い。

色んな感情にさせてくれるのが小説の良いところだと思うのだが、その中でも"恐怖"を感じさせるのは一番難しいのではと思っている。

なんせ私はホラー作品で恐怖を感じたことがほぼない

楽しかったり、怒りや悲しみ、感動などはよくあるのだが、「こえ~」と心の底から思わせてくれる作品がほとんどない。これは私の性格によるところが一番大きいとは思う。

 

恐怖とは言うなれば"危機感"だ。命を脅かされるような感覚である。

単に文章を読んでるだけなのに命の危機を覚えさせてしまうのは、ちょっとヤバい能力だと思う。それこそ詐欺師とかカルト宗教的な手法を連想してしまう。

 

 

でも、たしかに…ある!

そんな恐怖音痴な私だが、それでも確かに「怖っ!!」とトラウマ気味になった作品がある。作品世界に没頭させられ、現実に侵食され、脳裏になんども現れる作品が。

もちろん怖がらせるだけがホラー小説の魅力じゃないだろうとも思う。その発想っぷりや、仕掛け、シチュエーション、気持ち悪さなどなど色んな魅力があるはずだ。

でも私が求めるのは、純粋なる恐怖。暴力的なまでに強いホラーだ。なんせ4月から暑い日本に住んでいる。気候的に一年の半分はホラーの需要がある国である。

ということで今回の企画だ。

読書アカウントの皆様に #これぞ最恐っていう本 でポストしていただき、それを手作業でカウントしてまとめたのが今回のランキングである。

 

で、やってみた正直な感想なのだが…

 

 

 

 

参加者少ねえ。

 

 

 

映画『変な家』を筆頭に、ホラー人気が過熱しているので「こりゃ相当な数が集まるぞい」と予想していたのだが、最恐の看板が重すぎたのか、はたまた私が嫌われているのか分からないがこれまでの募集企画で一番参加人数の少ない結果となってしまった。

 

とはいえ、それだけ濃い方々が協力してくださったとも言えるし、それだけに珠玉の作品が集まったともいえるだろう。

大体にして、あんまり情報量が膨大になってしまってはホラー初心者の方に重くなりすぎてしまうので、これくらいのボリューム感が一番良いのかも。

 

ということで、ホラー大好物の方にも、面白いホラーを探している初心者の方にも参考にしていただけたらと思う次第だ。

 

 

それではレッツ恐怖。

 

 

13位

 

13位には24作品がランクイン。ここはざっくり行きます。

 

 

~~~~

 

『ZOO』
『悪魔が来りて笛を吹く』
『異形コレクションシリーズ』
『営繕かるかや怪異譚』
『丘の屋敷』
『おろしてください』
『噛みあわない会話と、ある過去について』
『かわいそ笑』
『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』
『殺しあう家族』
『屍鬼』
『シャトゥーン 』
『スイート・マイホーム』
『酔歩する男』
『断章のグリム』
『ねないこだれだ』
『呪われた町』
『儚い羊たちの祝宴』
『パラサイト・イヴ』
『春にして君をはなれ』
『火喰い鳥を、喰う』
『淵の王』
『ヨモツイクサ』
『悪の教典』

 

~~~~

 

絵本もノンフィクションも続々と入ってるのが今回のランキングらしいな~という感じ。「怖さ」っていう感情だけで繋がっている作品たちだから、めっちゃ幅広く集まってる。

ちなみに絵本で私が一番怖かったのは、たまたま図書館で子どもと選んでたときに出会った谷川俊太郎の『あけるな』。なんでそんなことすんの?ってなった。子供もめちゃくちゃビビってたし。

 

 

12位

 

12位は5作品がランクイン。

 

 

~~~~

 

 

『鬼談百景』

 

著者が一般から集めた怪談を百物語形式にまとめたもの。

収録されているのは99話。で、残りの1話は…。

 

 

~~~~

 

 

『ケモノの城』

 

キツい話に強い人でも「これだけはムリっす…と小声になってしまうので有名な作品。

北九州連続監禁殺人事件を題材にしてる時点でだいぶあれだけど、個人的に一番良かったのはアマゾンのレビューでただ一言「プレゼント」とコメントしてる人。怖いよ。

 

 

~~~~

 

 

『のぞきめ』

 

 

ホラーとミステリーを融合させたら随一。三津田信三の傑作ホラー。

"のぞきめ"という憑き物の伝承が残る村を、現代と過去の2つのパートから描き、けっこうな体験をさせられる作品である。映画の低評価っぷりはストーリーとは別の要素である。

 

 

~~~~

 

 

『ぼっけえ、きょうてえ』

 

『ほねがらみ』

 

ホラー小説界のニュースター。芦花公園である。

怪談収集を趣味とする主人公の日常が、徐々に怪談に侵食され…という虚実の境が曖昧になる怖さを持った作品。オンライン上で公開されていたものが評判になり書籍化されただけあって、その面白さは折り紙付き。贅沢な味わいをぜひ。

 

 

11位

 

惜しくもベスト10入りを逃した第11位は5作品がランクイン。

 

 

~~~~

 

 

『殺人鬼』

 

 

ミステリーの歴史に燦然と輝きすぎて他の作品を焼き尽くす勢いの『十角館の殺人』の綾辻行人が満を持して放った、スプラッターホラーど真ん中の作品。

個人的にグロいのは好みじゃないのだが、こんだけ派手にやってくれると、いっそ痛快でめちゃくちゃ楽しんでしまった。ど真ん中の殺人鬼最高。

 

 

~~~~

 

 

『墓地を見おろす家』

 

物件ホラーの鉄板と触れ込み高い作品。

未読なので核心に迫った紹介はできないのだけど、「物理的に怪異が強すぎる」というパワー惹句で紹介されているのを見かけた。ビームって一体どういうこと…?。読みたすぎる。

 

 

~~~~

 

 

『羆嵐』

 

『どこの家にも怖いものはいる』

 

三津田信三がまたしてもランクイン。強し。

なにこの表紙。これだけで鳥肌立つわ。黒死牟かよ。

「こんなに怖い本があるなんて感動した」という感想が出るほどの作品で、怖さに加えて特有のリーダビリティが優れてて、ぞくぞくしながらどんどん読み進めてしまう。

 

 

~~~~

 

 

『高原英理恐怖譚集成』

 

不勉強なせいでまったく存じ上げなかった作品である。レビューの数もけっこう少なめで、自分の集計ミスを疑ってしまった。

でもどうやら作風にその理由があるようで…。というのも、作品に寄せられた京極夏彦のコメントがものすごい。何を言ってるのかさっぱり分からない。でもなんかすんげえ作品だというのは伝わってくる。

たまにあるけど「感想の言語化を容易に許さない」ような作品ってたしかにあって、その「なんじゃこりゃあ!」がたまらなく良かったりする。言葉で記されてるのに言葉で表現できないって、どういうことですか!

 

 

10位

 

最恐本の第10位は、実際の殺人鬼について扱った、こちらの作品!!

 

 

 

 

平山夢明

 

 

 

 

『異常快楽殺人』

 

 

 

 

 

実在した6人の殺人鬼の人生を追ったノンフィクション。

需要が限定されすぎだろ。

 

もう表紙だけで最悪。私には一生読めないタイプの本です。ムリすぎる。

フィクションなら殺人鬼もエンタメとして摂取できるんだけど、実際の殺人鬼の話となると、どうしても被害者とかその家族の痛みが逃れようがないレベルで流れ込んできてしまって、とてもじゃないけど心が保たない。

申し訳程度にあとがきだけ読んだことあるけど、編集に携わった方で心身に異常が出てしまったとか…。そりゃそうなるよ。内容もそうだけどこの本の存在自体がこえー。

出版に携わった方々凄すぎます。

 

 

9位

 

さあ、最悪な本を紹介してしまったので私のテンションがガタ落ちだけど、元気を振り絞って次に行こう。

第9位は2作品が同時ランクイン。

 

 

~~~~

 

 

 

郷内心瞳

 

 

 

 

『拝み屋怪談 花嫁の家』

 

 

 

 

 

「嫁いだ嫁が3年以内に必ず死ぬ」

 

これはこれは…お噂はかねがねの作品。作品である。

ホラー界隈に詳しくない私にも、ヒソヒソとTL上でその恐ろしさっぷりが届いていた作品だ。

ホラー小説を紹介するときに禁句とも言える「怖すぎ」という言葉が、そこら中で飛び交ってるからよっぽどなのだろう。(私は積ん読中)

ちなみにこれが実話っていうから凄い。

本当に怖い本にありがちなんだけど、内容どうこうよりも、皆さんの感想の悲鳴っぷりがすでにコンテンツ級の面白さになってる。読むのが楽しみである。

 

 

~~~~

 

 

第9位、もうひと作品はこちら!

 

 

 

三度登場!!

 

 

 

三津田信三!!

 

 

 

 

 

『怪談のテープ起こし』

 

 

 

 

タイトルからすでに「におい」がするなあ!怖さの!絶対に良くないこと起こるでしょ。こんなん。

 

こちらも存じ上げない作品だったので調べてみた。

編集者時代の三津田信三の元に寄せられたライターからの体験談をまとめたものなんだけど、なるほどこれは完全に三津田信三だわ。この読者を引きずり込む感じ。

収められている6編どれもが人気で、傾向としてはモキュメンタリーになるのかな。

最近話題の梨さんとか背筋さん系の作品が好きな方であれば、こちらもツボにハマりそう。

そういえばさっきの『異常快楽殺人』も6話だったけど、6になんかあるんですかね。たまたまか。

 

 

8位

 

どんどん行こう。続いては8位。

 

 

 

ホラー小説界のトップをひた走る、この男。

 

 

 

 

澤村伊智!!

 

 

 

 

 

 

『ぼぎわんが、来る』

 

 

 

 

 

これもタイトルの優秀さよ…。

人生において一切聞いたことない単語なのに、強烈な禍々しさと正体不明の不安感、絶望のようなものが感じられる。とんでもないセンスだ。

ホラーとしても一級だし、ストーリー展開のエンタメ性もぶち抜いて面白い作品である。映画の方もかなり高評価だったけど、やっぱり原作の面白さには勝てないだろう。よくぞここまで大量の要素を華麗にまとめ上げたもんだと思う。

 

怖さをベースにしつつも「誰もが楽しめる作品」に仕上がってて、今回のランキングの中でも特に初心者にオススメしたい。

ホラーなのにそこまで後味が悪くないのもよろしい。

 

 

7位

 

それでは~、第7位!!

2作品が同時ランクイン。複数ランクインはこれにておしまい。

 

 

~~~~

 

 

 

ジャパンホラーの金字塔といえばこちら。

 

 

 

 

鈴木光司!!

 

 

 

 

 

 

 

『リング』!!

 

 

 

 

 

これは外せんでしょう。

純粋な怖さもそうだけど、ホラーの歴史を作った作品として畏敬の念を持っちゃう。

 

まず設定の発想が素晴らしい。

「呪いのビデオ」というものがあり、それを観た人間は必ず死ぬ。しかしダビングして他の人間に"感染"させれば助かる。

この作品を知った当時、多感な時期を過ごしていた私は大いに震え上がったし、友人たちとその話ばっかしてたよ。「自分のところに来たらどうする?」って。かわいい。

 

衝撃の"あのシーン"は色んなところでパロディ化されすぎちゃって、むしろギャグになってしまってるかも。今から読む人がいたとしたらどんな感想を持つんだろうか。

言わずと知れた超名作だと思うけど、果たしてこの素晴らしい設定が今後どれだけ実感を持って怖がられるのだろうか。記憶媒体の移り変わりは創作物にこういう影響を与えちゃうから困る。

 

 

~~~~

 

 

第7位のふたつめは、彗星のごとく現れたこちらの作品。

 

 

 

 

背筋!!

 

 

 

 

 

『近畿地方のある場所について』!!

 

 

 

 

「情報をお持ちの方はご連絡ください」

 

これだけで不気味さが溢れ出ているのが非常によろしい。

 

突如現れ凄まじい勢いでネットを席巻し、本屋の店頭も埋め尽くした怪作の登場である。

私は未読なので具体的な感想は書けないのだが、皆さんの感想を読んでるだけで「新しい時代の作品が出てきたな…」という感がある。

ミステリーというジャンルが島田荘司によって新時代を迎えたように、最近はホラーの分野でブレイクスルーが起きているような空気を感じる。

ネットやSNSなど新しい媒体やコミュニケーションによって生まれる空気感がホラーと繋がると新しい恐ろしさが生まれるのかもしれない。そういう意味では『リング』の系譜を感じられて面白い。

あと紙の本を愛する私としては「袋とじがヤバい」というのが一番ツボである。

 

 

6位

 

続いては第6位!!

 

 

ホラーはこの男の独擅場なのか?!

 

 

 

再び澤村伊智!!!!

 

 

 

 

 

 

『予言の島』!!!

 

 

 

 

 

来たーーーーーーー!!

 

ヤバいヤツーーーーーーー!!

 

 

私も大好物な珍味『予言の島』である。

明らかに不穏な空気に包まれた冒頭から、ずっと付きまとう不気味さ。なんとも言えない気持ち悪さが作品から徐々に染み出してくる感じ。そして畳み掛けるクライマックス。

何度も書いている通り私はそこまでホラーでゾッとするようなタイプじゃないのだが、『予言の島』に関しては、本当に鳥肌がゾワッと立ってしまった。「よくこんな話思いついたな」って心底思ったよ。澤村伊智、偉大にしてイカれた男である。

 

 

5位

 

さあさあ、遂にベスト5のご登場である。

最恐の座に座るのは一体どの作品だろうか。ホラー好きの皆様はぜひとも予想しながら楽しんでいただきたい。

 

 

それでは第5位!!

 

 

 

 

貴志祐介!!!!

 

 

 

 

 

 

『天使の囀り』!!!!

 

 

 

 

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。
恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。
さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。高梨が死の間際に残した「天使のさえずりが聞こえる」という言葉の意味とは?

 

おぞましさの結晶。不愉快の渋滞。倫理観の限界。

私にとって『天使の囀り』とそんな作品である。

 

これまで数え切れないほどの作品を、そして多数の作家を好きになってきた。

そんな中で私にとって貴志祐介とは五本の指に入るレベルで大好物な作家である。盲信していると言っていいぐらいに信用している。

だが…いやだからこそ…なのか、『天使の囀り』はギブアップしてしまった。これはキツすぎる。

彼の卓越したストーリーテリングと、特有の読みやすさ、情景描写の巧みさゆえに、作品の"悪"の部分が強烈に流れ込んできてしまい、泣く泣く断念した。

基本的にはどれだけつまらなくとも最後まで読むようにしているのだが、これに関してはリベンジする気さえ起こらない。マジでムリ。精神が保たない。

もし私が再読する機会があったとしたら、それこそ天使の囀りが聞こえたときだけだろう。皆様、それまでご機嫌よう。

 

 

 

4位

 

じゃんじゃか行こうぜ!!

 

第4位は…これだ!!!

 

 

 

 

五十嵐貴久!!!!

 

 

 

 

 

 

『リカ』!!!!

 

 

 

 

 

 

 

ストーリーを語ってしまうと未読の方の楽しみを奪ってしまうので、ここは簡潔に。

 

 

最恐最強ストーカー。

 

 

これね。

 

 

遂にシリーズ完結を迎えた、世界で一番恐ろしい女『リカ』を描いた物語である。ド派手に突き抜けた怖さと、物語の加速力が最高に恐ろしめる作品だ。

もうホラー好きの間では「怖い小説といえば?」という質問に真っ先に名前が出るくらい鉄板の作品で、シリーズを重ねてもずっと恐れられながら愛され続けている。怖さに愛着を持たれてるって、冷静に考えたら意味がわからんな。

 

作者の五十嵐貴久は、読者に物語を注ぎ込む力が異常に高い。『リカ』に関しては恐怖とか嫌さを読者への嫌がらせレベルで発揮しているので非常によろしい。

「怖すぎて汗だくになった」という感想もあったぐらいで、どれだけ読者にストレスを与えるホラーなのかがよく分かると思う。

一級のヒューマンホラーを欲している方に超オススメ。

 

 

3位

 

それでは皆様お待ちかね、最恐の頂点に立つベスト3の発表である。

 

第3位はこちら!!

 

 

 

やべえ絵本の登場だ!!

 

 

 

 

京極夏彦/町田尚子

 

 

 

 

 

 

『いるのいないの』!!!!

 

 

 

 

 

 

おおー!!

これは意外かも。

 

もちろんこちらは私も読んでるし、子供向けとは到底思えないほど怖い作品なんだけど、ここまで上位に食い込んでくるとは。嬉しいと思いつつ、無駄にハードルが上がって未読の方の肩透かしにならんといいなぁと危惧したりしている。

今回のランキングは「最恐の本」という括りなので、ノンフィクションだろうが絵本だろうが関係なしに募集した。そんな中でこういった絵本作品が並み居る強豪よりも上になったのはそれなりの理由があると思う。

絵本特有の媒体が持つ力なんだと思うんだけど、とにかく空気の伝わってくる感じが凄い。

室内にいるときにふと感じる恐怖感とか疎外感みたいなものが的確に表現されてて、「うわぁ…この感じ知ってるけど、最悪」ってなる。というかタイトルからすでに「知ってる怖い感覚」である。あの恐怖感を見事に表したタイトルだと思う。

 

短いページ数ながら、じっくりと怖さを楽しめる名作である。これは語り継がれるわ。

 

 

2位

 

さあ、ここまでくればホラー好きの皆さんであればすでに"あれ"と"あれ"だと予想が付いていると思う。どちらも鉄板も鉄板。最恐の常連なので、わざわざ順位をつける必要も感じないのだが、今回はたまたまこうなったという程度で受け止めてもらえると助かる。

 

では最恐本の堂々第2位の座に輝いたのはこちら!!

 

 

 

 

女王!!!!

 

 

 

小野不由美!!!!

 

 

 

 

 

 

 

『残穢』じゃい!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「読み進めるのも嫌だし、読まないの嫌」

「家に置いておきたくない」

「読んでからなんか家の中で異音がするようになった」

「一人暮らしの人にオススメって言ってたやつ許さん」

 

 

などなど素晴らしい呪詛が感想コメントに溢れかえっていて、作品の凶悪さを端的に表していると思う。

 

ホラーだけに限らないが、こういった読者にマイナス方向のストレスを加えることでエンタメとして成立させるものというのは、褒め方がとても難しい。

少し前の私であれば、「こんなん最悪!!」「悪魔が生み出した作品!!」とか平気で評していたのだが、これが悪口として受け取られしまう。

でも最悪な気分にさせることを目的とした作品に対して「最悪でした」と感想を述べるのはとても素直な態度だと思うのだがいかがだろうか。とにかく近頃はマイナスな言葉を使うのが非常に許されない空気感に満たされてて、私のような下品な言葉しか知らない人間には生きづらい世の中になっている。とても良いことだと思う。

 

とはいえ『残穢』のような強烈な作品の場合は、みんなが総じてテンション高めのマイナスコメントを放ちまくっていて、一種異様な空気感になっていると思う。マイナスを飲み込むたびに膨れ上がる怪物ようである。

 

これからも作品の中でも、現実世界の中でも、色々な穢れを孕みながら、世界を少しずつ侵食していくのが『残穢』という作品なのだろう。

 

ちなみに私の読書仲間である あすなろ氏(@readingmaururer
)が似たようなホラー本の投票を行なったときは『残穢』が1位だったようで。ホラー小説史に残る文句なしの名作でしょう。

 

 

1位

 

最恐本のトップに輝いたのは、こいつだ!!!!!

 

 

 

貴志祐介!!!!!!

 

 

 

 

 

 

『黒い家』!!!!

 

 

 

 

 

 

 

日本を代表するエンタメ小説家、貴志祐介がその筆力の限りを読者を震え上がらせることに全振りした、ホラーが全然平気な人間でも本気で恐怖に陥れてしまう傑作である。

まさに私が一番恐ろしく感じた本であり、たぶんこれを超えるほどの作品には今後の人生で出会えないのではないかと思っている。

19、20ぐらいの一人暮らしを始めたばっかの頃に読めたのは最悪の(最高の)タイミングだったと我ながら思う。家に帰るの躊躇したもんなぁ。他の人がいるところにいたくて。

 

『黒い家』はジャンルで言うなら人怖である。

怪奇現象のたぐいは一切出てこないが、それに匹敵するぐらい不条理な出来事が連発する。

貴志祐介が保険会社に勤めていた経歴から生み出されたエピソードなのか、真に迫るリアリティがあり、読みながら私は完全に『黒い家』の物語が自分のすぐそばで起こっているような錯覚を覚えた。(本当に錯覚なのかどうか実は分からない)

こちらに関しては私の中で「文句なしに最恐」という評価が決まっていたので他の方の感想を調べたりしていないのだが、ちゃんと1位になったのできっと皆さんも同じように地獄に引きずり込まれたのだと予想する。ご愁傷さまでした。ちゃんと鍵閉めた? 家の中は大丈夫?

 

ちなみに『黒い家』が大好きな方に情報共有すると、貴志祐介が執筆の裏側について語った『エンタテイメントの作り方』では、『黒い家』がなぜこんなにも恐ろしい作品に仕上がっているのかについて種明かしがされている。ぜひ興味がある方はぜひ読んでいただきたい。一流の作家の手管にどれだけ自分が踊らされていたかを知って私は大興奮してしまった。これだから貴志祐介は止められない。

 

 

ということで、これぞ最恐っていう本ランキングの1位は貴志祐介の『黒い家』に決まりました。これからもたくさんの人々に眠れぬ夜を提供してください!!

 

 

以上。参考にされたし。

 

 

 

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※集計作業を頑張ったひろたつを労ってあげたい方はこちら。

 

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