MIYAVIはかっこいいけどね。
邦ロックに欠かせない存在
日本にどれだけのバンドがあるか知らないが、ギターのいないバンドはそうそういないだろう。
ああ、そういえば奴らがいたか。
ギターレスバンドとして名を馳せた『SEKAI NO OWARI』である。フロントマンであるFukaseの「まだギターロックなんてやってんの(笑」発言は余りにも有名だ。
普通のバンドであればギターは必須だし、ギターに憧れる所から音楽を始める人は多いと思う。
しかし私は思う。「ギターの魅力が全然分からねえ」と。
今まで腐るほど音楽記事を書いてきたにも関わらずだ。もしかしたら過去記事でギターの音色を褒めたりしているかもしれないが、それは嘘だ。私はギターに憧れたことはおろか、かっこいいと思ったこともない。
その理由について語りたいと思う。
飽きた
まずはこれだ。
「飽きた」
有無を言わせないこの響き、素晴らしい言葉だ。そしてあまりにも残酷な言葉だ。
聴く人の耳に少しでもインパクトを残そうと日夜練習に励むギタリスト諸君、最強のフレーズを生み出そうと脳みそをひねくり回しているギタリスト諸君、唯一の見せ場のギター・ソロに精を出すギタリスト諸君、あえて言おう。
私はもうギターの音色に飽きたのだ。
想像してもらいたい。
生まれてからずっと、同じ俳優が主演をやっている映画を見ていたとしよう。作品はアクションからミステリー、ラブロマンスと色々だし監督も違う。だがずっと同じ俳優。
飽きるだろ?
同じ感覚が私はギターにもある。
邦ロックはギターが主役だ。ずっと主役のまま来てしまった。今までベースやドラムが主役になったことがあっただろうか?私はそんな時代を知らない。
いつまでも主役のギターに私は飽きてしまったのだ。
これは別にギターが悪いわけではない。いつまでも同じことを繰り返してきた音楽業界と、同じものばかりを求め続ける消費者がいけないのだ。私は関係ない。
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かっこいいのが前提
ギターはかっこいい。
これは地球上全員が認める概念だと思う。それはアボリジニだろうと関係ない。
だからこそなのだ。だからこそ、「もういいよ」という気持ちになる。アンパンマンにいつまでも憧れていないように、かっこいいだけのやつなんて面白くもなんともないのだ。
ドラムならデブ、ベースなら報われない。そんなエピソードがギターには足りないのだ。あまりにも記号的すぎるのだギタリストというやつは。
※参考記事
人間味こそが表現の醍醐味だと思っている私は、物語性がないものに魅力を感じないのだ。
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なのにボーカルには勝てない
ギターはかっこいい。先ほど書いたばかりだが、きっとここまで読んだ方はあるツッコミを入れていたと思う。
「ボーカルの方がかっこ良くね?」
非常に聡明な意見だ。その通りである。
ギターはかっこいいものとされながらも、ボーカルの前にはひれ伏すしかないのだ。音楽を聞いている人はギターの音色なんて聞いていない。ボーカルさえ入っていればいいのだ。バンドのギタリストが変わった所で気にしないだろうが、ボーカルが変わったら聴くのを止めるかもしれない。そういうことなのだ。
ピアノで代用できる
ギターはバンドの花形であるが、役割としては実はそこまで重要ではない。アクセサリーみたいなものだ。
私はギターの役割はピアノでいいのではないかと考えている。あそこまで万能な楽器だ。むしろ今までギターよりも普及していなかったことが不思議でならない。
Qaijff(クアイフ)というバンドがある。
Qaijff / organism【MUSIC VIDEO】
このバンドは3ピースにも関わらずギターがいないという大胆なメンバー構成である。しかしどうだろうか、その音色は非常にダイナミックで、ギターがないことなどまったく気にならない。むしろピアノ(動画のやつはキーボードだけど)の何でもできる感じのせいで音の広がりはむしろギターがいるバンドよりもあるかもしれない。
なによりも新鮮だ。
今更聞き飽きたギターをかき鳴らさずとも、ピアノでいいのではないかと思う。やはりクラシックで使われている楽器には勝てないのだ。
こちらはギターこそ使えど、バイオリンで幅を出している。高音楽器というのがポイントである。
ギターソロはお腹いっぱい
ギターソロはどれも同じに聞こえる。もうお腹いっぱいなのだ。
どれだけスケールを入れ替えようが、音色を加工しようが関係ない。もう大丈夫です、本当に。
可能性を潰しているのは飽きない人達
とまあ好き勝手書いてきたわけだが、私は別にギターが嫌いなわけではない。
重要な楽器であることは分かっているし、それに魅了される人が後を絶たないのも当然だと思う。
ただ私はバンドがいつまでも同じ手法に頼りすぎじゃないかと思っているだけだ。
いつまでも同じことをできてしまう人というのは一定数いるが、そういう人たちは変化しない代わりに、飽きられてしまうリスクを背負っていることを意識した方がいいと思う。
音楽はいくらでも進化できるし、進化を止めるのはいつだってこういう”飽きない人たち”なのだ。
可能性はいくらでもあるのだ。
以上。健闘を祈る。