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2025年11月に面白かった本のまとめ。良い本は世界を平和にする

 

どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

2025年11月に読んで面白かった本をまとめた記事です。お疲れ様です。

 

まだ死んでないから確定してないけど、たぶん私の人生で一番の出会いを果たした月になった。後述するが、読書好きになったこともそうだし、今まで日本語を使い続けて来たこと自体に喜びを感じる体験だった。

こんな気持になることが私のこれからの人生であと何度あるのだろうか。年々感性が擦り切れているのを考慮すると、マジで最後の大花火だった可能性が高い。人生は長いぜ。

 

ということで、面白かった本たちの紹介である。

行ってみよう。

 

 

合理的にありえない

 

なにこれ?!全然凄いじゃん!!

こんな切れ味のやつも柚月裕子って書けたのかよ。脂ぎったオッサン専門作家かと決めつけてたのに…。これは完全に食らってしまった。嬉しい誤算。ミステリー好きって好きでしょ、良い意味での誤算。

快刀乱麻系のテンポの良い短編集好きの方には、超おすすめ。特に表題作はスッパリ具合がとってもよろしいです。

 

 

会話の0.2秒を言語学する

 

大好きなゆる言語学ラジオのパーソナリティである水野さんの初著書。

本業は編集者である水野さんが、印税フルキャンセルで己の表現欲のためだけに書かれたある意味で趣味を極めたような一冊。

難しい情報をテンポ良く噛み砕く語り口や、面白おかしく取捨選択する情報DJっぷりはラジオでの実力を知っている方なら期待通り。

面白い雑学や研究結果の話で知的快感が得られるし、知り合いに知識をひけらかすにも使えるとっても便利な本である。

 

まったくもって満足な一冊。でもあえて苦言を呈させてもらうけど、一冊の本としてのまとまりは弱いなぁと。知識の羅列に終始しちゃってる印象。

ということで、水野さんにはまた次の一冊を期待したい。

 

 

アーモンド

 

生まれつき感情を持たない少年から感情を教わる。

 

本屋大賞でニ年連続大賞を獲得するという偉業を成し遂げたソン・ウォンピョンの代表作。

売れすぎ&あんまり馴染みのない韓国文学とあってずっと様子見をしてたんだけど、さすがに読まず嫌いは良くないと思い手に取った結果、大成功しました。踏み出した私、偉すぎる。知ってたけど。

韓国ってやっぱり人種的にもそうだし、社会の属性が近しいからこそ、文学を通して感じられる"同じ"と"違い"が明確で面白い。著者の語り口もあるだろうけど、文章ごしに韓国の空気が感じられる。

肝心の中身に関しては、これは申し訳ないけど100点以外を付けようがない

感情を持たない主人公の一人称で語られる小説って、それだけでも読む価値があると思う。だって小説って感情と心情の文学じゃん?感情を排して書けると思う?それがね…。その答えは読んでからのお楽しみ。

 

しみじみといい作品だった。

 

 

新明解語源辞典

 

 

人生よ、ありがとう

 

 

おっと、いきなり大声を出して申し訳ない。

良すぎる本に出会うと人って狂うじゃない? 私、いまそれ。絶賛狂い中。とっても幸せ。

正直なところ、今回の記事はこの本を紹介したくて書いた。

紹介というか単なる吐露、自分語りになるかもしれない。他人様に読ませるような内容じゃないかもしれない。でも書かずにはいられない。だって私はいま狂っているから。感動と喜びはどれだけ世界に放出しても許されるでしょ?

 

幸福の具現化

 

語源

 

辞典を読み通した今の私にとって、これほど魅力的な言葉はない。完全に性癖を歪められた自覚がある。星野源も勝手に好印象になってる。認知がやばい。関係ないけど「源静香」って書くと普段の親しさが失われるの不思議。助けて銅鑼衛門。

 

考えてみれば当たり前だが、言葉には作られた経緯や理由がある。

さらには時間の洗礼によってひずみが生じて、それが現在の形になったものもある。

元はひとつの概念や現象から生まれた隠れ兄弟みたいな言葉もある。

 

無限に思える言葉たちのひとつひとつにそういった物語が潜んでいるのである。

それらを解明できる限り、いや解明できないものでさえも網羅した奇跡の書、それがこちらの『新明解語源辞典』である。

もうね、項目をひとつ読み進めるごとに脳細胞に喜びと、驚きと、満足感と、さらには思わぬ知識が連結する快感が押し寄せ、とんでもないことになった。

約1000ページ。読み終えるまでに11ヶ月かかったのだが、ずっと私は幸福だったし、何よりも自分がこれまで日本語を使ってきた人生そのものに感謝を感じるほどだった。

 

日本語を使ってきた時間すべての伏線回収

 

だって、何気なく使ってきた言葉たちにさ、実は張り巡らされた伏線があるなんて最高すぎるでしょ。

「え?それも同じなの?!」とか「言われてみれば繋がってるわ!」ってなるときのアハ体験っぷりは、極上の体験以外の何物でもない。

ミステリー好きであり、言葉も大好物な私のツボ(需要)を全部満たしてもらった気分である。

上質なミステリーって、上手に伏線を仕込んでいるものだが、それと同じことがこの辞典で体験できるのである。

ミステリーの場合は作りものだけど、日本語自体に仕込まれた自分自身が主人公の伏線だから、これは強烈ですよ。

 

良い本は心の支えになる

 

大げさじゃなく、辞典を読んでいたこの11ヶ月ずっとメンタルが安定してたし、職場での私は確実に良い奴だった。心にゆとりがあるからトラブルがあっても落ち着いているし、感情に乱れがないし、冷静だから判断ミスも少ないし、他人を受け入れる度量も上がってたよね。局所的に世界平和。

絶対的な喜びをもたらしてくれる本が人生にあるって、こんなに幸せなことかね。職場のみんなにとっても私が良い奴だったことは幸福だったと思うし、幸せの輪が一冊の本から派生してくって、なんて素晴らしいんでしょう。

逆に読み終えてしまったこの先は、消失感のせいで今までの良い奴っぷりを取り返すぐらい嫌なヤツになる予定。禍福は糾える縄の如し。覚悟しやがれ。

 

ちなみに近しい友人たちには見せたが、この辞典の中でも特にツボに刺さった項目を書き写した「ベスト語源メモ帳」を作っていて一生物の宝物になると確信している。

これを眺めるだけで何回でも幸福を供給してくれる。だから自分がマジで危険な人間になりそうだったら、これを見て理性を取り戻したいと思う。あとは万が一だけど、もし私が何らかに感染してゾンビになって家族を襲いそうになったら、ぜひこのメモ帳をかざしてほしい。わずかに残った人間の部分が反応して手が止まるはずだから。その隙にトドメを刺してくれ。頼んだよ。語源。かゆ。うま。

 

雑学本としても最高峰

 

とはいえ新明解語源辞典は1000ページもある。収録語句は4500にものぼる。ちなみに私のパソコンの「し」の変換予測は真っ先に新明解語源辞典が出てくる。しずかちゃんは5個目くらいだ。

それだけの語句数があるとさすがに興味のない言葉もあるし、それほどストーリー性のない由来の言葉もある。

しかしそれでも知らざれる理由を知れるというのは、雑学本をぱらぱら読んでるような面白さがある。私の学がないだけかもしれないけど、摂氏とか華氏が発見者の人名だったとはまったく知らんかった。

その他にも、従来の語源を紹介しつつも「こじつけでは」とか「そんなことが書かれた文献はない」みたいに怪しい説をぶった切って項目も面白いし、「調べたけど分からなかった」という言葉も載ってる。じゃあなんで載せたんだよ。

とにかく誠実さと、緻密さ、そしてあふれるほどの膨大な知識が詰まった一冊なのである。

語源に興味がない方だとしても、ひとつの雑学本として爆裂に楽しめるだろう。

 

ほんとはもっと中身について具体的に語りたいところなんだけど、その喜びは実際に手にした人だけのものということで。

 

 

以上。