どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。コーヒー飲むとお腹壊すタイプです。
毎月恒例の月イチまとめ記事である。
さて、最近の私といえば不謹慎なツイートと記事でバズらせていただいた。
【ご協力のお願い】
— ひろたつ@読書中毒ブロガー (@summer3919) February 18, 2023
とある変態の方から「地獄をすすりたい」という切実かつどうしようもないお願いをされたので、ぜひあなたの #大好きな鬱小説 を教えてください。
数が集まったら後日、最悪すぎるランキングを作りたいと思います。
皆様ぜひとも地獄のかけらをよろしくお願いします。
記事の中でも書いたが、この“鬱小説”という括りがなかなか面白い。
ミステリーやSFなどでも言えることだが、小説を特定の括りにしようとすると、必ずと言っていいほど論争が起こる。「これはミステリーじゃない」とか「バカミスでしょ」といったものである。うーん、ミステリーに顕著かも。
それなのに、さらにボヤッとしている“鬱”という言葉を使ったので、挙がってくる作品が本当に様々。
私にとっての感動作が誰かにとっての鬱小説だったりするから、驚きだったり「確かに言われてみれば…」という共感だったりで、非常に楽しみながらランキングを作らせてもらった。
こういう自分と違う視点に触れたときの感動や発見って、本を読むときの楽しみと親し良いよね。
で、その一方で「それは鬱なんかじゃないだろ!!」「そんな薄っぺらい括り方すんな!!」みたいな怒り方をしている人も見受けられた。
うーん…。
怒るなとは言わないけれど、伝え方を考えたほうがもっと生きやすくなると思う。まあ愛ゆえだとは思うが。
基本的に人間社会のコミュニケーションにおいて、怒りで解決することはほぼない。むしろ99%を壊すことを知っておくべきだろう。なんてお節介なことを思ったりした。
それにしてもなぜ人は鬱屈としたものをあえて求めるのだろう。それに快感を覚えるのだろうか。身を堕とす快楽、というものが確実に存在する。芥川賞受賞作を読んでるときのやつね(偏見)。
だけどランキングを作るほど大量の鬱を浴びると、やっぱりちゃんと気分が悪くなるから、量によるのだろう。ここ最近ずっと自分のコントロール方法を見失っている感が消えない。たぶんケッチャムのせい。許せん。
ということで、鬱屈とした作品に塗れた私が贈る、2023年2月に見つけた面白い本たちの紹介である。
行ってみよう。
さよならに反する現象
健在。
ひっさびさに乙一を摂取できてご満悦なオジサンことひろたつです。よろしくどうぞ。
いやーやっぱりいいね。気持ち悪いのに気持ちいい、というか。乙一独特の捉えどころのない温度感の文章とか、妙に冴えたプロットとか。
ブロガーなのでもっと具体的な褒め言葉を尽くしたいところだけど、乙一に関しては本当に“センス”という言葉が相応しいと思っている。それか彼の変態性。
短編の名手ここにあり。
塞王の楯
石垣職人…最高!!
石垣職人なんてまったく知らなかっただけに、その奥深くて熱量に溢れた世界に、読んでてグイグイ持ってかれてしまった。完全に一緒に石を運んでたわ。ハードカバーの重量感が相まって更に良かった。
これを読んだら絶対に石垣に関する雑学を披露したくなるし、外で綺麗に組まれた石垣を見たら「これじゃ戦に勝てねえな…」といっぱしの石垣職人みたいなことを思うはず。
直木賞受賞作なのにちゃんとおもしれー。(暴言)
語学の天才まで1億光年
面白い人間が書くものは面白い。だって生きてるだけで面白いから。
そんな身も蓋もない事実を体現するのが高野秀行である。
クレイジージャーニーたちからも一目を置かれる彼の体当たり取材は、本当に群を抜いていて、秘境中の秘境に行ってアヘンの栽培から収穫、さらにはしっかりアヘン中毒になるなんていうことをしている。シンプルにイカれてるでしょ。大好き。
そんなクレイジーすぎる彼だが、取材のためなら世界中の言語をいくらでも勉強する。マイナーすぎる言語の場合は、まず教えてくれる人を探すところから冒険が始まるレベルだ。
語学に興味がある人はもちろん、単純に読み物として存分に楽しめる作品である。
万事快調〈オールグリーンズ〉
友人であり、読書を愛するものづくりアーティストであるLemoonさんに教えてもらった作品。
こういう青田買い的なのも読書の楽しみのひとつだと思っている。
とはいえ帯を見れば分かるように、すでに文壇ではその実力は認められていたようだ。
若さに溢れたパワーと感性を盛り込んで、スピード感のある展開で読者を引きずり回す感じがとってもよろしい。エネルギーに直に触れる快感。
あらすじを知っておく必要はほとんどなくて「地方の高校生が学校で大麻を育てる話」と聞けば、もうみんな虜でしょ? いやーもう、設定にパワーが溢れてるよ。
花束は毒
あーーー、これはーーー。
初の作家さん。初めましてでいきなりこんな毒をぶっかけられるとは…。まあそれを期待して選書したんだけどね。
近所の書店で激推されてたから素直に従って読んでみたけど、なるほど…。たしかにこりゃ推したくもなるわ。ずいぶんと性格の悪い“推し”だけど。
元弁護士の著者ということで、作中での主人公たちの論理展開が流れるようで気持ち良い。そこがスムーズだからこそかもしれないが、ミステリー小説としては読み味は軽い印象かも。
以上。来月もお楽しみに。
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読書が忙しすぎて全然更新できていないので観る必要は一切ありません。