どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。
毎月恒例の月イチまとめ記事である。
仕事の繁忙期を終え、完全に無敵になった私は「いざ無限に読書せん」とばかりに、本屋にネットにと、本を買いあさりまくった。ほっくほくである。
しかしながら不思議なもので、あれだけ時間に余裕が無かったときは「こんなゴミみたいな時間を少しでも読書に充てられたら…」と思っていたものだが、いざ目の前に時間が余っていると、ひたすら読みたい本を漁るばかりで、全然ページが進まない。だから積ん読はかさを増すばかりだ。なんじゃこりゃ。
数日前にツイッターの読書垢の方が、「自分は本が好きなんじゃなくて、本を買うことが好きなんだと気づいた」的な呟きをされていたのだが、きっとあれは私の別人格だったのだろう。完全に同意である。
とはいえ、こうやって曲がりなりにも読書ブロガーとして活動している以上、少しずつでも積ん読の山を崩す作業に取り掛からなければならない。このままでは積ん読ブロガーとか、本コレクターとかに肩書を改めなくていけなくなる。それはそれで楽しそうだけど。
ということで、本を買いだめつつ、2021年1月に見つけた面白い本たちである。参考にしてもらいたい。
土漠の花
新年一発目に相応しい、血みどろの作品をご紹介。
月村了衛はエンタメをよく熟知している作家だ。スピード感といい、展開の転がり方といい、風呂敷の畳み方といい、激烈すぎる心理合戦といい、全方向に強い作品を書く。
こちらの『土漠の花』は、ソマリアで自衛隊員が惨殺されまくるという「んなアホな」感が満載の作品なんだけど、細かいことは気にせずにジェットコースターのように楽しめる。
「読者をとにかく楽しませちゃる!」という気概を感じる。
ヘルドッグス
暴力団組織を壊滅するため、一線を越えた潜入捜査をする主人公。殺人も辞さないその姿勢は、 次第に組織の中でも認められ、中枢へと上り詰めていく。しかし、正義のために人の命を奪うことや、誰にも真実を話せない孤独、仲間として認めてくれるヤクザたち、あらゆる要素が絡まりあい主人公の内面は限界を迎えつつあった。
最初っから最後まで、フィジカル的にもメンタル的にもエグい。ヒリヒリの連続すぎて、読み終えたときの呆然感ったらもう…。
逆ソクラテス
伊坂ぁ!! 愛してんぞ!!!
はい、オッサンからオッサンへの愛を叫ばせていただいた。
こんな素敵な作品読まされた日にゃもう、愛を叫ぶ以外やれることなんてないよね。世界の中心じゃなくても全然OK。
伊坂自身が「20年作家をやってきたひとつの成果」と言うだけあって、完成度の高さと読者を巻き込む力は相当なもの。だってさ、「僕は、そうは、思わない」なんていう単純極まりないセリフが、信じられないほど強く胸を打つんだから。あれは痺れたねぇ。
伊坂が最高なのは、彼の著作を読むたびに思うことだけど、今回の最高はまた一味違う。とりあえず愛してる。私が死ぬまで永遠に著作を出し続けてほしい。あなたのいない読書生活なんて耐えられません。
離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由
昨今よく見かけるようになったのが、ジェンダー問題。その論客のひとりであるアルテイシア氏による、「私の旦那って最高だぜ」っていうエッセイ。言い換えると壮大なのろけ話。
ジェンダーに関する鋭い(辛辣)な意見は彼女の得意とする所だろうから、盛りだくさんだし、オッサンの私も存分に刺激を受けて楽しめた。
例えば、本書で引用されるこの文章を読んでみてほしい。
“父親と息子が交通事故に遭った。父親は死亡、息子は重症を負い、救急車で病院に搬送された。運び込まれた男の子を見た瞬間、外科医が思わず叫び声を上げた。「手術はできません。この子供は私の息子なのです」 ”
どうだろうか。一瞬頭が混乱してしまわないだろうか。複雑な家庭環境なのかと考えたりしてしまわないだろうか。
実はこれ、外科医が女性だと想像すれば簡単に分かる。なぜか私たちの多くが、外科医は男性だと思いこんでいるのだ。ジェンダー、むずい。でも難しさを思いしれたことは非常に貴重な読書体験だった。
でも本書で最大の見所はやはり、最高すぎる旦那様だろう。
アルテイシア氏に興味があって手にとった本書なのに、詠み終えたら旦那様のファンになっていた。こんな素敵な人、私だって結婚したい。そのヤバすぎる魅力は、ぜひとも読んで確かめてほしい。惚れるっていうか、好きになるから。
結婚を続けている理由が29個語られているわけではなくて、子宮切除とか関係ない話も多くて、若干釣りタイトルだけど、まあ良しとしましょう。
以上。また来月をお楽しみに。