俺だってヒーローになりてえよ

何が足りないかって、あれだよあれ。何が足りないか分かる能力。

「休みの日に会社から電話がかかる人」を止めるためにしたこと

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どうも、中間管理職ブロガーのひろたつです。

 

このブログでは散々書いているが、私はこうしてネットに駄文を垂れ流す活動のかたわら、日中は会社員としてそれなりに真面目な顔をしながら、それなりの仕事をしている。平凡なサラリーマンである。

職場では総勢100人を超える部下を常時抱えており、猿山みたいな活況の中で日々仕事というか、ケンカの仲裁役みたいなことばかりをして給料をもらっている。業務内容だけを見たら、一番近い職種はK-1のレフェリーだろう。つらい。

 

そんなどうでもいい愚痴は置いておくとして、今回は仕事に関する話である。

数年前、仕事で追い詰められていた私が、どのようにして平穏を取り戻したかについてまとめてみた

 

頼りにされる人…のふりをした無能

部下を多数抱えているので、業務のほとんどが部下との報連相に費やされている

実際のところ最前線で動いてくれているのは彼らなので、これだけならまだいい。以前は休みの日でもお構いなしにしょっちゅう電話で確認を求められたり、判断を仰がれたりしていた

その頃の私は今にも増してアホで青臭かったので、休日でも電話がかかってくる状況を「職場で頼りにされてる自分」と変換し、承認欲求を思う存分満たしていた。友人と遊んでいるときに職場から電話がかかってきたときなど、これみよがしに鮮やかに指示出しをしている自分を演出していた。だいぶウザいやつだったと思うが、優しい友人たちだったのでなんとか今でも関係を維持している。

 

無能からの脱出

意識が変わったのは、仕事がキツくなりだしてからだった。「このままじゃ、自分はいつか壊れる」そう確信した。

当たり前だ。今だからこそ分かるが、あの頃の私は無能だった。

 

育成ができていないから、部下は自分で判断できなかった。

業務に見合った責任と権限を与えなかったから、いつまでも部下は自分で決められなかった。

 

部下を育てられなければ、上司である自分の負担は増える。「頼りにされてうれしー」とか低レベルな思考のままでは、いつか限界を迎える。職場は崩壊する。私の精神も次第に追い詰められ、崩壊へと突き進んでいた。

人は追い詰められると、2つの選択肢を迫られる。つまり「逃げるか」「戦うか」である。

どちらが正解というものではない。とりあえずそのときの私は、2つの選択肢を両方とも選んだ。

「逃げる」ために副業であるブログを始めた。別の稼ぎ方を模索し始めた。

そして「戦う」ために、部下育成に本気で臨んだ。といっても、元来そこまで優秀な人間ではないので、目標は低く設定した。

 

『休日に仕事の電話がかかってこないようにする』

 

この記事では、この目標を達成するために私がしてきたことや、意識したことをまとめておく。

私と同様に能力に見合わない大量の部下を抱え、苦しんでいる人の一助になれば幸いである。

 

ちなみに現在の状況はといえば、休日に仕事の電話がかかってくることは、余程のことがないかぎり、まずない。

あるとしたら、気を使った部下が「明日業務回りそうなんで有給使いますか?」と連絡してくるパターンか、身内に不幸があって休みを変更などの場合だけである。1年に1,2回といったところか。

満足できる環境になっただろうと評価している。

 

必要なこと

 

「休日に電話がかかってこない状況」

 

これを達成するためには、ふたつの要素が必要だと考えた。

 

① 部下を(一時的でもいいから)自分の代わりになるようにする

② 仕事とプライベートの時間を分ける、という職場の認識

 

②が徹底されるだけでも私が目的とする「休日に電話がかかってこない」は達成できるが、これはただ単に私への圧迫が部下にスライドするだけで、第二の被害者を量産してしまう。それに、休み明けに仕事がたっぷり積み上がっていることを想像してしまうと、心が休まらない。休日が休日として機能しなくなる。

なので、やはり肝は①である。上でも書いたように、私だけに仕事(判断)が集中していることが大きな問題になっているので、ここに抜本的な対策を打つべきである。

 

中央集権型からの脱却

そこで私が目指したのは、自分だけに仕事が集中している

この状態↓ 

 

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から、

 

↓この状態への移行である。

 

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※赤い矢印が仕事量のイメージで。
 


言葉にすると「中央集権型から自律分散型へ」だ。

私の下に責任者を設け、ある程度の責任と権限を譲渡する。彼らが仕事のフィルター代わりになり、結果、私の元までやってくる仕事が減る、という算段である。

 

ただ実は、解決に着手する前から、組織の形としては自律分散型だった。元から私の下には責任者がいたのだ。

それでも私が追い詰められ、休日にまで電話が鳴りまくっていたのは、間にいる責任者が「末端との連絡係」になってしまっていたからだ。説明しよう。

 

例えば10の仕事(確認・判断)があったとする。

そのときに、ダメ責任者たちが何をするかというと、「10の仕事」をそのまんま私へとお届けしてくる。更に人によっては「微に入り細に入りすべてを報告することが自分の役目」と勘違いしている輩もいた。その場合、10の仕事が15や20にもなる。仕事の増幅装置である。

組織としての体裁だけが整っていて、実態が伴っていなかったのだ。

こういう職場、けっこうあるのではないだろうか。

 

 

そこで、私が求める「自律分散型」にするためには、

・自分で考えられる

・自分で決められる

という部下を育成する必要がある。いわゆる「自分の分身」を作るのだ。

それができた上で、「仕事とプライベートの時間を分ける」という認識を職場に植え付けていけば、休みの日に電話がかかってくることは無くなるだろうと考えた。

 

 「自分の分身」を作るためにやってきたこと

ではここからは実践編である。

 

まずは「自分の分身」を作るためにやってきたこと

これは言い換えると、「部下育成をするためにしてきたこと」になる。

 

①意思決定の場面で一緒に考える

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部下を自分の分身にするためには、とにかく徹底して自分の考え方をトレースしてもらう必要がある。もちろん完全に同じなることは難しいし、そんなレベルは求めていない。

良くも悪くも人は周囲にいる人間の平均値になっていくものだ。となれば、自分と長く会話などのコミュニケーションを取れば取るほど、自分と近い考え方の人間になる。

なのでまずはひたすら自分が考えたり、意思決定する場面に同席してもらう。自分の方から部下の元に行って、考えを聞いてもらうでも構わない。とにかく一緒にいる時間を長くし、同じ問題について考える。これをしつこく繰り返すことがとても大事だ。

 

②価値観をすり合わせておく

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仕事をしていると、つくづく正解は無いと思わされる。色んな意見や見方があり、一長一短である場合が本当に多い。迷ってばっかりだ。

そうなると「どういう基準で判断するか」が重要になる。私は一流経営者でも優秀な人間でもないので、正しい基準がどんなものなのかは断言できない。

でもバカなりに考えてみた感じだと、どうやら「好み」が正解に近いっぽい。言い換えると「価値観」だ。

だって、一長一短でどれが正解とかないのであれば、つまるところどれを選んでも良いわけだ。あとは自分たちで「これが良い」と思えるものを信じてやるしかない。というか、信じられるものでないと、突き進められない。

 

なので、部下とは価値観についてたくさん話をすること

部下が「こういうのが好きですよね?」とか言ってくるようになったら、完全に育成成功である。その部下はかなり味方になってくれるはずだ。

 

ただひとつ注意してもらいたいのは、これは相互理解であるべき点だ。自分の価値観を聞いてもらったら、同じくらい部下の価値観も聞くこと。詳しくは次の項目で。

 

③日常的に判断をしてもらう。考えを聞く

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自分の代わりになってほしかったら、日常的に自分がやっていることを実際に体験して学んでもらう必要がある。反復練習である。

教えるだけでできる人はいない。たまにいるけど、少数派だ。ほとんどの人は、実際にやってみて失敗を繰り返して覚える。

そこで、日常的に判断を下す練習をしてもらう。もちろん最初は付きっきりで構わない。まずは部下自身で考え、頭を使い、判断する経験を積ませることが最優先である。

このときに大事なのは、部下の判断が自分と違ったとしても「違う」と否定しないことだ。

さっきも書いたが、仕事に正解はない。そもそもが曖昧なのだから、最初のうちはトンチンカンな判断をしてしまっても仕方ない。

なのですべきことは「なぜそう考えたか?」を問うことだ。どんな理由を持って判断したのかを具体的に語ってもらうのだ。そこの根拠が納得できるものなのかどうかを重視してほしい。そして、部下がどんな価値観を持っているのかをしっかりと聞くこと。これは「ただ単に聞く」という意味ではなく、聞く耳を持つという意味である。理解しよう、受け止めようと思って聞くことが重要である。

話を聞いてくれない上司のために働きたいと思う部下はいない。自分自身で置き換えればすぐに分かるはずだ。

 

④勝手に判断していいレベルがどこまでか決めておく

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管理職として判断することは大事だが、すべてを判断してしまうのは危険である。会社に大ダメージを与えたり、大きなチャンスを逃してしまう可能性があるからだ。ここの線引きがひっじょーに難しい。「じゃあどの程度のレベルまで判断すればいいんですか?」と聞かれても、「じゃあ8まで」と言えるようなものではない。判断とはもっとアナログなものである。

だからと言って、「ちょうどいい感じで頼むよ」と指示を出すことはできない。

ではどうするか。

これも明確な答えを私は持っていないのだけれど、とりあえず現時点では「自分で責任を取れる範囲か」と定義している。自分の権限や知識などで対処できそうなら判断する。それを超えてしまうようなら上司に丸投げ。そんなイメージである。

あとは恐怖心が許す限りは自分で判断していいものとしている。

 

ただ、いくらレベルを決めたところで、「それは相談してくれよ」みたいなことはあるし、自分の権限でなんとかなるレベルだと思ったら、めちゃくちゃでかい問題に発展してしまった、なんてこともある。

そういう場合の対処法はこれである。

「まあいいか」

どうしようもないこと、起こってしまったことには、諦めが肝心である。

 

仕事とプライベートの時間を分けるためにやってきたこと

次は職場の意識の問題に対してである。

私が休日だろうとお構いなしに電話をかけてきてしまうのは、仕事とプライベートの切り分けができていないからである。そのためには、日頃からの認識を変えてもらう必要がある。

こういうのは空気みたいなもので、目には見えないけれど、定着してしまえば根強い。ではその空気をいかに作るかと言えば、これはやはり上司の態度ひとつだ。

「これが私の価値観だ」と示し続け、それが合理的なのであれば、職場の空気は上司の色に染まるものである。

 

①帰りたがる人だと印象付ける

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まずはこれ。とにかく帰りたがる。仕事をさっさと終らせる人になる。

別に仕事を嫌ってるとかではなく、「家でもやりたいことたくさんあるから」と繰り返し語るようにしている。部下たちからは「何があるんですか?」とたびたび聞かれるが、あえて「YOUTUBE」と適当な答えを返すようにしている。言外に「大した理由がなくてもいいんだよ」と伝えているつもりだ。仕事を早く終わらせることは罪ではないのだ。当たり前のことなのに、ダラダラ仕事を遅くまでしてしまう職場では、意外と理解されていなかったりする。

ただし、あまり部下を焦らせると、仕事が雑になりすぎたり、うっかりミスを誘発させてしまうので、そこら辺のコントロールは必要だ。部下の様子を見るのを怠ってはいけない。

部下を急かしておいて尻拭いしないのは、ただのクソ上司である。クソ上司になっちゃダメだ。

 

私自身が本当にそこまで優秀な人間ではないので、「あの人はどうしようもないところはあるけれど、協力してあげよう」と部下に思ってもらえるように仕向けているつもり。

これをひたすら繰り返すことで、職場の空気は次第に「さっさと帰ることが正義」になっていく。根気が必要である。

 

②副業のことを伝える

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もうひとつはこれ。副業をしていることを職場のメンバーに伝えるのだ。

リスクが高いし、使える人とそうでない人がいるので、「私の場合は」という程度で参考にしてもらいたい。

 

実は私の本業の会社では副業を禁止されている。なのでネットの活動では、絶対に身バレはしないように虚実を織り交ぜて活動している。

で、本業の方では、本当に信用できる3人だけに副業していることを、それとなく伝えている。明言はしていないが「ちょっと自宅で別の仕事的なものが…」ぐらいのことを教えている。もし話が広がってしまったとしても、「育児のことです」と嘘をつける余白を残している。

休日だったら電話してくる人でも、別の仕事をしている最中となると、かなり怯む。なにせどの程度の迷惑をかけてしまうのか未知数だ。正体不明のものを人は恐れるようにできている。

また、副業をしていることで「この人は自分たちとは違う生活を送っている」という認識を持たせられ、遠慮が出てくる。い意味で距離感が出るのである。

 

まとめ 

長くなってしまったので、まとめておこう。

 

まず、休日に仕事の電話がかかってきてしまうのは、

①権限の分散ができていない

②権限を発揮できるだけの育成ができていない

この2つが大きな原因である。

 

そのために私がやったのは、

①価値観を統一するために部下と話し合う時間を共有

②思い切って仕事を任せてみる。尻拭いする覚悟を決める

ということである。

 

こうやってまとめてみると、とても普通の内容である。

きっとそれだけ普通のことには、普遍的な価値があるってことだ。

 

過去の私のように苦しむ中間管理職が一人でも減ることを願って、この記事を終わりにする。

長々とお付き合いいただき感謝。

 

以上。

 

 

部下育成系で良かった本は、ありきたりすぎてつまらないけど、やっぱりこの本。

 

 

でもこの方、奥さんと離婚なさっていて、読みながら「部下のことは動かせても奥さんのことは動かせなかったんだな」って余計なことを考えてしまいました。

 

 

あとはこれとか。