どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。
毎月恒例の月イチまとめ記事である。
長らくネットの片隅で、孤独に本への愛を語り続けていた私だが、先月から遂に仲間を作ることにした。
と言っても別にブログの執筆者を増やしたわけではない。
こちらである。
全国の本好きたちとオンライン上でまぐわってみた。
やっぱり他人が介在すると、途端に興味の幅が広がる。私はひとりでも寂しくならないタイプなので、どうしても視野が狭くなりがちなので、たまにはこういう刺激も必要だろう。
ということで、しばらくは積極的に他人を絡む方向で行くので、もし声をかけられたら優しく対応してあげてほしい。
さて、まったく関係ない話はここら辺にしておいて、2020年6月に見つけた面白い本たちを紹介しよう。存分に愛でてほしい。
では行ってみよう。
殺し屋、やってます
やっぱり石持浅海は上手い!
一人につき650万で殺人を請け負う殺し屋。冷酷非情できっちり仕事をこなす彼だが、標的の奇妙な行動についつい推理を働かせてしまう…。
殺し屋が探偵役になった連作短編集なのだが、設定を活かして尻上がり的に面白くなってくる。これがまた上手い。
派手などんでん返しがあるわけではないけれど、ミステリー作家の技を存分に味わえる一品である。
君と一緒に生きよう
私の大好きすぎる作家 森絵都による、捨て犬ノンフィクション。
日本では900万近い犬が飼われている。その一方で毎年1万頭近く殺処分されている現実がある。
無責任な飼い主やブリーダーに見捨てられた犬たちは、自分で運命を選ぶことができない。病気で死ぬか、殺処分されるかだ。
そんな犬たちのため保護活動を行なう、ボランティアがいる。私財と時間を投じ、命を繋ぎ止めるために日々奔走している。
ペットは簡単に飼える。そして簡単に捨てられる。
人と犬の物語を通して、命について、ペットというものについて、じっくり考えさせられる作品である。
君たちに明日はない
架空の業者「リストラ専門会社」の仕事を通して、様々な人間ドラマを描いたエンタメ作品。
ハードな内容が多い垣根涼介だけど、今回は普通の勤め人が主役で、話のスケールも非常に小さい。だけどそこは奥さん、さすがの垣根涼介ですよ。抜群のリーダビリティでぐいぐい読ませますから。
リストラをテーマに扱っているので、暗くて重い作品かと思っていたけれど、中身はむしろカラッとして爽やかなぐらい。
なんか、人っていいなって思いました。
たいようのおなら
私が最近のツイートネタにしまくってる、珠玉の詩集である。
なんと作者は子供たち。別に天才児を集めたわけではなく、一般人の子供たちである。いや、それは正確ではないかもしれない。きっと子供はすべからく天才なのである。
この本では彼ら彼女らの口から飛び出した、奇跡的までに輝きを放つ言葉たちを丹念に集めてくれている。
それは名コピーライターの仕事であり、ときに鋭い風刺家であり、または才能あふれる歌人の詩である。
自分にもこんな時代があったのが信じられない。成長で失うこともたくさんあるってことのようで…。
雪冤
いいパンチ持ってるよ、これ。
15年前の事件により、死刑を宣告された息子の冤罪を信じ、ひとり活動を続ける主人公。周囲からの冷たい視線の中と、死刑までの見えない時間。じりじりと焦燥感に駆られる中、真犯人を名乗る人物から電話が。その内容は「自首をしてやるから、代わりに5000万を用意しろ」という前代未聞のもの。
冤罪と死刑。そして犯罪被害者など、多くの問題についてゴリゴリと迫った、骨太のミステリー作品である。これは満足感高し。
以上。