どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。
毎月恒例の月イチまとめ記事である。
最近気がついてしまったことがある。
好きな作家がある程度固まってくると、新刊を追うだけで読書の時間がすべて奪われてしまうことを。
時間は有限である。減らすことはできても、増やすことはできない。まあ強いて言えば、睡眠時間を削るぐらいだろう。
となると、あとはどうやって割り振るかを考えるだけだ。
これがなかなか難しい。
推し作家を追い続ければ、それはそれで幸せだろうが、新しい作家を知ることができなくなる。でも、推し作家の新作を読めなくなるのも辛い。うーん、悩ましい限りである。
こうやって考えると、他人のレビューがどれだけ大事かがよく分かる。
先に人身御供になってくれた方々の血の通った感想。それは本を一冊読む時間と比べたら桁違いに少ない時間で、作品の評価を教えてくれる。もちろん人によって持つ感想は様々で全部が全部参考になるとは限らない。でもある程度のふるいになってくれる。
だから私の率先して身を捧げよう。色んな作品に手を出し続け、皆さんが面白い本を探す一助になろう。
では、2020年5月に見つけた面白い本たちである。存分に愛でてほしい。
行ってみよう。
知らないと恥をかく世界の大問題
無知の味方、それが池上彰。
私もそろそろいい大人なので、それなりの教養を身に着けたいと思い手にとった本書。世界情勢とかめちゃめちゃ苦手だったけど、そこはさすがゴラム…じゃなかった池上彰。これ以上は無理ってぐらい分かりやすく解説してくれている。
外出自粛中で家にいる時間が増えたので、こうやって普段は手を伸ばさないジャンルを読んでいる。すると予想外な面白さと出会えて嬉しい。
あと職場の無知そうな同類を捕まえて、この本で読んだ知識を披露するのが好きです。
罪の轍
最高! これだよ、これ。こういうのを待ってた。
奥田英朗が犯罪モノに本気を出すと最高の作品できるというのを、またしても証明してしまった。
オリンピックを翌年に控え、エネルギーに満ちた東京を舞台に繰り広げられる犯人と警察の戦い。これがもう渋くて、熱くて…。一応ミステリのジャンルに分類されているけれど、単純にドラマとして楽しんでほしい。キャラクターたちの息遣い、心の動きに同調してる内に、読むのが止められなくなるから。
久々に寝られなくなるぐらいの作品に出会えた。
ラストの方は、面白すぎて、でも読み終えるのがもったいなくてで、苦しめられました。
自分では気づかない、ココロの盲点
私がツイートとかおしゃべりのネタに使いまくっている本。恥ずかしいからあんまり紹介したくないんだけど、仕方ない。面白い本は広く世に知られるべきである。
最先端の脳科学の知見を、問題形式にしてまとめてくれているのだが、凄いのはその量。思わず「凄え…」と呟いてしまうような話が、次から次へと繰り出される。
私たちの思考が、普段どれだけのバイアスに阻まれているかを、よく理解できることだろう。
月と蟹
色んな意味で容赦ない直木賞受賞作。
ミステリーなどのエンタメ性の高い作風を得意とする道尾秀介だが、今作はかなり文学に寄った仕上がりになっている。なにせ昏い。内省的でグロテスクで、深い所へ潜り込んでいくような苦しさがある。
舞台は鎌倉。波打ち際で暮らす小学生たちのドラマが、切なく、淡く、でも残酷なぐらい鋭く描かれている。
比喩表現や、空気感を演出する言葉が多用されているので、ぐっと集中して作品に入り込むように読むのがオススメの作品である。きっと存分に苦しめられるはずだ。
天気の悪い日。暗い部屋でダウナーな気分に浸るのが最高の楽しみ方だと思う。
以上。参考にされたし。