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【月イチまとめ】2020年2月に見つけた面白い本

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どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

毎月恒例の月イチまとめ記事である。

 

先日、大好きな作家さんのエッセイを読んでいたら、最高に素敵すぎるエピソードが載っていたので、要約して紹介したい。

 

その方が子供の頃、大好きなファンタジー作品があった。主人公の少年が小人と出会う物語である。

小人たちはフキの根本で生活していることになっていて、小人の存在を信じ込んでいたその作家さんは、学校の行き帰りなどにフキを見つけては根本をかき分けて、小人がどこかにいないか探していたそうだ。

しかし成長するにつれ、小人の存在は自分の中で次第に薄れ、たまに「今もどこかで見てくれているかも」と思い出す程度になっていった。

さらにときは流れ、就職し、結婚し、3児の母として育児に追われる生活を迎えると、小人の存在は完全に頭の中から消えていた。

 

そんなある日。子供を連れて公園に行ったときのこと。

はしゃぐ子供たちをベンチに座って見ていると、ふと公園の隣にフキ畑が広がっていることに気がついた。瞬間、脳裏に浮かぶ小人たちの姿。

ほんの遊び心だった。空想を描く小説家とはいえ、小人が現実に存在しないことなんて分かっている。でも、なんとなく、期待とも言えないほどの期待を抱いて、フキ畑をかき分けてみた。

 

すると、いたのだ。

 

誰がって?

彼女の小2になる息子である。

 

彼女の息子が、夢中でフキの根本を探っていたのだ。

どうやら彼女が知らない間に、小人の物語を読んでいたようで、公園の遊具もそっちのけで、小人を探していたのだ。

 

確かに小人はいた。彼女の息子の中に。

 

 

という話である。うん、自分で書いてて泣きそうになるぐらい素敵である。

物語というものの素晴らしさが凝縮されたようなエピソードだ。

人の想像力は誰かを幸せにするものであってほしい。誰かを楽しませるものであってほしい。

小説を愛する私は心の底からそう思う。こんな優しい嘘であふれてほしいと願う。

 

 

ということで、先月に見つけた面白本まとめなのだが、残念ながら小説は一冊もない。だったらこのエピソードをなぜ紹介したのか、という話なのだが、そんなことを知ったことではない。素敵なエピソードだったから伝えずにはいられなかったのである。

 

では行ってみよう。

 

この写真がすごい2

 

ノンジャンル。ルール無用。ただただ「すごい写真」を集めた写真集である。 

こんなに単純明快な本があっていいのだろうか。ずっとこういう写真集を求めたいたように思う。

実際に中を見ると本当になんでもありな内容で、虫のアップだったり、全裸で走る大量の男女だったり、車椅子に座る赤ちゃんなど、まさに「すごい」写真だらけである。面白すぎてあっという間に読み終えてしまった。

なぜ人は面白いと感じるのか。面白いものって一体何なのか。なんていう小難しいことは一切考えられないほど、ひたすらに「すごさ」に打ちのめされる。

ちなみに、タイトルに「2」と付いているけれど、1は存在しない。でも「2008」はある。ぜひとも毎年発刊してもらいたい。これは大当たり。出会えて良かった。

 

この国の不寛容の果てに

 

自らの正義のために、19人の障害者を殺した男をめぐる、6つの対話集。

戦後最悪とも言える単独犯による大量殺人事件。それが相模原事件である。

犯行を行なった植松聖被告は「経済的に余裕のないこの国で、重度障害者を養うことは許されない」と語った。

許されない事件であり、また二度と起こってはいけない事件である。

しかし一番恐ろしいのは、この事件が一部では「よくやった」と支持されていたり、「そう考える人がいてもおかしくない」という空気が日本を包んでいることだ。

 

色んな人が不安を抱えていると思う。だけどこの本を読めば、多くの希望に気付けるはずだ。

絶望するのは早い。この国は優しさと強さで溢れているから。

 

 

面白いとは何か? 面白く生きるには?

 

ベストセラー作家である森博嗣が「面白さ」の本質と、生み出し方について考察した本。あいかわらずキレキレの思考に惚れ惚れする。

もう読む前から分かることだと思うが、「面白さ」というのは、なにか方程式に当てはめれば生み出せるようなものではない。むしろ方程式にはまっている時点で、つまらないものになり始めている。

ただ「面白さ」を観察してみれば、そこにはある程度の“条件”を見つけることができる。

もちろん簡単ではない。しかし誰にだって面白さは生み出せるのだ。

 

森博嗣は言う。

「実物の、建築も都市も、ピラミッドも万里の長城も、すべて「夢」や「希望」でできているのではなく、人間の「計画」と「作業」で実現したものだ。」 

至言である。

 

 

「社会を変える」を仕事にする

 

在学中にITベンチャーの経営者だった著者。世の中がITバブルに騒いでる中、ふと湧き出した疑問。「自分が本当やりたいことは、金儲けなのか?」

自分の心を対話するうちに見つけたのは、「日本をもっとよくしたい」「誰かの役に立ちたい」という純粋すぎる欲求だった。

エロDVDも借りれば、人間的に立派でもない。そんな自分でも誰かのためになる仕事をしてもいいはずだ! 

稼げる(自立できる)NPO法人を立ち上げた著者の、笑いと涙の奮闘記。

 

 

以上。参考にされたし。