どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。
今年も書いたぞ。
日々読書に明け暮れる私の努力の結晶。生命の絞りカス。1年掛けて見つけてきた面白い本のまとめである。
正直こんな記事、誰かに書いてほしい。これくらい高品質で、雑多なやつ。品のいいドンキみたいな記事。
面白い本を見つけるのはあまりにも大変である。なにせ実際に読まないと面白さは分からないし、最後まで読まないと本当につまらない本なのか判断できないことも多い。人生を捧げて見つけるしかないのである。これが本当の命を削るってやつだ。
しかしながら、私が本当に面白いと感じられる本というのは、当然だけど私しか分からないし、私は私が見つけた本しか読む気にならないのである。
大体にして世に出回っている本のおすすめ記事は、どれもこれもヌルすぎるし、上品すぎるしで、おすすめしている人の熱量が全然伝わってこない。熱狂しててほしい。猛り狂ってほしい。その方が読みがいがある。
まあ、私がそんな記事を見たら気持ち悪くてすぐにブラウザバックするけど。
ということで、そんな気持ち悪い記事がこちらである。
この世界に数え切れないほどある本の中から見つけ出してきた傑作たちをご紹介しよう。
私と同様に、あなたもこの作品たちを愛でていただけると、こんなに嬉しいことはない。
では行ってみよう。
小説
まずは私が一番得意とするジャンルから紹介しよう。2019年も素晴らしい創作物たちと出会えて嬉しい限りだ。
素晴らしい小説に出会うと、まずのめり込み、読み終えたあとに放心する。その後、落ち着いてきた頃に作者への感謝と畏敬の念が湧いてくる。「よくぞ、こんなものを生み出しやがってくれた」と。
私も拙いながらも小説を書いている人間なので、創作する苦労は存分に分かっている。
その上で、作家の皆様方の発想力と、その発想を文章としてこの世に実体化させた手腕に感動を禁じえない。
人外レベルの頭脳から生み出された、至高の創作物たちをご堪能あれ。
竜が最後に帰る場所
・恒川光太郎の面白さを伝える語彙は、まだ世界に存在しない。そんな不思議な短編集
・「読者をここではないどこかへ連れて行く鬼才」という触れ込みの通り、気が付けば(気が付かないうちに)作品世界へと没入しちゃう。
・浮遊感とか酩酊感に近い読み味。言葉にするのが難しいけれど、個人的に一番しっくりくるのは「脳みその裏側に入り込む感じ」。うん、伝わらないね。
そして、バトンは渡された
・「血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった少女」というちょっとトリッキーな設定
・なのに、超ステキな作品でした。おっさん感動しました。こんなん泣くわ。
・こんなトリッキーな設定で感動を鮮やかに作り出してしまう瀬尾まいこは超偉い。
・死ぬほど地味な装丁なのに本屋大賞を受賞しやがったガチの作品
ヒートアイランド
・ヤクザから金を騙し取ろうとする若者たちの、ヒリヒリしっぱなしの物語
・叫び出したいほど面白い
・練られまくった予測不可能なプロットに、スピード感溢れる文体、爽やかな結末。非の打ち所がなさすぎて笑える。
獣の奏者
・日本が誇る最強ファンタジー。ハリー・ポッターとか言ってる場合じゃない。
・睡眠時間削って読み込むレベル。
・ジャンル的には児童作品だけど、普通に大人が読んで楽しむ作品。
漂流街
・ダークな世界観に、息苦しくなるほど浸かれる一冊。
・馳ノワールが絶頂を迎えていたときの作品で、読者をのめり込ませる力が半端じゃない。
・繰り出される暴力、狂気、金とドラッグ、そして入り組みまくったキャクターたちの思惑。愛憎劇をドロドロとか表現するけれど、それを上回って「どろんどろん」と表現するのが相応しい。
羊と鋼の森
・静かなのに、めっちゃ胸アツな作品。すごい。
・派手だったり過激な描写があるわけでもないのに、鳥肌が立つような瞬間が何度も出てくる。
・表現力がカンストしてるので、音楽を実際に聴くよりも音楽に感動できるという、超稀有な体験をできる。
まほろ駅前多田便利軒
・直木賞受賞作なのに面白い。
・コミカルさが全面に出ているけれど、裏に深い物語が隠れていて、面白さと重みをいいバランスで持っている。
・重くなりがちなテーマを、短編の手軽さで補うことで読みやすくしているあたりも、上手い。
真夜中のマーチ
・奥田英朗が完全にゾーンに入っていた時期の作品。
・「てんでバラバラの3人が協力して10億を騙し取る」という絶対に面白そうな予感しかしないあらすじだが、実際に面白いから凄い。
・テンポよく次々と巻き起こる展開にハラハラし、間の抜けたキャラにはニヤニヤ。最後まで楽しめる文句なしのエンタメ小説。
痣
・睡眠時間を削ってくるぐらい面白いやつ。
・「殺された奥さんと同じ痣を持つ死体が出てくる」っていう、絶対に面白いじゃんって確信しちゃうやつ
・全然有名な作品じゃないけれど、強烈なストーリーテリングでごりごり読ませるやつ。
東京物語
・一人の青年の成長記録。まとめるとただそれだけ。でもそれが超面白い。
・若い頃の悲喜こもごもを、コミカルとシニカルでコーティングした、妙に感じ入ったり、妙に余韻を残す作品。
・奥田英朗の小説巧者っぷりを存分に味わえる。やっぱすげーよ、この人。
いつか、虹の向こうへ
・抜群の筆力とリーダビリティ。これさえあればいいっていうのが揃ってる。
・でも、どこかオフビートな所があって、凄惨なのに笑えたり、ふっと吹き出してしまう瞬間がある。
・デビュー作とは思えないほどの迫力と面白さで、一気に読ませる。鉄板系。
ボダ子
・不快小説。わざわざ読む必要がないレベルで不快。でも言いしれない魅力がある。
・「これは他の作品では味わえない」と思わされる。
・人を選ぶ作品なのは間違いない。でもだからこそ、刺さる人にはぐっさりいくはず。
Blue
・一家の惨殺事件をベースに、平成という時代を見事に描写しきった秀作。
・綿密な取材に裏打ちされた設定と、リアリティがすぎる人物描写。そして鮮やかに切り取られる時代の空気感。
・結構重めの話なのに、上手いからゴリゴリ読めてしまう。
信長の原理
・有名な“パレートの法則”を使って、信長がなぜ謀殺されたかに迫った時代小説。
・今まで結構な数の歴史小説を読んできたけれど、この『信長の原理』でやっと楽しみ方が分かった気がする。
モンスター
・Amazonのレビューで色々言われてるけど、普通に面白い。
・整形をテーマにしたドロドロ小説。
・見た目問題をエンタメとして昇華するために、かなり過剰な演出が盛り込まれているけれど、面白ければなんでもいいのさ。
お前の罪を自白しろ
・超有名代議士の孫が誘拐。犯人の要求はただひとつ。「記者会見でお前の罪を自白しろ」。なにこれ、絶対に面白いでしょ。
・心理戦の量が圧倒的。ちょっと他の作品では思いつかないレベルの量。
・官邸の中であらゆる権謀術数が繰り広げられるんだけど、これがエグい。読みながら胃が重くなってくるぐらい。
三体
・中国全土で2100万部以上を売り上げたモンスター小説。
・そんなに読みやすい作品ではないということ。ハードなSFなので、物理とか数学とかが苦手な人にはほぼ無理。
・読みながら脳みそが疲労してくる。でもそれだけ読み応えがあるということ。
幕が上がる
どストレートにいい小説。でも他では見られない裏切りが用意してある。・
・ももクロ主演で映画化もされている。ちょっと観てみたけど、本作の魅力は毛ほども伝えていなかった。完全に別作品。
・青春ものの良さが全部入っているんだけど、ありきたりな展開は一切排除されているのが凄い。
ノースライト
・超傑作『64』から6年ぶりの、横山秀夫の新作。
・濃度の高い文章に巧みな心理描写と、入り組みまくったミステリー。人間ドラマと謎を両立させたら、現役作家ではピカイチ。
・最後に用意された“あれ”については…まあ、読んでからのお楽しみということで。
デブを捨てに
・たぶん、日本で出版された小説の中でも一番最低なタイトル。
・中身もかなり最低で、作品のどこを切り取っても最低して出てこないという、逆ディズニーランドみたいな作品である。うん、最高。
・「どんなつもりでこんな作品書いたんだよ?」と平山夢明の人間性に思いを馳せること間違いなし。どうしようもない短編集である。
ノンフィクション・エッセイ
続いては、年齢を重ねるごとに面白さを増してきているノンフィクション&エッセイである。読書にハマりだした頃は小説オンリーだったが、社会人になって色々経験を積んでからというもの、他人から世界がどうやって見えているのか、とか、自分の知らない世界への関心が強くなっている。
一般的には歳を取ると興味の幅が狭くなっていくらしいけれど、自分の場合は完全に逆。目移りする速度が早くなりすぎてちょっと焦るくらいである。
ノンフィクションやエッセイを読むと、世界が広がる感覚があって、それがとても楽しい。もちろん元から世界は広くて、単に私の見識が狭かっただけの話である。でも結局人は、自分の意識している世界の中だけでしか生きられない。世界を広くするも、狭くするも、その人の意識次第なのである。
月夜のサラサーテ
・個人的に1年で一番楽しみにしていた本。永遠にこのシリーズ出してほしい。
・森博嗣の明晰すぎる頭脳から繰り出される文章は、片手間に書かれているにも関わらず我々一般人にとっては宝物のような輝きを放っている。優秀すぎ。
・「頭を使うとは、こういうことだよ、君たち」とあざ笑うかのような、切れ味バツグンのエッセイ集です。
・読めば分かるけど、これを7時間ぐらいで書き上げちゃうとか、本当にバケモノ。
世にも奇妙なマラソン大会
・誰も行かない(行けない)場所へ行き、その過酷な体験談を面白おかしく書く作家、高野秀行の濃すぎる短編集。
・とにかく笑える。体を張って笑いを取ってるようなもん。
・「真夜中のテンションでなんとなくサハラでフルマラソンに、ワンクリックで参加」とか、「インドで怪魚を探すために、名字を変える」だとか「ブルガリアのオジサンに誘惑される」とか、平和に暮らす我々には想像がつかない世界を体感させてもらえる。
死体は語る
・「死体がこわいとか、気持ち悪いという感覚は、医学を志したときからすでに持ち合わせていなかったような気がする」こんな感じで、独特な低体温な文章で綴られる、検死官による超本物の死体エッセイ。
・職業に貴賎なしとは言うし、そうであるべきだとは思うが、それでもやはり自分には到底出来ない仕事をされている方には、尊敬の念を抱かずにはいられない。
・死を常に見続けてきたからこそ、その言葉には生が宿り、美しさを湛えていて、不思議な感動を覚える。
・読みつがれるべき名作。
A3
・異端の映画監督にして作家 森達也による、「麻原彰晃とは何者だったのか」を綿密な取材によって描ききった作品。
・スキャンダルやエンタメを求めた取材ではなくて、真摯に、世紀の極悪人はいかにして生まれたのか、なぜあんな凶行に及んだのか、どうやって狂っていったのか、を追い求めている。
・しかし調べれば調べるほど見えてくるのは、麻原の異常性ではなく、歪んだメディアと司法の姿。そして、まどろっこしい真実よりも、分かりやすい断罪を求める群衆の姿。
ちなみに、少しでも真実を伝えたい森達也の意思によって、noteにて無料公開されている。
なにものにもこだわらない
・1日1時間以下の仕事量にもかかわらず毎月のように作品を上梓し、さらにはいつまでも売れまくっているという怪物作家、森博嗣による人生論。
・人生の色んな呪縛から逃れるための方法を、森博嗣の超絶頭脳からおすそ分け。
・読むと我々が簡単に使う「自由」というものについて、認識が改まるはず。
空が青いから白を選んだのです
・この本は若くして犯罪を犯してしまった受刑者たちを更生するプログラムの一環として行なわれた、詩を作る授業で紡がれた珠玉の作品を編纂したものである。
・こんな素晴らしい言葉を持っていた彼らが、なぜ犯罪に手を染めてしまったのか。深く考えさせられる。
・一年間で一番衝撃を受けた作品かも。多くの人に読んでもらいたい。
最後の秘境東京藝大 天才たちのカオスな日常
・天才と奇人の巣窟、東京芸大の中に潜入したルポ。笑えたし、驚いたりで、予想してたより倍は面白かった。
・藝大に通ってる人は、芸術を愛してるというよりも、芸術に取り憑かれてるとか、他にできることがないっていう、けっこうネガティブな感じでどうしようもなくて、愛しがいがある。
・こんなに理解できない青春は、そうそうお目にかかれない。
小惑星探査機 はやぶさの大冒険
・世界に先駆けて日本の宇宙事業が成し得た偉業、小惑星探査について、超分かりやすく、また面白くまとめた本。超文系で低学歴の自分でも楽しめた。ありがとうございます。
・宇宙技術者たちの用意周到さとか、現代科学の凄まじさとか、頭いい人って本当に頭いい。←頭の悪い発言
・超天才科学者たちが、探査機はやぶさを擬人化して「頑張れ!」とか声をかけている姿がなんとも不思議で、胸アツ。
人生の結論
・日本で一番尊敬できるおじいちゃんこと小池一夫による、人生の極意。
・彼の言葉の魅力は「端的」「急所を突く」「驚きがある」の3つにある。人に伝わりやすく、多くの人の琴線に触れる。
・人生について考えたい人、疲れてしまった人、苦しい人などなど、多くの人に肩を貸してくれるような本。
顔ニモマケズ
・見た目、特に顔に障害を持った人に、どうやって障害と向き合っているかを訪ねた、珠玉のインタビュー集。
・間違いなくベストセラー作家水野敬也の最高傑作。これは泣くよ。
・人が大きな困難を乗り越える姿っていうのは、偉業を達成するのと同じくらい感動sるんだって実感した。この本に出会えて良かった。
世にも美しき数学者たちの日常
・「数学を愛する人」をテーマに、学者から塾講師、中学生、果ては芸人まで話を聞いたインタビュー集。
・小難しい数学の話は置いていて、とりあえず数学を愛する人、数学の最前線にいる人はどんな人物なのか。数学を愛する人たちのコミュニティというものがどうなっているのかを知れる。前作の『最後の秘境東京藝大』もそうだったけど、知らない世界ってこんなにも面白い!
・簡単に言えば数学変態図鑑。面白くないはずがない。
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『カブール・ノート 戦争しか知らない子どもたち』
・国連職員として現地で働いていた著者による、9.11テロを起こしたアフガニスタン側から描かれた、世界の真実。
・大きく価値観を揺さぶられた。一体今まで何を見てきたのかと思った。
・9.11のテロを支持するつもりは一切ないけれど、それぞれに正義があったことがよく分かる。つくづく世界は、複雑で、簡単には割り切れないことを思い知った。
ちなみに書籍は廃版になっているので、note版を強くオススメする。しかも増補されてるし。
↓
自分の運命に楯を突け
・日本が世界に誇る芸術家、岡本太郎の熱くて、意外と論理的な言葉を集めた本。
・言葉のひとつひとつに魂が込められいているようで、読みながら体がうずうずしてくるぐらい。これで感化されない人っているのだろうか。
・パワーが欲しい人にオススメしたい、栄養ドリンクみたいな本である。
アート
文章フェチの私だが、文章だけが本ではない。アートを扱った本の世の中にはたくさんある。
文章には文章の良さがあり、ビジュアルにはビジュアルの良さがある。それぞれで得られる興奮や快感は違うのである。
特に最近の私は、完全に原田マハの影響でアートに興味津々である。全然分からないからこそ、少しでも理解できたり面白いものを見つけられると、たまらなく嬉しい。
新しい分野に開拓するのはいつだって刺激的なのである。
ということで、アートに関してはズブの素人である私が見つけた、アートに関する面白い本(作品)たちである。圧倒的ビジュアルにヤラれるがいい。
池田学 the Pen
・芸術素人にも分かりやすい凄さを持った作品。
・1日でたったの10cm四方しか描けないと言われる、超緻密画集。なんせ、ひとつの作品を3年とか描き続けてるんだから、クレイジーもクレイジー。
・これを見たら、絶対に本物に会いに行きたくなる。
錯視芸術図鑑
・古今東西の錯視を、お腹いっぱいになるまで楽しめる作品集。最新のものも収録されているので、新鮮な驚きも味わえる。
・見ているだけで楽しいっていう、脳みそを空っぽにできるのがいい。
・不思議なものを見る機会って、年をとるごとになくなっていくから、こういうのを読むのは大事だと思う。子供心を忘れちゃいかんよ。
黒板アート甲子園作品集 高校生たちの消えない想い
・黒板を使って自由に描いた絵を競うという珍しいコンテストの作品集。
・表紙を見て分かるとおり、とにかくレベルが凄まじい。当然コンテストなので、玉石混交であり中には「あちゃー」みたいなものもなくはないが、それでも基本的には「これが黒板?!」と驚いてしまうような作品ばかり。
・野球の甲子園の方にはとんと興味がないけれど、こんな甲子園ならずっと見ていられる。
サイレンと犀
・このブログで初の短歌集の紹介。これがまた凄い。超新時代。凄すぎて読みながら思わず声が出るほど。
・自分が言葉フェチだから余計にかもしれないけど、発想力に感動しちゃって鳥肌が止まらない。
・魅力を少しでも伝えるために、あまりネタバレはしたくないけど、三首だけ紹介
“道ばたで死を待ちながら本物の風に初めて出会う扇風機”
“救いの手めいたUFOキャッチャーのアームに首をただ撫でられる”
“もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい”
ビジネス・知識
このジャンルを統括する言葉を未だに見つけることができないので、こんな感じにしてみた。とりあえず、知識欲を満たすことに特化しているであろう作品をまとめている。
世にいうビジネス本と呼ばれるものも多数入っているが、「げっ、こいつ〇〇の信者かよ!」とか思わないでほしい。普通に興味があったから読んだだけだ。つまみ食いしただけで「付き合ってる」とか言われてもキツイ。いや、本当のことを言えば、別になんもキツくないのだが、私の感想が偏ってると思われるのが嫌なだけだ。と書いたものの、最初っから私の意見は偏っているし、公平性の欠片も持ち合わせていないことを思い出した。
ということで、私の興味が赴くままに手に取っているので、ジャンルがばらんばらんである。それも含めて楽しんでいただけると嬉しい。私ではなくあなたが、である。
しょぼい起業で生きていく
・えらいてんちょうの賢さに唸るデビュー作。できるだけリスクを抑えて起業する方法論について分かりやすくまとめられている。
・起業だけじゃなくて、副業などにも応用できる。実際このブログにもそのメソッドを取り入れている。
・バリバリ働くのが苦手な人向けの戦略本です。
ネコノミクス宣言
・本物のヤクザ、それも世界で仕事をしていた経済ヤクザであった猫組長による、“教科書には絶対に載らない経済の話”。
・面白いのは間違いないんだけど、裏社会の闇がひどすぎて、ちょっとトラウマ気味です…。
・専門用語がポンポン出てくるので、分からないと置いてけぼりにされる所もあれば、ヤクザの面白エピソードもありと、色んな楽しみ方ができる本である。
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密
・経済記者として20年以上のキャリアがある作者による、お金や経済の核心をシンプルに教えてくれる本。
・お金に関する本はけっこう読んできたけど、これはかなり分かりやすい。
・もともと自分の娘に読ませるために書かれたもので、だからなのか愛に溢れた温かい印象を受ける。ストーリー仕立てになっているのも◎。
・本書の最初に載っている問題を紹介
→
お金を手に入れる方法は6つある。
「かせぐ」「ぬすむ」「もらう」「かりる」「ふやす」
この他にもうひとつあるのだが、あなたには分かるだろうか?
言ってはいけない
・「黒人のIQは低い」とか「知能の高い人間が知能の低い人間から搾取してる」とか「心拍数で犯罪者になりやすいかどうか分かる」とか、「言ってはいけない」ことがずらずら書いてあるひどい本。
・だからといってただのヘイト本なのではなく、データや研究結果などのエビデンスに基づいている。だから余計にタチが悪いんだけど…。
・知識欲がグリグリ刺激される。さすが橘先生。大衆の欲しがるポイントをよくご存知で。
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このままだと日本に未来はないよね
・2ちゃんねるの創始者西村ひろゆきが、これからの日本が迎える絶望について、こちらが嫌になるぐらい次々と提示して、絶望感でボッコボコにしてくる本。
・情報をまとめたというよりは、ひろゆきの観察力と分析力による考察。雑談を読んでいるような感じ。
・「とは言ってもまだ日本は大丈夫でしょ」とか寝ぼけたことを考えている人は、サクッと読んで、サクッと絶望してもらいたい。
ブランド人になれ
・スーパーサラリーマン田端信太郎による、仕事やSNSで輝くための考え方をまとめた本。文字がでかすぎてビビる。1ページに10文字ぐらいがデカデカと書いてあったりする。うーん、NewsPicksクオリティ。←褒めてます
・年収は桁違いだけど、言ってもサラリーマンの田端氏なので、語る言葉は共感しやすく腹落ちしやすい。
・さすが数々の大企業で役職を任されてきただけあって、人を動かす言葉を持っている。ツイッターで炎上しやすいもの、それだけ人心を捉える力があればこそ。
これだけ読みやすいのに、マンガ版も存在する衝撃。文字離れって進んでるんだなぁ。
論理的思考力を鍛える33の思考実験
・サンデル教授によって爆発的に有名になった「トロッコ問題」を始め、ひたすら思考実験を紹介してくれる本。こういうのめっちゃ好き。
・厳選された思考実験の数々で、自分の価値観を疑ったり、私たちの脳みそがどれだけ適当の仕事をしているか思い知ることになる。
・読んだら絶対に誰かに話したくなるはず。
うまくいってる人の考え方
・自尊心を高めるための考え方をまとめた本。
・これで人生が上手くいくかどうかは分からないけれど、読んでいるととても気分が良くなってくることは間違いない。
・やる気が足りないときや、気分が落ち込んでいるときに開くと、とても役に立つ。人生の味方になってくれる作品である。
女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと
・あけすけで下品だけど、含蓄深くて、思わず腹落ちする。そんな言葉で綴られた本。
・ときには下品がすぎるので、人によっては拒否反応を示すかもしれない。だけど、根底にあるのは困っている人や苦しんでいる人への愛情です。
・タイトルに書かれていることについては、本書のうち本の数ページしか割かれておらず、若干肩透かしを食った感は否めないが、そこはサイバラ。豊富な人生経験から得た超濃厚な知見を、惜しげもなく披露してくれています。
臆病者のための億万長者入門
・分かりやすくて、かゆいところに手が届く。お金のことについて学びたい人にとっては、最高の本。
・株式における“現時点で最強の投資法”が紹介されている。調べてみると、有識者も参考にしてるっぽい。私がバカなので、賢く評価できないのが悔やまれる。
・信じる信じないは別としても、お金に関する基礎知識を蓄えるためにも、ぜひとも読んでもらいたい一冊である。
ピクサー流 創造するちから
・PIXARの歴史と制作の裏側を、創業者にして現社長のエド・キャットムルが赤裸々に語っている。
・PIXERについて、私は勝手に「超優秀な頭脳集団がニコニコしながら制作している」というようなイメージを持っていたのだが、実態はやはりそんな簡単なもんではなくて、超優秀な頭脳集団というのは確かだけれど、死ぬほど苦労しながら制作していた。
・読めばPIXARのことがもっと好きになるはず。
誰もが嘘をついている
・みんな大好きビッグデータの話から、Google検索から見える人間の本当の姿を暴き出した、痛快な本。
・面白&興味深いデータがぞろぞろ出てくるので、ここでは紹介しきれないのだが、一番好きなエピソードは…「男は彼女をイかせる方法と同じくらい、自分で“アレ”を咥える方法を検索している」。
・こんな感じで、笑えるものもあれば、驚きの真実まで、知的好奇心がぐりぐり刺激されること請け合いです。大当たりでした。
LIFE〈ライフ〉人間が知らない生き方
・生物学偏差値105という変態的記録を叩き出した天才篠原かをり氏と、『今際の国のアリス』の麻生羽呂氏がタッグを組んだ、今までに例のないビジネス書。
・最新ビジネス書を追うよりも、長い年月をかけた進化の集大成である動物たちの“生き方”を見れば、もっとも賢い知恵を得られるという趣旨らしい。うーん、発想がとっても変態的。
・各動物の紹介として、漫画が数ページと文章での解説が交互に綴られており、普段本を読まない人でも読みやすい内容となっている。
スタンフォードのストレスを力に変える教科書
・人類最大の敵だと思っていたストレス。それを味方にする方法について、スタンフォード大学で教鞭を執る美人教授が、分かりやすく教えてくれる本。
・前作の『スタンフォードの自分を変える教室 』 も役に立ちすぎだったけれど、今作も凄い。「ストレスは悪いもの」という固定観念をぶっ壊してくれる。
・新しい知識によって古い思い込みを破壊する。これこそが学びである。
『脳には妙なクセがある』
・脳についての興味深い研究結果を、我々一般人にも分かりやすく、また興味を持ちやすいトピックを厳選してお届けてくれる最高の本。
・誰にでも備わっている脳みその凄さ、はたまたポンコツさ、知れば知るほど脳の面白さにやられること請け合い。
・こちらも読んだら絶対に誰かに話したくなる、そんな類の本である。知識欲がビリビリと刺激されるのを存分に味わってほしい。
終わりに
2019年も読書に明け暮れた1年だった。一時期、ディスカバリーチャンネルの『ベーリング海の一攫千金』に浮気したこともあったけど、やっぱり私の本妻は面白い本たちである。(本に限っては、一夫多妻制を採用しています)
他のコンテンツに浮気をしたところで、結局は戻ってきてしまうのだ。
実は心のどこかで待っている部分もある。読書よりも私を夢中にしてくれるものを。だがこれがなかなかない。困ったもんである。世界は思ったよりも狭い。というか、狭い所で満足できてしまう私が小さいだけの可能性もある。少なくとも可能性の話だ。
今回長々と紹介してきた本たちは、あくまでも私のツボにはまっただけであり、この記事を読んでいるあなたが同じように悶絶できるかどうかはまったくの未知数である。もしかしたら私が大絶賛している作品でも「なんじゃこのゴミは!」と投げ捨てられる可能性だってあるのだ。そう、可能性の話である。
というように可能性の話を繰り返す私は、この世に溢れかえっている本たちの中で、たまたま「私が面白いと思える本」に出会えた可能性に思いを馳せる…ような悠長な時間はまったくなくて、次から次へと本妻たちをとっかえひっかえする毎日である。一夫多妻制は思ったよりも大変だ。
これからも私は自分の性癖を刺激してくれる本を探し続ける。そして見つけた作品をこうやってネットの片隅で紹介し続けたい。
もし私の気にいった本が、身も知らずのあなたにとっても面白い本だったとしたら、その可能性はとても奇跡に近いものだと、これは確かに言えるのである。そう、言うだけなら簡単である。
以上。