世間様はどうやら他人の間違いを指摘するのが大好きなようである。
それが故意だろうが過失だろうが関係ない。
行動を晒し上げ、「これは間違っている。歴史的にも世界的にも~」というご高説を披露される一方、本人がどういう思惑でやったことなのか、ということまで考えを回すことはできない。本当に見識が狭いのは一体どちらなのだろうか。
ファッション世直し
ネットニュースで散々騒がれていた「ガキ使の黒塗り問題」である。
騒いでいる人が世直しのつもりなのかもしれない。だが、その世直しは所詮ファッションやブームのようなものだ。1年後にはまた違う世直しをしているだろう。とにかく目についた“ささいな”悪を叩く。それが世直しなのだろうか。
本人がそう思うのは勝手だが、周りを付き合わせるのは少々下品だと言わざるをえない。
そんなにご立派でしたっけ?
別に黒塗りの件を肯定するつもりはない。もちろん否定するつもりもない。正直どうでもいい。
でもみんなが騒ぐのは気持ち悪いと思う。「皆さんって、そんなに高邁な精神をお持ちな方々でしたっけ?」という気持ち悪さだ。
私の思う大衆は、それこそガキ使の黒塗りメイクで大笑いして無駄な時間を過ごしているイメージなのだが…。
繰り返すが、別にそれが悪いと言っているのではない。そういう傾向がある、という話である。実際、視聴率も良かったそうだし、それが日本の平均なのでは?
それとも私が知らないだけで、普段から皆さん差別について話題にしているのだろうか。騒いでいるのだろうか。それならいいけど。そうでないなら、やはりただのファッションでしかない。過ぎ去ればすぐに忘れる。なのに正義の鉄槌を振りかざしている。それはただの暴力では?
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暇人が騒いでいるだけ
結局そうやってブームに乗っかって世直しに励んでしまう人というのは、暇なのだろう。暇なのはとても良いこと(視野が広くなる)だが、人間性が未熟な人が暇になると余計なことをしだしてしまうから困りものである。小人閑居して不善をなすとも言うし。
目の前にちょうどいい獲物がいて、それを叩くことで自分を正義にする。これって実は結構気持ちいい。だからみんなハマる。勉強も努力もせずに、簡単に偉くなれる。誰かに対してマウントを取ることができる。比べる対象を見つけられる。もちろん見下す対象を。
何かに夢中な人はそんなことには構わない。それこそ自分の人生に関わりのあることにしか興味を示さない。これは余裕がないとも言えるし、脇目もふらずに突き進んでいるとも言える。
全力疾走しているときに差別の話題が出るだろうか?
そういうことだ。
コミュニケーションの本質
そもそも、間違っている人に対して攻撃をしてしまう時点で下品である。
私は職場で100人を超える部下を抱えており、指導や注意することは日常的に行なっている。まあ、要は嫌われ者になる役割である。
日々そうやって他人に指導や指摘をしているとよく分かるのだが、いきなり相手に「間違ってるよ」とか「違う!」とか言っても、相手は聞く耳を持たない。余計な火種を増やすだけである。
どれだけ間違っていたとしても、相手にも言い分があるのが普通だ。そして相手の言い分を聞いたときにだけ、こちらから話をすることが許される。満杯になったコップに水は入らないのだ。どちらか、というのはあり得ない。
これがコミュニケーションだ。
自分の正義を押し付けることはコミュニケーションにはならない。ただの小さい戦争である。
叫ぶ価値があること
それにもっと言えば、攻撃するのだったら、より攻撃するに値する相手がいるのではないだろうか。声高に叫ぶのであれば、もっと直截に誰かのためになることがあるのではないだろうか。
そうしないのは結局、ファンション世直しだからだ。深刻な問題や大きな問題には触れない。お手軽なものに食い付くだけ。全然正義じゃない。叫ばなければならないことはもっと他にあると知っているはずなのに。
本当に正義と呼べるような行動を取るのが恥ずかしいのか。残酷な現実に目を向けるのが怖いのか。巨悪に立ち向かうのを恐れているのか。
世論の力は大きい。だからこそ
私も含めてみんな一般人である。小さな人間である。一人ひとりは大したことなんてできない。
でもみんなが声を揃えれば大きなことができる。大きな流れを生み出すことができる。
それが世論というものだ。非常に大きな力である。強大な力だからこそ、使う人間は賢くあるべきなのだ。チンパンジーに核爆弾のスイッチを渡してはならない。
もう一度言おう。
果たしてその力を使うのは、テレビ番組のいち表現だったり、芸能人の不倫であるべきだろうか。
膨大な力を持つ世論という刃を振るう相手は、そんなくだらないことでいいのだろうか。
少しは疑問を感じてほしい。
で、少しでも自分が恥ずかしい行動をしたと思った方は、罰として募金。
↓
ほら、本当の正義がよりどりみどり。
— 大波コナミ(輩) (@moja_cos) 2018年1月13日
以上。