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【月イチまとめ】2018年7月に見つけた面白い本

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どうも、読書中毒ブロガーのひろたつです。

読書中毒を名乗る私は、寝ているとき以外は常に読書をしている。限られた人生である、余計なことなんぞしている暇はない。私がすることはひたすら文字を読み込むことである。

 

で、それだけ読み漁っている毎日なので、つまらない本もあれば、面白い本もある。

そして、どちらも貴重な発見なので、ぜひとも多くの皆さんと共有したくなる。

 

ということで、今回の記事では2018年7月に読んだ本の中から、特に面白かった5冊と、「これはちょっと…」という1冊を紹介しよう。

 

 

『幻夏』

 

 

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。23年後、刑事となった相馬は、少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。相馬の胸に消えた親友の言葉が蘇る。「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」あの夏、本当は何が起こっていたのか。今、何が起ころうとしているのか。人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?司法の信を問う傑作ミステリ。日本推理作家協会賞候補作。

 

ぶっちぎりで面白いのに、なぜ本屋大賞に引っかからないのだ!

数々の名作ドラマの脚本を手がけてきた著者による、超優秀な社会派ミステリー。

魅力的な謎を提示するミステリーとして展開しながらも、日本司法の闇さえもえぐり出すという、世の小説好きが悶絶しまくるであろう作品。

まだ著作は少ないが、確実に売れる作家である。日本一の読書ブロガーとして断言しておく。

 

 

 

『Aではない君と』

 

 

あの晩、あの電話に出ていたら。同級生の殺人容疑で十四歳の息子・翼が逮捕された。親や弁護士の問いに口を閉ざす翼は事件の直前、父親に電話をかけていた。真相は語られないまま、親子は少年審判の日を迎えるが。少年犯罪に向き合ってきた著者の一つの到達点にして真摯な眼差しが胸を打つ吉川文学新人賞受賞作。

 

 

少年犯罪を扱った小説のスタンダードとなる作品。


デビュー当初から少年犯罪をテーマにした作品を多く上梓してきた薬丸岳だが、これは著作の中でも特に少年犯罪における加害者とその家族、そして被害者遺族について、濃すぎるぐらいに描ききっている。

当然ながら重めのテーマになるが、それだけに読み応えは抜群。色んなことを考えながら読み進めることだろう。

簡単な感想を許してくれない作品である。ご堪能あれ。

 

 

 

『みかづき』

 

 

昭和36年。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に、塾も順調に成長してゆくが、予期せぬ波瀾がふたりを襲い―。山あり谷あり涙あり。昭和~平成の塾業界を舞台に、三世代にわたって奮闘を続ける家族の感動巨編!

 

森絵都、凄まじき。

ひとつの家族を中心に塾の黎明期から現在にいたるまでの教育の姿を、ひとつの家族を通して描ききった快作。

三部構成になっており、非常に分厚い物語なのだが、これがもう森絵都の達者な筆によって読ませること読ませること。塾の話でこんなに楽しめるとは思わなんだ…。

教育とは、人生とは、そしてタイトルに込められた意味とは。2017年本屋大賞で堂々の2位を獲得したのは伊達ではない。

 

 

 

『火星に住むつもりかい?』

 

 

「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。その管理下、住人の監視と密告によって「危険人物」と認められた者は、衆人環視の中で刑に処されてしまう。不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは、全身黒ずくめの「正義の味方」、ただ一人。ディストピアに迸るユーモアとアイロニー。伊坂ワールドの醍醐味が余すところなく詰め込まれたジャンルの枠を超越する傑作!

 

伊坂作品史上、最強の悪役参上。


どの伊坂作品でも言えるのだが、彼の生み出す悪役はいちいち最高に不快である。最近の悪役は「悪いけど魅力的」みたいなのが流行りだが、伊坂の悪役はまあ最低。ちゃんと嫌いになれる。

今まで相当最悪な悪役を伊坂作品では見てきたけど、『火星に住むつもりかい?』に出てくる奴らは今まで一番のクズっぷり。しかも「強い」んだから困る。

伊坂作品屈指のエンタメ性なのにも関わらず、あまり評価されていないのは、きっとみんな悪役に心を折られたからだろう。私は存分に楽しんでやった。

 

 

 

『めったに見られない瞬間!』

 

 

奇想天外! 世界の珍現象――「こんな写真、一生に一度しか撮れない! 」――
ナショナル ジオグラフィック誌カメラマンたちの【お宝写真】を一挙公開!

 

いつも文芸ばかり紹介しているので、たまにはこんな作品も。


天下のナショナルジオグラフィックが厳選した「めったに見られない瞬間」だけを集めた極上の写真集である。

百聞は一見にしかずとはよく言ったもので、写真の迫力に勝てるものはなかなかない。もちろん現物を生で見るのは一番だとは思うけど…。

ページをめくるたびに、驚くし、感動しちゃうし、あまりの美しさに圧倒されるしで、素直に時間を忘れられる一冊。 

 

 

 

今月のダメだった一冊

わざわざつまらなかった本を紹介する必要があるのだろうか。

もしかしたらそんな疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれない。

 

そう、あるのだ。

 

こんなの作者イジメ以外のなにものでもないのだが、私はいち読者として、正直な感想を書き記したいと思う。

私だって本当なら絶賛に次ぐ、絶賛のレビューを書きたい。そうすれば、本が多少なりとも売れて、私の懐も温まる。だが、嘘を書いたところで私の残り少ない信用を使い果たすだけである。であるならば、作者を傷つける可能性はあるが、思い切って暴言を吐こうじゃないか。誰だって自分が一番可愛いのだ。

 

ということで、いらん前置きをずらずら書いた所で、今月のダメだった一冊を紹介する。

 

だだん。

 

『ガンジス川でバタフライ』

 

 

20歳にして、長年夢見ていたひとり旅に出た、てるこ。極端な小心者だからこそ、五感をフルに稼動させて、現地の人とグッと仲良くなっていく。インドでは聖なる河ガンジスを夢中で泳ぎ、ぶつかってしまった人に謝ると、なんと流れてゆく死体だった。ハチャメチャな行動力と瑞々しい感性が大反響を呼んだ、爆笑紀行エッセイ第一弾。

 

かなり前にベストセラーになった作品である。私としては珍しく知人からの紹介で読んだ本なのだが、まあこれが大ハズレ。

どうにも著者の言動が痛々しく感じてしまい、読み進めるのが苦痛になってしまった。

でも読みながら「きっと、これが面白いと思う人はいっぱいいるんだろうなぁ…」という感覚はあった。フォローしておきたいのだが、完全にこれは私の好みと合わなかっただけである。こんなに前に発表された作品にも関わらず、未だに読まれてしかも評価を得ているのは、並大抵のことではない。

体験記は作者の視点や語り口によって、質がかなり左右されるので、向き不向きはある。私は苦手な部類だった。

ただ、読んでいて少しだけ良かったのは、著者の明るい語り口とポジティブな表現を浴びていると、身体がうずうずしてくるところだ。

つまり、外国に飛び出してみたくなってしまうのだ。この感染力は素晴らしいと思う。

 

以前読んだ『深夜特急』もそうだけど、こういった「いきなり旅行に飛び出す」系の作品は、妙な魔力があって人をおかしくさせるから危険である。

 

以上、参考にされたし。

 

 

 

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