どうも、ポンコツブロガーのひろたつです。今回は価値観に関するお話。
衝撃を受けた見た目
先日、ヤフーニュースで左目が無い人の記事を読んだ。
左目が見えない、ではなく“無い”だ。始めてみるタイプの障害だったので、かなりの衝撃を受けた。
彼は幼少のときに目のガンになり、左目を摘出。本来目のある部分には身体から皮膚を移植し、ただの“肌”になっている。
幼少の頃からその見た目と付き合っている彼は、「左目どうしたの?」と聞かれても「さっき落とした」なんていう軽口を叩けるぐらい平気になっていた。
しかし世間は違う。
就職活動を行なうが全部ダメ。最終選考まで残ることもあったが、結局は落とされる。
「やはりこの見た目が問題なんだ…」そう落ち込む彼に、友人の一人が言う。「障害なんて関係ない」。
でも、と彼は思う。能力が全く同じの"健常者"と"左目がない人"が面接に来たら、どちらを採用するか。枠はひとつだけ。
みんなの答えは同じになるのではないか。
そんな苦悩を語った記事だった。
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みんなが背負う“業”
人は生まれながらに見た目の違いを背負う。大きなもので言えば障害だったりするし、小さなものならば一重まぶただとか、体が毛深いなんてのが挙げられる。
これらは本人の意思とは無関係に備わっているもので、そこには何の罪もない。まあ当たり前のことですが。
しかしながら、その"見た目"がこの社会ではとても大きな比重を占めていて、何かにつけて差別や区別の対象となってしまう。
例えば私は幼い頃からアトピーに苦しんでいた。関節の症状が特に酷く、膝裏を掻きむしりすぎて、常に歩行に苦しんでいた。小学校の階段を登るのが非常に辛かった思い出がある。
その当時、同級生から「ゾンビ」なんて言われたこともあった。幼いながらに自らの見た目が他人よりも劣っていることを自覚した瞬間だった。
また沖縄生まれの両親の影響で非常に毛深かった。幼稚園の頃には腕と足に毛が生え始めていて、それもよくバカにされたもんだ。大人になったらネタにしかならないけど。
私の例なんて障害を持った方からすれば、あってないようなレベルだろう。実際、今の私はまったく気にしていない。
見た目を重要視しすぎる社会
ただ強く思うのはやはり、本人の意思ではどうにもならない"見た目"があまりにも社会において重要視されすぎてしまっていることである。
美しさに心奪われてしまうのは動物としての本能に近いだろう。極楽鳥などの例を見ても、生き物は見た目によって生存競争に勝ち抜こうとする傾向が見られる。
だとしたら見た目が優秀な人が評価される社会というのは、至極当たり前なことなのかもしれない。いくら取り繕ったとしても、人間は動物の域を出ない。食って、排泄し、寝る。そんな動物である以上、見た目に左右されてしまうのは仕方のないことなのだろうか。
加害者であり被害者であるみんな
私が読んだ記事の彼を苦しめているのはみんなだ。もちろん私もその一人だ。
そしてそんな“みんな”もそれぞれに見た目の問題を抱えていたりするから困る。
「自分がされたくないことは他人にもしない」
こんな小学生が言われるようなことが、意外と大人になると守れなくなる。
いや、それも仕方がないことなのかもしれない。
人は“違い”を見分ける能力が備わっている。珍しいものを見つける判断力が備わっている。
見た目の違いを意識してしまうのは、人間としてやはり当然の機能なのだ。
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そんなにみんなバカじゃないはず
しかし、仕方のないことだったとしても私たちはそれに抗うことはできるはずだ。本能に抗えるだけの知能があるのが、私たち人間である。
人間は考えて行動を改める能力を持っている。
他人の心を想像する力が備わっている。
相手を思いやる機能が存在する。
動物とは違う存在になることができる。
見た目というのは才能だ。生まれ持った能力だ。
この如何ともしがたい能力で人の優劣が付けられる社会が、本当に真っ当だろうか。正しい姿だろうか。
人は生まれながらに平等ではない。それは事実だ。だけど、だからこそ人はそこに想像力を発揮させて、少しでも多くの人が幸せを感じられる社会に進もうとしているはずなのではないか。違うのか。
見た目に判断を左右されてしまうという呪い。この呪いに私は抗い続けたい。
少なくとも私は、それが人間らしい姿であると信じている。
見た目問題を扱った良書
見た目の問題は非常にシビアである。生きていく上で避けて通れるようなシロモノではない。
で、私は以前よりこの“見た目問題”については、色々と書籍を読んで興味を持っていた。
ちなみに最初はこの児童書がきっかけ。
トリーチャーコリンズ症候群という非常に珍しい病気に罹った少年の物語である。素晴らしい物語なのでぜひ一度読んでもらいたい。
またこちらも見た目問題を真正面から取り扱った素晴らしい作品だ。作者はなんとのあの『夢をかなえるゾウ』の水野敬也氏である。
良書には自分の知見を広げてくれる力がある。
以上。