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人の本性なんてもんはない

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人様をキャラクターにしてはいけない。

 

ネットが本性?

先日、とあるツイートを見かけた。

「オンラインとオフラインで人格に乖離がある場合、相手の顔が見えないときに見せている顔の方が本性」

というような内容だった。

最初は「なるほど」なんて素直に思っていたのだが、ちょっと考えてみたら真っ先に自分は全然そんなことないことに気が付いた。

 

ネットは切り出せる

他の人がどうかは知らんが、私はネットの方が自分を偽れる。大きく見せることもできるし、小さく見せることもできる。ネットの所作というのは切り取って一部だけを見せる(見せられない)ので、相手の印象を操作しやすい。

これが対面だと相手へ渡す情報量が半端じゃない。

以前、元FBI(これ以上胡散臭い肩書があるだろうか)の人が書いた本を読んだのだが、人は言葉よりも表情や抑揚、仕草から入る情報や印象を受け取るらしい。

それだけの情報量があると誤魔化すのが難しいだろう。

なんか誤魔化すのが前提の話になっているが、まあとにかく、その人を評価する上で入る情報量の差だけで言えばリアルの方が多い、という事実を述べてみた。

本性なんてないから

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ただ、そもそもの話なのだが、人に本性なんていうもんは存在しない。

先日見たツイートを書いた方はそれを勘違いしているように思う。

別に「いや人には本性があるでしょ!」と思う人の意見をわざわざ否定しようとも思わないのだが、少々「アホだな」と感じてしまう。

 

自分自身を顧みてもらえばすぐに分かる。

 

こうやってネットで駄文を書き散らかしている自分。

だらだらと本を読んでいるときの自分。

ネットで気に入りそうなエロ動画を探しているときの自分。

部下の前で偉そうにしている自分。

他人の言葉に怯える自分。

人に言えない欲望を抱える自分。

 

どれが本性とかないでしょ。全部自分。超簡単。

 

キャラクターにできるような人なんていない

紋切型の性格の人なんていない。人それぞれ、その時その時で顔が変わるものだ。瞬間瞬間で見せる顔すべてがその人だ。その人じゃなかったらいったい誰?怖い、その話。

 

たぶんだが、みんな相手を類型化することで安心したいんだと思う。あの人はこういう人なんだ、と。分からないは不安定だが、分かったような気になれば、それだけで安定してしまうものだ。非常に平和である。

確かに傾向というか、「その人の中でも割合の多いキャラクター」というのはあるかもしれない。だけどそれがその人の本性であるかと言えばNOである。それは「そういう人だと思っておくと対応がしやすい」という程度の話である。

 

隠してあれば本性?

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それにもう一つ勘違いしやすいことがある。

人は「隠してあるもの」は大事なものだと思ってしまうのだ。

私は趣味で手品をやるのだが、この心理を利用した手品は非常に多い。驚くほどみんな隠してある(ありそう)な所に視線を向ける。

となると、ネットという匿名性に隠された人格はさも「本性」っぽい。

さきほど私が書いたような「欲望」だとか「性癖」なんてのも「本性」っぽい。

 

芸能人が犯罪を犯したときにも似たようなことを感じるみたいだ。

未成年に手を出せば「ロリコン」という本性。覗きをすれば「盗撮魔」という本性。

隠してある部分が本性だと決めつける。または、相手の普段見られないような「悪い部分」を本性だと決めつける。

 

何度も書くが、自分自身で考えればそんなことはないとすぐに分かるはずだ。

自分の中にも少なからず、未熟な部分があるだろうし、変態性を抱えているだろう。それが多少こぼれ落ちると目につくだけなのだ。本性ではない。割合が少ない部分なだけだ。

 

そんな枠は、いらない

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「人の本性」という言葉に惑わされてはいけない。

他人をキャラクターにすべきではない。もっと人は複雑怪奇で、面白いものだ。

もちろんそれは自分にも当てはまる。人様から隠している自分の顔を、自分の本性だとか思うべきではない。それは単なる要素だ。似たような言葉で「本当の自分」とかもよく言われるけど、そんなんもないから。探しても見つからないから。

 

「あれがあの人の本性」というふうに、他人を見限るのはラクかもしれない。だがそれは相手の可能性を潰すことでもあることを理解してほしい。

そして、自分自身の可能性も狭めることに繋がるだろう。

 

本性なんていう枠を設ける必要はないのだ。

 

以上。

 

 

ちなみに、これが胡散臭い人の本。結構このブログからも売れてます。

…なんていう商売っ気を最後に出すと、「こいつは金の亡者」と決めつけられるのかな?