どうも。読書ブロガーのひろたつです。
今回はおすすめ絵本の紹介。
泣かせるのは小説だけじゃない
これまでに2000冊以上の小説を読んできて、数々の感動作と出会ってきた。
感動して心が震えれば涙がでる。そんな体験が素晴らしいものであるのは、わざわざ強調して言うようなことではないだろう。感動が嫌いな人なんていないはずだ。
押し付けられるのは嫌いだろうが…。
※参考記事
「泣く」というのはストレスを発散するためには非常に有効である。 そのために小説を読むのもいいと思うが、それと同じくらい大人を泣かせるものがある。
絵本だ。
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絵本がやばい
もしあなたが「絵本なんて子供が読むもんでしょ」と舐めてかかっているならば、この記事はとんでもなく価値のあるものになるだろう。ぜひともそのまま、舐めてかかったままここで紹介した名作たちを読んでもらいたい。
実のことを言うと、私も以前までは舐めてかかっていた。子供が読むものでしょ、小説が最強だから、至高だから。といった感じで、小説教(狂)の私は絵本を軽視していた。
そんな私に転機が訪れたのは、子供たちに絵本を読み聞かせるようになったからである。
最初は子供たちもゆくゆくは本好きにすることが目的だったのだが、次第に私も絵本の深く、豊穣な世界に魅了されるようになった。普通に楽しむようになってしまったのだ。
ときに笑い、ときに笑い、そしてたまに現れる“名作”に、読み聞かせながら私が泣いてしまうという事態を迎えている。
はっきり言おう、絵本はやばい。
天才の仕事
小説、映画、ドラマ、マンガで泣かされるというのは、まあ分かる。言うなればこれらの媒体は「泣かせる準備」ができる。見るのにそれなりに時間がかかるからこそ、泣かせる前フリもできるし、舞台説明なども丁寧にできるだろう。
だが、絵本は違う。
子供でも分かるような言葉、子供でも飽きない程度の短さ。文章は非常に簡潔だし、絵も細々した描写をするわけにはいかない。
とにかく限られた手札しか存在しない。
なのに、その限られた手札で確実にこちらの心を捉えてくるのだ。
一撃必殺のパンチを浴びせかけるように。
その完成度、パワー、そして作者の類まれなる卓越した感性には感服するしかない。
絵本作家は天才たちだけに許された職業である。
泣ける絵本の紹介!
さあ、長すぎた前置きはこれくらいにしよう。私のブログも絵本を見習って、もっと簡潔に皆さんを説得したいものだ。装飾は自信の無さの表れでもある。
今回の記事では、4年以上にも渡って毎日絵本の読み聞かせをしている私が、「これは大人を泣かせるための絵本だ…!」と思った、最強の絵本をまとめている。
どれもこれも自信を持ってオススメできるのだが、注意してもらいたいことがある。
それはゆっくり読むこと。
あくまでも絵本は子供向けに作られたものである。
子供に読み聞かせるように、そして大人がじっくりと作品世界を味わうように、読んでもらいたい。適当に味わってはあまりにも勿体無い。
そして、ひとつひとつの作品の間に時間を置くこと。
いくら名作で美味しい作品だからと、簡単に消費してはいけない。
私たち大人たちの悪い習性として、「慣れ」というものがある。いくら名作たちを揃えたとしても、感動に私たちが慣れてしまっては台無しである。どうか、ひとつの作品を味わったならば、1週間程度の時間を置いてほしい。
では、私の余計な話はここまでとする。最強の絵本たちを紹介しようじゃないか。
行ってみよう。
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いつでも会える
いつでも会える (ハートフル菊田まりこの絵本) | ||||
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大好きな飼い主のみきちゃんを突然亡くした犬のシロの心の移ろいが淡々と描かれる。小さく無邪気なシロが大きな悲しみを懸命に乗り越えようとする姿が胸を打つ感動のミリオンセラー絵本。
大好きな人を失うという悲しみを、シロという小さな命に課せた名作。
悲しみと感動の違いはかなり難しいと個人的には思っていて、やたらと登場人物を殺してしまう作品が嫌いなのだが、これは間違いなく名作だと言える。
これだけ淡々とした表現を使っているにも関わらず、私たちの心の芯を確実に捉えてくる。
大人を泣かせる、という意味では一番の作品。
おこだでませんように
大型絵本 おこだでませんように | ||||
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第55回青少年読書感想文全国コンクール課題図書選定、第2回JBBY賞受賞、第3回幼稚園絵本大賞受賞と、多くの人々に支持されている感動の名作が、大型絵本になりました。しかられてばかりの少年が、七夕に飾る短冊に書いたお願いとは何だったのでしょうか? それを見た先生、そして、その話を聞いたお母さんは、どんな反応をしたでしょう。
いつもしかられる側のこどもから、しかってしまう大人まで、多くの読者の心に響く感動物語です。
子供に読み聞かせながら「これはまずいな…」と若干涙ぐんでいたら、横で聞いていた奥さんがボロボロ泣いていて、思わず笑ってしまった思い出がある。
怒られることに対して、主人公の少年が静かに耐える姿を我が子に重ねてしまったらしい。
育児に追われる親御さんにはぜひ読んでもらいたい作品である。
ちいさなあなたへ
ちいさなあなたへ (主婦の友はじめてブックシリーズ) | ||||
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母であることのすべてがつまった絵本。親でいることの喜び、不安、苦しみ、寂しさ――
普遍の真実がシンプルな言葉で語りつくされる。米国中の母親を号泣させた話題のベストセラー。
母親のために書かれたような絵本である。
読めば子供への愛情も膨らむし、育児に疲れている状態であれば癒され、親を持つ人であれば親への感謝を感じることだろう。
感じることは色々あるだろうが、確実に言えることは、この作品は誰にとっても特別に成り得ることである。
疲れているときなどに読むと、ボロボロ泣けてしまうからご注意を。
100万回生きたねこ
100万回生きたねこ (講談社の創作絵本) | ||||
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これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。そして『100万回生きたねこ』は、絵本の本質をとらえている。――週刊朝日書評より
Amazonのレビューで「生を生きない者は、死をも死ねない」という言葉を引用されている方がいたが、素晴らしくこの作品を表していると思う。
私たちは気がつけばすぐにボンヤリと生きてしまい、生きることの尊さも、限られた時間も儚さも、大事な人の存在も、感謝の気持ちも、すべてを忘れてしまう。
何が大切なのか?何を大切にするべきなのか?
そんなことを考えさせられる作品である。
長年に渡って売れ続けているのには、それなりの理由があるということだ。
あさえとちいさいいもうと
あさえとちいさいいもうと (こどものとも傑作集) | ||||
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おかあさんがおつかいの間、あさえは妹のおもりです。2人で道路に絵を描いて遊んでいましたが……。幼いお姉さんの緊張ととまどいを見事に描きあげた傑作。
幼い子供の感情が流れ込んできてしまい、親御さんであればボロボロ泣ける名作。当然私も読み聞かせをしながら泣いてしまった。無理でしょ、こんなの。
何もできないまだまだ子供のお姉ちゃんが、それでも大事な妹のために力を尽くす様子が堪らなく愛おしい。
物語の肝部分は『となりのトトロ』と似ているかもしれない。
ちょっとだけ
ちょっとだけ (こどものとも絵本) | ||||
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赤ちゃんが生まれて、お母さんは忙しいので、なっちゃんはいろんなことを自分ひとりでやってみます。お姉さんになったからと頑張るなっちゃんですが、眠くなった時だけは、どうしてもお母さんに甘えたくなります-
お姉さんになったことで感じる切なさ、そしてそれを乗り越えることで成長していく子どもの姿を、母親の深い愛情とともに描いています。
子供の抱える切なさと、それに応える母親の愛情を描いた作品。
私たち大人は子供を見くびりがちだが、実は驚くほど色んなことを分かっていたりする。
だけど分かっているからこそ、その小さな心で色んなことを我慢してしまうことがある。この物語の切なさは、そんな小さな心と不似合いな我慢との間に生まれている。
大人になってしまうと、甘えることは悪だと思ってしまいがちだが、この作品を読んでいると、「無理をしなくてもいいのかなぁ」となんだか思ってしまった。
いもうとのにゅういん
いもうとのにゅういん (こどものとも傑作集) | ||||
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突然、妹が盲腸の手術で入院することになりました。ひとり残されたあさえの気持と、妹へのほのぼのとした愛情をみごとに描いた物語です。林明子の表情豊かな絵が心に残る傑作です。
『あさえとちいさいいもうと』の続編にあたる作品。こちらも当然のように名作である。
あさえが心細そうにしている描写は、誰もが一度は経験したことがあるだろう。思わず感情移入せずにはいられない。
あさえの堪らない切なさに涙腺を破壊されることだろう。
それにしても、この作者さんが「子供が怖かった」と語っているのには驚き。
おまえうまそうだな
おまえうまそうだな (絵本の時間) | ||||
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むかしむかしおおむかし。あるはれたひのこと。やまが、ドドド…とふんかして、じしんがグラグラグラ…。そのとき…。おとうさんみたいになりたいな。やさしい涙がでてくる、せつなくも心あたたまる大きな恐竜の絵本。
今回紹介している本の中で、個人的ベスト絵本。
これまで紹介してきた作品たちとは違い、かなり乱暴なタッチの絵柄からは、とても感動作とは思えないだろうが、これが意外や意外、素晴らしい作品である。
激しい描写が続くので女性よりも男性向けだと思われるが、一緒に読んでいた奥さんも笑いながら泣いていたので、きっとどちらでも大丈夫なのだろう。
実は私も奥さんと一緒に、笑いながら泣いてしまったのだが、あの感情はちょっと説明することができない。
でも確実に泣ける。
悲しいけど暖かい。優しくて、でも切ない。
上手く同居できないけど、決して不快ではない感情がきっとあなたの胸に去来するはずだ。
それを楽しんで欲しい。
だいじょうぶ だいじょうぶ
だいじょうぶ だいじょうぶ (講談社の創作絵本) | ||||
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小さなぼくが不安な気持ちになると、いつもおまじないの言葉で助けてくれたおじいちゃん。生きていくためのしなやかな強さを育む、心にしみる絵本です。
あまりのも頭髪が少なすぎる“おじいちゃん”と“ぼく”が贈るすべての疲れた人の力になってくれる名作絵本。
物語の中でおじいちゃんの語る「だいじょうぶ」という優しい言葉は、色んなことが上手くいかない子供だけではなく、私たち大人にも響くだろう。
もしかしたら人によっては、一見無責任にも感じるかもしれない。「何が“だいじょうぶ”なんだよ!」と。
そんな人には最後のページを読んでもらいたい。きっと納得してもらえるはずだ。「だから“だいじょうぶ”なんだ」と。
おばけのケーキ屋さん
おばけのケーキ屋さん (絵本) | ||||
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おばけのケーキ屋さんは、自作の世界一美味しいケーキを食べさせてみんなビックリさせるのが大好き。
そんなおばけの元に、小さな女の子がやってきます。
ちょっと不機嫌そうな女の子に、早速ケーキを振る舞うと…。
全編に渡ってパソコンで描かれた非常に美しい作品である。とっても次世代の匂いがする作品でもある。
さて、絵の美しさもさることながら、こちらの作品は何と言ってもストーリーがすんばらしい。思いっきり泣かせるような作品ではないが、じんわりと胸が温かくなるような感覚を覚える。
登場する生き物たちが一体なんなのかはよく分からないのだが、そんなことは気にしないで存分に楽しんでもらいたい。
おばけとハートフルがこんなにも相性がいいとは…。
くれぐれも
以上が、私が厳選した『大人の涙腺を破壊してくる最高に泣ける絵本9選』である。
どれもこれも名作揃いなので、一冊でも手にとってしまえば、次々と読み漁りたくなるかもしれないが、じっと我慢してもらいたい。
大切なものというのは、大切にするからこそ価値が生まれるのだ。
感動も同じで、あなたが大切にしなければ感じることはできないだろう。
くれぐれも乱用にはご注意である。じっくり楽しんで欲しい。
以上。