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『スタンフォード式 1円も使わない禁煙方法』を伝授する

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この記事は以下の本に載っていたテクニックを、禁煙用に勝手にアレンジしたものである。

スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

ケリー・マクゴニガル 大和書房 2015-10-10
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まず始めに…

まず前提を話しておく。

すぐに手軽にできる禁煙方法などはない、ということ。

そして禁煙というのは、「吸いたいという気持ちをいかに我慢するかということでしかないということだ。

この記事では、喫煙を我慢するために自分をコントロールする方法を紹介している。これをやることによって、あなたの「我慢する力」が養われるのだ。

どれだけ吸いたくなっても、あなたの我慢する力が強力であれば、その欲求を跳ね返すことできる。禁煙するために余計なお金(病院に行く、代わりの嗜好品を見つける、電子タバコの禁煙グッズなど)を使う必要はないのだ。

そのためには正しい知識を身に着けておく必要がある。

 

ちなみに私は禁煙をしてから5年以上が経っている。それでも何ヶ月に1回かぐらいは吸いたい欲求が出る。しかしそれはほんの僅かであり、数秒もすれば消え去ってしまうものだ。

禁煙は続ければ続けるほど、ラクになるものだ。

辛い時期を耐えうるためにも、この記事で「我慢する力」を身につける方法を学んでほしいと思う。

 

この記事で、あなたの人生が少しでも良くなることを願う。

 

では行ってみよう。

 

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①吸いたくなる自分に名前を付ける

脳には「欲求」を訴える部分と、「目標」を訴える部分がある。

禁煙することを決意したあなたの頭の中はこんな感じである。

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青い方が自己コントロールを行なう「前頭前皮質」。

赤い方が欲望を出す「原始的な脳」。

「禁煙」という目標を立てたにも関わらず、欲望に屈してタバコを再び吸い始めてしまうのは、この「吸いたい!」と考える原始的な脳の衝動によるものである。

 

そこでまずは、自分の中にいるふたりの自分を分けることが第一ステップである。

目標を立てたにも関わらず「吸いたい」と揺らぐのは何ら不思議なことでも、あなたがダメだからでもない。脳の構造上、当たり前のことなのだ。

禁煙というのは、この「我慢」と考える前頭前皮質の自分と、「1本ぐらいいいでしょ」と考える原始的な脳との戦いと言える。

 

そこでまずは味方と敵を区別するために、名前を付けることにしよう。

 

あなたに悪魔のささやきをしてくる悪いやつ、欲望を突きつけてくるそいつに名前を付けるのだ。

別に何でも構わないが、分かりやすいものがいいと思う。例えば「ニコチンバカ」とか、「金捨て虫」とか、「肺ガンクリエイター」とか、悪いイメージが伴うようなやつだ。

これによって、今、自分の中で前頭前皮質と原始的な脳のどちらが優位になっているのかを自分で客観的に観察することができる。

まずはここがスタートである。

 

ポイント⇒「悪い欲求を訴えてくる自分に名前を付けて区別する」

 

②瞑想

「瞑想なんて禁煙に関係ないじゃん」と思ったそこのあなた、それは全然違う。

さきほども書いたように禁煙というのは、前頭前皮質と原始的な脳の戦いなのだ。どれだけ前頭前皮質を鍛えられるかが禁煙の鍵である。

瞑想というのは、自分の意識をコントロールする訓練であり、言わばこれは「前頭前皮質の筋トレ」である。

騙されたと思ってやってもらいたい。なに、1回たったの5分だ。やって損はない。というかこれを我慢できるようになるから禁煙ができるようになるんだと思ってくれ。

 

ではやり方である。非常に簡単だ。

 

ステップ1 動かずにじっと座る

椅子に座って足の裏をぴったりつけるか、クッションの上であぐらをかく。背筋を伸ばし、両手はひざの上に置こう。

身体を動かしたくなってもできるだけ我慢しよう。それがトレーニングになるのだ。

 

ステップ2 呼吸に意識を集中する

目を閉じ、呼吸に意識を集中する。息を吸いながら、心の中で「吸って」と言い、今度は息を吐きながら「吐いて」と言う。

 

ステップ3 呼吸の感覚をつかみ、気が散り始めたら意識する

「吸って」「吐いて」を繰り返す内に慣れてきたら、心の中で声を出すのをやめる。呼吸をしている感覚だけに集中しよう。

余計なことを考えるようになったら、再び「吸って」「吐いて」と心の中で言うようにしよう。

 

これを1日5分である。もし可能ならば10分から15分。しかし面倒になってやらなくなるぐらいならば、5分のままでも構わない。

ちなみに瞑想が上手くできなくても全然構わない。大事なのは、余計なことを考えようとする自分と戦うことなのだ。これによって禁煙を続けるための強い意志力が養われるのだ。

 

ポイント⇒「瞑想を行なうことで、禁煙する意志力を鍛える」

 

③ストレスを発散する 

人間はストレスを感じると、「我慢だ」と考える前頭前皮質の力が弱まり、逆に原始的な脳が強力になり欲望を剥き出しにする。

これは太古の昔、人間がもっと不安定な生活をしていた頃、目の前のチャンスにすぐに飛びつけるように身に付けた機能だ。

日頃のストレスは禁煙を続ける上で大きな障害になる。

ストレスを感じていたり、疲れているだけで、判断力が落ちてしまい「今日ぐらいはいいか」と考えてしまう。

そこで効果的なのが、運動、睡眠、マッサージ、読書、音楽、クリエイティブな趣味の時間を過ごすことなどである。運動なんかは一日5分ぐらいで構わない。「よくやった」と思えることが重要である。 

これらによって得られる「ストレス発散」というのは、脳内のセロトニンなどを活性化させることで脳に「満足感」や「幸福感」をもたらす。

 

逆に効果のないストレス発散法は、ギャンブル、タバコ、お酒、やけ食い、ゲーム、インターネット、テレビや映画を2時間以上観ることなどである。

これらによって得られる「ストレス発散」というのは、ドーパミンの分泌によるただの快感であって、ストレス自体はなくなっていない。

その後にあるのは「もっと」という飢餓感であり、満足感とは程遠いものである。

 

依存性が強いものはストレス発散にならないことは、喫煙者の皆さんであればよくご存知のことと思う。

久々にありついたタバコは最高に旨い。生きていてよかったと思うだろう。しかしそれはただ単に、脳がニコチンで酔っているだけであり、そもそも最初に感じていたストレスはニコチンが生んだものである。

もしタバコがストレス解消になると思っている人がいるならば、それを大きな勘違いであるとさっさと気付くべきだ。

 

ポイント⇒「効果のあるストレス発散をして、脳を欲望に負けない状態に保つ」 

 

④ねばる

ニコチンの欲求は衝動的である。意識した途端に襲い掛かってくる。

しかし衝動的であるからこそ、いつまでもその強烈さは続かない。

 

まず10分我慢してみよう。

 

それができたら、次は20分…30分と記録を伸ばしていくことだ。

いきなりタバコを永遠に止めることは難しいだろう。 でもちょっとぐらいなら我慢できるはずだ。

そしてそれができれば更に少しぐらい我慢できる。それの繰り返しが禁煙になる。

 

単なる習慣で吸っているときもあると思う。本当にニコチンを欲しているときというのは、実はそこまでないのだ。

日々なんとなく必要もなく吸っていたタバコを、これによって減らせることだろう。

 

ポイント⇒「10分我慢する習慣をつけ、少しずつ記録を伸ばしていく」

 

⑤許す

前向きなことばかり書いてきたが、人は失敗するときもある。

つまり「欲求に負けて吸ってしまう」こともあるということだ。

このときに自分を責めてはいけない。許すことが大事である。

 

というのも、人は一度「堕落した」と思ってしまうとそこからさらに堕落すること、この場合、さらにタバコを吸ってしまうことに対して抵抗がなくなってしまうのだ。

「吸っちまったなー…、自分は本当にダメなやつだ。もう2本吸っても3本吸っても変わんねえだろ」

このように考えるのは間違っている。

 

人は失敗する。前に進んでいるからこそ転ぶのだ。

転んだ自分を責めるのでなく、「仕方ない」と認め、「次も頑張ろう」と立ち上がることが何よりも重要だ。

もし禁煙中に吸ってしまったのであれば、どれだけ自分が我慢できたかを考えよう。④の「ねばる」を思い出してほしい。

そして次はその記録を抜くことを目標にしよう。

 

吸ってしまったとしても、今回は欲望側の自分が勝っただけである。

最終的に、我慢する側が勝てばいいのである。

少しずつでもいい、進もう。

 

ポイント⇒「失敗を認める。そしてまたチャレンジする」

 

⑥「考えないようにする」の真実

禁煙中にやりがちなのが、「タバコのことは考えないようにしよう」と考えてしまうことである。

ハッキリ言って、これはムリだ。

考えないようにしよう、と思っている時点ですでにタバコのことを考えてしまっている。

自分の思考をコントロールしようとするのはほぼ不可能である。

じゃあ何がコントロールができるのか、あなたは分かるだろうか?

 

それは、あなたの行動である。

 

思考はコントロールできない。それを素直に認めよう。否定すればするほど、逆に頭の中はタバコでいっぱいになってしまう。

だからこそ、「タバコのこと考えちゃうなぁ。欲望め、その手には乗らんぞ」と考え、意識は自分の行動だけに向けよう。自分の行動をコントロールすることに全力を傾けよう。

 

このときに役立つのが何か熱中できるものである。

それが仕事なら仕事がいいだろうし、趣味でもいいし、運動なんかもいいだろう。

 

ポイント⇒「思考はコントロールできない。行動はコントロールできる」

 

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まとめ

以上が禁煙方法のすべてである。

ここに内容をまとめておく。

 

①悪い欲求を訴えてくる自分に名前を付けて区別する

②瞑想を行なうことで、禁煙する意志力を鍛える

③効果のあるストレス発散をして、脳を欲望に負けない状態に保つ

④10分我慢する習慣をつけ、少しずつ記録を伸ばしていく

⑤失敗を認める。そしてまたチャレンジする

⑥思考はコントロールできない。行動はコントロールできる

 

ぜひ参考にし、しっかりと実行してもらいたい。

最後に

あなたは何のために禁煙をするのだろうか?

実はそれが何よりも大事だったりする。

例えば、どこかの宇宙人が攻めてきて「今すぐ禁煙をしなければ、お前の目の前で人間もしくは可愛い子犬を殺していく」と言われたら、間違いなく禁煙できると思う。

 

人は目的が強力であれば、大体のことはできてしまうのだ。禁煙なんてのは簡単な部類に入るだろう。

 

禁煙に成功したら、あなたは何を得るだろうか?誰か一緒に喜んでくれる人はいるだろうか?

逆に禁煙に成功したら、あなたは何を失うだろうか?誰かを悲しませたりするだろうか?

 

ぜひそれを力に変えてもらいたい。

 

以上、健闘を祈る。