どうも。
面白い本を読んだ。
人気作家が有象無象に応える
私が大ファンである森博嗣の著作なのだが、これがまたユーモアたっぷりかつ教養に溢れていてとても楽しめた。森博嗣作品を読んでいるときに感じるこの快感は、本当に独特である。
臨機応答・変問自在〈2〉 (集英社新書) | ||||
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人気作家である森博嗣が、ネットで集めた玉石混交の質問たちをバッサバッサと切り捨てる名著である。ちなみに身になるものはほとんどないのでご注意を。
私は森博嗣のファンなので特に楽しめたが、皮肉やちょっと知的な感じが好きな人にはたまらない作品だと思う。ちなみに森博嗣自身は本書のことを「あまり面白くない」と評価している。しかも前書きに書いてあった。相変わらず理解不能な男である。
ではでは、本書の面白さを理解してもらうために少し中身を紹介してみよう。
Q.「まいどありがとうございました」という挨拶は「毎度」と「有り難い」という言葉が互いに矛盾しているのではないでしょうか?
A.その人だけに、有り難いことが集中しているだけでは?
Q.人は、何故、争い、人が人を裁こうとするのですか?
A.神が裁いてくれないことがわかったからでしょうかね。
Q.どうして冬の寒い日に暖かいところでアイスクリームを食べると美味しく感じるのですか?
A.美味しいアイスクリームだったからでしょう。
Q.森先生、動物実験についてどう思いますか?私たちは、動物実験があるから安心して生活していますが、これでいいのでしょうか?
A.良いとか悪いという問題ではないと思います。実験どころか、毎日動物を食べています。
Q.お金の価値は使うことですか、それとも集めることですか?
A.お金の価値は、その数字の通りです。
Q.どうして人間は嘘をつくのでしょう?
A.自分の利益のためです。人間以外の動物も嘘をつきます。
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質問…?
本書の中には色々な質問が出てくるのだが、中にはどうしようもないものから、そもそも質問の体をなしていないものまである。たぶん、こうやってわざわざ質問をネットに投稿しているぐらいだから、余程の森博嗣ファンであると想像できるが、それなのに何の実りもない質問をするのはどういうわけなのだろうか?
あまりにも硬い質問ばかりだとエンタメにならないので、ほどよいスパイスにはなっていると思うのだが、やはり見当違いな感じは否めない。
良い質問と悪い質問
同じようなことはどこにでもある。
誰かの質問内容が「え?話聞いてなかったの?」というものや、「何それ、全然関係ないじゃん」というもの、「それ意見なの?気持ちなの?」というようなものだったりする。
私は他人を否定するのが得意なので、そういう質問をしている人を見ると、「アホな人だなぁ」とうんざりした気分になるものだ。
ただ、質問というやつは意外と難しかったりする。
悪い質問というのは、自分のことしか考えていないときに出るような印象を受ける。視野が狭いのだ。
それに対して良い質問というのは、視野が広く、遠い先を見通すものが多かったりする。
何かの記事で読んだのだが、頭のいい人ほど、他人が成長を促すような批判をするそうだ。
これと同じことが質問でも言える。良い質問というのは、場を進歩させるものだ。
だからこそ考えよう
別にアホなままでも一向に構わないのだが、周囲の人に迷惑がかかることもあると思うので、ぜひとも皆様には良い質問を生み出せる人になってもらいたいと思う。
たぶん、アホな質問をしているかどうかというのは周囲の人がみんな気付くものなので、同じようなことをしていると知らぬ内に仲間はずれになっているかもしれない。少なくとも私は、見当違いの質問をして時間をムダにするような輩を仲間はずれにしてやりたくなる。今の所、そんな輩には出会っていないのは幸いである。
まあどちらにしろ、頭を使って悪いことはない。的を得た質問ができるように必死に考えてみてはいかがだろうか?
以上。