どうも。
私は某大手菓子会社で10年以上働いている。いわば菓子業界の最前線にいる人間と言える。
私自身はそこまでの能力があるわけではないので、最前線の菓子を生み出すことはできないが、その道のプロであるがゆえに日本にある旨い菓子についてはかなり熟知している。
そんな私が言うのもなんだが、日本には旨いもんが溢れている。どれを選んでもそれなりのクオリティはある。だがぶち抜けて旨いもんとなると、かなり数が限られる。
それはただ単に旨いだけでなく、値段も重要である。高くて旨いのは当たり前の話なのだ。いち庶民として、最高のコスパを発揮しているものを紹介したいと思う。
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最強のおかき
今回紹介するのは最強のおかきである。その名も『味のれん』。この名に畏怖するおかき屋は多いことだろう。
曰く、「おかき業界の王」
曰く、「日本おかき界の最先端にして最深部」
曰く、「おかきという名の芸術品を作る職人」
まあそんなことは誰も言っていないのだが、そんなことを言いたくなるぐらいハイクオリティのおかき屋なのである。至高である。
画像で美味しさが伝わるとは思えないが、参考までに載せておこう。
うん、予想通り。まったく伝わらないね。
考えてみれば、おかきを画像とかCMで見て「美味そう!」なんて思ったこと人生の中で一度として無いからな。そりゃこうなるわな。
まあとにかく色々ラインナップがあることさえ分かればいいだろう。
では次は、具体的に『味のれん』の何が凄いのかを伝えたいと思う。
驚く
まずシンプルに味のれんのおかきは最高に旨い。べらぼうに旨い。
読んでいる方に聞きたいのだが、これまでの人生の中でべらぼうに旨いと思えるおかきがあっただろうか?おかきなんて言ってもただのお菓子である。べらぼうのレベルまで達することはまずない。
だが味のれんは違う。マジで旨い。驚くほど旨い。
私が味のれんと出会ったのは、職場の後輩(良家のお嬢様)が手土産に持ってきたのがきっかけだった。
仕事終わりに談笑しながら、彼女が持ってきたおかきを口にした瞬間、その場にいたみんなが凍りついた。まるでドッキリに引っかかったかのようだった。おかきだと思って口にしたら果物だった的な。
たぶんみんな、私のそうだったが、ある程度味を予想していたからこそ、実際に口の中の広がる感動にリアクションが取れなかったのだと思う。それくらい旨いのである。
新鮮
職場で味のれんの虜、というか中毒者になってしまった私は後日、即効でネット注文をした。どうやら最短で4日後から注文が可能だそうだ。
焦れに焦れ、やっと手元に到着したそれを見て私は驚愕した。
なんと製造日が昨日だったのである。
この驚きが分かるだろうか。わざわざ私の注文が来てから焼いているのである。あんなに日持ちがしそうなのに…。そこに私は彼らのこだわりを感じたのである。
好きなものを選べる
上に載せた写真のように、味のれんにはすでに詰め合わせがされている商品も多数ある。基本的には贈答用だろう。羨ましい限りである。誰か買ってくれ。
で、その他に「自由な詰め合わせセット」というものがある。これがミソだ。
まず注文者は箱を選ぶ。大きいものから小さいもの、ボックスタイプからただのビニール包装まで様々である。それぞれに値段が付いているので注意してもらいたい。
次に、その中に入れるおかきを選ぶ。好きなものを好きなだけ入れるがいい。
こんな感じになる。好きなものを詰められるので、一種類を何袋も入れることだって可能だ。偏食家には堪らないシステムである。おかきの詰め合わせになると、どうしてもあまり好きじゃないものや、そこまで食べたくないものが混ざってたりするが、それを避けることができるのだ。味のれんは偉い。
さて、そんな所が主な味のれんの凄さである。
次に私が個人的に選ぶ、『味のれんで感動したおかきランキング』を発表したいと思う。
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第5位 田舎おかき
味のれんでは売上1位を誇っている「田舎おかき」である。
何が感動するって、このおかきの周りにまとわり付いているたまり醤油である。甘みさえも感じる深みのある味わい。原料の大豆の香りがまたさらに上品で、「なじゃこりゃあ!」と床に叩きつけたくなるほどの旨さなのだ。
田舎おかきとは名ばかりの、最先端都市型おかきである。シンガポールおかきである。
第4位 鬼小餅
シンプル・イズ・ベスト。塩味のおかきである。
パキンとした歯ごたえの後に、口の中に広がるもち米の味わいが、「…うめぇ」と思わず虚空に呟きたくなるほど、心に染み入る一品である。
はっきり言って派手さはない。オードドックスである。ミスドで言ったらオールドファッションである。マンガで言ったらキングダムである。
しかし王道であるからこそ、至高であり、このおかきの虜になるのだ。
そのシンプルさと旨さゆえに、永遠に食べてしまうのが玉に瑕である。
鬼小餅とは名ばかりの、おかき界の巨人である。 進撃のおかきである。
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第3位 きなこ雪餅
きなこ雪餅。可憐な彼女をそっと手に取り、静かに口の中に。
その存在はまさに雪のごとく、私の口の中で淡く溶けてなくなってしまう。
出会ったが最後、その姿を見ることはもう叶わない。まるで本当の姿を見られてしまった鶴のように…。
と言った感じで、頭が湧いてしまうほど旨い。薄く軽いせんべいに和三盆と和えたきなこがとんでもないハーモニーを生み出す。
この作品を考えた開発者の頭をひっぱたいてやりたくなるほど、初めて食べたときは感動した。口に入れた瞬間、すっと儚く消えていく食感は唯一無二である。
きなこ雪餅とは名ばかりの、存在感ゴリゴリのゴリラ餅である。いや、ゴリラである。
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第2位 マカダミアナッツおかき
第1位とだいぶ迷ったが、僅差で惜しくも2位となった「マカダミアナッツおかき」である。
あまり聞かない変わり種かもしれない。だが、こいつを口に含むとそのあまりの香ばしさに悶絶すること間違いなし。仕事中や授業中につまみ食いでもしようものなら、その場で仰け反ってしまうだろう。それでも構わないのであれば食うがいい。
職場で食べたときも、この「マカダミアナッツおかき」はみんなに大絶賛だった。びっくりするほど旨い、という言葉はこのおかきを食べてから言ってもらいたいものだ。
正直、私の人生の中でこいつを初めて食べたときの衝撃を超える食べ物は存在しない。それくらいの感動があるのだ。
申し訳ないのだが、私の貧弱な語彙では説明することができない。とにかく唯一無二、正体不明の未体験な旨さなのだ。もっと言うと、私はマカダミアナッツがあまり好きでなかった。だがこいつのせいでマカダミアナッツマニアになってしまった。人格を変えてしまうほどの破壊力があると理解してもらいたい。
マカダミアナッツおかきとは名ばかりの、とにかく旨いやつである。もう分かるだろ、ここまで読めば例えるネタが尽きてくるのが。
スラスラ浮かぶスピーチのネタ (DO BOOKS) | ||||
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第1位 黄金揚げ
はい、出ました。地球で一番旨い食べ物。
見た目で分かると思うが、この「黄金揚げ」は歌舞伎揚げと同じ系統である。
確かに歌舞伎揚げは旨い。私も大好きだ。値段はあれだが、好きでよく食べていた。日本人は基本的に甘辛いものが好きである。
でもな。こいつに出会っちまったがために、私はもう歌舞伎揚げを以前の目で見ることができなくなっちまったんだ…。
バンドが売れてないときから支えてくれた素人の彼女も大切だけど、売れてプロになってから寄ってくる芸能人の方が色々な面で圧倒的だったりするだろ。 誰とは言わないけどさ。
そんな感じなんだよ。旨さの暴力。圧倒的な中毒症状。もうね、黄金揚げを知っちゃったらもう引き返せない。あっちの世界にさよならってね。
ここまで旨いと、味とかの次元じゃないよね。もう何か学べる存在になってる。
雄大な自然を見て、「自分の悩みなんてちっぽけなんだな…」なんて思ったり、名著を読んで、「自分の人生は自分で作るんだ!」とか息巻いたりするように、黄金揚げを食べて得られる感動の中には、人生の全てが詰まってる。
『7つの習慣』とか『エッセンシャル思考』とか読んで勉強しているヒマがあったら、黄金揚げを食べてトリップしてた方が遥かに有意義だから。いつでも現世からオサラバできるから。それはもう悟りの境地なんて一瞬で手に入れられるから。黄金郷なんてすぐそこ。
とまあそれぐらいの旨さなのである。ぜひとも黄金揚げとは名ばかりの、ただの黄金を食べていただきたい。
以上。