どうも。
日々ブログの更新に勤しんでいる方で、PVを気にしないという人は少ないと思う。
PVから開放されるのは、ある程度のマネタイズができたり結果が出すことができた選ばれし者だけである。我々のような底辺ブロガーはただでさえ少ないPVに日々一喜一憂するのが常である。
で、そんな喉から手を出してお互いに握手できるぐらい我々が欲しているPVを強烈に上げるであろう方法がこちらの記事に載っていた。
暴力的なまでの多更新と文字量で月間24PVを誇るポジ熊さんの記事である。
内容を簡単にまとめると、
「新作映画をすぐにネタバレレビューしたら、1週間で6万PVを稼いだ」
というもの。
これは誰でもできるぞ…。さあPVに伸び悩んだ子羊たちよ、好きなだけ真似するがいい。
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ツッコミ記事を支えるもの
映画に限らず、本でもマンガでもそうだが、感想を綴った記事全般を私は「ツッコミ」だと考えている。ボケは才能の産物だが、ツッコミはやり方さえ分かれば誰でもできる。だからこそブログの記事はツッコミだらけになりがちだ。
実際に私もツッコミ記事がほとんである。大好きな本を紹介するのもそうだし、音楽もそうだし、無料動画を紹介するのだってそうだ。何かしらのボケに依存した記事だ。
そう依存した記事なのだ。
感想や評論という名のツッコミ記事はあくまでも元になるボケがあってこそのものだ。そこには作り手への敬意が必須だと思う。おこぼれを預かっていることを自覚せねばならない。
そんなこと言いながら私のこんな記事を書いているのだが、
これは単純にお金を出した一消費者としての意見である。
それにある一線は越えていない。ここが重要である。
越えてはいけない一線
ブログ内で数多くの作品を紹介してきた私だが、頑なに守っている一線がある。
それが「ネタバレ」だ。つまり作品の中身をバラすこと。この行為はある意味、作品を殺すことである。
衝撃の結末を売りにしている物語であれば、それを体験したいがために人が集まるのに、結末を事前にネットでバラされてしまえば、その価値は一気に落ちる。推理小説を図書館で借りたら、途中に犯人の名前が落書きされていた、なんてのと同じだ。その先を読む価値が無くなってしまうのだ。
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作り手と受け手への裏切り
ネタバレという行為は作品の作り手と、受け手、双方への裏切りだ。
作り手はネタバレによって間違いなく顧客を減らすことだろう。上記の6万PVの記事を読んだ人の中に『貞子VS伽倻子』を観に行く人がどれくらいいるだろうか?たぶん、限りなくゼロに近いんじゃなかろうか。ただでさえこんなゲテモノな内容だ。ネタバレ記事で済ませるのがちょうどいい。
ポジ熊さんは6万PVできっと6千円ぐらいの収入を得たことだろう。では『貞子VS伽倻子』の制作サイドにはどれだけお金が流れただろうか?
これが作り手への裏切りである。
受け手の方も考えてもらいたい。
物語というのは、初見のとき、複数回見たとき、思い出したとき、とそれぞれ違った楽しみがある。
だが当たり前の話になってしまうが、初見の楽しみというのはそのときしか味わえない。
初見のインパクトを失ってしまうので、本来ならばあらすじだってネタバレのようなものだと私は思う。
物語の展開を語りきってしまうネタバレは、そんな受け手の楽しみや感動を奪う行為なのだ。それを取り戻すことはできない。
確かにポジ熊さんの記事では「ネタバレ注意!!」の記述がある。ちゃんと『貞子VS伽倻子』を楽しみたい方はその注意喚起によって記事を読まないだろう。
だがそれ以前の問題だと私は思う。
ネタバレは仕方ないのか?
実際にこうやって結果が出てしまっている以上、ネタバレ記事はなくならないだろう。みんなPVが大好きだし、簡単にお金になる方法があるならやってしまうだろう。
考えてみれば、物語だけに限らずブログ記事というのはネタバレを多く内包していることが多い。特に自己啓発系は、内容をちょっとだけ引用してアフィリエイトを狙うのが定番になっている。
なので有名どころである、『7つの習慣』とか『諦める力 』とかはブログの引用を集めれば一冊分になるんじゃないかと思う。それぐらい溢れている。最近だと『ゼロ秒思考 』とか。まあ『ゼロ秒思考』の場合はそもそも内容が少ないけどね。
ただ自己啓発系のネタバレと、物語のネタバレは違うと思う。
自己啓発系は一部を抜粋したぐらいではそこまで価値をそこなうことはないが、物語は肝を語られてしまえば一気に命を失う。
物語を愛するひとりの人間として、ネタバレ記事でPVを稼がれるのは非常に胸が痛い。
ブロガーとしての節度
みんながネタバレの方向に進んで圧倒的なPVや結果を出したりするかもしれないが、私がそちらの道に進むことは一生ない。 正直PVや報酬は最初に書いた通り喉から手が出るほど欲しい。
だが、ポンコツブロガーかもしれないが、私にだってそれなりの矜持はあるのだ。卑怯な方法を使ってまで自分の利を取ろうとは思わない。
もしかしたら、こうやって下らない意地を張っているから、いつまでもポンコツのままなのかもしれないが。
以上。
貞子VS伽椰子 (角川ホラー文庫) | ||||
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