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みんな小田和正の存在を普通に受け入れすぎ。あんなのおかしいから。

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小田和正という怪物

齢68のこの男は、今現在全国ツアーの真っ最中だ。みんな小田和正のライブが観られるからって浮かれてるけど、一回正気に戻ってくれ。68歳だぞ?自分の身近にいる68歳を思い浮かべてくれ。完全におじいちゃんだろ?それが全国ツアーとか想像できないだろ。しかも会場を走り回ったり、自転車を乗り回してるんだぞ。おかしいだろ。

ちなみに北野武と高田純次が同じ1947年生まれだ。どうなってんだこの年代は。

 

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衰えない歌声

GyaO!に最新のライブ動画があったのだが、まったく衰えていない。ピッチ(音程)は正確だし、苦しそうでもないし…この男は喉だけ永遠に歳を取らないのかもしれない。そう思ってしまうぐらい劣化する様子がない。

gyao.yahoo.co.jp

普通の人であれば、喉も耳も悪くなってくる。喉が悪くなれば声が嗄れたり、ろれつが怪しくなる。耳が悪くなると自分の出している声が聞こえにくくなり、音の取り方が怪しくなる。まあ簡単に言うと音痴になる。耳というのは音を出す上で、喉と同じくらい重要な役割なのだ。

だが、この映像を見る限りではそんな様子はまったくない。これは異常だ。おかしい。歳を取らない人間がこんなにも堂々と人前に現れているってのに、誰もおかしいと思わないのだろうか?ライブ会場の観客に至っては感動して泣いているぐらいだ。泣くよりも前にその歌声にビビってくれ。度肝抜かれてくれ。

実は歌は上手くない

怒られるかもしれないが言ってしまおう。実は小田和正はそこまで歌は上手くない。有名アーティストたちと比べてしまうと、むしろヘタな部類に入ると思う。松任谷由実は別格だがな。

※参考動画


守ってあげたい 松任谷由実

 

ここまではヒドくないとしても、小田和正の歌い方は達者ではない。

具体的に挙げると

歌い方の表現が一辺倒

伸ばす音にビブラートをかけられない

喉に力の入った発声法

こんな感じだ。大好きなアーティストの悪い所を書くのは本当に忍びないのだが、事実なので仕方ない。

 

まず歌い方。小田和正の曲は似たようなものが多い(特にバラード)ので、どうしても表現が同じようになってしまう。それでも曲調やメロディーで歌い方にもっとバリエーションがあっても良さそうだが、本当にワンパターンだ。優しく歌って、サビの高音でカーン。たまに声を荒げるような感じ。それのくり返しだ。

次がビブラートと発声法。音楽の授業で聞いたことがある人もいると思うが、歌声というのは腹から出し、頭から抜けるイメージでやるのが一番いい。音が響く。

しかし素人は呼吸が浅いので、どうしても喉で歌ってしまう。高音を出すときなどは特にその傾向が強い。喉を締め付けて締め付けて、無理やり歌おうとする。

これだと聞いている人に不快感を与えかねない。聞いていて苦しさが伝わってくるのだ。逆に腹から声を出せる人の高音というのは、力が抜けているので非常に心地よい。安心して聞いていられる。

小田和正が高音を出しているシーンを見て欲しい。彼の喉に筋が浮いているのがよく分かると思う。これは喉に力が入っている証拠だ。

さらに言うと、高音を出すときに顎を上げるクセがある。これは顎を上げることで、喉を締め付けているのだと思う。先ほども書いたように喉を締め付けると、苦しげな声になる代わりに高音が出やすくなるのだ。

本来であれば、高音だろうが低音だろうが、まっすぐ前を向くのが理想的だ。それが人間の喉が一番開く位置だからだ。よく分からない人は試しに、まっすぐ前を向いて声を出した後に、上を向いて声を出したり、下を向いて声を出してみて欲しい。声が出にくくなるのがよく分かると思う。それが喉を締め付けている現象だ。

理想はクリス・ハートの歌い方。非常に安定しているのは腹を使った歌い方だからだ。高音もクリアに響いている。


クリス・ハート - ラブ・ストーリーは突然に

 

さらに、小田和正は喉に力の入った歌い方をしているために、ビブラートがかけられない。かけていないのではなく、かけられないのだと思う。喉で歌う人だと音に”ゆらぎ”を持たせられないのだ。

伸ばす音では必須とも言えるこの技術がない。これは歌い手としてはかなり致命的だ。

能書きはこのくらいにして

長々と書き連ねてしまったが、これはただの知識だけの話だ。小田和正の歌がヘタだろうがなんだろうが、彼の歌声を聴けば感動する。これだけで十分だ。それなのになぜわざわざこんなことを書いたのか?私は別に自分の知識を自慢したかったわけではないのだ。

そういった音楽的知識を分かった上で、「小田和正はバケモノだ」と言いたいのだ。

テクニックはない。歌唱方法は素人的。なのに聴いた人を感動させ、時には涙を流させることも可能。

技術や理論を無視し、ただただその圧倒的な歌声という最強の矛だけで、我々の心を突き刺している。

あの美しい歌声にみんな騙されているが、小田和正の才能は非常に暴力的なのだ。ワンパンマンのように卑怯な存在なのだ。あんなの努力で届く世界じゃない。持って生まれたもの。欲しくても手に入らない。絶対にだ。

 

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生きている内に作品をもっと

68歳でこれなのだからまだまだクオリティは保てるとは思うが、それでも高齢に差し掛かっているのは間違いない。彼の新しい楽曲も聴きたいのだが、その稀有な才能である歌声をもっと聴かせてもらいたいと私は思う。

小田和正が『クリスマスの約束 』を始めたばかりの頃は、全ての楽曲を彼がひとりでカバーしていた。あれは最高だった。あんなのをもっとやってほしい。数々の名曲たちを小田和正の歌声で聴いてみたい。

彼が生きている内にできるだけやってもらいたい。あんな才能はきっともう、二度と現れないだろうから。

 

以上。