◯名前の由来
どうも、ひろたつです。
私は二児の父です。自分で言うのもなんですが、二人には地球で一番いい名前を付けたと自負しています。
当然それは世に言うキラキラネームというものではありません。
何がそんなにいいかと言うと、名前に託した”意味”ですね。
小学生の頃、授業の一環で「自分の名前の由来を調べる」というものがありました。
家に帰って両親に確認してみると、「画数で調べたら、それが一番良かった」という、そっけないものでした。
三人兄弟の末っ子。上の二人にはそれなりに意味がある名前を付けた父親ですが、三人目でネタが無くなったのでしょう。まさかの答えに私は傷つきました。
そんな悲しい思いを自分の子供たちにはさせたくない私は、必死に考え抜きました。奥さんにダメだしされながら考えた名前は、めでたく地球上で一番いい名前になりました。
ちなみに、二人の名前は連動するようになっていて、もう一人子供ができると自然とネタがない、という私の父親と同じ状況になっています。血とは恐ろしいものですね。どんなに抗っても同じ所にたどり着くという…。
◯キラキラネームを再生する
世の中には私の子供たちとは違って、ふざけているとしか思えないような名前がはびこっています。キラキラネームってやつですね。最初はキラキラって感じでしたけど、最近の傾向を見ると「一発ギャグネーム」って感じですよね。子供の名前を使った大喜利的な。
子供を持つ親としてこの事態には非常に心を痛めております。こんな私にもできることはないだろうか…?
そう考えた私は、お節介にも自分なりにキラキラネームを再生してみようと思いました。
キラキラネームを付けられた子供たちが、自分の名前がイヤで改名しようとしたとしても15歳まではできないようです。
だったらせめて私がステキな由来をつけることで、少しでも浄化することができないだろうか。そんな想いを胸に、私はこの無謀な挑戦に臨んでみたいと思います。
目の前に立ちはだかる壁は非常に高いものです。未熟な私にどれだけのことができるか…。
しかし、できないことだからこそ挑戦する価値があるんです。キラキラネームという強大な壁の前で私が朽ち果てたとしても、せめて「無謀でバカなやつだったけど、心意気だけは認めてやる」と思ってもらえたら幸いです。
◯挑戦
前口上はこんなものにしておいて、
まずはこれ。
振門体(ふるもんてぃ)
凄まじい破壊力ですね。
えーっと、どこから食べたらいいか分からないものに出会ったような気分です。
突破口の狭さに絶望してしまいそうですが、初っ端から諦めるわけにはいきません。ちょっとは食らいついてみましょう。
ここは孫子の言葉を参考にしてみましょう。
孫子曰く、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
じゃあそもそもフルモンティとはなんぞや?ということですね。学のない私は英語にも疎いので、ここはグーグル先生に聞いてみましょう。
まず出てきたのはこれ。
ほう、映画なんですね。これが名作なのであれば容易に最高の由来を付けられそうです。
あらすじ
生活のためにストリップをする事を決意するしがない男たちの姿を描いた英国産のヒューマン・コメディ。イギリス北部のシェフィールドはかつて鉄鋼業で栄えた街だが、今では失業者の溢れる寂れた姿をさらしている。幼い息子の養育費を払う事が出来ずに共同親権を失いそうなガズもそんな失業者のひとり。だが親友のデイヴと共に男性ストリップショーに紛れ込んだガズは女性陣の熱狂ぶりに驚き、何の取り柄もない自分たちでもストリップをすれば金を稼げるのではないかと考えた……。
…。
うん、これじゃないな。
ここは違う入り口でしたね。
次に行きましょう。
そもそも「フルモンティ」ってどういう意味の英語なんだ?って話です。
フルモンティとは?
Full Monty(英:隠語)
全裸、素っ裸、すっぽんぽん、まるだし、フルチン(フリチン)
やべえ!裸から逃げられねえっ!
何なんだよ!なんでこんな名前付けたんだよ、バカ!
…。
ふう…。
すいません。取り乱しました。
覚悟は決めていたのですが、まさかここまで強敵だったとは…。
ん?
まだ下にも何か書いてある。
これは…
全部、徹底的にやる(英国陸軍のモントゴメリー将軍に由来する)
おお!これこれ!こういうの欲しかった!
バーナード・モントゴメリー(wikiより抜粋)
初代アラメインのモントゴメリー子爵 バーナード・ロー・モントゴメリー(英: Bernard Law Montgomery, 1st Viscount Montgomery of Alamein, KG、GCB、DSO、PC、1887年11月17日 - 1976年3月24日)はイギリスの陸軍軍人、政治家。モンティ(Monty)の愛称で呼ばれた。十分な軍備を整えた上で作戦行動に移ることを基本方針としたため、批判もされたが、確実な勝利を得る堅実さで部下の士気を高めた。モントゴメリーとゲオルギー・ジューコフは、第二次大戦中最も成功した「守備的な将軍」だったとも評されている
なるほどね。
ここまでくれば余裕ですね。
振門体(ふるもんてぃ)君。いや、ちゃんか?性別さえも定かではありませんが、きみの名前の意味をここに(勝手に)制定いたします。
第二次世界大戦で最も成功した将軍、「バーナード・モントゴメリー」の愛称である”モンティ”を由来とする言葉、フル・モンティ。
これは「全部、徹底的にやる」という意味を持ちます。
人生は戦いの連続です。勝負をしなければ負けることもありませんが、それでは生きている意味がありません。
「限られた人生を謳歌してほしい!」
「本気だからこそ人生は楽しい!」
「人は結局、裸である」
そんな意味を込めて、きみは『振門体(ふるもんてぃ)』という名前を授けられたんだ。
だから自分の名前を恥じることはないんだ。顔を上げよう。
きみの名前はフル・モンティ。
だから徹底的に自分の名前と戦うんだ。
以上。
次の患者さんどーぞー。
△口一(みよいち)
は?
おでんかな?
これはなかなか重症ですね…。
まずは症状を分析していきましょう。
三角だから「3=み」、四角だから「4=よ」、ということですね。
で、最後に”一”。確かに一角形なんてありませんしね。もしやるとしたらこんな感じですか。
△口・
一角形ですからね。表記するならばそれは”点”になります。
ですがこれだと何がなんだか分かりません。
記号、記号、と来て最後に”一”とまともに漢字を持ってくることで、「これは名前なんですよ」というメッセージを託したご両親の愛を感じさせますね。
う~ん。
それが分かったところで、この名前にどんな治療法がありますかね?
大体にして、3、4、と来てなんで次が1なんですかね。345とか234なら分かりますけどね。
だけどあえてそうしなかった、という所が鍵になりそうです。
3 4 1
これをすべて足すと『8』。
…これか?
一をあえて漢字にした碩学なご両親です。漢字に何か意味を込めた可能性があります。
8を漢字にすると『八』
八という文字は「末広がり」という意味を持ち、日本では古来より縁起のいい文字とされています。
…これはなかなかいいんじゃないですか?
確かに△口一(みよいち)なんてふざけた名前を背負っていれば、それはもう生きにくいことでしょう。私もクラスに△口一がいたら100%からかいます。からかい倒します。
そんな苦しい青春時代を過ごし、からかわれ続け、15回目の桜が散ったその年。△口一(みよいち)は改名することができるんです。
そこからの人生はまさに末広がり。今までの鬱屈を晴らすかのように、存分に、自由に、彼は生きることでしょう。
そんな人生になってもらいたい。そんな人生を獲得してほしい。だからこその△口一(みよいち)。
…。
次!
ビス湖(びすこ)
もう辛い…。
ビスコってあれですよね。
こいつ。
しかもただのビスコではない。ビス湖ですからね。湖ですよ。
は!
まさか…!
ビス湖
あったー!
地名かー。そのまま付けやがったかー。
ビス湖の情報を調べてみたのですが、どこにも載っていません。wikiにすら載っていません。有名な場所ではないみたいですね。
これじゃあ名前の由来を考えようがないです。
強敵を倒してきた私ですが、もはやここまでか…。
…。
まさか…。
そういうことなのか…?!
つまり、「ビス湖」(この時点で私のパソコンは”b”と打っただけでビス湖が出てきます)は、パソコンやスマホで手に入れられるような簡単な情報ではない、ということです。
もし知りたければ、それこそ現地に行って見てみるしかありません。
ここには素晴らしい教訓が含まれています。
”人生は行動あるのみ”
これです。
調べれば何でも分かるこの情報化社会。逆に言えば、調べても分からないことにこそ価値がある、ということです。
ビス湖にはその価値がある、そんな価値のある人間になって欲しい。
そんな願いが込められた名前なんです!
う、美しい…。
こんなにも美しい名前が未だかつてあっただろうか。
ビス湖。バカにして悪かった。お前の名前は最高だよ。絶対になりたくはないけど。
※ここまで記事を書くのにかかった時間=3時間
◯戦績
さて、ここまでの死闘の結果をまとめておきましょう。
振門体(ふるもんてぃ) ⇒ 裸
△口一(みよいち) ⇒ おでん
ビス湖(びすこ) ⇒ おいしくてつよくなる
以上!