日夜、面白い小説を求めて街を徘徊している私。そんな私が小説に求める条件3つを提示しましょう。
言うなれば読書界のヘビーユーザー。私のような顧客から金をむしり取るためにも、小説家を目指している皆さん!必見ですよ!
1. 感情が動くこと
まずはこれ。”感情が動くこと”です。
正直な話、これさえあれば小説の役割はほとんど果たしていると言っても過言ではありません。それほどに私たち読者の感情を揺さぶることは小説の核となります。
それはどんな感情でも構いません。
喜び、悲しみ、感動、といったポピュラーなものから、怒り、不安、恐怖、といったネガティブなものまでどれでもOKです。驚きや不可解なんてのもいいですね。
小説に何を求めますか?と人々に聞いたら山ほど多様な答えが返ってくると思いますが、結局のところみんな求めているのはこれ。「感情を動かしてほしい!」です。
もし「違う!」という本好きがいたら、そいつは本好きではありません。私が言うのだから間違いありません。
なので小説家はひたすら読者の感情を揺さぶる術を模索し続けてください。どんな感情でもいいんだから、簡単じゃありませんか?
2. 没頭させる
物事を好きになるためにはまず没頭という段階を踏まなければなりません。これはホリエモンも語っています。
人はなにかに「没頭」することができたとき、その対象を好きになることができる。
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく | ||||
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読みやすい、と評価される小説が世の中にはありますが、私から言わせるとそれでもまだ不十分です。
圧倒的なリーダビリティを備えた小説は、読んでいることさえ忘れさせます。マジで。
私は幾度もその体験をしてきました。最強の小説たちはページをめくる行為を意識させませんからね。
文字を読んでいるはずなのに、頭の中は映像を見ているかのような状態に入り込んでしまいます。まさに没頭です。一度でもこういった読書体験をしたことがある人は、その魅力に完全に中毒なることでしょう。私がそうです。もう小説の魅力から逃げ出すことは不可能だと分かっています。逃げる気もないけど。
なので文章の推敲は丁寧にお願いします。
日本でも屈指のリーダビリティを備えた貴志祐介は、一箇所の推敲をするために10ページほど前から読み直すという徹底ぶりだそうです。それだけの手間をかけたからこそあのクオリティなのです。みんな見習いやがれ!
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3. 武器があること
これはスパイス的な部分です。なくても成立するのは重々承知です。
しかし、小説を読めば読むほど私たち読者はこういう思いを抱きがちです。
「あの小説と似てるな…」
そう。この世に数多ある小説たちの中で似ているものが存在してしまうのは当然のことかもしれません。
ですがあえて言いましょう。
同じような物語なら生み出す必要はねえ!
そうなんです。同じような感動物語とかもうお腹いっぱい、食傷気味なんです。水戸黄門見てる気分です。
だからこそ自分にしか書けないような作品を生み出してください。自分の武器を見つけてください。
それはあなた自身が何を好きかが分かって、それに価値を付加すればたやすく作り出すことができるものです。
誰にもあるものなのです。だからぜひ、マネではなく自分だけの味を提供してください。マックの店舗にファンは存在しませんから。
以上。小説狂の私が小説に求める3つのことでした。
小説家たちよ、これからも上質な物語を生み出すべく苦しむがいい!
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