かねてより興味があったホリエモンこと堀江貴文氏の著書『ゼロ』を読了しました。
白い背景に堀江貴文自身のものと思われる手書きの表紙。帯がなくなるとこんなにもシンプルな表紙だったんですね。内容を考えると非常にマッチした装丁だと思います。
本好きは表紙から楽しめるのです。
印象的だった部分抜粋
経験とは、経過した時間ではなく、自らが足を踏み出した歩数によってカウントされていくのである。
う~ん、これは無為に10数年を同じ会社で過ごした私にはきつい言葉ですな。
チャンスを見極める目など必要ないのだ。少しでも面白いと思ったら躊躇せず飛び込む。そうしないと、せっかくやってきたチャンスは流れる桃のように過ぎ去ってしまう。
今年はブログの世界に飛び込んでみました。来年も続けそうです。
人生の中で、仕事はもっとも多くの時間を投じるもののひとつだ。そこを我慢の時間にしてしまうのは、どう考えても間違っている。
世の多くの会社員がそうでしょう。ありえない話ですが、もしみんながやりたいことをやったら世の中はどうなるのでしょうか?駅のトイレ掃除とか誰もやらないですよね。
ですが、「やりたいことをやる」という風潮はかなり広がっているように感じます。
人はなにかに「没頭」することができたとき、その対象を好きになることができる。
これはズバリですね。小説も音楽もそうです。忘我の境地は快感ですよね。
人は基本的に怠け者だ。長期的な目標を掲げると迷いや気のゆるみが生じて、上手く没頭できなくなる。そこで「今日という1日」にギリギリ達成可能なレベルの目標を掲げ、今日の目標に向かって猛ダッシュしていくのである。
「1日1%の成長を毎日すると一年後には37.8倍」になるそうですから。
「できっこない」という心のフタさえ外してしまえば、「やりたいこと」なんて湯水のようにあふれ出てくるのだ。
この考えに触れたせいで今の私はやりたいことだらけになってしまいました。みんな目を覚まそうよ!
突き抜けられる人と、そうでない人の違いは次の一点に尽きる。
物事を「できない理由」から考えるのか、それとも「できる理由」から考えるのか。
仕事のときによく感じますね。私の職場には部下が100人ぐらいいて、それぞれの能力をみると大概の人間は不平不満を言うことにエネルギーや時間を費やしてしまうんですよね。…まあ私も似たようなものですが。
「貯金がないと不安だ」と思う人は多い。
なぜ不安なのか?
僕の答えはひとつ。自分に自信がないからだ。
はい自信がありません。なのに貯金もあまりありません。
知識やテクニックを覚えるのは、イチを積み重ねたあとの話だ。
その通り!チャレンジ、チャレンジ!
常識に縛られ、前例を重んじ、新しい可能性や未知へのチャレンジをすべて拒絶し、たとえ20代であっても心がオヤジ化してしまうのだ。酒を飲めば「あの頃は良かった」と思い出話をくり返し、若い世代の頭を押さえつける。
かっこいいおっさんになりたいよね?
「考える」とは。物事をシンプルにしていく行為である。
この言葉は刺さりました。みんな悩むと考えるを混同していますよね。
決断できなければ、いつまでもこの場に留まり、「このまま」の人生を送るしかない。
イヤです。早く決断せねば…。ウジウジ。
ライブドアという会社を失って、未練はないか。
そう聞かれたら僕は「ない」と即答できる。たしかに命がけで育てていった会社だ。誰よりも深い愛着はある。しかし、未練はない。僕はすでに前を向いているからだ。
これは意外な言葉でした。そして後半部分を読んで納得。この男、どこまでも我々の想像を超えてきます。
成功したければ挑戦すること。
挑戦して、全力で走り抜けること。
数撃ちゃ当たるということでしょう。そして全力であれば楽しめると。
僕らは「自分の時間」を生きるのか、それとも「他人の時間」を生かされるのか、を常に意識化しておく必要がある。
そして相手の時間を奪うことを平気になる人間にならないように。はい、話の長い上司を思い浮かべました。
過去を振り返っても事態は変わらず、未来に怯えても先へは進めない。
どこかの大学の講演でも同じことを語っていましたね。とらわれないことの大事さを感じます。
仕事もお金も喜びも、それを独り占めしたところで心は満たされない。みんなとシェアするからこそ、ほんとうの幸せを実感できるのだ。
まさしく!自分のためにやることの消費の早さよ…。
成功者をバッシングするのか、それとも称賛するのか。
これは「嫉妬心」と「向上心」の分かれ道であり、ゼロにイチを足せるかどうかの試金石である。少なくとも僕は嫉妬にまみれた人生なんて送りたいとは思わない。
嫉妬?ありまくりです。なので「改善の余地アリ」としておきましょう。
「他者を信じること」とは、「裏切られるリスク」を引き受けることでもある。
重いですね。それだけ信じることは難しいのです。簡単に信じちゃう人はこのリスクを理解していません。
読みやすい!
堀江氏がどこまで計算して書いたのか分かりませんが、かなり読みやすい文章&構成になっています。編集の方の力かもしれませんがね。読みやすいってのは意外と難しいんですよね。文章を書いている側の頭の中にはイメージが浮かんでいるから「これで伝わる!」と思って書いた文章が、実は読み手には「?」ということは多々ありますから。それだけ簡潔な表現が得意な人なのかもしれません。堀江氏はバラエティにもよく出演しますけど、しゃべりも伝わりやすいですよね。
そんな読みやすさ抜群の本書ですが、上にも紹介した通り堀江氏のエッセンスが凝縮されています。内容としては刑を全うした堀江氏が、全てを失った今「ゼロ」から自分を見直すというもの。まあ半生記ですね。
激烈な母親と武骨であまりにも普通な父親に育てられた幼少期から、収監されるまでに堀江氏がどんなことを経験して、どんなことを感じて、どんなことを考えてきたのかが詳細に語られています。
堀江氏の哲学がどうやって構築されたのかが本書を読むと、かなりスッキリと理解できます。
影響されるか否か
『ゼロ』はホリエモンの半生記ですが、私たちに伝えるメッセージも多数含まれています。そのメッセージは時に過激で、「普通」の私たちの胸に突き刺さることもあるでしょう。
言葉が胸に刺さる。そんな体験は人生の中で貴重な機会です。それを「あ~面白かった」で終わりにするのか、それとも「よし、自分も!」とその貴重な体験を還元するのかは自由です。しかしこの本に関しては影響を受けるだけの価値があります。それだけホリエモンが全てをさらけ出した上の言葉ですし、このホリエモンのマインドが人生にいい影響を与えないわけがないからです。
本物の言葉には力が宿ります。そしてこの『ゼロ』の中には本物の言葉が溢れています。
この貴重な体験をぜひ楽しんでみてください。
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく | ||||
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